幼児に食べ物の好き嫌いがあるのは当たり前
●なぜ食べ物の好き嫌いが出て来るのか?
育児をしていく上で、絶対に忘れてはならないということは、自然界では食べ物を与えてくれる人が一番偉いということだ。だからこそ、乳児や幼児は母乳や離乳食や食事をくれる母親に従うし、その食費を稼いでくる父親に従うのだ。それゆえ、与えられた食事には文句を言わせないことこそ、親の権威を確立させることができ、その権威によって正常な育児をすることができるのである。
母乳を与えている段階では全くなかったのに、離乳食を与えていくと、幼児というのは、好き嫌いを示し始める。離乳食の段階では好きな食べ物は早く食べるが、嫌いな食べ物になると食べなかったり、わざと遅く食べて母親の手を困らせるのだ。これを放置しておくと、正式な食事になると、有り得ないような好き嫌いを言い出してくるのだ。
実を言ってしまうと、幼児の好き嫌いは或る程度までは、正しい反応を示しているのである。人間は自分が欲しくない食べ物は食べないという本能的に持っている。例えば、幼児の嫌いな食べ物ナンバーワンである「ピーマン」は、ピーマンの持つ苦味成分が疲労物質を除去する役割を果たすので、疲労物質を溜め込んでいない幼児には殆ど必要のない食材なのである。だからこそ、幼児たちがピーマンを嫌うのである。
もう一つは母親が偏食を与え続けてしまったということである。離乳食自体が偏食なので、離乳食の後期には栄養バランスを整えていって、栄養が偏らないようにしておかないと、偏食のまま正式な食事へと突入してしまうのだ。それゆえ、離乳食を作る際は、精白穀物を絶対に使用しないことだ。精白穀物を食べさせていると、どうしてもビタミンやミネラルが決定的に不足しすぎてしまうので、偏食をし出すのである。
トドメが育児の仕方が間違っているということである。母親が適切な愛情を与えなかったり、家庭内の秩序を教え込まなかったりすると、幼児は強烈な好き嫌いを発揮し始める。家庭内の愛の流れは、父親に発して、母親を経て、幼児に辿りつくので、夫婦間でどんなことがあっても最終的には仲直りすべきだし、幼児にはお父さんが一番偉いのだということを教え込んでおくことだ。間違っても、幼児の前で父親の悪口を言ってはならないのだ。こうすると、幼児は家庭内の秩序を受け入れ、両親の愛が流れ込んでくるので、食べ物で好き嫌いをしなくなるのである。
●好き嫌いを言うのは成長した証
離乳食で好き嫌いを言われるのは困りものだが、好き嫌いを全くしないというのも、それはそれで問題なのだ。離乳食は幼児にとって、未知との遭遇の連続であって、中には自分がどうしても嫌いな物も出て来るし、自分が大好物な物も出て来るのだ。それはそれで成長した証なのだ
但し、好き嫌いをそのままにしてはいけない。好き嫌いを放置しておくと、幼児中心の家庭に変わっていってしまうので、幼児の好き嫌いを認めてはならないのだ。幼児の好き嫌いを粉砕することで、親の権威を確立するのである。これをやらないと、母親は幼児の我儘に振り回されてしまうようになるのだ。
嫌いな物を食べ終わるまで、絶対に食事を終わらせないことだ。幼児にへばりついて、問答無用で食べさせるのだ。母親というのは、何も食堂のオバチャンではないのである。自分の子供の健康を思って食事を出しているのであって、それは幼児がどのように思ったとしても、食べて貰わねばならない物なのである。
母親が離乳食の段階で、幼児の好き嫌いを認めないと、正式な食事を開始した後は、余り好き嫌いを言わなくなるものなのだ。離乳食でズッコケていると、正式な食事が始まった時に、散々に手を焼くことになるので、離乳食の段階で好き嫌いの芽を摘み取っておくことだ。
その反面、幼児の好きな料理や嫌いな料理を覚えておき、定期的に好きな料理を出していけばいいし、嫌いな料理も少しは改善した方がいいのだ。どうやって嫌いな物を改善すればいいかは、ママ友たちに聞いてみればいい。みんな悪戦苦闘しているので、いいアイデアを持っていることもあるのだ。少しヒントを与えるなら、幼児は食べ物の臭いに敏感なので、その臭いを巧く消し去ってしまうと、嫌いな物でも食べてくれるようになるのだ。
●空腹を味合わしてから食事をさせるようにする
幼児の好き嫌いを克服していくために、まずは幼児を空腹にしてしまうことなのである。人間は誰しも空腹になれば、どんな物でも美味しく感じることができ、何も残さず食べるようになるのである。満腹の状態ではいかに美味しい料理を与えても、不満を言い出し、食べ残すようになってしまうのだ。
そのため、離乳食を作ることに追われてしまうのではなく、食事の前に幼児を空腹にさせるという作業を怠ってはならないのだ。食事の前に外に出かけて、遊んでしまい、お腹がすいた頃を見計らって帰宅し、それから料理を作って出せばいいのだ。こうすればお腹がすいているために、好き嫌いを言うことなく、なんでも食べてしまうのだ。
空腹になると、最も先に炭水化物が欲しくなるので、炭水化物中心の食事を食べさせていくと、その他のオカズもきちんと食べてくれるようになるのだ。離乳食で張り切ってしまうと、オカズの量を増やしてしまう傾向にあるので、離乳食は炭水化物中心の食事であるということを決して忘れないようにすることだ。
幼児は食後、すぐさま動き出してしまうので、食事が終わったら、必ず食休みをして、胃腸に血液を集中させてあげることだ。こうすると食べ物の消化吸収が早くなるので、次の食事までにはきちんと空腹になるのだ。最低でも15分程度は、居間でゴロゴロとしていれば、充分な食休みになるのだ。
食休みをさせないと、次の食事の時間になっても、まだ消化吸収が終わらず、お腹がすいていないということになってしまうので、いくら美味しい料理を出しても、食べ残してしまうようになるのだ。この手の好き嫌いは、食休みをさせなかったことが原因なので、今後、きちんと食休みを取らせるようにすることだ。
●家族の中で食べるようにする
幼児の好き嫌いをなくすためには、とにかく家族の中で食べるようにさせることだ。幼児は両親の食事の姿を見て、食欲が湧いてしまい、それで釣られて食べてしまうのだ。この「釣られ食い」こそ、幼児の好き嫌いをなくしてしまう最大の対策なのである。その食材の栄養がどうのこうのではなく、食事をするのが楽しいということを覚えさせてしまうことだ。
それうえ、離乳食の初期は、両親が先に食事をし、楽しい会話をしてから、その後に離乳食を与えるというスタンスを決して崩さないことだ。幼児は両親の風景を見ているだけで食事は楽しいものだなということが脳内にインプットされるので、その後に離乳食を与えると、大急ぎで食べ始めてしまうのだ。
これは離乳食を終えて、正式な食事をするようになった時、食事を食べさせすればいいのではなく、食事の際は会話をして、楽しみながら食べるという習慣を教え込ましてしまうことになるのだ。食事をしても楽しくないからこそ、得体の知れない好き嫌いを言い出してくるのである。
新米ママだと離乳食を作ることに肩が張り過ぎてしまい、夫婦で楽しく会話をするということを忘れてしまいがちだ。しかし、そんなことをやっていると、幼児が凄まじい好き嫌いを言い出し、離乳食の段階でズッコケてしまうことになるのだ。自分の子供が余りにも激しい好き嫌いをしてくるなら、自分たち夫婦に何かしらの問題があると思った方がいい。家庭内できちんと愛が流れていないのである。
人間は本来「果実食動物」のくせに、進化の過程で雑食になっていったので、なんでも食べて行かねばならないのである。好き嫌いを言っているようでは、非常に偏った人間になってしまうものなのである。自分の子供をまともな人間に育てあげたいのであるならば、食べ物で好き嫌いを言わせないことだ。食べられるだけ有難いということを教え込み、食べ物に対して感謝の気持ちを持たせることだ。
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