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第七節 妊娠に必要な食事の量

●妊娠時には食事の量が増える

 妊娠したら、すぐさま食事の量が増えていくわけではないが、お腹が大きく成り始めると、やはり食事の量は増えていく。目安として、食事の量は1.5倍から2倍に増えると思っていい。妊娠中は食事の量を意図的に増やしていった方がいい。食事の量を多く取れば、お腹の中の赤ちゃんに充分な栄養を行き渡らせることができ、健康な赤ちゃんを産むことが可能になるからだ。

 妊娠中も労働に従事していれば、自然とお腹がすき、食事の量は自然と増えていくのだが、仕事をしていなかったり、仕事をしていたとしても、頭脳労働だと、自然とお腹がすいてくれないので、妊娠しているにも拘わらず、食事の量が増えていかないということもありえるのだ。妊娠の悲劇に見舞われる妊婦たちは、体を動かさず、食事の量を増やしていかなかった女性たちが、圧倒的に多いのだ。

 だから、肉体労働に従事していなかったら、家事を多目にこなすとか、スポーツをすることによって、お腹をすかせる努力が絶対に必要になる。妊娠というと、妊娠のために必要な食事をついつい考えてしまいがちだが、お腹がすいていないにも拘わらず食事の量を増やしても、それはお腹の中の赤ちゃんに貢献するどころか、逆に妊娠が危険なものになっていくことだろう。

 昔は、妊娠しても農業や漁業に従事させたのだ。そのため、当時の妊婦たちは憤慨したものだが、しかし、それが結局、安産に繋がっていったのである。一方、妊娠中に労働を免除された公家や武家の妊婦たちは、非常に高い確率で妊娠の悲劇に見舞われたのだ。妊娠中に体を動かさないで、食事の量を増やしていくことは、非常に危険ということが、これで解る。

 健康な赤ちゃんを産みたかったら、まずは体を動かして、お腹をすかせるようにすることだ。お腹がすけば、どんな食事でも美味しくなり、消化吸収率も高くなっていくのだ。お腹はすけば、妊娠にとって必要な栄養素が、自然と解ってくるのだ。これは健康にいいからといって無理矢理食べても、消化吸収率が悪ければ、大した効果を上げられないのだ。

●食事の配分バランス

 妊娠したからといって、三度の食事の量を増やしていけばいいというのではない。三度の食事の量をすべて増やしていけば、逆に内臓が疲労してしまうのだ。食事は夕食を重点的に増やして食べるようにするのだ。なぜ、夕食の量を増やすかといえば、夕食時にとった栄養が、もっともお腹の中の赤ちゃんに行きやすいのだ。朝食や昼食の量を増やしても、日中の活動のために消費されてしまうので、お腹の中の赤ちゃんに余り行かないのだ。

 夕食をそれこそ2倍くらいに増やして、2時間くらいかけて、ゆっくりと食べるようにすればいい。食事のスピードが速い人は、どうしても早くに満腹感が来てしまうので、食事を多く食べられなくなってしまうのだ。食事をする際は、ゆっくりと食べ、夫婦の会話をたくさんして、食事を盛り上げていくべきだろう。

 夕食が多くなってしまうと、朝になっても余り食欲がなくなってしまうので、朝食を軽く取り、その後、昼食をやや重く取ればいい。しかし、肉体労働に従事している妊婦とか、習慣的に朝食の量を多く取ってきた妊婦は、朝食が少ないとパワーが出てこないので、それなら、朝食をやや多目に取り、昼食を通常どおりにしていけばいいだろう。

 夕食の量を多くし、朝食を少なくするという食事のパターンは、妊娠にもっとも適した食事のスタイルだけど、ただ唯一欠点がある。それは下手をすれば太り易いということだ。人間自体は夕食時に大量の食事を必要としないために、多く取った栄養がうまくお腹の中の赤ちゃんに行かなければ、その余分の栄養は自分の贅肉になってしまうのだ。

 そのため、少し太ってきたなと思ったら、昼食を重点的に食べるようにし、朝食と夕食を通常どおりにすればいい。こうすれば肥満にブレーキがかかる筈だ。妊娠中は体重が増えていくが、体重が増えても、決してそれは肥満ではないのだ。自分が健康的に体重を増やしていっているか、それとも肥満になっているのかは、スポーツをしてみると一番よく解る。体が軽いと感じたら健康で、体が重いと思ったら肥満なのだ。

●体重制限は設けない

 産婦人科医たちは、妊婦に対して体重制限を設けて、「体重増加が10kg以上は駄目だ」という。しかし、妊婦にとって体重制限とは、非常に重い精神的な負担なのだ。そのために食欲が進まなくなってしまうのだ。だから、体重増加は10kgまでという体重制限は決して設けないことだ。それよりも、体を動かさせ、お腹がすいた上で、食べさせるようにすれば、決して肥満にはらないのだ。

 元から体重の重い妊婦は、結構、体重が増えるものである。しかし、元から体重がある妊婦は、体力も充分になるので、難産に持ち込むことは余りないのだ。難産になってしまう妊婦は、肥満になっている妊婦ではなく、寧ろ筋肉量の少ない女性たちなのだ。大事なポイントは筋肉量であって、肥満かどうかではないのだ。

 体重制限を設けてしまうと、どうしても食事の量が減ってしまい、そのために便秘になってしまうのだ。妊娠中はただでさえ便秘になりやすいので、食事の量を減らされたら、非常に高い確率で便秘になってしまうのだ。便秘になるということは、老廃物や毒素を体の中に溜めこんでいるということである。それがどんなに危険なことになるかは、出産時に痛い思いをしながら知ることになるであろう。

 便秘にならないためにも、夕食の量を増やしていくべきなのだ。夕食の量が多ければ、自然と朝になれば便意を催すのだ。妊娠中は肥満のことを気にするよりも、いかにうまく排便を行うかの方に気を配るべきだろう。体重制限は一見正しいように見える指導であっても、実際には根本的に間違っている指導なのだ。

 体重制限を設けるより、体を動かして筋肉量を増やし、お腹がすくようにさせてあげる。その上でたっぷりと食事を食べさせればいいのだ。妊娠してようがしてまいが、人間にとって食事をすることは、最大の楽しみなのである。それを奪ってしまったら、妊婦生活は暗いものになってしまうことだろう。そうなるより、食事を美味しく食べられる工夫をしてあげることだ。

●オヤツには「木の実」や「ドライフルーツ」を食べる

 妊婦の中には、三度の食事では足りないという女性もいることだろう。そういう時は、オヤツとして「木の実」や「ドライフルーツ」を食べることだ。「木の実」や「ドライフルーツ」は、妊娠にとってもっとも必要な栄養素が含まれているのだ。いくらオヤツを食べたくなったからといって、スナック菓子を食べれば、お腹の中の赤ちゃんにダメージを与えてしまうのだ。

 自宅に「木の実」や「ドライフルーツ」を常備しておくと、非常に便利なのだ。「何か食べたいな」と思った時に、「木の実」や「ドライフルーツ」を食べると、満足感が出てくるのだ。ポテトチップスみたいにダラダラと食べてしまうというのがないのだ。「木の実」や「ドライフルーツ」は食料品店で買うと高いが、問屋や市場で買うと非常に安く売られているので、是非、問屋や市場の所まで足を延ばして、買ってもらいたい。

 オヤツだけで足りないという妊婦は、1食を余計に増やせばいいのだ。1食を増やすなら、日中にすることだ。日中であるならば、日中の活動で消費されるので、肥満にはならないのだ。夜食は食べると肥満の原因になるので、夜食は食べないようにすることだ。夜になってお腹がすかないようにするためにも、きちんと夕食を大量に食べておくことだ。

 内臓は食事を消化吸収するのに大変な働きをするのだ。そのため、いつも動かしっぱなしというわけにはいかないのだ。内臓だって休ませてあげなければいけないのだ。お腹がすき、お腹が「グー」と鳴る時があるが、あれは十二指腸の中の食べ物がなくなり、十二指腸の内部を掃除をしているのだ。これがないと、十二指腸は疲労し始め、いくら食べても体の疲労が取れず、それどころか食べれば食べるほど疲労してしまうのだ。

 だから、妊娠に栄養が必要だからといって、ダラダラと食べないことだ。食事の量を増やすのであるならば、まずは体を動かすことだ。仕事でもスポーツでも家事でも、体を動かせることはいくらでもある筈だ。しかも体を動かせば健康になっていくし、気分だって高揚していく。そしてお腹がすいていく。そうなった上で食事を取ればいいのだ。「空腹こそ最高の美食なり」であるということを決して忘れないことだ。

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コメント

 『タマティーの勝手に解説アワー』

 妊婦の食事は夕食を大量に食べる形式がもっとも優れている。
 この形式だと、お腹の中の赤ちゃんに必要な栄養素を供給できるようになるのだ。
 産婦人科医の中には、1日5食を勧めたりする医者もいるが、妊婦が1日5食も食べていたら、肥満になるだろうが!?
 そのくせ、体重制限を設けて、体重増加は10kgまでという。
 1日5食を食べる妊婦は、体重が10kg以上増加するのは、解っていることだろうが!?

 内臓はいつも働かしていれば、疲労しきってしまうのだ。
 それだけ食べ物の消化と吸収にはエネルギーを使うのだ。
 内臓を疲労させずに、多くの食事を取るのであるならば、夕食を多目に取るという形式が一番である。
 しかも、夕食を大量に食べれば、夫婦の会話の時間も長くなって、夫婦が円満になっていくのだ。
 妊娠にいくら栄養が必要だからといって、妊婦に無茶な要求は決してしないことだ。

投稿: 愛のタマティー天使 | 2008年10月16日 (木) 10時29分

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