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出産における力の出し方

●ウンコをするように力を出しても、赤ちゃんを産めません

 よく出産時に、「ウンコをするように力を出してください」と産婦人科医たちが妊婦に言う。しかし、ウンコを出すように力を出しても、赤ちゃんを産むことなどできない。そのような力の入れ方で、たとえ産んだとしても、体力が凄まじいまでに消耗してしまうことだろう。丁度、「ウンコをするように力を出しながら小便をしてください」と言われても、それを実際にやったとしても、結果的には小便は出るが、非常に小便の出が悪し、後味だって非常に悪いもになってしまうことだろう。なぜなら、ウンコをする際に使う筋肉と、小便をする時に使う筋肉が異なるからだ。出産に関してもまったく同じで、いくら肛門と膣が近くにあっても、排便と出産では使う筋肉がまったく違うのだ。

 「出産の際は、ウンコをするように力を出せ」と産婦人科医たちが言うようになったのは、やはり出所はアメリカの産婦人科医たちであるらしい。出産に立ち会えば、排便と出産は異なることぐらいのことはすぐに解るものだが、医者は自分の指導教官の意見を鵜呑みにする傾向があるので、指導教官にそう教えられれば、なんの疑問も持たずに、妊婦たちに言ってしまうのだろう。

 なぜ、妊婦が出産時にあれほど力まねばならぬのかといえば、子宮口がなかなか開いてくれないからなのである。特に初産の場合、子宮口は産まれて初めて最大限に開くために、子宮口が動いていく動きが非常に遅いのである。それなのに、ウンコをするように力んでも、子宮口の開くスピードが速くなるわけではないのだ。結果は、寧ろ産みの痛みを拡大させるだけなのだ。

 しかも、病院で出産する場合は、仰向けの体形で出産するので、仰向けになった状態で、ウンコをする時のように巧く力むことなどできないのだ。仰向けの体形で排便せよと言われても困難になってしまうように、人間にとって不自然な体形では、巧く力が出せなくなってしまうのだ。

 出産する時は、妊婦の筋力をだけを使うのではなく、まずは「地球の重力」を使って、自然に子宮口が開いていけるようにしてあげることが肝要なのである。妊婦が仰向けにならずに、ちゃんと体を起こせば、自然と地球の重力がかかり、その重さで徐々に子宮口が開いていってくれるのである。妊婦が筋力を使うのは、それからなのである。

●股間に力を入れるのではなく、赤ちゃんを押し出していく

 子宮は女性の体の中に、壺をひっくり返した状態で治まっているので、子宮口を無理矢理にコジ開けようとするのではなく、子宮の奥から力をかけて、子宮を押し潰すようにしていけば、自然と子宮口は開き、胎児は産道に出ていくことが可能になり、産道を通って外界に出て来るのである。

 だからこそ、出産時に妊婦がやらなければならないのは、自分の腹筋を巧く使って、子宮に圧力をかけて、波打つように下に押し出していくことなのである。それゆえに、腹筋がきちんとついている妊婦は出産に有利だし、たとえ腹筋が余りついていなくても、妊娠中に筋肉トレーニングで腹筋を鍛えていけば、お産が非常に楽になるのである。

 腹筋が出す力をより強めるためには、足腰の筋肉がついていないと駄目なので、妊娠中に安静指導を拒否して、毎日ウォーキングをし、安産スッポン運動を行い、足腰の筋力を鍛えていく必要性があるのだ。仰向けの体形では足腰に力が入らない体形のために、当然に医者たちが足腰を鍛えていくことの重要性を導き出せないのだ。

 昔から、子沢山の既婚女性たちは、しっかりとした筋肉がついているのだ。通常の既婚女性なら40歳を過ぎれば、お腹が出て来てしまうのだが、子供をたくさん産んだ既婚女性たちは、お腹が出ていないのだ。それほど腹筋がきちんとついているということなのだ。その腹筋があったからこそ、今まで多くの赤ちゃんを産むことができたのである。

 出産する際は、一気に腹筋に力を入れるのではなく、腹筋を徐々に使って、上から下に押し出すようにして力を入れていけばいいのだ。というのは、子宮口の開くスピードが遅いので、一気に力を出しても、子宮口が開いてくれないのだ。ゆっくりと力を出していくからこそ、子宮口の動きに調和して、子宮口が開いていってくれるのだ。

●人間の瞬発的な集中力は3分間が限界である

 人間の瞬発的な集中力は3分間が限界であるといわれている。勿論、激しい訓練を積めば多少は伸ばせるだろうが、軍隊に入隊した経験のある女性でもない限り、瞬発的に出せる集中力は3分以内と看做していい。それゆえ、いくら出産で力まなくてはならないからといって、分娩開始から出産完了まで、力を出しっぱなしにしないことだ。

 子宮収縮が起こっている時にだけ力み、それ以外の時間では力を抜いて休ませることだ。休んでは体力を蓄え、体力が溜まったら、体力を集中的に使用するのだ。出産中はこの繰り返しを繰り返していくのだ。子宮収縮の時でなければ、子宮口は開いてくれないので、力むのはその時だけでいいのだ。

 子宮収縮で力む時も、常に力を出し続けるのではなく、リズミカルに力を出していけばいいのだ。ラマーズ法が優れていたのは、まさにこの点なのである。ラマーズ法は陣痛の痛みを軽減させるという消極的な目的しか持たないので、この利点に気付いていないのだが、実はラマーズ法の遣り方で出産していけば、巧い具合に子宮口が開いてくれるのだ。 

 子宮収縮の際に、力を出しては力を抜きということを繰り返していると、子宮口が開くスピードが速くなってくれるのだ。しかも、力を出すたびに休むことができるので、疲労することが少なくなり、無駄な体力を浪費することがなくなるのだ。これがどんなに凄いことかといえば、ラマーズ法なしで出産した妊婦は、出産後に疲労困憊してしまうのに対して、ラマーズ法を使用して出産した妊婦は、出産後でも赤ちゃんと楽しく戯れるだけの体力を残しているのだ。

 それゆえ、分娩が始まっても、子宮収縮の時以外はリラックスするものだし、子宮収縮が始まっても、その子宮収縮の時間の半分しか力を出さなくていいのである。出産時間の20%から25%程度しか力を出す時はないのだ。要は効果的に力を出していくということなのである。効果的に力を出していけば、最小限の労力で出産することが可能になってくるのだ。

●筋力だけでなく、気力も使う

 出産の際に自分の体力を最大限に発揮したいなら、筋力を使うだけでなく、気力をも使うことだ。気力を巧く使えば、体力以上のパワーを出すことができるからだ。子宮収縮が治まった後に、体をリラックスさせながら、頭の上に気を集中され、それを子宮収縮再開後に体の中へと落としていくのだ。頭の上に「気の塊」を作り、それを一直線に産道まで落としていくのだ。

 この「気の塊」が体の中に入っていくと、子宮が押し出されるように力が出てしまい、お腹の赤ちゃんをスムーズに押し出していくことが可能になるのだ。筋力だけ使って出産しようとしても長時間かかってしまうのに、この「気の塊」を使うと出産時間が大幅に短縮されるのだ。

 これは「軟酥の法」と呼ばれる瞑想の仕方で、瞑想法の中でも究極の瞑想法なのだ。頭上に「気の塊」を作ると、脳が覚醒し、鼻に類い稀なる妙香を感じられ、この妙香が体の中を気持ち良く流れ、通常では出せないようなパワーが体から出て来てしまうようになるのだ。出産をし終わってから、「お産をしている時に、なんかいい香りがしなかった」と言っている産婦たちは、偶然にこの「軟酥の法」を経験してしまったのだろう。

 初産の場合、出産に長い時間がかかるので、出産の間は体力を出しっぱなしにしないことだ。気力を巧く使って、体力を効果的に使っていけばいいのだ。出産の時は雑念を追い払って、出産のことだけに集中していけば、気力が途切れてしまうことは絶対にない。自分がつらくなったら、夫の手を握り、励ましてもらえばいいのだ。

 人間の集中力は長くは続かないものだ。かといって、集中力を巧く発揮すれば、自分の心身から凄まじいパワーを引き出すことができるようになるのだ。それゆえ、日頃からダラダラしていないで、家事や仕事を集中して取り組むようにしておくことだ。集中力の限界と使い方が解っていれば、それを出産時にも使えるし、育児にも使えるのだ。

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