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妻主夫従は不妊地獄を招く

●不妊治療の最大の特徴「妻主夫従」

不妊治療の最大の特徴が、「妻主夫従」であると言われている。病院の不妊治療では、不妊症の女性が、我武者羅になって、夫を置いてけぼりにして、一人で不妊治療を受ける羽目になるのである。

不妊治療における夫婦の問題点で、これこそが最も重い問題点であろう。

妻が夫を立てないと、夫婦の愛は流れなくなるのだ。「妻主夫従」では、妻は夫の愛を感じられなくなるのだ。

日本で幸せに暮らしている夫婦というのは、大抵、「夫唱婦随」である。夫婦が夫唱婦随で然るべき所に治まり、子供たちが元気よくいて、家の中に賑やかな声と笑顔で満ち溢れているのだ。

「夫唱婦随」といっても、妻が常に夫の言うことに従っているのではなく、重要な決断は夫の意見に従うが、それ以外では妻に任してあるのだ。夫唱婦随の夫婦に限って、妻の自由裁量の部分は大きいのだ。

夫唱婦随だと夫の意見も妻の意見もちゃんと通るから、夫婦での会話が弾むのである。

そして、緊急時では、妻が「女の直感」を働かして、夫や子供たちの窮地を救うのである。

本当の夫婦の有るべき姿は、「夫唱婦随」であって、「亭主関白」でも、「カカア天下」でもない。増してや「妻主夫従」でもないのだ。

不妊症の夫婦が、「妻主夫従」の夫婦関係を築いてしまうということは、夫婦の意思疎通が図れていないし、夫婦の愛も流れていないのだ。

●男性愛と父性愛

夫が出す愛には2種類ある。

それは「男性愛」と「父性愛」だ。

「男性愛」とは、自立した男である男性が、男として、夫として、妻を愛してあげることである。

「父性愛」とは、独立した男性が、父親として、妻を愛してあげることである。

男性愛は、結婚前には主として出されていたものだが、結婚すると、父性愛を出されないと、夫婦の関係が成熟せず、うまくいかなくなるのだ。

父性愛は「絶対価値の愛」だから、この父性愛を出してもらわないと、妻は苦悩と迷いの中から抜け出せなくなるのだ。

夫が妻に対して「父性愛」を出すからこそ、妻が苦悩と迷いから抜け出せて、夫婦の生活に絶対的な価値を見出して、幸せに満ち溢れて、生活を楽しむことができるようになるのだ。

●父性厳

男性愛と父性愛をちゃんと出せる男性は、妻に対して「父性厳」をも出せるのだ。

「父性厳」とは、夫が夫婦や家族という観点よりも高い所から、何が正しいかを指し示すことである。

父性厳における正しさは、科学的に正しいとかいうものではなくて、夫が夫婦や家族の安全を守るために、正しさを示して、外敵の侵略を排除することである。

男というものは、愛があるなら、厳しくできるのだ。

ただ、忘れてはならないのは、愛がないのに、厳しくすると、人間関係は破壊されてしまうのだ。

といって、愛だけで、厳しさがないと、堕落した関係になるのだ。

不妊症の夫婦の場合、夫が父性厳を出してくれないために、妻が不妊治療でいくら苦しんでいようと、まったく放置するのである。

普通の夫婦では、まったく考えられないような態度を取るのである。

●人間の成長過程によって出てくる愛は異なる

人間の成長には3段階ある。

「従属」「自立」「独立」の3段階である。

「従属」は、生まれてから12歳ぐらいまでである。この時期には、子供は両親に従属して、両親からたくさんの愛と厳しさを貰う時期なのである。

従属時代の特徴は、「我儘」と「同化」である。とにかく子供は我儘で、親の言うことを聞かないのだ。子供は自分の我儘を抑え、自己統御の基本を見つけ、社会生活が営めるようにしていくのだ。そして、自分の我儘を抑えたからこそ、余所の子供たちと同化でき、自分は家族の一員だけでなく、社会の一員であることを確認するのである。

自立は、13歳から結婚するまでである。この時期は、子供は両親から離れ、修行する時代であり、男性は冒険旅行をすることによって、男として自立していくのである。

自立時代の特徴は、「苦悩」と「迷い」である。とにかく、この時代は苦悩し、交友でも本物の友情と偽物の友情を識別し、教えを請うべき師匠と無能な師匠を識別して、散々迷いながら、自立していくのである。

男性にこの時期に絶対に行わなければならないのは、冒険旅行であり、家族や学校から離れて、自分の実力を試す冒険に出かけるのである。その冒険旅行の中で、自分の本当の敵を見出すのだ。

本当の敵、それは「自分の心の中にある父親の姿」だ。

自分に不自然をもたらしているもの、それは自分の心の中にある父親の姿だからだ。男性はこの不自然なるものを、冒険旅行の中で撃破していくのである。

男性はこの作業経てのみ、男として自立できるのである。

独立は、結婚してからである。この時期は、男性は「自信」と「知恵」と「勇気」を持って、妻と子供たちを守り愛し、世のため、人のため、お国のために貢献していくのである。 

独立時代の特徴は、「前進」と「創造」である。男性の心の中に「苦悩」と「迷い」がないから、全速力で前進することができ、創造していくことができるのである。

不妊症の女性にとって、夫がちゃんと独立して、「自信」と「知恵」と「勇気」を発揮してくれないと、女性は夫に「共感」と「支援」と「協働」を行うことができず、「苦悩」と「迷い」の中に彷徨い続けなければならなくなるのである。

結婚した女性は、男性愛と父性愛を貰うからこそ、女性愛と母性愛をちゃんと出せるのである。夫が父性厳を示すからこそ、「苦悩」と「迷い」は打ち砕かれて、夫婦は全速力で前進できるのである。

男性愛なら、自立時代になら出せる。

しかし、父性愛や父性厳は、男性が独立してくれなければ出せないのだ。

●青春時代に苦悩していないと

不妊症の女性に意外と多いのが、青春時代に「苦悩」や「迷い」を経験していない女性たちなのである。

中学生や高校生の頃に、両親の意見に従ってしまったり、教師の意見を鵜呑みしたり、勉強やクラブ活動だけを行ってしまい、青春時代特有の「苦悩」や「迷い」を経験せずに、成人式を迎えてしまったのである。

青春時代に「苦悩」や「迷い」を経験していれば、大人になってから、難問が立ち塞がっても、或る程度までなら、自分の実力で解決できる力がつくのである。

ところが、青春時代に「苦悩」や「迷い」を経験していないと、大人になってから、立ち塞がる難問を処理できなくなるのである。いつも他人に頼ってくるのである。

そして、自分が「苦悩」や「迷い」を経験していれば、自立できた男性の見分けがつくはずである。そういう男性と友人になるなり、恋人になるなり、そしてその中から選んで結婚していけばいいのだ。

ところが、自分が「苦悩」や「迷い」を経験していないと、自立できた男性の見分けがつかず、自立できない男性、即ち、大人になっても両親や教師や上司に従属しているだけの男性を選んでしまうのである。

これが所謂「ダメンズウォーカー」なのだが、こういう場合、その男性が駄目な以上に、そういう男性ばかりを選んでしまう女性の方に遙かに問題があるのである。というのは、その女性は自立できていないし、未だに自分自身が両親に精神的に従属しているのである。

これは「ダメンズウォーカー」という言葉を生みだした倉田真由美が、自分が産んだ子を育てず、両親に子供を預けて、自分は男と遊びまわっているという異常な光景をみても、倉田真由美が自立していないというのは、明らかであろう。

●愛があればいいわけではない

キリスト教が世界中に広まったお蔭で、現在では「愛」が至高の地位を獲得している。

これほど愛が叫ばれる時代の中で失われたもの、それは「父性愛」であり、「父性厳」であるのだ。

「愛こそすべて」と思い込んでいる人は、自分が人を愛していけば、万事うまくいくだろうと思い込んでいるのである。

ところが、現実は、そうはうまくいかないのである。

愛が最高だと思っている人は、精神的に何も成長していないから、「人間としての愛」、即ち「人類愛」を出してくる。

だが、人類愛で恋愛することはできないし、増してや結婚することもできないのだ。

これは、アガペーを叫ぶキリスト教徒の家庭で、突如、夫婦が不幸に襲われたり、突如、子供がおかしくなったりするのは、そのためなのである。

まずは精神的に自立して、男は男らしくなって「男性愛」を出し、女は女らしくなって「女性愛」を出すべきなのである。

人間が自立するということは、両親から自立し、教師から自立し、キリスト教徒がいうような「神の僕」をやめることなのである。

人間は自立したからこそ、自分の頭で考え、自分の足で行動することができるのである。

その上で、精神的に独立して、男性は「父性愛」と「父性厳」を出し、女性は「母性愛」を出すのである。

父性愛がなければ、本当に価値あるものが見えてこない。

父性厳がなければ、何が正しいのかが解らなくなるのだ。

母性愛を出せなければ、自分が結婚した男性を絶対的に肯定できなるし、自分のした結婚をも絶対的に肯定できなくなるのだ。

男女平等を唱えると、男性も女性も自立せず、独立もできないから、まともな愛を出せなくなるのである。こういう状況でいくら恋愛をしても、まともな恋愛にならないし、たとえ結婚しても、まともな愛がないから、不倫に走り、すぐに離婚してしまうのである。

不妊症の夫婦の場合、いくら夫婦仲がよくても、夫婦が精神的に独立しなければ、「父性愛」も「父性厳」も「母性愛」も出てこないのだ。自立していなければ、「男性愛」も「女性愛」も出てこないのだ。いくら夫婦の仲がよくても、夫婦の愛が流れていないのだ。

ところが、不妊症は女性にとって不妊は深刻な悩みだから、どうしても妻が主導権を発揮して動かなければならなくなるのである。しかし、独立も自立してないので、夫と共感することもできず、支援することもできず、協働することもできず、結局一人で不妊治療を受けざるを得なくなるのである。

こうなれば。後は不妊治療が泥沼化するだけである。

まさに「妻主夫従」は、不妊地獄を招くのである。

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コメント

やっと父性愛の部分読めました。
子供が3人いて夫とも3人目は頼みたいことは頼んで、残りは自分が専業なので請け負って仲良く暮らせています。1人では無理な事も増えたので協力してくれて大きくなったからか上2人と出掛けてくれたりもします。ですが、最近私は両親に従属的にやってきたと気づき、やめようと思いましたし、夫も親の言うことに従っているようにも見えます。でも夫は知恵と勇気と自信があるように思いますし前進と創造しています。私が迷いと苦悩につかまっていましたが、夫は先を行っていたのかもしれませんね。共感支援協働を前向きに取り組んで行きたいです。

投稿: めろん | 2020年9月12日 (土) 01時45分

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