産褥期における体力の回復
●産褥期に起こる症状
日本民族は、古来より産後の体調回復には1ヶ月はかかるものと見てきた。昔から恐れられてきたのは、「産褥熱」であって、この産褥熱のために多くの産婦たちが命を落としてきたのだ。どの神社に行っても安産祈願を扱っているので、いかに産褥熱が出産直後の母親たちを苦しめたが解る。
産褥熱は産後2週間以内に発熱と悪露が出たら、産褥熱と推定される。産褥熱は出産中に細菌感染してしまい、それが引き金になって発症してしまう。日本は仏教の影響を受けて肉食を禁止してきたために、極端に動物性蛋白質の少ない食事をし続けてきたために、栄養バランスが非常に悪く、それが免疫力の低さになって現われてきてしまったのだ。明治維新によって廃仏毀釈がなされたので、それによって肉食の禁止が解かれ、そのために産褥熱で死ぬ女性たちが激減していった。現在でも菜食主義者の女性や、肉を食べても野菜を食べない女性や、頻繁に風邪をひいている女性は、出産時に産褥熱に罹りやすいので、要注意である。
①腰痛
産褥熱に罹りさえしなければ、出産直後の母親が恐れるもの何もない。とにかく無理な作業をせず、体調の回復に努めることだ。昔から「産後20日は床上げするな」と言われてきた。床上げすることすら、この時期の母親はしなくていいとしてきたのだ。この時期に無理に体を動かすと、腰痛になってしまうのだ。出産して開いてしまった骨盤が元に戻るまで2週間から3週間かかるので、この時期に無理な力がかかると腰痛になってしまうのだ。
②悪露
それから悪露が出て来る。悪露は、産道の分泌物や、子宮や膣から血液や細胞が排出されるものであって、産後5日までは血液が混じったものが出る。悪露は産後1ヶ月近く出て来る。悪露の排出を見ても、母親の体調回復に1ヵ月はかかるというのが良く理解できる
③尿漏れ 残尿感 頻尿
尿漏れや残尿感や頻尿も、1ヵ月近く続くことになる。出産後は長らく尿意を感じたら、すぐに便所に行くことだ。体が修復のためにエネルギーを使っているので、不要な水分が排出されるのだ。小便の回数が少ないと、膀胱炎になったり、それが悪化して、腎盂炎になったりすることがある。
④痔
出産後の母親は、月経が来ないために、痔に成り易い。月経によって排出される汚い血液が排出されないために、どうしてもその汚い血が肛門に集結してしまいやすいのだ。月経が来るまでは、痔にならないように、肛門だけは排便をするたびにきちんと洗うことだ。そして、栄養バランスの取れた食事を取り、運動をきちんとし、睡眠をきちんと取ることだ。
●簡単に気力を回復させる「気力集中呼吸法」
出産した直後は、いかなる母親といえども、げっそりとしてしまうのだが、それだけ出産で体力を消耗したということである。それと出産で「気力」が出き切ってしまっているのだ。この気力が出て行ってしまったために、体力の回復が遅れてしまうのである。だから、気力を回復させてあげれば、体力の回復も早くなるのだ。
簡単に気力を回復させる方法として、「気力集中呼吸法」というのがある。胸式呼吸ではなく、腹式呼吸にして、息を吐くのに「20秒」、息を吸うのに「20秒」、息を止めるのに「20秒」、これを3回繰り返すのだ。3分で出来てしまう。これを朝と晩、必ず行うのだ。これをやると気力が回復してくるのだ。
息を吐いた時は、すべての空気を吐ききるようにすることだ。そうすれば自然と大量の空気を吸い込むことができるのだ。その吸った空気を臍の辺りに溜め込むようにして落としていくことだ。そして息を止めて、気力が充実するようにすると、気力が充実して、気力が全身を駆け巡ることになるのだ。
赤ちゃんに授乳する際、どうしても下を向いてしまい、口呼吸になり、しかも、呼吸が浅くなってしまうのだ。更に猫背の女性であるならば、呼吸は非常に浅いものになってしまい、体調回復のための酸素が足りなくなってしまうのだ。授乳する際は胸を張るようにして授乳し、母親本人は鼻呼吸を心掛けることだ。
産後に病気を発症する母親たちのほとんどは、口呼吸をしているのだ。口呼吸だと外界の細菌がそのまま体の中に入ってきてしまうために、出産で弱り切っている母親たちの体を直撃してくるのだ。だから、呼吸をする時は、必ず鼻呼吸にし、できれば朝と晩に深呼吸をして肺活量を大きくしていくことだ。
●産後1週間はあっさりした和食を食べること
出産して体力が消耗しているからといって、油っこい肉料理を食べるのは、寧ろ逆効果になってしまうのだ。産後1週間はあっさりとして和食を食べた方がいいのだ。これは経産婦たちの経験則なのだ。あっさりした和食の方が体力の回復が早くなるのだ。経産婦たちが色々試してみて、獲得した結論なのだ。
和食を食べる際は、白米にしないで、「押麦入り玄米食」にし、「ワカメの味噌汁」を多目に飲むことだ。糠漬けを出して、糠漬けを大量に食べることだ。こうすると体力の回復が早くなるのだ。押麦入り玄米食だと、体を弱アルカリ性にしてくれるので、体の修復が早くなるのだ。ワカメの味噌汁には葉酸がたっぷりと入っているので、母乳の出が良くなるのだ。糠漬けは大腸の腸内環境を良くするので、修復に必要な奇麗な水分を充分に供給できるようになるのだ。
出産すると、「カルシウム」と「マグネシウム」が多いに失われてしまうので、これらのミネラルの補給に努めるべきだ。カルシウムを補給したければ小魚を食べ、ゴマを食べ、ヨーグルトを食べればいいのだ。マグネシウムは、「いちじく」「アーモンド」「ナッツ」「バナナ」などでこれらをきちんと摂取していくことだ。
子供を産んだ女性が、虫歯になってしまったり、骨折をしてしまったり、骨粗鬆症になってしまうのは、出産してカルシウムとマグネシウムをきちんと摂取しないからである。日本の土壌は火山灰質なので、どうしても土の中にカルシウムが不足しており、そのため、通常の食事をしていたら、カルシウム不足になってしまうのだ。マグネシウムに至ってはカルシウム以上に深刻で、日本で「いちじく」や「バナナ」がなぜ食べられるようになったかといえば、マグネシウム不足だからだ。
更に追い打ちをかけたのが、白米を食べる習慣を持ってしまったことだ。白米を食べると体が酸化してしまうので、カルシウムとマグネシウムが流れ出してしまうのだ。そのために、虫歯や骨折や骨粗鬆症になってしまうのだ。白米をやめて、押麦入り玄米食にすると、これらの症状をピタリと止まってしまうのだ。
●産後の鯉は百人力
昔から、「産後の鯉は百人力」といわれてきた。赤ちゃんが生まれたら、母親に鯉料理を食べさせて、体力の回復を図ったのであろう。この産後の母親に鯉料理を食べさせるのは、現在では医者たちによって科学的根拠はないと断定されて否定されてしまっている。
しかし、仏教の肉食禁止の影響があった頃には、鯉料理を食べることは、貴重な動物性蛋白質の補給になっただろうし、鯉に含まれている泥臭いミネラル分が、産後の母親に物凄く良い効果をもたらしたことは間違いないのだ。鯉を食べること自体も、恐らく「登龍門」の故事に基づいたものであり、鯉が滝登りをして龍になったように、母親がその鯉を食べることで、赤ちゃんの立身出世を願ったのであろう。
産後の母親に鯉料理を食べさせる習慣は、科学的根拠がないからといって否定しまわないことだ。昔の人々が、産後の母親に鯉料理を食べさせることで、母親の体力の回復を願った、その思いをきちんと継承していくべきだろう。実際、産後の母親に鯉料理を食べさせてあげれば、いかなる母親だって嬉しくなる筈である。
男性と女性とでは気の巡り方が違う。男性は気を放出させようとし、女性は気を溜め込もうとするのだ。女性にとって出産は、気を放出したことがないのに、赤ちゃんを産むために気を放出してしまうのだ。だから、気の回復には、1ヶ月近くかかってしまうのだ。それゆえ、昔の人々は産後の母親に床上げをさせなかったり、鯉料理を食べさせたりして、元気に回復することを願ったのである。
母親の体調が回復すると、育児は巧く行き出す。出産してしまうと、赤ちゃんのことばかり気になってしまうものだが、母親自身も1ヵ月近くは体調が万全にはならないのだから、自分自身の体調の回復には充分に気を使うことだ。母親の体調が回復してしまえば、育児をするのが非常に楽になっていくのだ。
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コメント
タマティー様、こんにちは!
あれから、朝断食をしていたら夫の体重が減ってきました。
標準体重より10キロ程オーバーしていたので、嬉しい変化です。
体調も良さそうです。ありがとうございます。
今、私は里帰りをしていて実家にお世話になっています。
でも、産まれたらすぐに自宅に戻ろうかと思っていたのですが、親戚に反対され迷っています。
もちろん、産まれてみて自分の体調と相談して決めるのが一番だとは思うのですが、一ヶ月は無理しちゃダメ!大変だし、家事なんてとてもできないから…と言われ、安静とはどの程度?とわからなくて。
またまた質問ですみません。
時間がある時にアドバイスを下さると嬉しいです。
投稿: ちぃ | 2011年12月14日 (水) 10時10分
ちぃさん、旦那さんの腎臓が危険になって死ぬ可能性があるのに、悠長に1ヵ月も実家でのんびりできませんよね。
ちぃさんのお気持ちをお察しします。
1ヵ月後に帰ったら旦那さんが死んでいたりして。
できる限り早く自宅に帰って、旦那さんの食事から改めていかないとね。
しかし親戚たちの心配もよ~く解ります。
産後は1ヵ月ほどゆっくりとしていた方がいいんですよ。
特に産後は朝の排便をしっかりと行っておくことです。
朝食は取らない方がいいです。
午前中は排便排尿に集中して、体内の老廃物と毒素を出してしまった方がいいです。
その代わり昼食や夕食を多くして、たっぷりと栄養補給することです。
少なくとも2週間は実家に居た方がいいですね。
それ以降はちぃさんの体調と旦那さんの症状を考慮して決めたらいいと思います。
投稿: タマティー | 2011年12月14日 (水) 17時39分