恋愛は「知的オルガズム」の産物
フェニルアラニンは知的興奮を引き起こし、人間が知的活動をする原動力になっている。その知的興奮が高まってくると、知的興奮は臨界点を突破し、知的興奮とはまるで性質の違う「知的オルガズム」という現象を引き起こすのだ。
【知的オルガズムの機能と効果】
知的オルガズムは、「フェニルアラニン」が分泌する「ドーパミン」と、「DL-フェニルアラニン」が分泌する「エンドルフィン」の相乗効果で引き起こされる。
エンドルフィンは基本的に、事故や病気の際に、痛みをやわらげる自然の鎮痛剤としての役割を果たす。しかし、知的興奮によってドーパミンが大量に放出されると、エンドルフィンも大量に放出され、この相乗効果で知的オルガズムが発生する。
フェニルアラニンもDL-フェニルアラニンも、基本的には同じ食品から得られ、敵となる物質や行為も同じものである。
知的オルガズムは、知識の集積が臨界点を突破して、自己変革を引き起こし、本人を新しい世界に突入させ、本人に今まで見えなかったものを見えさせる特異な体験をいう。
例えば、研究をしていて、「あっ、そういうことだったのか!」と感動的な発見をし、それまでの研究とはまるで違う状態になることをいう。。
初めての知的オルガズムは成長ホルモンの関係で10代の頃に経験する。知的オルガズムは10代の頃に体験しないと、その後では体験できなくなる可能性がある。
【知的オルガズムの敵】
知的オルガズムの最大の敵は「学校教育」である。勿論、学校教育がなければ、人間の知的水準は上がらない。しかし、知的オルガズムは、知的興奮が高まってくる時だけに起こるのではなく、既存の体制からの「反逆」がなければ、知的オルガズムが発生しないのだ。そのため、通常的に学校教育を受けてしまうと、知的オルガズムが起こらず、人間的にスポイルされてしまった人間になってしまう。
「知識過剰」も知的オルガズムの敵である。知識が多すぎると、脳はフェニルアラニンを使い切ってしまい、知的オルガズムを発生させるエネルギーを失ってしまうからだ。知的オルガズムの大半は、ある日突然に発生するものであり、勉強の延長で得られるものではないのだ。
「運動不足」も知的オルガズムの敵である。頭を使いすぎて、血液が頭に集中してしまうと、逆に脳の機能が低下するので、知的オルガズムの最大の障害になる。適度な運動をして、頭部に集中した血液を体に分散させることが必要なのである。
「フェニルアラニンとDL-フェニルアラニンの不足」は当然に知的オルガズムの敵である。フェニルアラニンもDL-フェニルアラニンも、通常の日本の食事を取っていれば、これらの栄養が不足することはない。寧ろ、これらの栄養素を破壊する物質を体内に入れるから不足するのである。「化学調味料」「排卵誘発剤」「経口避妊薬」「頭痛薬」「睡眠薬」などは絶対に禁止である。
【自己変革としての知的オルガズム】
知的オルガズムの最大の役割は、「自己変革」である。ある日突然に、自分が劇的に変革するのである。
知的オルガズムの自己変革がどういうものなのか、これは俺に発生した知的オルガズムを例に具体的に説明しよう。
俺は小学生の頃、毎日、外で活発に遊ぶ少年で、本などほとんど読んだことがなかった。しかし、中学生になった時、たまたま学校の帰りに、有隣堂という書店に立ち寄り、そこで「井上靖フェア」をやっていたので、俺は小説『蒼き狼』の文庫本を購入した。家に帰って、この『蒼き狼』を読んだら、知的オルガズムが起こり、俺の頭の中でチンギス・ハーンひきいるモンゴル軍団が疾走を開始し、その後、モンゴルの歴史やユーラシア大陸の諸国民の歴史がアッという間に解ってしまったのである。それ以来、俺は読書家に変身してしまったのである。
もう一つ代表的な例が、俺の処女作『愛と出会いの「恋愛運」の姓名判断』誕生秘話だ。俺の初恋の相手は、非常にカワイイ女性だったのだが、下半身が肥満気味で、しばしば、ダイエットをやっていたことがあった。その彼女と別れて12年後、ある年配の女性から執筆を依頼され、俺は本を書き始めた。ところが、その執筆中に、トリノ五輪があり、女子フィギュアスケートの試合で、あの荒川静香の「トゥーランドット」の滑りを見終わった時、突然にパッと知的オルガズムが起こり、今まで書いていたものとはまったく違う、『愛と出会いの「恋愛運」の姓名判断』のアイデアが浮かび、急いで書き始めたのだ。
この処女作以降、3作ほど本を書き、この「不妊症バトルロワイヤル」もその流れで生まれているのだ。俺は今まで不妊症などなんの関心もなかったが、あの知的オルガズムによって不妊症のことが、簡単に解るようになったのだ。あの知的オルガズムがなければ、この「不妊症バトルロワイヤル」は生まれていないのである。
【知的オルガズムは歴史をも変革させる】
知的オルガズムは自己変革を引き起こすが、その自己変革はその本人だけに留まらず、周囲に伝播していく。
尾張のうつけ者と呼ばれていた織田信長は、義父である斉藤道三と正徳寺で会見し、その会見に織田信長は正装で現れ、斉藤道三に器量人と認められ、織田信長はこの日以降、うつけ者から自己変革し、尾張の国を統一して、天下布武を掲げて爆走していったのだ。
幕末時、吉田松陰は松下村塾を開き、その塾生たちに、幕府や藩を飛び越えて、日本がどうあるべきかを説いた。それまで静かであった長州藩が、松下村塾の塾生たちによって過激化し、倒幕勢力に変換して、江戸幕府を倒して、明治維新を引き起こしたのである。
人間が引き起こす知的オルガズムは、自分自身を変えてしまうだけでなく、歴史をも変えてしまうのだ。
【知的堕落のブラックホール】
知的オルガズムは誰にでも起こるものではない。フェニルアラニンを大量の記憶で消耗してしまうと、知的オルガズムが得られなくなるのだ。
人間が知的オルガズムを引き起こさず、知識の量を増やしすぎると、知的オルガズムとまったく異なる、「知的堕落のブラックホール」に吸い込まれることになる。
世界宗教の教祖たちである「釈迦」「イエス」「マホメット」は、明らかに「知的堕落のブラックホール」に吸い込まれた人々である。釈迦やイエスやマホメットの伝記をいくら読んでも、彼らが10代で知的オルガズムを経験した形跡はまったくないのだ。
フェニルアラニンを知的興奮にすべて使い切ってしまうと、性的興奮や抑鬱効果がなくなってしまい、「知的堕落のブラックホール」に突入してしまうのだ。釈迦やイエスやマホメットの説教をいくら読んでも、ユーラシアがまったくないのはそのためだ。イエスやマホメットが釈迦よりもましなのは、イエスにはマグダラのマリアという娼婦がいたし、マホメットは未亡人と結婚していたからである。
ただ、釈迦は菩提樹の下で、イエスは荒野の中で、マホメットは洞窟の中で、長期間に及ぶ断食をした後、開教している。脳内で、性的興奮や抑鬱効果を消滅させて、知的興奮にすべてのフェニルアラニンを投入すると、「知的堕落のブラックホール」に突入し、その中で世界宗教を思いつくらしい。
「知的堕落のブラックホール」は知的興奮にすべてのフェニルアラニンを使ってしまうと発生するので、通常の人でも、受験勉強を散々して、中高生の頃に知的オルガズムが発生しないと、大学で「社会主義」や「フェミニズム」に洗脳されて、「知的堕落のブラックホール」に吸い込まれてしまうのだ。
社会主義者は私有財産の廃止を訴え、フェミニストは結婚の廃止を訴えている。
社会主義者たちは誰もが自分の財布を持っているのに、私有財産の廃止を訴えるのである。
フェミニストたちは結婚をしたことがないのに、結婚の廃止を訴えるのである。
我々は昭和憲法体制のもとで、フェミニストたちの口から常々「結婚以外にも女の幸せがある」と散々聞かされてきた。
ところが、結婚せずにオバサンになってしまったフェミニストたちの顔はいつもしかめっ面で、結婚して幸せになった既婚女性の顔に遠く及ばないのだ。
どうやら、女性がどんなに働いても、結婚を上回れる幸せはないようである。
不妊症患者たちも、不妊治療を受ける過程で、不妊症の知識を溜め込みすぎて、脳内のフェニルアラニンを知的興奮にすべて使い切ってしまうと、「知的堕落のブラックホール」に吸い込まれてしまう。
散々、不妊治療の受けているのに、不妊症患者が「子供がいなくても幸せになれる」と言ったりするのは、まさに知的堕落のブラックホールに吸い込まれてしまった例であろう。
「じゃ、一体、なんのために不妊治療を受けてるの?」と訊きたくなるね。
【恋愛における知的オルガズム】
実をいうと、恋愛は知的オルガズムによって引き起こされる。
通常、異性を好きになったり、異性と交際したりすることを、すべて恋愛と呼んでしまうが、人間の異性との交際には「恋愛」と「相思性愛」の二つのパターンがある。
「相思性愛」は脳内の性的興奮が引き起こすもので、自分が性的に好きになれば行うことができる。合コンやナンパでの出会いはすべて相思性愛である。
「恋愛」は知的オルガズムが引き起こすもので、ある日突然、自分の好みでもない異性に対して、我が身に電撃が走り、恋が始まるのである。
恋愛と相思性愛が決定的に異なるのは、恋愛は始まった瞬間に、自分の頭に電撃が走るということなのである。それに対して、相思性愛は「自分が好き」という感情から始まるのだ。
恋愛は脳の成長の関係で、小学生では起こらない。早ければ中学生だが、大半は「16歳から19歳の間」で初めての恋が起こる。
人間は恋愛という知的オルガズムを経験すると、それ以前と以後では、自分が完全に変革してしまう。
【恋愛と「青春の飛翔」】
我々は思春期に「少年」「少女」から、「大人の男性」「大人の女性」に変わっていく。
それまで両親のもとでヌクヌクと成長してきた子供に、自我が芽生え、両親から切り離されて、「自立の道」を歩まざるをえなくなる。それまでは両親に従属していた子供が、自立のために、両親に反抗し、教師に反抗して、新たなる自我を試行錯誤しながら確立していくのだ。
だから、自分の家族や自分が通う学校をそのまま認めることができない。思春期において、それまでの自分に大切だったものを否定することによって、反逆を開始していく。
それは自分がこのまま朽ちていくのか、それとも新たなる自分を確立して、生まれ変わっていくのか、という二者択一の凄まじい闘争なのである。
人が恋焦がれる初めての恋愛は、まさにこの時期に行われるのである。
恋愛は「青春の飛翔」を引き起こし、恋愛が生み出す莫大なエネルギーを手にしながら、今までの自分を飛び越えて、新しい世界に突入していくのだ。
そうやって若者たちは社会を革新し、人類を進歩させていくのだ。
社会の革新は、革新政党の年老いた党首や党員たちがするものではない。人類の進歩は、大学の年老いた学者たちがするものではない。「青春の飛翔」を引き起こしている「若者たち」がすることなのである。
若者たちの活気に溢れたパワーが、人類全体を停滞から救い、刷新していくのだ。
人間にとって青春時代が輝かしいのも、青春時代に行われた恋愛が素晴らしいのも、「青春の飛翔」を引き起こしているからなのである。
【あの輝かしい頃のトキメキを!】
青春時代は親に反抗することから始まり、結婚によって終結していく。青春時代はどんなに素晴らしくとも、独身である限り、不安定で、悩み、もがき、苦しみ、迷い、「男としての自立」「女性としての自立」を完成させることはできないのだ。
だが、人は生涯の伴侶と結婚することによって、「男としての自立」「女性としての自立」を完結させ、新たなる家族を独立させていくのだ。
そのため、青春時代を終結させてしまうような恋愛は、最高レベルの知的オルガズムを発生させるのだ。だから、結婚した男女なら、誰もが自分にとって最高のラブストーリーを有するのである。
いかなる作家が素晴らしい恋愛小説を書こうとも、いかなる映画監督が素晴らしい恋愛映画を作ろうとも、そこに描かれている恋愛では、結婚した男女の恋愛には決して及ばないのだ。
なぜなら、それは経験した者にしか解らないからだ。人間が理屈で考え出した恋愛ではないのだ。なぜか、この世でたった一人の異性と、運命の出会いをしてしまい、「結婚の運命」を感じたからこそ、結婚したのである。
理屈じゃないのだ。やってみなければ解らないことなのである。
これ以上、ドラマティックな恋愛を人間が人為的に作り出せることはできないのだ。そして、もうする必要性もないのだ。最高レベルの知的オルガズムとしての恋愛は1回すれば充分である。
結婚は青春時代を終結させてしまう悲しみと共に、新たなら人生が始まる悦びでもあるのだ。そして、もう独りではないのだ。いつも生涯の伴侶がそばにいるのだ。
だから、結婚式では悲しくて涙を流すが、でも心の奥底から嬉しいのだ。
【不妊症という「知的堕落のブラックホール」からの脱出】
不妊症の夫婦が不妊治療の過程で忘れてしまったのは、まさに「あの輝いていた頃のトキメキ」なのである。、
結婚の興奮は3年も経てば鎮まる。
結婚してから、フェニルアラニンを「性的興奮」「知的興奮」「抑鬱効果」の三つにバランスよく使いこないしていかないと、どんなに仲がいい夫婦でもトラブル続きになってしまうのだ。
そうした状況で、不妊治療を受け、知的興奮にフェニルアラニンを使い切ってしまうと、「知的堕落のブラックホール」に突入してしまうのである。不妊症患者たちは、不妊治療の知的興奮にフェニルアラニンがすべて使われてしまっているから、配偶者に性的興奮が怒らないし、抑鬱効果が解除されてしまうので、不妊症患者の誰もが鬱状態になってしまうのである。
こういう観点から不妊症を見ると、不妊症患者たちが「知的堕落のブラックホール」から抜け出すためには、「笑顔」でいることなのである。笑顔でいれば、抑鬱効果にフェニルアラニンが向けられ、知的興奮にすべてのフェニルアラニンが使用されることに急ブレーキがかかるのである。
特に妻が笑顔でいると、不妊症の悪化に急ブレーキがかかるのだ。
妻が笑顔でいれば、夫も妻も、再び性的興奮が湧いてくるものだ。笑顔でいれば、「巨大な幸運」が訪れてくるものなのである。
何か面白いことに笑うのではなく、いつも「笑顔」でいることなのである。
「離婚する夫婦」や「夫婦喧嘩をする夫婦」や「不妊症で苦しんでいる夫婦」に共通するのは、実は「夫婦に笑顔がない」ということなのである。
夫婦の幸福を持続させるのは、実は妻の「笑顔」なのである。
不妊症もまったくこれと同じで、泥沼の不妊治療から抜け出して、子宝という幸福をもたらさせるのは、実は「妻が笑顔でいること」なのである。
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