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「女の出産」と「男の天職」 ~「新しい世界の扉」が開かれる時~

「神秘的オルガズム」というのは、自分の人生の仲で何度か経験する、自分の人生がそれ以前とそれ以後とではまったく異なってしまう、神秘的な現象をいう。

結婚は「神秘的オルガズム」の筆頭だが、女性にはそれに続いて「出産」という神秘的オルガズムがやってくる。

【母性ホルモン】

結婚が「神秘的オルガズム」というとイマイチ解らなかった人もいるかと思う。結婚は運命の相手とのみ結婚できるだけでなく、自分の自由意志でもできるからだ。結婚相手が運命の相手でなければ、神秘的オルガズムは発生しないのだ。だから、結婚して不幸になる人が出てくるのだ。

ところが、出産は否が応でも神秘的オルガズムを経験する。女性の体内から「母性ホルモン」が分泌されるようになるからだ。

母性ホルモンは、女性が妊娠、出産、育児をする際に分泌されるホルモンのことである。母性ホルモンには主に「プロラクチン」と「オキシトシン」の二種類がある。

プロラクチン は、主に脳下垂体で分泌されるペプチドホルモンであり、妊娠意欲、乳腺発育の促進、出産意欲、授乳意欲、育児意欲を行う。プロラクチンが分泌されると、女性はいかにも母親らしい体型になっていく。プロラクチンの副作用によって、女性は乳癌や子宮癌の発症率が激減する。

オキシトシンは、乳児が乳首を吸う刺激によって母親から分泌され、母親自身に非常に深い幸福感や恍惚感を与える。母親が育児に至福の悦びを感じてしまうのは、このためである。

【女の出産】

母性ホルモンは妊娠直後から出始め、出産で一気に放出されるので、女性は出産時に、神秘的オルガズムを経験する。

出産時での神秘的オルガズムは、「フェニルアラニンのドーパミン」と「DL-フェニルアラニンのエンドルフィン」と「女性ホルモン」と「母性ホルモン」の相乗効果で起こるので、非常に深い快感が、女性の身に訪れることになる。

女性は出産以前と出産以後とでは、人生がまるっきり違ってしまい、考え方も激変する。

女性の精神ステージがレベルアップするのだ。

女性は結婚から出産と激変の時代を迎えるのだ。丁度、10代の頃が激変の時代のように、結婚から出産の時期で女性の人生は大きく変わっていく。

だから、「女の出産」は考えている以上に大事なのだ。女性は出産しないと、女性として到達できる場所に、女性として当然に理解できるものが解らなくなってしまうからだ。

そのため、不妊治療を受けて、苦しんでいる妻の姿を見て、夫が「子供なんかいなくても、二人で幸せに暮らしていけるよ」なんて言ってはならないのだ。

不妊症で、「子供ができないことだけが悲しい」のではないのだ。「新しい世界の扉が開かれないことが悲しい」のだ。

夫婦が子供を欲しがるのも、自分たちの子孫を絶やさないためというのも確かにある。しかし、それと同じくらい、出産によって自分の人生が激変し、新しい世界の扉が開く楽しさがあるからこそ、子供が欲しいのだ。

不妊症の夫婦、特に不妊症の妻が苦しみ、悩み、涙を流しているのは、新しい世界の扉が開いてくれないからなのだ。

不妊治療を受けている女性の心の中は、恐らく真っ暗である。もういい加減に次の精神ステージに行きたいのだ。

我々は知っている。「新しい世界の扉が開かれる時、すべてのものはありのままに光り輝くことだろう」ということを。出産は女性にとって、《神の見えざる光》が、我が身を貫く瞬間なのである。

【不妊治療での夫婦の行き違い】

男性がついつい忘れてしまいがちなのは、そこなのだ。

男性は女性の出産に共感しえても、男性は出産という経験を絶対にできないから、子供を産めない女性の苦悩が解らないのだ。

不妊症で深刻になるのは、妊娠できないというだけでなく、夫が妻の気持ちを汲み取っていないということもなのだ。

不妊治療での夫婦の行き違いがあるからこそ、妻は余計に妊娠できなくなるのである。

「では、夫はなぜ、妻の気持ちを汲み取れないのか?」

「それは夫が男として成長していないからだ。」

【男の成長過程】

男は放っておいて「大人の男」になるのではない。男として成長過程を経なければ「一人前の男」になれないのだ。

まず、第一段階の幼年期では、母親から愛され、父親から知恵と礼儀と勇気を貰う時期である。特に大事なのは母親から愛されることで、男の子は母親に愛されることで、自分に自信を持つことができるようになるのだ。

第二段階は思春期で、親元から離れ、更なる知恵や礼儀や勇気を身に付け、修行することによって自分の力で自分を高めていき、冒険旅行に旅立つのである。冒険旅行に行くことによって、自分の実力が本物なのか試すのである。

第三段階は青年期で、世の中に出て様々な経験をすることによって自分の天職を見つけ出し、自分の知恵と礼儀と勇気を発揮して、世のため、人のため、お国のために尽くして、そして結婚することで、やっと「一人前の男」になるのである。

「従属」→「自立」→「独立」という過程を経てのみ、男は一人前の男になれるのである。

「小中高」→「大学」→「就職」というだけでは、男は一人前の男にはなれないのだ。

【男の天職】

男はこの成長過程を経て一人前の男にならない限り、女を守ることはできないし、女の苦悩を汲み取ることはできないし、妻を不妊症から救い出すことはできないのだ。

特に、幼年期で母親から愛されていないとか、思春期で冒険旅行をしていないとか、青年期で天職を見つけていなかったら、一人前の男にはなっていないのだから、不妊症の夫婦で行き違いが発生する訳である。

不妊症の妻たちは、「自分が一生懸命に不妊治療を受けているのに、夫はちっとも自分の気持ちを理解してくれない」と愚痴をこぼしがちだが、夫は自分の仕事を一生懸命に頑張って、自分の天職にしない限り、一人前の男になれないのだ。

こんなことは女性にはないものなのである。女性が仕事をしたところで、ここまで仕事が重要な意味を持つことなどないからだ。

男性は自分の天職を獲得することによって、「神秘的オルガズム」を経験して、一人前の男に変わり、妻や子供たちを守れる力を持った男になれるのだ。それゆえ、男の天職は、女の出産と同じ価値を有しているのである。

妻にとっては、夫が一人前の男になってくれることは絶対に必要なのである。一人前の男から出てくる愛によってのみしか、女を不自然さから救い出し、妻を幸福にすることはできないからだ。

男と女は愛しあえば、それでいいのではないのだ。男も女も精神レベルを上げない限り、本当に愛し合うことはできないのだ。男と女は結婚式を挙げれば、結婚できる訳ではないのだ。夫が妻を「苦しみの海」から救い出せる「男としてのパワー」を持たない限り、本当の結婚にはならないのだ。

普通の夫婦であるならば、その作業は終わっているのだ。しかし、不妊症の夫婦では、それが終わっていないのだ。だからこそ、不妊症は悪化していくのだ。

不妊症で苦しんでいる妻は、自分だけが苦しみを抱え込み、夫の無理解を非難するのではなく、夫が今の仕事を天職にできるように、祝福し、激励すべきなのだ。そうすれば夫は、勇んで働きに出て、自分の仕事を天職にすることができ、一人前の男になって、妻を不妊症から救い出せる力を持った男になれるのである。

世界は自分一人で完結しているのではないのだ。世界は循環しているのだ。すべてのものは巡りに巡っているのだ。

この世は、自分が愛を施せば、より大きな愛が戻ってくるが、自分が愚痴や不平や不満を垂れれば、より大きな苦しみが訪れてくるのだ。

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