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不妊治療において、もっともホットな代理母問題 ~なぜ、代理母問題は泥沼化したのか?~

●谷本歩実選手、優勝おめでとう!

女子柔道63kg級で、谷本歩実選手が全試合オール1本勝ちで優勝! 

スゴイ! 凄すぎます!

谷本歩実選手は、外国の選手がポイントを取っていく柔道に対して、1本を取っていく柔道を貫くべきか、相当悩んだそうなのである。

恩師に相談したり、自問自答した末、1本を取っていく柔道を貫くことを決めたのである。

それが今回の優勝の原動力になったのである。

しかも、今回のオリンピックではもっとも美しい勝ち方をした。まさに「芸術的な柔道」である。

いつもはフレンチ・ペグのような顔をしている谷本歩実選手が、今回は世界で最高の笑顔を見せてくれた。

本当におめでとう!

●代理母には2種類ある

さて、今回は不妊症患者たちにもっとも関心のある「代理母問題」を取り扱う。

実を言うと、代理母というのは2種類ある。

「人工授精型の代理母」と「体外受精型の代理母」である。

①人工授精型代理母(卵子提供型代理母)

人工授精型代理母は、妻の卵巣と子宮に問題があり、妊娠が不可能な場合、夫の精子を代理母の子宮において人工授精を行い、代理母に妊娠させ、出産してもらうのである。

この場合、遺伝子上は夫の子供ではあるが、妻には子供と遺伝子上の繋がりはない。

②体外受精型代理母(借り腹型代理母)

体外受精型代理母は、妻の子宮に問題あり、妊娠が不可能な場合、夫の精子と妻の卵子を体外受精させ、その受精卵を代理母の子宮に移植し、代理母に妊娠と出産を行ってもらうものである。

この場合、遺伝子上は、その不妊症の夫婦の子供である

●代理母問題はなぜ揉めに揉めたのか?

この代理母問題は、現在に至るまで長期間にわたって揉めに揉めまくっている。

なぜ、こんなことになってしまったのか?

実を言うと、日本産婦人科学会は、当初から代理母には肯定的な見解を示していたのだ。

日本産婦人科学会は、人工授精型の代理母を認めようとしていたのである。卵巣も子宮も駄目になっている不妊症の女性に、不妊治療を行って妊娠させることはできないからだ。

日本産婦人科学会が首尾一貫として否定してきたのは、体外受精型の代理母である。妻が卵子を排出できる以上、妊娠を困難にさせている子宮を治療すれば、妊娠できると考えたからなのである。これは医学的な見地から見て、非常に正しい見解を示していたのだ。

日本産婦人科学会で、代理母といえば、人工授精型の代理母のことであり、体外受精型の代理母は、「借り腹」といって、代理母とは認めてこなかったのである。

では、なぜ問題が泥沼化したのか?

①代理母問題の議論を尽くさなかった

日本産婦人科学会が、なぜ人工授精型代理母を容認しようとしたのかといえば、人工授精型代理母というのは、実は非配偶者間人工授精の男女が逆転したものだからだ。

夫の精子に問題がある場合、第三者の男性の精子を使って人工授精を行い、妻に妊娠させている以上、妻の卵子に問題がある場合、第三者の女性の卵子を使って人工授精させ、その代理母に妊娠してもらうということは、日本の医学の発展の流れからみて当然の流れのはずだったのだ。

しかし、非配偶者間人工授精が、戦後のドサクサに、充分な議論を尽くさないで、一部の医者たちが成し崩し的に行ってしまったことが、人工授精型代理母の容認に大きなブレーキをかけてしまったのだ。

不妊症の夫婦に、いくら妊娠が困難になっているからといって、非配偶者の子供を産ませてしまうことは、医学的な理論や医療技術上、それが可能だったとしても、それが日本国民にとって倫理的に認められるものかどうかを、徹底的に議論しなかったのだ。

非配偶者間人工授精の時ですら、一部の医者たちが勝手に決めてしまったぐらいだから、人工授精型代理母問題の時も、日本産婦人科学会の医者たちだけで議論しているのだ。だから議論に決着がつかないのである。

この問題は、日本国民に倫理的に認めてもらうためには、医者たちだけで議論するのではなく、不妊症の夫婦を参加させるのは勿論のこと、学者やジャーナリスト、政治家や官僚や、一般市民に参加してもらい、議論を深めていくべきだったのである。

それをしなかったからこそ、代理母問題が、今日まで揉めに揉めているのである。

②闇治療を行う医師たちの出現

第二の原因は、日本産婦人科学会が代理母問題で揉めていた時に、一部の医者たちが闇治療を行い、代理懐胎をさせてしまったことなのである。

代理母というのを、どうやって倫理的に認めてもらおうかとしている間に、一部の医者たちが、非倫理的に、勝手に代理懐胎を行ってしまったのである。

実をいうと、代理懐胎は闇治療でかなり行われていたのであり、日本産婦人科学会はこれを把握すらしていなかったのだ。

しかも、その闇治療を行っていた医者が、代理懐胎をマスコミに公表したら、日本産婦人科学会はその医者を除名処分にしたのだが、この医者が後に日本産婦人科学会に復帰しているのだ。

これでは日本産婦人科学会が闇治療を容認していると推定されても仕方ないのだ。

③法律の問題を軽視した

第三の原因は、代理母問題は、実は法律の問題であるということを軽視したことである。

なぜ、非配偶者間人工授精が容認されてしまったかといえば、この非配偶者間人工授精は遺伝的に夫の子供でなくても、現在の民法では夫の子供として認められからなのである。

非配偶者間人工授精は、民法の欠点を突いて容認できたのである。

しかし、代理母では、遺伝子上は夫の子供であり、または夫婦の子供であったとしても、現在の民法ではその代理母の実子として扱われてしまうのである。

それゆえ、これは医学の問題だけではなく、法学の問題でもあるのだ。

だから、医者たちだけで議論するのではなく、法律家たちに参加を促し、議論を尽くしてもらうしかないのである。

ところが、日本産婦人科学会は、これを怠ったのである。

以上、これら三つの原因から解るように、日本産婦人科学会の医者たちが独善的な態度でいたからこそ、この代理母問題は泥沼化することになってしまったのである。

代理母問題は不妊症の夫婦にとって重大な問題なのである。

それにも拘わらず、不妊症の夫婦たち不在の議論が、日本産婦人科学会で延々と行われ続けたのである。

谷本歩実選手が、自分の柔道に対して真剣な議論を行って、1本を取りに行く柔道を貫いて、「芸術的な柔道」を完成させたのとは逆に、日本産婦人科学会の医者たちは、代理母問題に真剣な議論を行わず、「醜悪な代理母問題」を作り出してしまったのである。

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