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「結婚に於ける性愛」と「売春に於ける性愛」

●結婚に於ける性愛

 どの動物も性愛は生殖のためだけに行われる。性愛は本来「生殖のためにこそある」ものだかrだ。しかし脳を大きくしていった霊長類は、性愛を生殖だけには使わない。快楽のためにも使うし、集団での人間関係を維持するためにも使用する。脳が大きくなった分、性愛を生殖以外のために使うということができるようになったのである。

 霊長類よりも進化し、動物の中で最も高い知能を持った人類は、性愛を「生殖」を主目的に、「快楽」「人間関係の維持」という目的のためにも使用する。そして、それを結婚内に於いていかんなく使用して、夫婦がただ単に子作りのために性行為を行うのではなく、快楽のためにも、人間関係の維持のためにも使用し、そのどれか一つでも欠けてしまえば、途端に結婚は危機に陥ってしまうのだ。

 ところが、人類はこの性欲を自分で制御して、性愛が持つ力を最大限に発揮して行こうという正しい方向を取らずに、性愛を否定する宗教を生み出してしまったのだ。それが「仏教」である。仏教の教祖の釈迦は、結婚をしてラーフラという子供を産んだのだが、ノイローゼが高じてしまい、妻子を捨てて出家をするようになってしまう。その釈迦が生み出した教義には、「結婚の否定」「性愛の否定」 「生殖の否定」を含んでいるから、当然に性愛によって快楽をもたらすとか、性愛によって人間関係を維持するということもなくなってしまったのだ。

 では、結婚や性愛を否定した仏教がその後どうなったかといえば、仏教寺院は男色の巣窟となってしまったのだ。浄土真宗に至っては釈迦が定めた戒律を否定し、平然と結婚する僧侶が出て来てしまったのだ。いかに仏教の教義といえども、性愛は否定できないということなのだろう。人間は結婚や生殖を否定してしまうと、自然な形の性愛が失われてしまい、異常極まる性愛を生み出してしまうものなのだろう。

 人間はそもそも性愛が備わっているのだから、結婚を通して、性愛術を最大限に発揮して、生殖を行い、快楽を与え、夫婦という人間関係を維持できるように精進すればいいものを、性愛を否定してくる宗教に惹かれ、信仰してしまうのだ。その宗教を唱えてくる僧侶たちは、信者たちには性愛を否定しながら、裏では男色に耽っているというのに。

●売春に於ける性愛

 人類は文明を誕生させると、結婚以外での性愛をも生み出していくことになる。それが「売春に於ける性愛」だ。文明誕生によって経済力が飛躍的に高まったために、売春を行えるだけの経済力や、娼婦を養えるだけの経済力を持つことができたのである。売春の始まりは、宗教によってもたらされたのであり、それは当初「神殿売春」という形を取った。

 神殿売春とは、女性聖職者に信者たちと有料で性行為を行わせ、その料金を神殿の維持費とするとともに、赤ちゃんができてしまった場合、その赤ちゃんを教団のものとして育て、忠実な聖職者に育て上げることにしたのだ。この神殿売春は日本の宗教史にはなかったので、いまいちピンとこないが、ユダヤ教典を読んでみると、ユダヤ教というのは、この神殿売春を行う宗教と盛んに闘争していたことが解る。後にユダヤ教を打ち破ってキリスト教を打ち立てることになるイエスは、マグダラのマリアという売春婦を連れて布教することになるのだが、こういう所業がいかにユダヤ教の宗教指導者たちから反感を買ったかは、ユダヤ教の歴史を知らないと全く解らないのだ。イエスは磔刑にされて当然の行為をしているのである。

 因みに、日本では神道に神殿売春がなかったために、売春は中国大陸から輸入されたというのが、学会の通説となっている。しかし、山の民であるサンカが山を下りて、定住民となった時、娼婦として生計を立てた者もいるだろうし、平安時代の文献には「傀儡子」として登場してくるので、この辺りが本格的な娼婦の登場なのだろう。

 売春に於ける性愛が、結婚における性愛と異なるのは、「遊戯としての性愛」「金儲けとしての性愛」の2つの機能を持つということである。性愛術が快楽としての機能を果たす場合、その快楽を与えるのは男性の側であって、男性は女性に肉体的快楽を与えるのを精神的な喜びとするのである。しかし、売春では立場が逆転して、娼婦が男性客に快楽を与えて、遊ぶのである。売春が誕生し、娼婦が持続的に存在し続けると、様々な性愛遊戯が生まれてきて、それが性愛術の発展に一役買うのだ。

 勿論、売春は無料ではなく有料で行われるので、貧しい家の出の娼婦たちにお金が行き渡ることになり、しかも彼女たちは金離れが非常にいいので、娼婦が存在する地域ではお金が猛スピードで循環し始め、多くの人々が豊かになっていくのである。特にファッション関係では娼婦たちがお金を使うことによって、奇抜なファッションが生み出されてくるのである。

●結婚こそ最古の男女関係、売春は最古の商売

 ところが、売春は人工的に作り出した宗教によって非難の的と成り易い。人工宗教は、人間の矛盾点をありのままに認めようとせず、人工的に作り出した戒律や教義によって人間を改造していこうとするものだから、娼婦たちのようにお金さえ貰えば性行為をしてしまうというような女性たちの存在を許すことができないのだ。

 日本では近代になってキリスト教が伝来してくると、キリスト教徒たちは廃娼運動を展開して、遊郭を破壊し、娼婦たちに職業の変更を迫った。そのため、最終的には売春禁止法まで制定されてしまい、江戸時代から続いてきた遊郭はすべて潰れてしまったのだ。そしてキリスト教の教会は莫大な収益を上げて、遊郭以上の立派な宗教施設を作ることができたのである。

 それで売春が消滅したといえば、決してそうではない。売春は形を変えて存続しているし、フーゾク嬢たちは売春が禁止されているけど、非合法で売春をやるし、女子高校生たちの援助交際も売春と変わらないだろう。売春を禁止し、娼婦を消滅させても、売春が人類最古の商売である以上、売春は絶対に消滅しないのだ。

 売春が禁止されてしまうと、今度は結婚制度まで破壊され始めるのである。日本ではフェミニズムが猛威を振るっているのだが、このフェミニズムの卸問屋が実はキリスト教なのである。道理でフェミニズムの猛威が治まらないわけである。フェミニストたちは、専業主婦を奴隷と看做し、女性が結婚することや妊娠することや育児をすることを犯罪と看做し、必死になって結婚制度を破壊し続けているのである。所得税の配偶者控除を廃止したのも、フェミニストたちの圧力によるものなのである。

 結婚こそ人類最古の人間関係である以上、結婚制度を廃止することはできないのである。しかも、結婚制度は既婚者たちによってだけ守られているのではなく、その結婚制度の外郭に売春制度を存在せしめ、娼婦たちによって結婚制度が破壊されないようにしていたのである。売春が禁止されれば、いずれ結婚制度も破壊されてしまうようになるのだ。結婚と売春はいくら廃止しようとしても、廃止できるものではないのだ。なぜなら、それらは文明の産物だからだ。これらを廃止しようとする宗教やイデオロギーは絶対に認めてはならないのだ。彼等の教説を放置すれば、文明そのものが破壊されてしまう危険性があるからだ。

●世間知らずの潔癖症女性たちの危険性

 世の中は奇麗事だけでは巧く行くことはない。既婚女性にとって娼婦は忌むべき存在ではあるが、かといってこの世には売春を行う欲望が存在しており、それによって利益を得る男女が存在しているものなのである。娼婦たちの活躍が巡りに巡って、結婚制度を守り、既婚女性たちに利益を与えているものとは思いもつかないものだ。

 キリスト教は教祖が売春婦を連れて歩いたという歴史的事実があるがゆえに、売春を目の仇にして破壊しようと試みてしまう。しかし、そういう奇麗事だけで進めてしまうと、自分が思っていたのとは、正反対の結果をもたらしてしまうものなのだ。オーストリア=ハンガリー帝国では、マリア・テレジアの時代に売春禁止令が出され、それによって表面的には売春が消滅したが、実は裏では「闇売春」が盛んになり、性病も蔓延してしまうようになったのだ。これ以降、オーストリア=ハンガリー帝国は国力を低下していき、結局、第一次世界大戦で滅亡してしまったのである。売春を禁止すると、国家が滅亡してしまうのだ

 現在、日本ではフェミニストたちの主導によって、「DVシェルター」やら「女性センター」やらが税金によって設立しているのだが、いくらこんなものを作ったとしても、夫婦の問題は良くならないし、離婚件数が増加していくだけなのだ。これらの施設はフェミニストたちが結婚制度を破壊するために作ったのであり、結婚を改善するために作ったのではないのだ。

 結婚というのは、女性だからといって誰もができるものではないのだ。精神的自立を終えていないと、結婚してから結婚を巧く運営していくことはできないのだ。結婚での問題を解消させたいのであるならば、まずは既婚女性を精神的に自立させ、利己的に生きる生き方を改めさせるしかないのである。

 女性といえども、すぐさま自立できるものではないのだ。大学に進学してしまい、社会に出る機会が遅れれば遅れるほど、精神的に自立できる時期は遅くなってしまうものだ。だから、大学を卒業しても就職せず、大学院に進学し、そして学者の道を歩んでしまう女性たちは、当然に精神的に自立できるチャンスを失ってしまい、フェミニズムに洗脳されてしまうようになるのだ。そういう女性たちが女性学講座を開き、女子大生たちに男性への憎悪を教え込んでいるのだ。そういう教育を受けてしまえば、益々精神的に自立できなくなるし、結婚することも不可能になってしまうことだろう。

 世間知らずの潔癖症女性たちは非常に危険なのである。結婚には様々な問題があるかもしれない。売春には様々な問題があるかもしない。しかしそれらは文明の存続のためには絶対に必要なものなのである。既婚女性のいない文明は必ず崩壊するし、娼婦のいない文明も必ず崩壊するのだ。

 結婚制度に様々な問題が発生してくるのは、それは結婚というものが生きているからこそなのである。売春制度に様々な問題が発生してくるのは、それは売春というものが生きているからこそなのである。結婚制度も売春制度も死んでしまえば、問題など発生しなくなるものだ。ネガティブな面ばかり見て、それらを廃止してしまうのは本末転倒なのである。問題が発生しているということは、それらによって利益も発生しているということなのである。そしてその利益が莫大だからこそ、いつの世にも結婚と売春が存在し続けているのである。

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