ロマンスロードと喫茶店
【恋愛における喫茶店】
俺は子供の頃から喫茶店というものに行ったことがなかった。
喫茶店でお茶を飲むくらいなら、文庫本でも買った方が、俺には有益だと思っていた。
ところが、初めての恋をした時、恋人をどこにデートに連れて行っていいか迷うに迷うことになった。
最初はカラオケボックスに連れて行ったのだが、タバコの臭いが染み付いて厭だし、狭いしチープな作りが厭だったので、そのうちどちらが言い出すまでもなく、違う場所でデートを望むようになった。
そこで偶然に入った喫茶店が「オランダ館」という喫茶店で、この喫茶店が物凄く良かった。店内の広さは適度な広さで、ソファも座り心地が良く、珈琲は非常に美味しく、カップも洗練されたカップで、ケーキも通常では食べたことないほどの美味しさだった。喫茶店に行ったことがないくせに、この喫茶店がほかとは違うというのが解ったのだ。
俺も恋人もこの喫茶店が気に入り、すぐさま常連客になった。
何度も通っているうちに、そこのオーナーであるママさんと仲良くなり、そのママさんの人となりを教えてもらった。なんでも大金持ちのお嬢さんだったらしく、結婚相手も大金持ちで、自分は子育てを終了した後、趣味で喫茶店を開いているとのことだった。
俺は本当にビックリした。この世に趣味で喫茶店を開いている人がいたなんて思いもしなかったからだ。どうりで店のすべてが他の喫茶店とは違う訳だ。
この喫茶店のお蔭で、俺も恋人も会話が弾んで、互いの距離を縮めて、愛を深めていったと思う。
【ビジネスライクで恋愛はできません】
ビジネスマンがビジネスで喫茶店を利用するなら、「ドトールコーヒー」や「スターバックス」を使用したとしても構わない。
しかし、恋愛でこうのような機能的な喫茶店を使用できないのだ。
ビジネスライクだと、恋愛はできないのだ。なぜなら、恋愛はビジネスではないからだ。
恋愛にはどうしても、非合理的で、大人のムードを重視した喫茶店が必要なのだ。こういう喫茶店を恋愛の早い段階から使用しないと、互いのことをうまく理解できなくなるのだ。
実際、恋愛でうまくいっていない男女を見ると、交際すると、すぐ食事に行ったり、ドライブにいったり、挙句の果てはすぐラブホテルに行ってしまったりと、互いのことをゆっくりと理解していくという恋愛テクニックの初歩的なものさえマスターしていないので、すぐにセックスするが、すぐに別れてしまうのだ。
こういう女性たちが「恋多き女」を自称しても、俺はただ単に「セックス多き女」と思ってしまうのだ。
【結婚しても恋人気分を味わうなら】
結婚してしまうと、結構、時間が足早に去っていく。独身時代はいかに無駄に時間を持て余していたかの現れなのだが、この時間の流れに押し流されてしまうと、あっと言う間に時間が過ぎ去ってしまう。
そこで、たまにはこの時間の流れを断ち切って、夫婦でどこかに出かけるのだ。
ブラブラと散歩して、気に入った喫茶店で、一服するのだ。
好きな散歩コースを自分たちで作り上げて、「ロマンスロード」と名づけて、散歩の定番コースにしてしまうのだ。
喫茶店は。珈琲が美味しく、暗くてシットリの雰囲気のある店がいい。
暗くてシットリの雰囲気と愛の深さは正比例するのだ。
逆に、喫茶店の珈琲がまずくて、明るくて賑やかな雰囲気の店はパス。
明るくて賑やかな雰囲気と愛の軽薄さは正比例するのだ。
特に、不妊治療を受けている夫婦の場合、不妊治療のことで頭が一杯になってしまい、夫婦で愛し合うことさえ忘れてしまっていることが多々あるので、たまには喫茶店で珈琲を飲んでゆっくりとするのもいいんじゃない。
1ヶ月ごとでもいいし、3ヵ月ごとでもいい、たまには日常の時間の流れを断ち切って、夫婦で余裕を持つことが大切なんだ。
結婚しても恋人気分を味わうなら、こういう習慣をきっちりと持つべきだろう。
【珈琲の名店】
行きつけの喫茶店を1つ持っておくと、喫茶店の良し悪しが解るようになるので、非常に有益なのだ。
仕事やプライベートで喫茶店を使用する際、お店選びを間違うことなく選べるようになるのだ。
例えば、仲のいい友達同士でお茶を飲もうということになって、まずい珈琲を出す喫茶店に入ってしまったら、友情にヒビが入りかねない。
こういう時にスムーズに美味しい珈琲を出してくれる喫茶店を見つけ出せるなら、友情だって深まるし、有益な会話だってできるだろう。
喫茶店は、人里離れた所で開いている喫茶店に意外と名店が多いので、夫婦で旅行に行った際、ピンと来た店があったら、是非、立ち寄ってみよう。
こういう喫茶店は、大抵が偏屈なオヤジか、物好きな夫婦がやっている場合が多く、通常に生活している人達では知りえない情報を持っていることがあるので、不妊症に効く薬草とか、不妊症に効く温泉とか、知っていることがあるのだ。
迷信じみたものでも、子宝に恵まれれば、万々歳なのだから、試してみる価値はあると思う。
これは喫茶店ではないが、山小屋の珈琲というのは、格別に美味しい。
たまには夫婦でハイキングに出かけ、山小屋で珈琲を一服する。そうすると、世俗のことや、不妊治療のことを忘れてリラックスできるのだ。
こういう気分転換が不妊症を克服するきっかけになるかもしれないのだ。
大事なことは、人生に余裕を持つこと。不妊治療のことで頭を一杯にしてしまわないことだ。
【江戸千家?】
このブログを書いている最中に、うちの母親に「お母さんは、表千家、裏千家どっちに教わったの?」と訊いたら、
「江戸千家」
だって。
「江戸千家? そんな千家あんの?」
と訊いたら、「ある」と言うから、インターネットで調べてみたら本当にありやがんの。
江戸千家。
へ~、今まで生きていて知らんかった。
じゃあ、それなら江戸千家に対抗して、「千葉千家」でも開いてみようかな。
俺の母親は結婚後、その江戸千家に茶道を習ったので、抹茶の立て方が本当にうまい。俺が自分で抹茶を立てても、母親のようにはならんのだ。
珈琲は美味しく入れる技術さえマスターすれば美味しく入れられるが、抹茶は技術だけでなく、お持て成しの心がないとうまく入れられないらしい。
考えてみれば、美味しい珈琲の喫茶店はあっても、美味しい抹茶の喫茶店は余りないのだ。
だから、茶道を少しは習って、美味しい抹茶を立てられると、人生の豊かさがまるで違うことになる。
家に客人が来た時とか、夫婦で話し合いをする時とか、抹茶を立てれば、余裕を持って話すことができるのだ。
ただ注意すべきことは、抹茶は体を冷やす効果があるので、冬場は抹茶を飲むのをやめておいた方がいいだろう。
【紅茶でお茶会】
女性が何人か集まって飲む時は、紅茶の方がいい。
紅茶は体を温める効果があるので、女性に適した飲み物なのだ。
イギリスやロシアといった寒い地域では、紅茶が飲まれている。
しかも、紅茶でお茶会を開くと、会話が弾むので、イギリス人女性もロシア人女性も会話が非常に上手いのだ。
不妊症の妻は、不妊治療で深刻になってしまうので、たまには仲のいい女性友達を何人か集めて、ティーパーティーでも開いて、不妊症のことを忘れて、ガールズトークで盛り上がって、気分転換を図ろう。
不妊症という悩みを独りで抱え込んだり、夫婦二人で抱え込んでしまったら、深刻にならざるをえなくなってしまう。
だから、不妊症のために、自宅と病院を行き来する生活をするのではなく、そこから一旦離れて、冷静になり、余裕を持つことが大切なんだ。
【不妊症で殺されることはない】
不妊症というのは当事者にとっても、夫婦にとっても深刻な悩みであろう。
が、かといって、不妊症がどんなに深刻な問題でも、不妊症で殺された人は1人もいないのだ。
戦後民主主義教育で育った人々は、「自由」とか「個性」をやたらに強調して、自我を極限までに肥大化してしまい、自分自身を冷静に見るということをなくしてしまっているのだ。
そういう肥大化した自我を捨てた方が幸せになるということもあるのだ。
不妊症で悩んでいる自分は、「本当の自分」ではないはずだ。
冬の寒さに「寒い寒い」といっている自分は、冬の寒さに対応した自分であって、本当の自分自身ではない。
夏の暑さに「暑い暑い」といっている自分は、夏の暑さに対応した自分であって、本当の自分自身ではない。
これらと同じで、不妊症に悩んでいる自分は、不妊症に対応した自分であって、本当の自分ではないのだ。
そういう世俗の悩みから心身脱落した境地にこそ、本当の自分があるのだ。
だから、たまにはお茶でも飲んで、不妊症から離れてみることだ。自分が冷静になって、本当の自分に気づいた時、不妊症の解決策が見つかるかもしれない。
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