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妊娠のために食べて「いい肉」と「悪い肉」

俺は横浜うまれのヘビメタ育ちなのだが、大学を卒業してから千葉に引っ越してきた。横浜も千葉も近いんだから同じようなものと思っていたら、現実はまったくそうではなく、余りにも違いすぎたのだ。

例えば、横浜だと大晦日になるとスーパーが「投売り」を開始して、お客に出血大サービスを行う。お客も安売り目当てに殺到して、1年で最も多くの来客数を記録する。これだけお客が殺到すれば、競争原理が働き、お客も大量に買って帰るのだ。食料品のコーナーが空になるのはこの日だけで、非常に快感なのだ。しかも、お客の方も家には大量の食料品があるから、年越しと年始を非常に豊かな気持ちで迎えることができるのだ。

俺は毎年、この大晦日の年末大バーゲンが楽しみで、喜んで母親と一緒に出かけた。だから、大掃除は12月30日までに終わらすのが、我が家のシキタリなのだ。

ところが、千葉に来ると、この投売りをやってくれる店が少なく、しかも、俺の近くの「ジャスコ」は「年末年始は休まず営業」なのだ。投売りは正月三が日をお店が休むからこそ、お店が投売りをするのだが、年中無休だと投売りをする必要性がなくなってしまう。だから、投売りはしないのだ。

だいたい、正月早々から営業すれば、従業員は出勤せざるをえなくなり、そのためジャスコの従業員たちはブー垂れながら仕事をするのである。そんな店員から商品を買わなければならないお客って、お客として悲惨だよな。いつもは儲けてんだから、正月くらいは休めよ。せめて元旦の日くらいは休んで、従業員たちを家族のもとに帰したらどうなんだい!?

ジャスコのように、商品を安定的に供給するという考えは悪いことではない。しかし、安定的に供給されると、人間はその中でダレテしまうのだ。今年も凶悪犯罪が相次いだが、なぜ平和な日本で凶悪犯罪が起こるのか? それは日本が平和だからだ。平和だからこそ、それをぶっ壊したくなるのだ。だからこそ、人々はお祭りやスポーツイベントやロックコンサートをやって、ガス抜きをしているのだ。

商売も同じで、商品を安定的に供給しようと思えば、安定をぶち壊す販売の仕方を考えなければならないんだ。「投売りの効用」はまさにここにあるのである。日本で最も投売りを得意とする「アメ横」はいつも活気に溢れているし、お客もわんさかとやってくるのだ。あれだけ投売りをやって、アメ横の商人たちは損をした形跡がないのだ。投売りをしてお客を喜ばせるからこそ、大儲けができるのだ。

実をいうと、この人間の不思議な行動パターンは、人間が進化の過程で創り上げられた行動パターンなのだ。太古の人間の食生活は、貧しく質素で、何度も飢饉も見舞われた。いつもは粗食で暮らしている中で、ある日突然、男たちが狩猟で獣を仕留めて帰ってきて、集落はそれこそ大騒ぎになって、お祭り状態になったのだ。

人間はそうやって日々の停滞から脱却して、活性化を図ったのである。これは人間が文明化しても変わらないのだ。文明状態では、「狩猟」から「お祭り」に変わっただけだ。お祭りには肉料理がつきものだ。人間は文明化しても、太古の記憶を絶やさず保ち続けてきたのだ。

それなのに、仏教のように肉食を戒律で禁じてしまったら、人間の精神は異常を来たすだろう。また、無宗教を主張する人たちもまた、自分の肉体に異常を来たし、不治の病に罹ることだろう。人間はどこかでガス抜きが必要なのだ。しかも、それは自分一人でやるのではなく、みんなでやり、しかも肉料理がつきものなのだ。

不妊症患者たちが不妊症をより悪化させていくのも、この人間の行動パターンを無視してしまうからだ。人は結婚してしまえば、独身者との交流は少なくなり、既婚者同士での交流が一気に多くなっていく。しかも、既婚者たちは結婚すれば子供が生まれるから、既婚者同士が集まれば当然に子供の話が多くなっていく。そういう状況下で、不妊症で苦しむ夫婦たちは、子供がいない以上、既婚者同士の交流から弾き出されてしまうのだ。不妊症夫婦の方も、他の夫婦と積極的に交流しようとはしなくなるだろう。

こうくれば、人間関係の悪循環が始まり、不妊症夫婦たちは交流を遮断して、孤立化し始めるのである。この悲惨な境遇で不妊治療を受けに病院に行けば、医者の意見を鵜呑みにしてしまうのは至極当然なのだ。他の夫婦と交流のある夫婦なら、医者の意見を鵜呑みにしたりなんかしないのだが、孤立化している不妊症夫婦なら、他人からのアドバイスがまったくないから、医者の言いなりになってしまうのである。

じゃぁ、不妊症夫婦が他の夫婦との交流に積極的なればいいじゃんというと、そうはできないのだ。どこの夫婦を見ても、既婚者同士で行われるパーティーには、不妊症夫婦は呼ばれないからだ。既婚者同士で行われるパーティーは、子供を産み育てているということが、暗黙の参加条件になっているからだ。

だったら、不妊症夫婦同士でパーティーを開けばいいじゃんと思うが、不妊症夫婦同士でパーティーはまずしないし、たとえしたとしても、会話は盛り上がらないし、場は白けるし、不妊症はより悪化していくことだろう。

となると、不妊症夫婦の場合、どうしても夫婦二人で食事をする機会が多くなるのだが、その時、気をつけなければならないことは、肉料理が多くなってしまうということである。人間は若いと肉を好む傾向にあり、不妊症夫婦は若いのだから、肉料理がどうしても多くなってしまうのだ。

人間の蛋白質の摂取の基本は「魚」からである。肉は人間の進化がほぼ出来上がった以降に摂取し始めたのだ。人間は肉を消化吸収する能力を或る程度まで持っている。しかし、大量に摂取してしまうと、過剰摂取になり心筋梗塞や癌や、そして「不妊症」を発症してしまうからだ。

不妊症を治すなら、肉料理は週に2~3日程度でいいのだ。

妊娠の食べていい肉は、まずは「鶏肉」である。鶏は恐竜の子孫であり、恐竜が絶滅した極寒期で進化した動物だから、食べると体が温かくなるのだ。鶏肉は安いし、味もいいので、料理に重宝することだろう。高級感を出したければ「鴨肉」もいいだろう。

哺乳類は毛の生えている家畜だ。毛が生えている家畜の肉を食べると、体が温かくなるのだ。「牛肉」「羊肉」「馬肉」だ。但し、アメリカ産の牛肉は肉を柔らかくするために合成ホルモン剤が使用されているので、食べない方がいい。それから「霜降り肉」は食べてはならない。ビタミンなどの栄養分がほとんど入っていないからだ。

野性の動物なら、「猪」「鹿」「カモシカ」といった類だ。

これは将来的に輸入してほしい肉だが、「トナカイ」「バッファロー」「ヤク」の肉もいいだろう。

「豚肉」はお勧めできない。毛が生えていない家畜だからだ。食べても、体が温かくならないんだ。妊娠むきではないんだ。豚肉を食べたいのなら、猪の肉を食べた方がいい。

「ハム」や「ソーセージ」のような加工食品もお勧めできない。食品添加物が入っているからだ。

肉料理の基本は「ボイル」だ。お湯の中で動物性脂肪を落とすのだ。

もう一つの肉料理の基本が「じっくりと焼く」。長時間、火にかけることで動物性脂肪を落とすのだ。

危険なのは、「ステーキ」や「焼肉」のように、短時間で火にかけて食べてしまう料理だ。この遣り方だと、動物性脂肪を落としていないので、動物性脂肪の摂取過剰になってしまうのだ。人間は魚の動物性脂肪を処理する能力を持っていても、肉の動物性脂肪を処理する能力を大して持っていないのだ。

しかし、ステーキレストランや焼肉レストランが繁盛している中でまったく食べないというのは、非現実的である。年に数回程度なら行ってもいいだろう。或る程度までなら、人間は動物性脂肪を処理できる能力を持っているのだから。但し、その時は炭水化物の摂取を減らして、できれば、家に帰った後、水で薄めた黒酢を飲むとか、水で薄めたレモン汁を飲むとかして、内臓の蛋白質と脂肪の処理の手助けをしてあげる必要性がある。

和食は肉食を禁止する仏教戒律の影響を受けて、肉料理では評価に値する料理は余りない。牛肉は赤身の所が美味しいのに、敢えて霜降り肉を作り、脂肪が旨いということにしてしまったくらいだ。

肉料理は中華料理やフランス料理やイタリヤ料理の方が参考になる。トルコ料理やブラジル料理も、結構、参考になる。

肉料理は料理が花やかになるので、自分で料理の腕を磨いて、夫婦が「美味しい!」と思う料理を作ることだ。

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