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「自立なき独立」と「偽りの万能感」  ~代理母問題の背後にあるもの~

●代理母問題の背後にあるもの

不妊症の女性で、代理母問題に関心がある女性は、代理出産というのは、不妊症の女性に子宮や卵巣に障害がなければ使用できないという事実は、ショックなことであろう。

代理母が簡単に認められないのは、代理出産をしなくてもいいはずの不妊症の女性が、自分の不妊症を克服できないばかりに、手を出してくることだからなのである。

そのために、日本産婦人科学会は、いくら不妊症患者たちから批判されようとも、無条件で認めようとはしないのだ。こういう態度は、いかに頑ななものであろうとも、評価できるのだ。

不妊治療には「9」という数字がつきまとうのだ。

不妊症の女性で9割方は、実は不妊治療を必要としない女性なのである。食生活の改善や、夫婦の性生活を改善すれば、簡単に妊娠できるのだ。

不妊治療を受けている女性で9割以上の女性は、病院での治療を受けていただけではなく、漢方薬を服用していたのだ。

不妊治療がうまくいかない女性たちは、すぐに代理出産を選択肢のうちに入れようとするのだが、その女性たちが自分の食生活を改善したり、夫婦の性行為を改善したり、漢方薬を服用して、病院以外での不妊治療以外で、自分の不妊症を克服するために方策を打ち出そうとはしていないのだ。

医者の意見を鵜呑みにして、不妊治療が泥沼化し、そこから抜け出そうと、代理出産を選ぼうしてくるのだ。

本来的には代理出産が必要でないのに、代理出産を選ぼうとしているのだ。

●偽りの万能感

代理母問題の背後に潜むものは、実は「偽りの万能感」なのである。

医者に対して全知全能を要求し、それによって自分の病気を救ってほしいと思っているのだ。

人間は他の動物に比べて、体の割合に頭がでかいので、出生直後に自分で動けない動物なのである。

動物のほとんどは生まれた直後に自分で動けるようにできている。人間と近いとされるチンパンジーやゴリラの赤子でさえ、生まれた直後から自分で動けるのだ。

しかし、人間は大きな脳味噌を持ってしまったがために、生まれた直後、自分で動けず、両親の育児に頼りながら生存をせざるをえない動物なのだ。

人間は両親の世話を長期間にわたって受けるからからこそ、自分の知能を高くすることができ、万物の霊長として、この自然界に君臨することができるのだ。

しかし、その反面、代償として、自分の両親に対して、全知全能だと思い込んでしまうということが起こってしまうのだ。

自分で料理することがきない子供の前で、母親が料理を作るところを見てしまえば、自分の母親は、全知全能だと思い込むことだろう。自分が労働することができない子供の前で、父親が仕事で成果を上げるところを見てしまえば、自分の父親は全知全能だと思い込むことだろう。

こういう全知全能感は、子供の頃に持つなら、それは健全なことであろう。

しかし、それは子供のこ頃に持つことが許されるだけであって、自分が大人になっていけば、自分の両親に対する全知全能感は失われていくのだ。

母親がいくら料理ができたところで、自分が成長して自分で料理することがきるようになれば、母親に対する全知全能感は失われていくはずだ。

父親がいくら仕事をしたところで、自分が成長して仕事をするようになれば、父親に対する全知全能感は失われていくはずだ。

●自立する苦しみ

男の子も女の子も、中学生になれば、両親の庇護から自立し始める。

自立は人間の成長には必要不可欠であっても、自立は気分よく行われるものではないのだ。

自立は「不安」と「葛藤」と「挫折」の中で行われるものなのだ。

自分の両親への全知全能感が崩れ始め、自分で自分の能力を使って思考し、行動していかなければならないからだ。

自立が行われる青春時代は、決して喜ばしいものでも、明るいものでもなく、不安だらけで、心の中は葛藤だらけで、自分の考えや行動に対して、幾度も挫折が襲いかかってかくるのである。

若者は傷つきながら、両親から離れ、自立していくのである。

人間が自立するということは、他人に対しても、自分自身に対しても、全知全能感を捨て、自分の思考と行動で成果を勝ち取っていくという精神的な態度を取り始めるのだ。

それこそが「自立」なのである。

しかし、青春時代に「自立のための試練」を経験していなければ、大人になって自立することができなくなってしまうのだ。

現在の完備された教育制度では、青春時代に自立のための試練を経験することなく、ただ勉強していれば大学に進学できてしまうので、自立ができない人たちを産んでしまうのだ。

自立できない人たちがいる証拠は、社会主義やフェミニズムが存在していることである。社会主義は全知全能なる国家権力で貧富の格差を解消しようとし、フェミニズムは全知全能なる国家権力で男女の性差を解消しようと躍起になっているのである。自分の両親に代わって、国家を全知全能と見做してくるのである

精神的に自立していないからこそ、こういう全知全能なるイデオロギーに取りつかれてしまうのであろう。

●心が歪んだ大人たち

代理出産が必要でもないのに、不妊治療がうまくいかないがために、代理出産を求める不妊症の女性たちは、社会主義者やフェミニストたちが国家権力に全知全能を求めているように、医者に全知全能を求めてしまい、代理出産で自分の不妊症を克服できると思ってしまうのであろう。

こういう不妊症の女性たちに不妊をもたらしているのは、肉体的原因以上に、精神的な原因なのである。

余りにも恵まれた条件で育ってしまったがために、精神的な自立ができていないのだ。

女の子たちが魔法に憧れるのは別に構わない。男の子たちが戦闘ロボットに夢中になるのは別に構わない。子供が親から離れていく時に、魔法や戦闘ロボットに全知全能を委託することは、当然にありえることだからだ。

しかし、人間が成長していく過程で、そういう全知全能感は捨てざるをえないのである。

もしも、漫画の『ドラえもん』のように、いじめられっ子の「のび太くん」に、未来から「ドラえもん」が派遣されてきて、「のび太くん」がいじめられないように、未来の発明品を与えてしまえば、「のび太くん」はその万能な発明品によって、いじめられることから逃れることはできても、決して精神的に成長することができないのだ。寧ろ、「のび太くん」は精神的に歪み、全知全能感を最大限に膨らました異常きわまりない大人に成長することになるであろう。

そして、いつの日かその全知全能感は大爆発を起こして破裂してしまい、その時、何もできない、自立もしていない、子供のような大人が、ただ呆然とそこに現われてくるのだ。

「心が歪んだ大人たち」の誕生である。

心が歪んでいるから、体も歪み、病気を発症してしまうのである。

●自立なき独立

人間は両親の養育を受ける「従属」状態から、両親から離れていく「自立」状態、そして結婚して新たなる家族を形成する「独立」状態へと成長していく。

従属から自立へ、自立から独立へというのは、簡単にいくものではないのだ。

従属から自立していく時、我々は子供の頃に形成した全知全能を捨てていく時に、怯え、恐れ、おののく。

しかし、その全知全能感を捨てない限り、自立していくことは、決してできないのだ。

もしも、自立してもいないのに、結婚適齢期を迎えたからといって、結婚したとしても、それではまともな独立ができず、「自立なき独立」の状態にならざるをえないのだ。

自立なき独立は、絶対に独立をもたらさないのだ。

自立していなければ、結婚したとしても、結婚生活の中で、様々な悪しき現象があらわれてくることだろう。

はっきりと言ってしまえば、夫がちゃんと精子を出しているのに、妻も卵子を出しているのに、妊娠ができないのは、肉体的条件だけが問題なのではなく、自分の心が生み出してしまったがゆえに、苦しまざるをえないのである。

●「医学の進歩」という幻想

現代は、多くの人々が精神的に自立してこないために、「医学の進歩」という幻想を抱いてしまうのである。

確かに、近代医学は伝染病や、緊急手術を要する病気には、絶大なる効果がある医学を展開した。

しかし、近代医学は、今までの医学とは違い、桁違いの莫大な費用を必要とし、今や、日本の国家財政は、国民の医療費のために、事実上、破綻してしまっているのだ。

近代医学が効果があるのは、その莫大な医療費ゆえであって、近代医学そのものは、今まで人類史の中で存在した医学と、五十歩百歩なのだ。

医学は進歩などしていないのだ。

我々は近代以降、医学が進歩しているという幻想を見続けただけなのである。

不妊治療に関していえば、人工授精や体外受精や、代理出産などは、確かに医学が進歩しているように思える。

しかし、不妊症患者の9割以上は、実は不妊治療を必要としない人々なのである。

食生活や姓生活を治していけば、簡単に妊娠できる人たちなのである。

そういう人たちに不妊治療を施せば、確かに妊娠させることはできるはずである。しかし、それは不必要な治療を施しているにすぎないのだ。

不妊治療が泥沼化し、代理出産を望むような不妊症患者たちは、実は不必要な不妊治療を施されたために、薬害で卵巣や子宮が疲労しきってしまい、妊娠が不可能になってしまっているだけなのである。

●病気は医者ではなく自分が治す

俺が不妊治療を受けている不妊症の女性たちを見ててまどろっこしいと思うのは、自分への不妊治療が泥沼化しているのに、「心の叫び」をあげない女性たちが大勢いることなのである。

曰く、「人工授精を10回受けても妊娠できない」「体外受精を10回受けても妊娠できない」「不妊治療を10年間も受けているのに妊娠できない」と。

どうして、今、受けている不妊治療に対して、「この治療はおかしんじゃない!」という心の叫びをあげてこないのだ。

不妊症の女性も問題だが、その夫たちも問題である。

不妊治療が泥沼化しているのに、自分の妻が妊娠できる手だてをしないことだ。病院での不妊治療が駄目なら、漢方医による不妊症の治療だってあるのだ。

そして何より、妊娠できない状態ににっている、現在の自分たちの生活を見直して、妊娠できるように自分たちの生活を変えていけばいのだ。

合成洗剤をやめて、天然石鹸を使うとかでもいいのだ。自分たちの妊娠が不可能になっている生活への改善はいくらでもあるのだ。

病気は医者が治すものではないのだ。

病気は患者自身が治すものなのだ。

自分で病気を起こした以上、自分で病気を治すべきなのだ。

医者は病人が病気を治すためにサポートをしているにすぎないのだ。

未だに「偽りの万能感」を持っている不妊症患者が、今更その「偽りの万能感」を捨てるのは恐ろしいことである。

しかし、その恐怖を克服して、「偽りの万能感」を捨て去り、自分が精神的に自立していけば、不妊症は克服され、妊娠することが可能になるのである。

代理母なんて必要ないのだ。

大事なことは、自分が大いなる1歩を踏み出していくことなのである!

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