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独りで出産するのではなく、チームワークを使って出産する

●出産におけるチームワーク

 妊娠は一人でできるものではないが、出産も一人でできるものではない。妊娠する時は、他人との協力、即ち夫の手助けの有難みを解っているのに、出産になると綺麗さっぱりと、この他人との協力の大切さを忘れてしまうのだ。出産において、産みの苦しみに直面してしまうために、自己中心的に動いてしまうのだ。

 何事も一人では難儀であっても、他人の力を使えば、その難儀さが軽減され、巧く行えるようにできている。出産もまったく同じで、独りで出産しようものなら大変だらけのものであっても、他人の力を使えば、その大変さが軽減され、巧く行えることができるのだ。出産において使えることのできる他人の力は、「助産婦の力」と「夫の力」である。

 出産では、妊婦本人と助産婦と夫の三人でチームが結成され、この三者が巧く協力して、いいチームワークを作り出すからこそ、自分の出産が巧くいくのである。だから、分娩を開始する時は、機械作業のように無言で出産を開始していくのではなく、妊婦本人と助産婦と夫の三人で円陣を組んで、これから出産を開始するという決意を固める結団式を行った方がいいのだ。こういうことでもしない限り、三人が巧いチームワークを発揮することはないからだ。

 人間は出産において体だけを使って出産するのではなく、頭をも使って出産しているのだ。それゆえ、自分の脳に、「これから出産が始まるけど、自分一人で行うのではなく、他人の協力もちゃんと得られるから大丈夫!」と思わせないと、脳は巧く作動してくれず、体が難儀に難儀を重ねて出産せざるを得なくなってしまうのだ。

 勿論、出産でもっとも体力を使うのは妊婦本人であるが、それを一人でやるのと、他人の協力を得ながらするのとでは、出産における疲労度の度合いが全然違うことになるのである。出産を孤独な作業として行えば、疲労困憊してしまうが、出産をチームワークを使って行えば、疲労困憊などせず、寧ろ楽しい気持ちと心地いい疲労だけが残るのである。

●自分に完璧を求めるな、他人に完璧を求めるな

 出産する場合、やはり夫には立ち会ってもらった方がいい。夫が出産に立ち会っても、助産婦が行うような手助けはできないが、妊婦本人の脳を活性化させることでは、最大の働きをしてくれるのだ。女性は好きな男性が側にいてくれるだけで、自分の脳が「快感モード」になってしまい、産みの苦しみを軽減できるのではなく、通常では出せないようなパワーまで出すことができるようになるのだ。女性が男性に対して恋愛をすると、仕事でも大いに頑張れてしまうのだが、それとまったく同じことが、出産でも起こるのである。但し、妊婦が出してくるパワーは恋愛よりも遥かに巨大なのだが。

 出産する際は、夫には手を握ってもらおう。女性は手を握られることで安心感を覚え、困難の前において自分の脳が「ネガティブモード」にならず、もはや後退することなく前進していこうとするのだ。夫はただ手を貸すだけで、妻の脳に変化を起こし、「ポジティブモード」に切り換えさせ、脳からいくらでも肯定的な指令が全身に届いていくのである。

 更に付け加えていうと、夫が一方の手で妻の手を握り、もう一方の手で妻の体を触っていると、妻の体の電気が夫の体にも流れ、その電気が夫と妻の体を循環することによって、体の動きが格段に良くなり、出産力を高めていくことができるのだ。ただ、夫が両手を使うだけで、こんな不思議な現象が起きるのだ。

 人間はついつい完璧を求めがちだ。しかし、この世に完璧な人間など、どこにもいないのだ。自分だって完璧ではないし、他人だって完璧ではないのだ。人間は完璧ではないからこそ、他人と協力し合うのだ。そうすることで、自分の不完全さを補って、物事を処理して前進していこうとするのだ。

 だから、自分の出産を順調に行かせたいのなら、「梃子の原理」を使うことなのである。自分だって完璧ではないし、夫だって完璧ではない。助産婦だって完璧ではない。しかし、「梃子の原理」を使って、その完璧ではない人間たちを使っていけば、いかに困難に思えてしまう出産も、自分一人で行うよりは、遥かに楽で簡単に行えてしまうものなのである。

●ポジティブな人を大事にし、ネガティブな人を避ける

 人間の脳は「ポジティブモード」になることもあるが、「ネガティブモード」になることもある。だが、出産という大事な時期に、「ネガティブモード」になっている人間は必要ない筈だ。出産においては、ネガティブに考える人より、ポジティブに考える人が必要なのである。自分に対してネガティブに批判してくる人より、ポジティブに支援してくれる人が必要なのである。

 少なくとも、妊婦本人にとって、その夫は「ポジティブモード」になっていることだろうし、自分自身を「ポジティブモード」にしてくれる最高の男性である。だから、こういう男性こそ大事にすべきなのである。出産において、夫は何か凄まじい働きをするのではない。しかし、自分をポジティブにしてくれる非常に大事な男性なのである。

 往々にして、人は自分の脳の使い方をマスターしていない。そのため、自分が愛する者に対して、些細な欠点を見つけ出して、憎しみをぶつけ、自分の脳も相手の脳をも「ネガティブモード」にさせてしまうのだ。愛というのは素晴らしいものであっても、無制限に素晴らしいものではないのだ。愛は愛すれば愛するほど、憎しみに変わってしまう危険な代物なのだ。

 愛が有効なのは、自分の脳が「ポジティブモード」な時だけなのである。結局、愛といえども、自分の脳の中から出て来るものなのである。自分の脳が「ネガティブモード」になっていたら、いくら愛を出しても、その愛は瞬時に憎しみに変わってしまうものなのだ。憎しみは一旦出てしまうと、更なる憎しみを呼んで、その憎しみの力は自然に増大していってしまうのである。

 出産という大事な時期には、「ポジティブな人」を大事にし、「ネガティブな人」を避けるというのは非常に大切な決断である。これは出産の時だけではなく、今後の人生においても、大切な決断である。自分の人生において、ネガティブモードの人は全然役に立たないし、それどころか自分に損害を与えてくることになるであろう。人間は脳の使い方をマスターすれば、いくらでも「ポジティブモード」になれるのに、自分の脳の使い方を知らないばっかりに、自分の脳を「ネガティブモード」にさせ、失敗続きの人生にしてしまうのである。

●感謝の大切さ

 無事に出産し終えた時、ほとんどの産婦たちが「夫に感謝する」ようになるのだ。自分が命がけの出産をしたことで、心の奥底から「感謝の言葉」が湧き出てくるのだ。この感謝こそが、自分の脳を完全に「超ポジティブモード」に切り替えさてしまうのである。人間の脳は感謝することこそが、「最高の快感」になるように作られており、感謝すればするほど、脳が最高の快感を連発して、脳の中から有り得ないようなパワーが噴き出してきて、自分の人生を幸福に満ちたものに変えてくれるのである。

 ただ、多くの既婚女性たちが、自分の出産で経験した「感謝」を、時と共に忘れてしまい、自分の脳を「ネガティブモード」に切り替えてしまい、夫の些細な欠点を見つけ出して、自分の結婚相手に憎しみをぶつけてしまうようになってしまうのである。なぜなら、人間には感謝を否定してくる「自己愛」というものがあるからだ。

 宗教家や哲学者や思想家がいくら自己愛を否定しようとも、人間には誰しも自己愛が備わっているのだ。この自己愛を否定したり無視したりする宗教教義や哲学やイデオロギーは、いついかなる時も人間にとって有用なものではなく、寧ろ甚大な損害をもたらす危険な考え方なのである。人間は誰だって自分が大好きなのだ。人間はいくらでも利己的に振る舞うのだ。自己愛をどんなに否定しても、自己愛を否定しきれるものではないのだ。

 だがしかし、人間は自分の精神レベルを向上させていくと、他人愛に目覚め、自分よりも他人を優先させ、利己よりも利他を働こうとするのだ。自分を捨てて、他人のために自分の力を振り絞って幸せにしようとすると、そこに突如として新しい世界が広がり、今までの人生では味わったことのない新しい歓喜と感動と幸福を得てしまうのだ。

 出産がなぜ女性にとって、今までの人生の中で最高の感動になるのかといえば、自分を捨てて、新たな命を生み出したからなのである。自分の殻に閉じ籠り、自分だけを大切にしていると、この他人愛の極致である出産における最高の感動を得ることはできないのだ。自分を捨てて、全身全霊を以て他人に尽くしたからこそ、新しい世界が広がり、新しい歓喜と感動と幸福を得られるのだ。

 だが、この他人愛は永遠に続くものではないのである。人間は放置しておくと、自己愛の塊になってしまい、いくらでも他人を踏みにじり、他人を不幸にすることができるのである。いくら他人愛が素晴らしいからといって、自己愛を否定できるものではないのだ。ただ、その自己愛の暴走の危険性を防ぐためにも、自分の精神レベルを常に上げていき、他人愛を行い、感謝の大切さに忘れないことだ。

 結局、あなたの未来の幸福は、現在のあなたの前向きな考え方と前向きな行動によって創り出されるし、あなたの未来の不幸は、現在のあなたの否定的な考え方と否定的な行動によって創り出されるものなのだ。他人への感謝は、いつでも自分に前向きな考えを持たしてくれて、前向きな行動を取らすようにしてくれるのだ。

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コメント

安産すっぽん運動とは、どうやるのでしょうか?

投稿: mococone | 2009年3月18日 (水) 08時42分

 「mocoocone」さん、コメント有難うございます!

 安産スッポン運動っていうのは、逆子封じにために生み出された運動法です。
 まず、足を肩幅程度に開いて、腰を落として膝を折り曲げます。手は胸の前で合掌します。そして腰を上げ膝を伸ばしていくと共に、合掌したまま両手を頭上にあげて、水かきをするように腕を回して、再び胸の前で合掌します。これを何度も繰り返すんです。
 要は、地上で立ったまま平泳ぎをするということです。
 これをやると、足腰腹筋に筋力がつき、しかも、股関節が柔らかくなって、お腹の赤ちゃんが逆子になりにくくなるんです。
 更に気の流れが非常に良くなるので、安産に成り易くなるんです。
 妊娠中はテレビを見ながら、安産スッポン運動を1日100回やると、結構な運動になり、汗もかけるし、出産力が確実に増強していきます。
 
 妊娠中に逆子でなくても、臨月に入ってから突如として逆子になることがあります。この場合、病院で出産すると、帝王切開手術に持ち込まれてしまい、産後の肥立ちが物凄く悪くなってしまうので、臨月に入っても安産スッポン運動で体を鍛えてください。

 安産スッポン運動だけでなく、水泳で平泳ぎをするのも、便所掃除をするのも、殆ど同じ筋肉や股関節を動かしますので、安産になるんです。

 妊娠中は安静にしているのではなく、せっせと体を動かして、自分の出産を安産になるように仕向けてくださいね。

投稿: タマティー | 2009年3月18日 (水) 17時43分

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