「喜びのハイハイ」と「恐怖の後追い」
●ハイハイの始まりこそ、新米ママの育児の第二ステージの始まり
赤ちゃんが寝返りを打てるようになり、「ぐにゃ座り」ができるようになると、「ハイハイ」ができるようになる。「ハイハイ」は7ヵ月から8ヵ月目で始まる。「ハイハイ」も個人差があるので、生後8ヵ月を過ぎても「ハイハイ」しなくても、決して焦ることはない。「ぐにゃ座り」ができれば、いずれ「ハイハイ」が始まるのだ。
「ハイハイ」の方が、「お座り」よりも早いものだと勘違いしている新米ママは非常に多いのだ。赤ちゃんは今まで寝たきりだったので、両腕に大した筋肉が付いておらず、寝返りを打てるようになってから、すぐさま「ハイハイ」ができるわけがないのだ。「ハイハイ」するだけの筋肉が両腕に付いていないのだ。
そこで、「ぐにゃ座り」で両腕を鍛えるのだ。新米ママには赤ちゃんは両手を地面につけているだけではないかと思いがちだが、赤ちゃんは自分の両手で体を支えているのであって、この静かなる筋肉トレーニングで両腕を鍛えて地道に筋肉をつけていくのだ。しかも、自分の両腕も両足も自分の心臓よりも下に行かすことで、大量の血液をそれらの部位に送り、組織の発展を促すことになるのだ。
赤ちゃんは「ぐにゃ座り」をしているだけで両腕と両足に筋肉が付き始め、ハイハイをすることが可能になるのだ。「ハイハイ」の始まりこそ、新米ママの育児の第二ステージの始まりなのだ。今まで殆ど動かなかった赤ちゃんが、自発的に動き出すことができるようになるからだ。赤ちゃんにとっては単なる「ハイハイ」であっても、新米ママにとっては「喜びのハイハイ」であるのだ。
育児の7ヵ月を過ぎる頃になれば、育児の仕方もマスターできた頃だし、今まで「これでいいのかな?」「こういう時はどうすればいいんだろう?」とか育児で疑問符だらけだったのが、この頃には疑問を抱くことが少なくなり、その代り、育児をすることに余裕が出来始めるのだ。しかも、赤ちゃんがハイハイできるようになると、赤ちゃんは色々な出来事を引き起こしてくれるので、一気に育児の中で笑い声が増え始めるのだ。
●摺り這い(スリバイ)
まず、最初の「ハイハイ」の形は、「摺り這い」だ。「摺り這い」とは、腹ばいになって動くハイハイだ。解り易くいうと、動物の海ガメが砂の上でやっている動きだ。動物が水中から陸上に上がった際に、必ずやる動きなのだ。四足歩行にとっては、この「摺り這い」こそが基本だといっていいのだ。赤ちゃんにとっては、「ハイハイ」ができたとしても、両腕両足に大した筋肉がついていので、この「摺り這い」で体を動かして充分に筋肉を鍛える必要性があるのだ。
新米ママの中には、「摺り這い」ができた嬉しさの余りに、赤ちゃんが「摺り這い」を始めると、すぐに赤ちゃんを抱き上げてしまう新米ママが居るものだが、これをやってはいけない。赤ちゃんにとっては「摺り這い」をすることで、両腕両足を一生懸命に鍛えているのだ。新米ママが抱き上げてしまえば、筋肉を鍛えていくチャンスを奪ってしまうことになるのだ。
自宅が広いのであるならいいのだが、自宅が狭いのであるならば、公民館やコミュニティセンターの育児ルームに行くなり、公園で芝生がある所などに行ったりして、赤ちゃんに充分に「摺り這い」ができるチャンスを与えることだ。「摺り這い」をやれる時間を充分に与えれば、赤ちゃんはそれだけ両腕両足を鍛えることができるのだ。
休日ともなれば、親子3人で「摺り這い」ができる場所を訪れればいい。ともかく自分の夫に赤ちゃんの「摺り這い」を充分に見せておくことだ。仕事をして生活費を稼ぎださなければならない夫にとっては、赤ちゃんが生まれたとしてもそんなに育児に構っていられる時間は少なかったので、赤ちゃんに「摺り這い」ができることの偉大さが解っていないのだ。下手をすると、「赤ちゃんなら出来て当たり前だろ!」と言い出しかねないので、こんなに無感動であるならば、この先、壮絶な夫婦喧嘩が発生することが予想されるのだ。
「摺り這い」ができるようになると、赤ちゃんの行動範囲も広がるので、この時期になって絶対に必要となるのが「ベビーカー」だ。生後7ヵ月にもなれば、A型のベビーカーもB型のベビーカーも両方使えるようになるので、自分で選択して買えばいい。赤ちゃんは「摺り這い」ができるようになると、散々動いた後はすぐに寝てしまうので、長時間移動する時は、寝れることができるA型のベビーカーが必要となる。一方、赤ちゃんが起きていて、1時間程度の距離であるなら、座れることのできるB型のベビーカーを使用することができる。たまに、B型のベビーカーを1時間以上も連続して使用し、赤ちゃんが寝ている姿を見かけるが、これはB型ベビーカーの使用範囲以外で使用していることなので、絶対にやめた方がいい。赤ちゃんが座りながら寝ることは、赤ちゃんに非常に大きな負担を強いるのであって、背骨は曲がるし新たな血液は生産されないし、疲労は蓄積するので、後に大きな病気を引き起こす原因になってしまうのだ。
●高這い(コウバイ)
「摺り這い」が充分にできるようになったら、「高這い」が始まる。「高這い」は、腕と足で体を支えながら動く動作だ。陸上で四足歩行をしている動物なら、誰でもする歩行の仕方だといっていい。「高這い」が「摺り這い」と決定的に違う所は、赤ちゃんは両腕と両足で体を支えているということなのである。それだけの筋肉がついたということであり、しかも、「高這い」をするに耐えうるだけの強度を持つ骨が形成されたといことなのだ。
この時期、両肩と股関節が急激な発達を見ることになる。なんせ「高這い」をするたびに両肩や股関節が使用されるので、赤ちゃんが「高這い」をすればするほど鍛えられていくことになるのだ。この時期に充分に「高這い」をさせることが、一人立ちするために充分な骨の強度を与えることになるのだ。
赤ちゃんに「高這い」ができる頃になると、急ぐ余りに「歩行器」を使用したりしてしまう新米ママが居るものだが、これは絶対にやめた方がいい。赤ちゃんはまだ「2G」の重力に耐えられないのだ。赤ちゃんが「高這い」をしていても、それは重力が「1G」だからこそできるのであって、今はまだ「2G」の重力に耐えることができないのだ。
しかも、歩行器を使用してしまうと、両肩も股関節も鍛えることができず、両腕も両足も鍛えることができず、一人立ちするだけの骨も筋肉も鍛えられなくなってしまうのだ。歩行器は赤ちゃんの成長を全く無視した危険な道具であるのだ。わざわざ赤ちゃんの一人立ちを妨害しているようなものなのだ。
歩行器を使用するより、「高這い」ができるようになったら、どんどん外に出て、赤ちゃんが自由に「高這い」できる場所を探し出して、そこで散々に「高這い」をさせまくればいいのだ。赤ちゃんは「高這い」をすればするほど、骨も筋肉も充分に鍛えることができるようになるのだ。
●座り這い(スワリバイ)
「高這い」が充分にできるようになると、今度は「座り這い」ということを遣り始める。「座り這い」とは、お座りの姿勢でお尻を滑らせながら動く動作だ。差し詰め、これは「一人座り」と「ハイハイ」を融合させたものなのだ。核分裂よりも核融合の方がエネルギーが桁違いに大きいように、この「座り這い」は今までの「ハイハイ」とは比べ物にならないくらいに、凄まじいエネルギーを放ってくるのだ。
「座り這い」をする時、赤ちゃんはちょこんと座り、片方の足で地面を蹴って動くのだが、これが猛スピードで動くのだ。大人が同じ動作をやっても遅いだけなのだが、赤ちゃんは体が軽いために、スピードが異常に速いのだ。絨毯の上だと解りにくいが、畳や床の上だと有り得ないスピードで動いているのだ。
「座り這い」は一人立ちができるためのトレーニング期間であるのだ。ここで足を鍛えて、立ち上がるだけの筋肉をつけていくのだ。もうひとつは、今までハイハイは「1G」の重力の範囲内でやってきたのが、この「座り這い」をすることで、「1.5G」の重力に体を慣らして、「2G」の重力に耐えられるだけの体に変えていくのだ。それゆえ、この「座り這い」の時期はハイハイの中でも非常に重要な時期であるのだ。
「座り這い」を充分にやると、今度は一人立ちができるようになる。但し、「座り這い」は一人立ちができても、一人歩きができるまで使用され続けるのだ。一人立ちができても、「座り這い」を何度も繰り返して、足の筋肉を鍛えていき、一人歩きができるようにしていくのだ。
一人歩きができれば、「座り這い」をしなくなると思いきや、赤ちゃんは座って遊んでいる時など、結構「座り這い」をしているのだ。「摺り這い」」も「高這い」も一人歩きができるようになれば赤ちゃんはやらなくなるが、「座り這い」だけは一人歩きができても、「ハイハイ」の名残りとしてかなりの間、残してくれるのだ。母親は赤ちゃんが遊んでいる姿をきちんと見守りながら、赤ちゃんの「座り這い」を見るたびに、ハイハイをやっていた頃を思い出して楽しめばいいのだ。
●後追いは赤ちゃんにとって大事な修行
赤ちゃんにハイハイができたからといって、喜び事ばかりではない。「喜びのハイハイ」は「恐怖の後追い」を生むのだ。後追いとは、母親が動いていると、赤ちゃんが後から追いかけてくるのだ。新米ママが家事をしていても赤ちゃんは後追いをしかけてくるし、新米ママが風呂に入ろうとしても赤ちゃんは後追いをしかけてくるし、新米ママが便所に行こうとしても後追いをしかけてくるのだ。
後追いとは新米ママに面倒であっても、これは赤ちゃんにとって非常に重要な行為なのだ。赤ちゃんは母親の後追いをすることで、母親の行動パターンを学び、自分でも母親のような行動ができるように頭の中にインプットしている時期であるのだ。赤ちゃんは明らかにハイハイをすることで脳を発達させ、他人のモノマネができるまで、脳を発達させたということなのだ。
人間が成長していく上で最も大事なのが、実は「モノマネ」なのである。人間は自分一人で物事をやるよりも、誰かのモノマネをしてしまった方が、比べ物にならないくらいに学習スピードが速くなるのだ。赤ちゃんは母親の後追いをすることで、人間としての行動パターンを学習しているのだ。
それゆえ、赤ちゃんの後追いが始まったら、面倒臭がらないことだ。後追いをされたとしても、後追いを嫌がることなく、自分の作業を続けていればいいのだ。ただ、気をつけておいた方がいいのが、いつの間にかに赤ちゃんが足元にやってきていて、赤ちゃんを蹴ってしまったり、踏んづけてしまうことがあるのだ。これには赤ちゃんは大泣きで応酬してくるので、最も気をつけた方がいい超危険な「移動式地雷」なのである。これを防ぐには、自分が作業をしながらも、赤ちゃんの姿をチラチラと見ながらやればいいのだ。
赤ちゃんの一人立ちを急ぐのではなく、「ハイハイ」の時期を充分すぎるくらいに確保してあげることだ。「喜びのハイハイ」と「恐怖の後追い」を繰り返していけば、赤ちゃんは骨を鍛え、筋肉を鍛え、脳を発達させて、一人立ちができる赤ちゃんへの変貌していくのだ。この「ハイハイ」の時期をすっ飛ばしてしまったら、赤ちゃんはまともな形で成長できなくなってしまうのだ。骨も筋肉も脳も弱い赤ちゃんにしかならなくなってしまうのだ。
「ハイハイ」の時期は、新米ママにとって楽しいことが連続する日々を送れる時期なのだ。もう、それだけ赤ちゃんが「ハイハイ」をしながら動けるということが楽しくて仕様がないのだ。その喜びを素直に受け止めていけばいいのだ。そうすれば、赤ちゃんも健やかに成長していくことができるようになるのだ。
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