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妊娠末期の痔には気をつけて

●妊娠末期の悲惨な痔

 悪性便秘を放置していると、必ず罹ってしまう病気がある。それは「痔」である。妊婦が罹る病気の中で、これほど激痛が走る病気はないのだ。通常の人間が痔になっても痛いが、妊婦の場合は痔が激痛なのである。妊娠しているために、お腹の赤ちゃんの体重がズッシリと肛門にかかってくるから、有り得ないような激痛を発するのである。

①痔のために排便が出なくなってしまう

 妊婦の痔がなぜ悲惨かといえば、痔になると悪性便秘が更に悪化して、より排便が出なくなってしまうからだ。どうにして便意を催し、いざ排便しようとしても、痔の箇所をウンコを通り抜けるのだが、これがまた激痛ものなのである。悪性便秘になっている女性のウンコは通常のウンコではないのだ。黒くて硬いウンコなのだ。その硬いウンコが痔の箇所に触れながら通過していくのである。肛門より悶え苦しむ痛みが突き抜けてくるのだ。

②出産時に力が入らない

 妊婦の痔は妊娠末期の痔がもっとも悲惨で、痔のまま陣痛が起ろうものなら、死を覚悟して出産に臨まなくてはならなくなるのだ。妊婦が痔だと、出産ではまず力が入らない。それどころか、助産婦さんに痔の箇所を触られようものなら、もはや出産どころではないのだ。

③痔のために育児に身が入らない

 痔の身であるにも拘わらず、やっと出産で来たのに、痔の身であると、育児に身が入らないのだ。産みの喜びは確かにあるのだが、自分の肛門には、自分の赤ちゃんよりも気になるものがあるのだ。しかも、母親が痔だと母乳の出も悪くなるので、どうしても赤ちゃんが愚図ついてしまい、育児に手を焼く結果になってしまうのだ。

 妊婦にとって痔というのは悲惨極まりないものなのだ。しかし、妊婦の痔の痛みは余り同情されないのだ。多くの人々は、妊婦の痔も、通常の痔だと思っているからだ。そうではないのだ。妊娠中の痔というものは、非常に痛いのだ。激痛なのだ。しかも、妊婦の起こす病気で有名なのは、妊娠中毒症とか糖尿病だから、痔という病気は後回しにされてしまうのだ。その結果、痔の問題を解決されずに、痔をより悪化させてしまう妊婦が跡を絶たないのだ。

●痔の原因は「体の冷え」

 では、なぜ妊婦に痔が起こるかといえば、それは「体の冷え」である。痔になる妊婦は、自分が考えている以上に体が冷えているのだ。お腹の赤ちゃんが大きくなったことで、内臓が圧迫されて機能を低下させ、そのために体が冷えてしまい、体が冷えると更に内臓が衰えてしまい、内臓が衰えるとより血流が悪くなり、それが血の滞りである「瘀血」になってしまい、そして「痔」となって現われるのだ。

 肛門というのは、もっとも敏感な箇所で、内臓の機能が衰えれると、よりによってこういう場所に痔となって現われてくるのだ。女性の「冷え性」も基本的には同じメカニズムで、人間の体は重力を受けているために、心臓よりも下の箇所に「瘀血」が溜まり易くなってしまうのだ。

 それゆえ、痔に関しては痔だけを治せばいいというものではなく、痔を治すためには、内臓を活性化させ、血流を良くして、「瘀血」を取り除かないと、痔の完治というものは難しいのだ。痔の薬の広告というものは、やたらに多いのだが、これは痔に薬を塗っても、そう簡単には治らないからなのである。

 痔になるような妊婦は、薄着であり、運動不足であり、そのくせ大量の食事を食べ続けているのに便秘だから、より体を冷やしてしまうのだ。妊娠すれば厚着になるのは鉄則である。妊娠すれば体を動かし、血流を良くしていくのは鉄則である。妊娠していくら食事が必要だからといって、動きもせずにパクパクと食べていたら、便秘になり、内臓は疲労してしまい、血流は悪化してしまうのだ。

 そういう堕落した生き方の積み重ねの結果が「痔」なのだ。妊娠中はいかに気候が変動しようとも、厚着で過ごすべきなのである。妊婦といえども、体を動かして、汗を流すべきなのだ。体を動かせばお腹がすくから、そういう状況で食べれば食事を大量に食べても、ちゃんと処理できるのだ。こういう生活を繰り返していけば、どんなに身重になろうとも、痔になることはないのだ。

●痔の解消法

①お風呂とサウナ

 痔を治したいのであるならば、まずは体温を上昇させることが先決なのだ。夜に天日塩湯を飲み、41℃のお風呂に浸かって、体を温めることだ。その際、どんなに痛かろうが、肛門をマッサージすることだ。そして痔の箇所を摘まんで、揉む。痔を揉む際は、爪で傷つけるといけないから、必ず爪を切っておくことだ。このお風呂の中で痔をマッサージすることは、痔の治療では基本中の基本なので、毎晩繰り返すことだ。

 更に朝は42℃以上のお風呂に入り、これまたお風呂の中で痔をマッサージするのだ。朝風呂は体を温めるだけではなく、とにかく汗を流すまで入っていることだ。汗が出ると血流は非常に良くなるので、この状況下で痔をマッサージすると、痔の箇所に溜まった瘀血を除去できることになるのだ。

 サウナはお風呂よりも体を芯から温めさせる効果が高いので、痔を治すためには、可能な限り多くサウナに入ってしまおう。サウナに入った時は、とにかく汗が出き切るまで入っていることだ。体が火照ればサウナから出て水で体を冷やし、また再びサウナに入るということを繰り返すのだ。そうやって汗が出き切ると、血流が非常に良くなるので、体中の瘀血を除去しやすくなるのだ。

②温かい飲み物を飲んでから、体を動かす

 痔になる妊婦は、体が冷えているので、体を動かして、体温を上昇させていくことだ。但し、運動を始める前に、温かい飲み物を飲んでから、運動を開始することだ。飲んでいいお茶は、「紅茶」「生姜湯」「葛根湯」「椎茸茶」である。特に痔の場合は、椎茸茶がお勧めだ。椎茸茶は、干し椎茸を細かく刻んで、お湯で戻したお茶である。椎茸は食物繊維やミネラルが豊富なので、便秘や痔といったものに非常に効果があるのだ。

 運動は、まずは「1日1時間以上のウォーキング」が基本となる。人間は歩かなければ血流が悪くなるので、痔になってしまうのだ。筋肉トレーニングは、「腹筋」「背筋」を鍛え、「中腰スクワット」を繰り返すのだ。そして四つん這いになって、片方の足を水平に伸ばして、上下させるのだ。この「足上げフリフリ」はお尻の筋肉を鍛えることになり、痔にはもっとも効果のある筋トレである。これを片方の足で1000回、両方の足で合計2000回行えば、痔が治っていくだけではなく、お尻の筋肉がついてお尻がキュッと上がり、見栄えが物凄く良くなるのだ。

③食物繊維を多く取る

 痔を治したいのなら、「白米」や「白パン」をやめて、「玄米」や「黒パン」といった食物繊維がたっぷりと含まれている穀物を摂取すべきだ。穀物は日々食べる物ゆえに、食物繊維のない穀物を食べていると、便秘になり、痔を治すのが困難になってしまうのだ。特に、「押麦入り玄米食」にして、納豆を同時に食べると、排便力が最大になるので、痔には効果テキメンなのだ。

 夕食時にイモ類をたくさん食べていると、翌日の排便が強まるので、積極的に食べていくべきだろう。特にサツマイモは排便力が強いので、痔に物凄く効果があるのだ。それゆえ、夕食時にはサツマイモを蒸かして、ホクホクのサツマイモを食べる習慣を持てば、排便が強まり、痔も徐々に解消されていくのだ。

 食物繊維といえば、「寒天」は絶対に欠かせない。痔を解消したければ、「寒天味噌汁」を飲めばいい。味噌汁の上に寒天を振りかければいいのだ。この寒天味噌汁を3度の食事の時には必ず飲むようにすることだ。寒天味噌汁を飲むと、排便しやすくなるので、便秘が解消されれば、痔も治っていくものなのだ。

④肉の食べ過ぎに注意する

 痔を治したければ、「肉」や「牛乳」や「バター」といった高カロリー食品を控えることだ。肉を食べるぎると、どうしても痔になってしまうのだ。肉の回数を減らし、肉を食べる時は必ず野菜を食べることだ。そして肉料理を食べた際は、ニンニクを大量に摂取することだ。できれば、肉よりも魚を食べるようにし、内臓への負担を軽減させてあげよう。

 痔の際は、唐辛子や七味唐辛子といった刺激物は厳禁とされているが、こういう刺激物は内臓を活性化させるので、できるだけ使うことだ。唐辛子は内臓脂肪を除去してくれる優れ物なのだ。痔の治療中には、醤油にニンニクと生姜と唐辛子を漬け込み、この「辛子醤油」を使うと、内臓が刺激されるので、痔の治りが早くなるのだ。

⑤自宅を温かくし、普段着を温かくする

 痔が治るまでは、自宅の暖房を強くし、自宅を温かくすることだ。冬の場合、リビングを重点的に温かくすれば、光熱費の負担も軽減でき、しかも、痔を治すのに役立つ。自宅では室内シューズを履き、長袖長ズボンの格好をして、自宅でもほんのり汗が出るくらいの温かさにしておくことだ。

 痔の場合、普段着を温かくし、使い捨てカイロを貼ることだ。カイロを張る場所は、「肝臓」「膀胱」「腰」「踝と脹脛の間」に張ることだ。この4ヵ所に貼れば、体はポカポカになり、痔が確実に治っていくのだ。カイロはそれほど高価なものではないので、ケチらないことだ。使い捨てカイロはまとめ買いすれば、結構安い値段で購入できる。

●痔を治したければ、睡眠をたっぷりと取れ

 痔になる女性は夜更かしをするし、睡眠時間が短すぎるのだ。夜更かしをすれば、体は冷えるし、しかも、夜遅くに寝れば睡眠が浅くなってしまい、充分に休息が取れなくなってしまうのだ。睡眠というのは、ただ寝ているだけではなく、体を修復している時間なので、睡眠時間が短くなれば、痔を修復することもできなくなってしまうのだ。

 それゆえ、痔を治したいのなら、午後9時か10時までには寝て、7時間30分以上の睡眠をたっぷりと取ることだ。7時間30分以上睡眠できれば、痔の箇所を修復する時間が充分に得られるのだ。しかも、睡眠は体が重力から解放されることにより、肛門部の血液が自然と流れ出してくるのだ。

 夜の睡眠だけでなく、昼寝をきちんと取ることだ。昼寝すると、交感神経が1度リセットされるので、自律神経の働きが良くなり、昼間の疲労が少なくなり、しかも、夜間での副交感神経の働きが非常に良くなり、夜の睡眠時での体の修復作業がスムーズに行くようになるのだ。

 睡眠時間をたっぷりと取るというのは、実は痔の治療の最善の治療法であるのだ。それほど痔に罹る女性は睡眠時間を多く取っていないということなのだ。何も仕事の効率が悪くなる夜に仕事をする必要性はないのだ。仕事をするなら、朝早く起きて仕事をすればいいのだ。そうすれば早く片付くものなのだ。夜は仕事のことは忘れて夫婦でリラックスし、会話を楽しみ、そしてとっとと寝よう! そうすれば痔は治っていくのだ。

 痔が治りかけてきたら、排便した後には風呂場で石鹸を使って肛門を良く洗い、その後、タオルで良く拭き、ドライヤーで乾かすこと繰り返すのだ。こうすると痔の治りが非常に早くなるのだ。痔というのは、治り始めが肝心なので、治り始めに追い打ちをかければ、迅速且つ確実に治っていくものなのだ。

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