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子供の話を聞くこと

●子供は自分の意見を聞いて貰えることで人間関係を築いていく

 子供が言葉を覚えて行くことは、育児の中でも最高レベルに属するくらい楽しいことだ。自分が子供を育てることで、如何に人間が言葉を覚えるのに苦労しているのかということが解るようになるからだ。1つの単語すらきちんと言えないし、平気で言い間違いをしたりする。そうやって何度も何度も失敗しながら、きちんと言葉を喋れるようになるのだ。

 子供が言葉を覚えて行く過程で、最大の勘違いが、母親が子供に言葉を教えたと持っていることだ。別に子供は母親から言葉を教育されて喋れるようになったわけではないのだ。しかも母親は子供が喋れない時期から喋れるようになった時期まで全て知っているので、どうしても子供を見下してしまう危険性を持ってしまうのだ。

 意外なことかもしれないが、どの母子も母親と子供の会話はちゃんと成立していないものなのだ。母親が常に上から物を言ってしまい、それに子供が反発するということを延々と繰り返してしまうのだ。更に追い討ちをかけるのが、育児をして3年が過ぎる頃になると、母親の方に育児をしている緊張感が失われ始め、母子の会話が一方的になってしまうのだ。

 人間の会話というのは、自分の言っていることを相手が実行してくれるためだけに行っているのではない。それよりもまずは自分の意見を聞いて貰い、それで人間関係を構築して行くのである。母子の場合、とにかく子供の意見を聞くというのは非常に大事なことなのであって、その子供の意見を自分が実行するかは別として、まずは聞いてあげないと、母子といえども人間関係がきちんと成立できないのだ。

 大方の母親は、相手が子供だろうと思って、毎日、命令を繰り返しているだけなのである。「早くご飯を食べなさい」「早く外出の準備をしなさい」「早く寝なさい」とこのような命令の繰り返しでは、子供の方が参ってしまい、凄まじい反抗を繰り返して来ることになるのだ。母子の間できちんと人間関係が成立しているなら命令を受けても聞き入れるが、人間関係がきちんと成立していないのなら、命令を拒絶するしか選択肢はなくなるのだ。

●オウム返し戦法

 母子の間にしっかりとした人間関係を築くために必要な方法が、「オウム返し戦法」である。子供が何か言ってきた場合、その言葉をそっくりそのまま繰り返す遣り方である。例えば、「お腹すいた!」と子供が言ってくれば、「お腹すいたのね」と繰り返せばいいのだ。子供は自分の意見を母親がそのまま繰り返してくれると、自分の意見を聞き入れてくれたと思ってしまうのだ。その意見を母親が採用するとは言っていないのに、子供は母親との会話に満足してしまうのだ。

 これはどの母親も子供が「単語」や「2語文」「3語文」しか言えなかった時は、誰でもできた筈なのだ。子供が言ってきた単語や文章をそのまま繰り返すことで、子供が何を言っているか確認した筈だ。しかし子供が複雑な文章を言えるようになると、その当たり前の習慣は失われてしまい、母親たちは子供の意見を聞いても繰り返すことがなくなるのだ。

 オウム返し戦法が非常に役立つのは、子供が料理を注文してきた時である。子供というのは大抵が甘くて柔らかい物を好むから、一度気に入った料理があると、それを何度も注文してくるからだ。そういう場合、栄養のことを考えて拒絶してしまうのではなく、まずはその意見を聞き入れてあげるべきなのだ。例えば「ハンバーグが欲しい!」と言ってきたのなら。「ハンバーグが欲しいのね。でもこの前食べたでしょ。今日の料理はもっと美味しい料理にするわよ。」と聞き入れた上で却下すればいいのだ。こうすると子供は自分の意見が拒絶されたにも拘わらず、自分の意見は聞き入れてくれたと思い、反抗してこなくなるのだ。

 このオウム返し戦法は何も子供だけに有効なものではないのだ。大人に対しても有効なのである。夫婦の会話でも夫に対して使ってみると、夫婦喧嘩の回数は激減するものだ。いや夫婦喧嘩そのものが消滅してしまうことであろう。夫は家庭のことを妻に任しているので、妻がきちんと家庭を切り盛りしているのか、何かしらの命令を下すことで確認してくるものなのだ。自分が下す命令すらできないと解ると、育児は巧く行っていないのだなと判断してしまうのだ。

 だから、例えば夫が「ビールが欲しい」と言ってきたのなら、そのまま無言でビールを出すのではなく、「ビールが欲しいんですね」と言ってからビールを出すようにすると、夫は妻に自分の意見を聞き入れてくれたと思い、しっかりとした人間関係が成立して来るのだ。夫婦仲をより深めたいのなら、ビールのついでにオツマミを出して、「このオツマミには何何の栄養があって、アルコールの害を少なくするんですよ」と言えば、夫は妻のその配慮に感動して、今後、妻を大切に扱うようにするものなのである。

●子供の意見をいきなり否定しない

 盗人にも五分の魂と言われるが、子供の意見にもそれなりの論理構成がある。大人から見れば下らない論理構成なのだが、子供のように脳の発達が遅れている段階ではその程度のことしかできないのだ。それゆえ子供の意見をいきなり否定しないことだ。子供の意見云々よりも、その倫理構成を掴みとってしまうべきなのである。

 育児をしている時に、常に揉めるのは子供がオモチャで遊んでも、遊び終わった後にオモチャの後片付けをしないことだ。子供は年齢が低ければ、オモチャの後片付けなどということはまずしないのだ。好奇心旺盛なので、自分の興味があることに集中するが、その興味が失われてしまえば、次の興味がある所へ移ってしまうのだ。そのため当然に後片付けなどしないものだ。

 だからオモチャを買い与えるだけでなく、オモチャ箱を用意しておき、当分の間は母親自身がオモチャの後片づけをしてしまえばいいのだ。そして子供が成長してきたら、後片付けを教え込めばいいのだ。当然、子供は教えても、明日になれば奇麗さっぱり忘れているものだ。そのためオモチャの後片付けをしないものだが、その時、いきなり怒るのではなく、後片付けをしない理由を聞き、その上で「オモチャの後片付けをしないと、オモチャがなくなっちゃうよ」と諭せばいいのだ。

 子供が反抗してきた時も、子供に対していきなり怒りまくるのではなく、取り敢えず子供の意見を聞くべきなのである。「あなたはこういう理由で反抗しているわけね」と子供の意見を整理すると、その意見を採用したとは言っていないのに、子供は自分の意見を聞き入れてくれたと思い、反抗をやめるようになるのだ。

 母親に反抗して来ない子供は、それはそれで問題があるものだが、反抗しまくる子供も、それはそれで問題なのだ。前者は母親が子供に対して巧妙に抑圧を繰り返したから子供が反抗できなくなってしまい、後者は母親が子供に対してあからさまに抑圧を繰り返したから、子供は何度も何度も反抗せざるをえなくなってしまったのだ。形は違うけど、どちらの母親も子供としっかりとした人間関係を築いていないということでは全く同じなのだ。

●人間の話し方の基本は子供の頃に形成される

 人間の話し方の基本というのは、子供の頃に形成されるものなのだ。特に生まれてから6歳まで間の母親との遣り取りが子供の話し方の基本となるのだ。母親と仲良く話せた子供は、大きくなっても他人と仲良く話せるようになるし、母親と揉めに揉めた子供は、大きくなったら矢張り他人と揉めるような話し方をしてくるものだ。

 会話というのは、人間関係を成立するために行われているというのが、文明生活の中が奇麗さっぱりと忘れていることなのだ。単なる情報の遣り取りのためだけに会話は使用されているのではないのだ。増してや他人の話を聞いて笑うために会話は使用されているのではないのだ。そういったことは人間関係の成立ができてこその話であって、まずは会話の基本である人間関係の構築を成し遂げて行かねばならないのである。

 子供は母親に反抗して来ることはあっても、自分が最も胸襟を開いて話す相手もまた母親であるのだ。母子で会話しているというのに、子供が怒り出したり、怒鳴り出したりするようなことが頻繁に起こっていれば、その母親の会話の仕方が非常に拙いということなのである。

 この世には自分の意見を一方的にしか言わず、他人の意見を汲み取ることを全くしない人々がいるものだが、そういう人たちは自分の親に自分の意見を聞いて貰えることがなかったのである。社会主義者やフェミニストたちのようにイデオロギーに対して狂信的になってしまう人々は、母子の間でまともな会話が成立することができなかったために、常に自分の意見を一方的に言い出して、社会を変えることに躍起になってくるのである。

 実を言えば、母子の間できちんと会話が成立することは、子供にとって言葉によって母性愛を感じるということなのである。母子のじゃれあいが肉体的に母性愛を感じることができるが、母子の会話は精神的に母性愛を感じることができるものなのである。この2つがあるからこそ、子供の心に母性愛が蓄積され、満たされるようになるのである。

 母子のじゃれあいと会話が巧く行けば、子供は健全に成長して行くことができるようになるのである。そうやって母性愛に満たされた人は、大人になって愛を叫ぶことがなくなるのである。それよりもきちんと他人を愛して行こうとし出すものなのである。キリスト教徒たちのように愛を幾ら叫んでも、愛を得られるわけがないのだ。自分が大人になったのに、愛を叫ばなければならないようであるなら、自分が育てられた過程に深刻な問題があったということなのである。

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コメント

こんにちは。いつもお世話になっておりますconfident

最近、この辺りの記事をじっくり読ませて頂いているのですが、凄く勉強になります。

今長女は10歳、次女は来月8歳になりますが、2人とも十分な母性愛を与えてあげられたか自信がありません。三女を妊娠してからやっと家に入れたので、そこからようやっと母親らしい生活ができる様になったからですweep

年齢的には、もうだいぶ育っちゃっていますが、間に合いますでしょうか…?

スキンシップや会話に気を付けていこうと思います。

話しは変わりますが、今週からついに夫婦揃って辰巳天中殺に突入しましたsweat01
図々しいのですが、運命鑑定をお願いしてもよろしいでしょうか?
タマティー様のご都合の良い時で大丈夫ですので、宜しくお願い致しますconfident

投稿: ゆきりん | 2012年1月26日 (木) 11時10分

 ゆきりんさん、タマティーは現在、寒波のために凍りついております。weep
 気温は氷点下なのに雪が降らないってのは滅茶苦茶寒いですよ。
 そのため運命鑑定は只今休止中です。

 ゆきりんさんの所は三姉妹だから、巧く会話すればちゃんと育ちますよ。
 この記事に書いてあるように、「オウム返し戦法」というのは非常に効果がありますよ。
 娘たちにこの戦法を使うと、娘たちは自分の意見を母親に聞いて貰えたと思うようになるんです。

 まあ、オウム返し戦法を使って、母子間に変化があったら、運命鑑定をやってもいいです。
 まずはゆきりんさんがチャレンジ!

投稿: タマティー | 2012年1月26日 (木) 17時10分

タマティー様、凍りついていらっしゃるのに早速のお返事有難うございましたconfident
はい。先ずはおうむ返し戦法でやってみますsign03
コツコツ頑張ります。

タマティー様のブログに出会わせて頂いてから、私は課題が沢山出来ました。
生きているうちに果たさなくてはなりません。

そう考えると、今まで目標がなかった私の人生に初めて目標ができた気が致します。「良いお母さんになる事」ですhappy01

どのくらい時間がかかるか分かりませんが、10年分取り戻す覚悟で頑張ります。いつも本当に有難うございます。どうぞお身体ご自愛くださいませ…heart04

投稿: ゆきりん | 2012年1月26日 (木) 18時24分

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