« 結婚後10年目の結婚式 | トップページ | 育児が終わったら、記録を残しておくこと »

特別講義『主婦でも解る政治学』 ~減税なき行政改革は絶対に失敗する~

●「世紀の大改革」は「世紀の大失敗」!

 衆議院選挙で圧勝して成立した鳩山由紀夫内閣は、選挙公約で大盤振る舞いをしたために、事業仕分けなどの行政改革に着手し、それによって捻出したお金を自分たちの政策に使おうと躍起になっている。しかも、それを行う政治家たちがなんの行政経験のない素人のために、やっていることは乱暴の極みにしかすぎないのだが、テレビ局を始めとするマスコミのバックアップを受けて、国民の高い支持率を受けながら行っている。家計を預かる主婦にとっては、選挙公約で子供手当てが打ち出されているために、興味深々といった所で見ており、この遣り方に支持する主婦たちも多いことだろう。

 しかし、この「世紀の大改革」と呼ばれる行政改革は、「世紀の大失敗」に終わることだろう。なぜなら、この行政改革には「減税」というものが、全く出て来ないからだ。減税なき行政改革は絶対に失敗する。これは政治学に於ける法則であって、これを無視すれば如何なる政治家でも失敗は免れないのだ。

 鳩山内閣はそれどころか増税政策を隠し持っている所があり、この不況の中で増税をすれば、日本経済が失速してしまうということが解っていないのだ。先の内閣であった麻生内閣が消費税の増税を打ち出したために、選挙で大敗してしまったという事実を軽視し過ぎているのだ。どんなに長期政権で、戦争の荒廃から国家を立て直した自民党ですら、増税をやろうとすれば、政権を手放さなければならなかったのである。、

 そもそも、「税金の無駄遣いをなくせ」という声はいい響きではある。しかし、この世で無駄遣いをせずに生きている人など誰一人いないものだ。自分ですら無駄遣いをしているなら、財政での無駄遣いをなくそうなど言うべきではないのだ。自分ですらできないことを、政治の世界で出来る訳がないのだ。

 財政というのは、主要政策に対して大量の税金を投入せねばならないのであって、税金の無駄遣い云々は別に関係のないものなのである。現在、日本の国家財政が破綻したのは、今まで取って来た主要政策が行き詰まったからこそ起こった現象であって、その主要政策の変更抜きに、国家財政は絶対に立ち直らないのだ。では、日本の国家財政の主要政策は何かといえば、それは「社会保障政策」なのである。社会保障政策を長期間に亘って取り続けたからこそ、財政が破綻してしまったのである。鳩山内閣は社会保障政策を変更しようなどと一言も言っていないし、それどころかより充実した社会保障を推し進めていようとしているのだ。これでは何をどうやったとしても、財政は破綻し続けるのだ。

●戦前の行政改革はこうやって失敗した

 行政改革は何も戦後の政治だけにある問題ではないのだ。戦前も行政改革は問題とされていたのだ。所謂「大正デモクラシー」では「軍縮」を巡って常に激論が行われ、実際に軍備を縮小させて行った。しかし、大正デモクラシーを行った政治家たちは減税を全く行わなかったのだ。その内、政治家同士で醜い権力闘争を繰り返して、国民から失望され、しかも、金融恐慌や世界恐慌に対して有効な政策を打ち出すことができなくなり、最終的には政党政治を自らの手で終焉させてしまったのだ。

 戦後の日本の歴史学は社会主義者たちの占拠されてしまったために、社会主義のイデオロギーによって史実を大いに捻じ曲げられてしまい、戦前の日本は軍部が暴走することによって、破滅して行ったように教えられているが、実際には軍部が暴走したのは満州事変だけであり、しかも満州事変の首謀者たちは、石原莞爾を始め、全ての者たちが左遷されているのである。

 寧ろ現実は、大正デモクラシーを標榜し、国民から選ばれた政治家たちこそが暴走して行ったのである。支那事変でも悪化させたのは近衛文麿であり、帝国陸軍参謀本部も中華民国政府も支那事変は終結させようとしていたのに、それをぶち壊したのも「近衛文麿」なのである。近衛文麿の秘書たちには多くの社会主義者たちがいて、しかもその中にはソ連のスパイだった人物もいて、それによって近衛文麿は間違った政策を連発して、日本を破滅に追いやったのである。

 大東亜戦争は現役武官である東条英機が行ったために、軍部が政治を乗っ取ったような感じを持ってしまうのだが、東条英機は軍事政権を成立させたのではなく、帝国議会の支持を受けて成立した内閣であって、軍部が銃口を突き付けて成立した内閣ではないのだ。近衛内閣の時に、対アメリカ戦争計画である帝国国策遂行要領が決定されており、それを実行するために東条英機が選ばれたに過ぎないのだ。

 では、なぜ帝国陸軍や帝国海軍は、この危険極まりない近衛内閣の政策を支持したかというと、それは大正デモクラシーで行われた軍縮による恨みの蓄積が噴出したからなのである。武官というのは、どこの国でもエリート扱いを受けるものだが、それを馬鹿扱いし、国防費を税金の無駄遣いと罵り、国防力を無闇に縮小されてしまったことに対して、武官たちは長年に亘って恨みを蓄積させ、それを近衛内閣に巧く利用されてしまったのだ。

●マーガレット・サッチャーはこうやって行政改革に成功した

 どこの国でも行政改革は失敗する可能性が高い政治行為なのである。行政改革が叫ばれる時は、その国の政治が行き詰まっている時であり、しかも行政改革をしながら減税をするということをしない限り、自分たちが満足ゆく行政改革をしても、絶対に失敗してしまうことになるからだ。現在の先進国の中では、イギリス病で苦しんでいたイギリスをマーガレット・サッチャーが行政改革で立て直した時だけ、行政改革が成功している。

 イギリスは第二次世界大戦の戦勝国にも拘わらず、戦費が膨大なものとなり、しかも、戦争によって政府の規模が増大して、大量の国家公務員を抱え込むことになってしまった。そのため労働党が政権を取ろうが、保守党が政権を取ろうが、どちらも政府の規模を更に大きくしようとし、減税をすることをしなかったために、イギリスは停滞し、国民は貧しくなっていったのだ。

 そこで、マーガレット・サッチャーはいきなり行政改革の構想を練ったのではなく、大きな政府のイデオロギーとなっている社会主義に対抗するために、フりードリッヒ・フォン・ハイエク著『隷従への道』を庶民院の議員たちと共に熟読する会を開き、そこで保守主義のイデオロギーを体得して行ったのである。

 そして保守党の党首となり、その後、政権を獲得すると、まず先にやったことは、新規の国家公務員の採用を停止したことであった。国家公務員がいくら多過ぎるからといって、国家公務員の首切りを行ってしまうと、国家公務員たちは労働組合を通じて労働党に泣きつき、それによって議会が大混乱に陥ってしまうからだ。それよりも、巧く労働組合の反撃をかわすためにも、新規採用を停止し、自然と国家公務員の数を減らして行った方が、より効果的な政策となったのである。

 それをやった上で、減税を施し、税収を減らすことで、国家財政の規模を縮小させ、それによって大きな政府を縮小させて行ったのである。減税し、国家公務員の数が少なくなれば、それだけそのお金と人材が民間に回るので、それによってイギリス経済は活性化し、イギリスはイギリス病を克服できたのである。

●減税こそが行政改革の要なのである

 マーガレット・サッチャーがやったことは、現在の日本の政治でも充分に通用するものである。まず行政改革は小手先の政策を実行して行くのではなく、保守主義というイデオロギーが必要不可欠であるということである。大きな政府はただ単に大きくなっていったのではなく、社会主義というイデオロギーがあったればこそ、政府は巨大化していったのである。だから、まずは社会主義というイデオロギーを打ち砕かなければならないのだ。

 次に無闇に国家公務員の首切りを実行したり、官僚イジメを行ったりするのではなく、国家公務員の新規の採用を禁止し、定年によって国家公務員の数が減少して行くことを待ち、下手に国家公務員を敵に回さないことなのである。国家公務員の労働組合は社会主議政党の熱心な支持母体なのであって、国家公務員の首切りを実行してしまうと、議会が大混乱に陥ってしまうからだ。

 そして何より絶対に減税を行うのである。減税こそが行政改革の要なのである。政治家たちが「これは無駄な事業だ」と仕分け作業をしなくても、税収が少なくなれば、自然と無駄な事業から撤退して行くのである。政治家たちが国民の支持を得られるからといって、仕分け作業を遣りまくっていたら、官僚たちは政治家たちに従わおうとしなくなり、その内、得体の知れない妨害工作を働いて来るものなのである。

 税収が少なくなれば、国家公務員を削減して行くしかなく、自然と小さな政府になっていくのである。そうなれば幾ら財政赤字があったとしても、短期間に借金を返済してしまうことが可能に成り、国家財政は健全化していくのである。大きな政府を維持しつつ、国家財政を破綻から救おうとなどとは、絶対に無理な注文なのである。

 政府が減税をしてくれれば、それだけ国民は資金を多く持てることになり、それによって経済が活性化し、国民は豊かになっていくのである。政府が社会保障を整えなくても、国民は政府の社会保障を上回る社会福祉を実現することが可能に成るのである。政治家たちが政治の力を使って社会的弱者の救済を行うよりも、経済を豊かにして社会的弱者であっても、きちんと生活できるような世の中にして行くことこそ、政治家の本来の役目なのである。

●財政赤字で滅んだ国は一つもない

 確かに、現在、日本は先進国の中でも突出した財政赤字になっており、これに対して学者たちが危機意識を煽り、それにマスコミも追随して、そのために政治家たちは財政赤字を解消することに躍起になっているのだ。だが、はっきりと言っておくが、どんなに莫大な財政赤字を抱え込もうとも、財政赤字で滅んだ国家は一つもないのだ。

 なぜなら、どんなに財政赤字を記録しようが、その国債の所有者が国民である限り、その国債の利子は国民の収入となって、国民の懐を潤すものになるからだ。それどころか、政府は借金をすることによって、自分たち政府の信用度が解ることになり、政府が信用を失うような行為をすれば、立ち所に国債が売れなくなってしまい、財政が立ち行かなくなってしまうからだ。それゆえ、政府は国民に借金をしている限り、身を正して行かなければならないのだ。

 財政赤字が問題となるのは、政府が国債を外国人に売った時なのである。国債を外国人が所有してしまえば、その利子が外国人の収入になってしまい、その国だけでなく、その国民も貧乏して行ってしまうのである。明治期の日本が貧しかったのは、政府がロシアとの戦争で勝利するために、外国人に国債を売ってしまい、それによって政府も国民も貧乏になって行ってしまったのだけなのだ。第一次世界大戦の好景気で経済が活性化すると、その増収で国債を償還することができ、その後、日本は非常に豊かになって行くのである。

 日本政府は第二次世界大戦で敗戦国になり、莫大な戦費とそれを上回る連合軍の駐留経費のために財政が破綻したにも拘わらず、国債の償還をきちんとやっている実績を持っているのだ。ブラジルのように政府債務を踏み倒す国家とは比べられないほどの優秀な国家なのである。

 通常の家計の感覚や、通常の企業の感覚で、国家財政を見るべきではないのだ。どの家族でも、どの企業でも、赤字は非常に危険なものである。しかし、政府は政府の資産だけでなく、国民の資産をも担保に出来てしまうために、民間人から見れば異様とも言える財政運用を展開して行くことができるのである。だからこそ、政治家というのは特殊な人々であって、素人を政治の世界に送り込んではならないのだ。素人ではこの金銭感覚を見つけることができないからだ。

●国家公務員の実態を知れ

 今回の事業仕分け一つ見ても、政治家たちによる官僚イジメという様相がはっきりと見て取れる。官僚は大方、官僚主義に陥って行くために、民間人の目からして見れば、非合理的な行動を取って来るものなのである。しかし、それでも官僚がいなければ政府は機能することができないのだ。政治家のやるべきことは、官僚を使いこなすことであって、官僚を攻撃して、官僚の恨みを買うようなことはすべきではないのだ。

 そもそも国家公務員という者は、全て大学卒であり、国家公務員試験を突破して来ているがゆえに、優秀な頭脳の持ち主たちなのである。政治家の方が何かしらの国家試験を受けずに、選挙で当選したぐらいで政治家になってしまったために、政府がどのように動いているのか解らないものなのだ。政治家が政府のどこかの機関にちょこっと査察して来て、それで「この事業は廃止!」と決定してしまったら、これほど乱暴な遣り方もないのだ。

 官僚たちは決してエキサイティングな人生を求めているのではないのだ。彼等は安定した生活を求めて遣って来るものなのである。官僚として勤めている間の給料は比較的安いものだが、定年退職すると恩給がたっぷりと貰えるのである。しかも、終身雇用で採用されて来るために、無闇に首切りをすることはできないものなのだ。

 官僚をいきなり首切りしても、20代や30代の官僚ならまだいいが、それ以上になってしまうと、民間では吸収しにくい人材なのである。だから、使い物にならなくなった官僚たちを天下りさせ、政府の外に追い遣るというのは、必要な行為なのである。それは一見汚職に見えるかもしれないが、政府の人材を活性化するためには、必要悪の行為なのである。

 だから、官僚の数を少なくさせようとするなら、天下りを禁止するとか、官僚の首を切るとかするのではなく、マーガレット・サッチャーがやったように国家公務員の新規採用を停止し、自然と官僚の数を減少させていくしかないのだ。時間はかかるかもしれないが、これが一番効果的で、反対勢力が出て来ない遣り方なのだ。

●ジャーナリズムを逸脱したテレビ局

 今回の鳩山内閣の誕生も、世紀の大改革の暴走も、テレビ局の支援を受けているからこそ、国民の高い支持を獲得できたのであって、民主党の政治家たちは悪乗りしすぎている。テレビ局は放送法でテレビ局の公正中立が定められているので、テレビ局自体が明らかに法律に違反しており、これを野放しにしているからこそ、異常な世論を形成してしまっているのである。

 報道権力というのは、世論を扇動でできために、立法権力や行政権力や司法権力よりも、或る意味、強力な権力なのである。それなのに、テレビ局がこの権力を悪用してしまえば、国民は異常な考えを持ってしまうし、その異常な世論に誘導されて、政治家たちはおかしな方向へ国政を誘導してしまうものなのである。

 大体、まよもに取材もしないで報道せず、政治批判ばかりを繰り返すテレビ局に対しては、記者会見への出席を禁止すべきなのである。ニュース番組だというのに、ニュースを流すのは少しだけで、得体の知れないコメンテーターたちに物を言わして誤魔化しているようなニュース番組を作って来るなら、政治家は取材を受けることを拒否すべきなのである

 そのようなテレビ局に対しては、「テレビCMを必要経費として認めない」とか、「テレビCM税」を課して、その広告主に重税を課すべきなのである。国民が無料で扇動番組を見ているからこそ、正常な世論が形成されないのである。国民に選挙権を与えている以上、国民が政治に対して熱狂状態になることは如何なることがあっても防ぐべきで、そのように政治に熱くなってしまえば、国民はまともな労働をしていないということであるし、選挙でまともな政治家たちが選ばれて来ないということなのであり、この手の馬鹿たちは全体主義に走って行くものなのだ。

 何かを報道をするなら、ジャーナリストたちの方にも「クリーンハンドの原則」が適用されるべきなのである。もしもジャーナリストたちがそれほど民主主義を唱えて来るのであるならば、テレビ局内部でも民主主義を実行すべきなのである。テレビ局の社長やテレビ番組の司会者を社員たちの選挙で決めるべきなのである。自分たちは民主主義を実行していないにも拘わらず、政治に対して民主主義を要求すべきではないのだ。

●議院内閣制の制度疲労

 現在、日本は様々な政治問題を抱えている。しかし、それは政治家たちや官僚たちが引き起こしたものではないのだ。議院内閣制自体が制度疲労を起こし、優秀な政治エリートを首相や大臣に就けられなくなったこそ、政治問題が多発してしまっているのである。衆議院が衆議院議員の中から首相を選ぶからこそ、首相として不適格な、低能な人間を首相に選んでしまうのである。

 自民党の長期政権が優れていたのは、党内では派閥抗争を繰り返して政治エリートを鍛えさせ、国会議員に国務大臣を経験させてキャリアを積ませ、その国務大臣経験者を首相に選出したからなのである。それをしなければ優秀な人材を首相に就けさせることはできないし、たとえ首相になっても的確な政治判断が出来ないものなのである。

 民主党の党員たちが考えるように、アメリカでは二大政党制だから、日本も二大政党制にし、政権交代をしたら、誰でも首相になっていいと考えて来れば、その理想は立派なものでも、実際にやってみると最悪の人物を首相の地位に就けさせてしまうことになるのである。日本の首相はアメリカの大統領ほど強力な権限は持っていないのであって、そのような弱い権力の首相では、二大政党制のような強力な政権交代には耐えられないのである。

 日本が抱えている根本的政治問題は、最早、日本の政治を議院内閣制で動かすことはできなくなっているのであって、国民が直接に首相を選ぶシステムに変えて行かなければならないということなのである。その際、全ての国民に選挙権を与えるのではなく、納税者だけに選挙権を与えるべきなのである。なぜなら、行政権力は所詮、税金を使うのが仕事なのであって、税金を納めていない人々に選挙権を与えてしまえば、碌でもない人間が首相に選ばれてしまうからだ。納税者が国民を代表し、その納税者たちこそが納税者たちの中から首相として最も相応しい者を首相に選ぶべきなのである。

 また、首相候補をいきなり首相にさせるのではなく、国務大臣を幾つか経験させておき、政治の世界でキャリアを積ませておくシステムは絶対に維持し続けるべきなのだ。日本が戦後復興を成し遂げることができたのは、自民党がこれをやったからなのであり、日本国がこれからも繁栄をし続けたいのなら、その政治的遺産をしっかりと継承しておくことだ。

 首相というのは、行政権力の長であると同時に、自衛隊の最高総司令官でもあるのだ。そのため、軍事学を全く知らないというのでは首相としての資格を満たさないのであって、大学に於いて軍事学の必修を義務付けるべきだし、数年でもいいから軍事訓練に参加させて、軍隊生活を味わっておくことだ。日本のように、周囲を軍事大国で囲まれている国家は、軍事力を軽視すれば、一瞬で滅亡してしまうのである。ロシアにしろ、中国にしろ、北朝鮮にしろ、一度たりとも軍縮をしたことのない軍事国家なのである。これらの国々は常に日本を仮想敵国に設定し、虎視眈々と侵略の機会を窺っているものなのである。

●政治家は慈善活動に手を出すな

 戦前の日本でも大正デモクラシーの政治家たちがおかしな方向に国政を誘導し、大日本帝国を破滅させてしまったのは、大学で軍事学を修めることをしなかったし、軍事訓練を経験することがなかったためなのである。そのために、馬鹿の一つ覚えの如くに軍縮を唱え続け、それによって国防を無力にしてしまい、それに対して危機感を抱いた軍人たちが満州事変を起こすことで爆発して来たのである。日本が南下侵略を国是とするロシアと接している以上、そう易々と軍縮はできないものなのである。ロシアという国は、敵国に軍縮をさせ、軍事力を弱らした所で侵略を開始して来るというのが常套手段なのである。だからこそ、あれだけ巨大な領土を持つことができた国家なのである。

 現在の政治家は、どの政治家も大学生の時に軍事学を修めていないし、軍事訓練を受けたこともない。これでは政治家としてまともな判断ができる人間がいないのは当然のことなのである。そのため、政府を慈善団体と勘違いしているのか、矢鱈と社会保障を充実させようと躍起になっているのである。政府は慈善団体ではないのだ。慈善活動は宗教団体や慈善団体に任せるべきなのである。そのために宗教団体や慈善団体には税制上の優遇措置を与えているのである。そんなに慈善をやりたいのなら、政治家に成らずに、慈善活動家に成ればいいのだ。

 もしも、どうしても政府が慈善活動をしたいのなら、「国立社会福祉機構」でも作って、それを国民の自発的な寄付金で運営していけばいいのだ。皇族の誰かを名誉総裁にすれば、寄付金も集まり易くなることだろう。理事長は国政選挙の際に国民が選挙で選べば、国民にとって必要な社会福祉を実行して行くことが可能になる筈だ。

 政府の仕事は「安全保障」と「治安維持」と「公共事業」に限定すべきなのである。これだけの業務に限定すれば、安い税金で政府を運営して行くことができるものなのである。国民にとっては、税金の安い政府こそ、政府による最大の慈善になるのである。幾ら手厚い社会保障が実施されても、重税であるならば国民にとっては大損害を被ってしまうだけなのである。

 国民は幾ら自分が貧乏だからと言って、政治家に泣きつくべきではないのだ。自分の貧乏は自分の自助努力で解決すべきであって、政治の力に頼るべきではないのだ。国家権力が如何に強力なものだからといって、国民の全てが政府に寄りかかってしまえば、政府は転覆してしまうものなのである。国家が滅亡する時には、外国から侵略して来る軍隊によって、国民は略奪と虐殺を食らいまくることになるのである。

 幾ら国民が政府から僅かな手当てを貰っていても、誰であったとしてもその金額に満足しようとせず、次から次へと高額な手当てを要求し出すものなのである。悪銭は身につかないように、まともに働きもせず、税金を掠め取ったお金は、絶対に自分の貧しい心を満たすことはないのだ。政治家や官僚たちが汚職することが悪いと糾弾しながら、国民自身がそれを上回る汚職を合法的に行っているだけなのである。

 近代国家は国民が選挙で政治家を選ぶ以上、国民のレベル以上の人物を政治家に抜擢することができないのである。国民のレベルが低ければ、政治家のレベルも低くなってしまうのである。逆に国民のレベルが高ければ、政治家のレベルも高くなって来るのである。それゆえ、国民が乞食のような真似をして、政府から何かしらの補助金を要求するような真似をしていれば、乞食のような人間が政治家になってしまうものなのである。現在の政治の腐敗は、政治家たちが引き起こしただけのものではなく、国民が腐敗していることの反映なのである。

 我々の祖父たちが明治維新を成し遂げ、日本を近代国家に作り上げ、日露戦争に勝利することができたのは、国民の一人一人が独立自尊の気概を持ち、自助努力を繰り返し、艱難辛苦を吹き飛ばし、自らの力で伸し上がってきたからなのである。明治の人たちは現在の我々よりも遥かに貧しかった。それでも政府に頼ったりしなかったし、社会保障の充実を要求したりしなかった。だからこそ、日本は偉大な国家になることができたのであり、日本国民は偉大なる国民になることができたのである。

 我々日本国民は、現在、民主党政権がやっている大改革は、実は政治の改革にならず、制度疲労を起こした政治体制の延命措置にすぎないということに早く気付くべきなのである。幾ら国民が勤勉勤労になって経済力を豊かにさせたとしても、政治がそれを巧く活用できるシステムを持っていない限り、政治は混迷を続け、国益を大いに損ない、国民は大損害を被ってしまうことになるのである。そういった意味で、民主党の世紀の大改革は「民主主義は衆愚政治である」ということを暴露する結果になるのである。全ての日本国民が「議院内閣制ではどんなに選挙をやっても駄目なんだ!」と解るまで、政治腐敗は絶対に止まらないのである。

|

« 結婚後10年目の結婚式 | トップページ | 育児が終わったら、記録を残しておくこと »

子育て」カテゴリの記事

育児」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/496414/32439868

この記事へのトラックバック一覧です: 特別講義『主婦でも解る政治学』 ~減税なき行政改革は絶対に失敗する~:

« 結婚後10年目の結婚式 | トップページ | 育児が終わったら、記録を残しておくこと »