ウィークエンドエッセイ『うちの3姉妹のフーちゃんは、どうしてメルヘナーなのか?』
●第一子が育つ環境
俺は常々、「第一子を見れば、その親の力量が解るものだ」と言っている。大体、どの母親たちも第一子目は育児に緊張しているので、大事に育てて来るものだ。そのため育児が順調ならそのまま育てていくものだし、育児に於いて何かしらのトラブルが発生すればすぐさま手を打って来るものだから、その真剣さが子供に伝わって来て、責任感の強い子供として育って来るからだ。
ところが、母親は第一子の育児に一生懸命なのに、第二子が生まれると、一転してそちらの方を大事にするようになる。第一子としては今まで自分を大切に扱ってくれていたのに、第二子が生まれたことでそうではなくなってしまうので、それを埋めるべく空想の世界に耽り出すものだ。
『うちの3姉妹』で面白いのが、長女のフーちゃんの「おっぺけ劇場」をきちんと書き遺していることだ。普通、育児をしていれば、自分の娘がやっている遊びなど、書き遺さないものだ。親の前で子供たちが遊んでいれば、「遊んでないで、家事を手伝いなさい!」とか言ってしまうものだ。
長女のフーちゃんはメルヘナーなのだが、彼女が作って来るメルヘンの世界は、一応きちんとした物語が成立しているから凄いものだ。この点、次女のスーちゃんは長女と一緒にやっている時はそのメルヘンに付き合っているが、自分一人でやってしまうと途端にコメディーになってしまうのだ。
何を隠そう、俺の姉もフーちゃんのように演劇ごっこをしていたものが、俺も暇がある時はこの演劇ごっこに駆り出されてしまったのだ。しかし、一緒に演劇ごっこをやっていれば、姉の演劇ごっこのパターンなど解ってしまうので、面白くなくなってしまう。そこで親戚が集まった時に、自分一人でコメディーを考え、それを披露したのだが、親戚一同から大爆笑を得てしまったのだ。このコメディーが相当面白かったのか、あれから何十年経った今でも「あの劇は面白かったよ~」と言われてしまうくらいなのだ。
●青春時代に於ける想像力の活かし方
人間の想像力というのは、平穏な家庭で育って来ないと、決して健全な形で育たないものだ。生活が貧しくて、子供の頃から生活の糧を得るために労働に駆り出されたら、何かを想像している暇などなくなってしまうからだ。子供が労働しなくてもいい環境で、愛情の深い両親に恵まれれば、子供は遊びながら想像力を逞しくして行くことだろう。
幼稚園ならば自分の想像力を活かす場所があるものだが、小学校に行くようになると、自分の想像力を活かす場所はなくなってしまう。そこで自分の想像力を活かすために、女の子なら少女漫画というものが存在しているのだ。現実はどうであれ、少女漫画を読んでいる時はその空想の世界に浸れるし、その漫画を切っ掛けに幾らでも想像力を膨らませることができるからだ。
男の子だった俺は、野球をやったり、昆虫採集をしたりして遊んでいたものだが、姉の本棚には少女漫画雑誌が大切に保管されていた。俺は貴重なお小遣いを駄菓子を買うことに使ってしまっていたのだが、姉は少女漫画雑誌を買うことで費やしていたのだ。俺も暇がある時は、その少女漫画雑誌を勝手に借りて読んでいたものだが、一体何が面白いのかさっぱり解らなかった。ただ、『ちびまる子ちゃん』だけは面白かった思い出がある。その後、テレビアニメ化されたのだが、あの漫画の面白さは雑誌の段階から抜きん出ていたと思う。
青春時代に入ってしまえば、女の子が自分の想像力を活かせる場所は、演劇部か漫画研究会しかないものだ。演劇部にしても漫画研究会にしても想像力の逞しい連中が入って来るものだ。ところがこの2つの路線はその後の人生の展開を大きく変えてしまうほど、大きな格差となって現れて来るのだ。
まず演劇部はどんなに頑張ってやったとしても、所詮、素人集団なので、演劇の基本を間違えてしまうのだ。大抵の人たちは演劇というのは、俳優の演技力云々を問題にするものだが、実は演劇で最も大事なのは脚本なのである。脚本が良ければ、俳優の演技が活かされて来るのであって、もしも脚本が悪ければ、俳優がどんなにいい演技をしても、最悪の印象しか残さないものなのだ。
中学生や高校生や大学生向けに優れた脚本というのはなかなか存在しないものだ。それなのに演劇部の連中は、自分が一杯一杯の状態で演技をしているために、その感動だけが残ってしまい、これで行けるのではないかと錯覚してしまうのだ。これこそがまさに「演劇部の落とし穴」であって、だからこそ演劇部上がりで俳優になった者が非常に少ないのである。
これに対して漫画研究j会なら、まともに活動していれば同人誌を作ることになるであろう。同人誌に載せるために漫画を描くということは、漫画の読者から漫画の描き手として立場を変換することであり、漫画はただ単に絵を奇麗に書けばいいということだけではなく、物語を構成して行くことの大変さが痛いほど解って来るのだ。
演劇部の連中が感情的になっているのに対して、漫画研究会の連中は冷静にならざるを得ず、自分が作った漫画のひどさということに直面せざるを得なくなるからだ。しかし演劇とは違って、同人誌なら形に残すことができるのだ。自分の能力が低くても、同人誌という形に残せたことは大きな自信を形成することになるのである。
●夢が叶う人々と夢に挫折して行く人々
高校生の辺りか、高校生を卒業した段階で、自分の将来の夢を決めざるを得ないであろう。漫画家を志すなら、いきなり漫画家になるのではなく、同人誌を作ってコミケで売るという地道な方法を取って行くことができる。コミケで同人誌を売れば、相当な大金を手にすることができるので、経済的にも余裕が出て来るのだ。そこで実力を向上させて、出版社に抜擢され、雑誌に連載を持つというのが、漫画家の出世のパターンなのである。
これに対して演劇部上がりだと、いきなり劇団に入団するか、自分たちで劇団を立ち上げるしかない。しかし既存の劇団ですら、まともな劇団は「劇団四季」ぐらいなもので、他のしょうもない劇団に入ってしまえば、自分がどんなに一生懸命にやっても、なかなか売れることはできないし、貧しい生活に直面せざるをえなくなってしまうのだ。自分たちで劇団を立ち上げれば、演劇に専念するだけではなく、今度は劇団経営ということまでやらなければならなくなるのだ。
それゆえ、この世には「女優になりたい!」という女性は矢鱈と多いものだが、劇団の女優として食える女性たちはごく僅かなのである。だからテレビドラマや映画の世界に進出していくものだし、しかしそこでの競争は熾烈なものなのである。劇団の女優で成功しなかった者の演技力など、たかが知れているからだ。二流以下の女優たちが、レベルの低い戦いを演じなければならなくなるのだ。
よくテレビドラマや映画で活躍している女優たちが、劇団の芝居に参加すると、「自分の演技力が向上した!」というものだが、それだけテレビドラマや映画というのは、程度の低い演技力でもこなしてしまうことができてしまうものなのである。自分が子供の頃には「お芝居をしたい!」と思っていても、自分がこの世で生きていくためには、自分が望まないことでもこなしていかなくてはならないのだ。
漫画家にしろ、女優にしろ、その夢を叶えて行く者たちが出て来ると同時に、その夢に破れた者たちも大勢出て来るものなのである。大方の場合、自分の夢に対して、現実の生活を余りにも無視してしまい、その経済的土台から崩れて行ってしまったのである。かといって経済的に成功しても、自分の夢が叶うことができるとは限らないのだ。
都会が繁栄しているのは、若者たちが夢を叶えて行くと同時に、夢に破れた若者たちエネルギーを奪い取っているからなのである。この世に格差があるのは当たり前であって、自分の努力とか、他人との出会いとか、運とかツキとか、様々な要素がないと勝ち残ることはできないし、弱者を救済することばかりに目を向けていては、いずれ自分も負け犬になって行ってしまうものなのである。
●長女はスタートダッシュをかけろ
高校生や大学生の時の才能の使い方が、その後の人生を分けてしまうものだ。演劇部のように碌な脚本もないのに、自分たちが精一杯やっているからといって自己満足してしまうと、その代償は非常に高くつくのだ。漫画研究会のように自分たちが精一杯やっても悲惨な現実に直面してしまえば、その教訓を今後の人生に活かすことができるのだ。
大人たちは無責任にも若者たちに「君たちには無限の可能性がある!」といって激励して来るものだ。しかし、大人になるということは、自分の限界に気付いていくということなのである。この分野では自分は得意ではない、この分野では勝てないと解ることで、自分の専門分野に特化していくことができ、勝率を上げて行くことができるようになるのである。あれもこれも全てのことに手を出していたら、自分のエネルギーを使い果たして破滅していくしかないのだ。
今現在、青春時代の真っ只中にいる若者たちに言えることは、「青春時代に結果を残せ」ということなのである。青春時代に遊び呆けていたら、あっという間に過ぎ去って行ってしまうので、とにかく自分が遣りたいことに着手して、結果を出して行くことなのである。そしてその結果を活かして飛躍していけばいいのである。
俺の高校生の時はバンドブームだったので、バンドをやっている連中が矢鱈と多かった。しかしバンドをやる連中の殆どが練習もせずに、ただぺちゃくちゃと喋ったり、女と遊んでいるだけで、演奏を極めることも、オリジナル曲を書いて来ることもなかった。結局、殆どの連中がバンドをやめていくことになってしまったのだ。
想像力は創造力を産む。自分の頭の中で考えていても、それを文章化したり図案化してみると、本来のものとは随分と違ってしまうことは多々あるものなのだ。何事もやってみないと解らないものなのだ。この世には自分の頭の中であれやこれやと考えて、何もしてこない人々は非常に多いものなのである。自分が頭の中で想像しているなら、現実に創造物として生み出して来ない限り、他人から正当に評価されることは決してないのだ。
長女の場合、下に弟や妹たちがいるわけだから、スタートダッシュをかけて、一気に伸し上がって行くしかないのである。長女が成功してしまえば、下の弟や妹たちも成功して行くことができるものなのである。長女はメルヘナーとして想像力が逞しいのだから、その想像力を創造力に転化させることは、非常に容易いものなのである。もしも自分が仕事をしていて行き詰まってしまったのなら、子供の頃のオッペケ劇場を思い出せば、新たな想像力は幾らでも湧いて来るものなのである。
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思考の整理学 (ちくま文庫) 著者:外山 滋比古 |
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コメント
有難うございます!
生姜も一緒に飲み込んでいる感じです


裁判やペットや小姑…愚痴になるのでここで辞めます。 何か 全部私が悪いと皆 思ってる気がします 私もそう思おうとしてます でも 私達の寝室の横では寝て欲しくなかったし 結局 あの家の主役は姑で 私は養子になったんじゃない!私の趣味の物をかってに触らないで!ノックして!息子をもっと誉めてあげて!…




鉄瓶でやってみました!飲んだ後もお腹がポカポカしてます
朝晩飲みたいと思います
昨日夜飲んで 今朝 寝汗がすごかったのですが生姜効果?なのかな?
姑とは 私が『いい人』と思われたくて 無理して合わせ過ぎたんです 何か人の顔ばかりみて行動してしまうのです
職場でも 八方美人で…
姑の事を考えると気持ちが重くなります 同居中に本当に色々あったのです
って すみません 嫁と姑のトラブル話しなんてタマティーさんの体に悪いですよね
今は とりあえず 姑とは離れていたいのです でも、無理してでも会いにいくべきでなのかなぁ?
最近急に片方の鼻詰まり&静電気が酷すぎで… きっと鼻は蓄膿症 再発です
風邪気味だし… 病院に行ってきます でも薬の貰い方には何時も困ってしまいます
妊娠希望とは言ってますが
静電気は 職場のどこを触ってもバチバチなんです
静電気って体に悪そうだし静電気防止の何かを探してみようかと思ってます
何か 何でもかんでも詰め込みすぎの文になってしまいごめんなさい
m(_ _)m
タマティーさんのコメントを朝みると元気になって1日やる気が出ます!
今は鼻水もでてますが… つらい…
投稿: あやのん | 2010年4月10日 (土) 09時12分
あやのんさん、妊娠しようとしているのだから、そう頻繁に薬を飲まないように。薬は体内のビタミンやミネラルを奪ってしまうので、お腹の赤ちゃんには悪いものですよ。
それにしても夫が花粉症で、妻が蓄膿症なら、自宅にテイッシュペーパーが幾らあっても足りないですがな。
ゴミ箱は使用済みの鼻紙でいっぱいでしょうに。
花粉症にしても蓄膿症にしても、自律神経が異常になっているからこそ、異常な反応を示して来るので、まずは自律神経を整えることですよ。
朝は早起きして、テキパキと家事と仕事をこなして、夜はお風呂に入って体を温め、早寝をしてしまうことですよ。
花粉症や蓄膿症には生姜湯やニガリをいれた白湯が効きますので、治るまでしぶとく飲み続けて行くことですよ。
姑さんとの関係は、距離を置きながら、定期的に会うことをしておいた方がいいですよ。
何かと理由をつけて、姑さんの家に遊びにいけばいいんですよ。
定期的に交流をしておかないと、あやのんさんは自分でストレスを抱え込んでしまうし、姑さんも「なんだあの嫁は!」ってことになりますからね。
結婚6年目なら、妻としてはまだまだ未熟者ってことですよ。
姑さんから教わることはたくさんある筈ですよ。謙虚になって教えを乞うようにして、地道に実力をつけていくことですよ。
タマティーの父方の祖母は、タマティーの母親が結婚して、すぐに死んでしまったので、この手の嫁姑の戦いがなかったんですよ。
それでどうなったかというと、母親は勝手気儘だし、家事全般がイマイチだし、仕事をさせてもいつもトラブルを引き起こしてくるんですよ。
姑がいないことで気楽に生きてきたけど、その代償として家事も仕事もレベルを大いに上げることができなかったんです。
嫁姑の戦いに関しては、婦人雑誌で取り上げられたりするけど、殆どはネガティブな視線でしか述べて来ないので、嫁姑の戦いは悪いことだと思ってしまいがちです。
しかし、その戦いの中で、実は嫁の方が着実に実力を向上させてきているという大事なことが抜け落ちているんです。
視点を変えてみると、姑さんは実は自分を鍛えてくれていると思えば、嫁姑の戦いを花嫁学校に変えることができるようになってしまうもんですよ。
投稿: タマティー | 2010年4月11日 (日) 06時56分
先ほど 夫の用事で姑の家に行ってきました 今までは家を見るのも嫌だったのに ちょっと顔出そうかなって思えました 結果 姑は留守でしたけど 活発な姑なんで、よく出掛けるんです。 前は一緒にモデルルーム見に行ったりしてました★ 二世帯用の家ではないので 最近の二世帯をあくまでもみるだけみて、 冷やかし状態をしたりしてました

我が家はと言うとタマティーさんの想像どうりゴミ箱がティッシュの山です
他人がみたら 変な勘違いされますよ
全く逆なのに…
私の魅力不足でしょうか…
夫のやる気をアップさせるおまじないでもあればなぁ~
にがり なんですが 生姜湯にも入れて大丈夫ですか?
あと お茶とかも入れても効果ありますか?
春風邪はしつこいですね タマティーさんも気をつけて下さいね
投稿: あやのん | 2010年4月11日 (日) 14時29分
あやのんさん、自分の魅力をアップしたければ、身だしなみには気をつけておくことですよ。
結婚しているからといって、自分の妻がだらしない格好でいたら、夫の方は幻滅ですよ。
外出用のオシャレではなく、自宅用のオシャレってのも、大事なもんですよ。
それと夫を褒めること!
男は仕事をしていても、そんなに褒められることがないので、自分の妻には褒めて欲しいものなんです。
あやのんさんが夫のどこかいい部分を探して、そこを褒めてあげることですよ。
ニガリは何に入れてもOKですよ。
ニガリの量は自分で調節して下さいね。
体内のミネラルが不足していると、ニガリを多目に使っても、美味しいと思えるようになります。
ミネラル分が足りて来ると、1滴か2滴で充分な量となります。
ニガリは原材料の所に。「粗製海水塩化マグネシウム」と書かれてあるのが本物のニガリなので、ニガリを買う時は原材料をきちんと見てから買って下さい。
投稿: タマティー | 2010年4月12日 (月) 07時02分