読書質量によって頭の良し悪しは決まる
●文字は6歳までに覚える
脳のメカニズムを考えるのなら、文字は脳の臨界期までに教え込んでおくべきであろう。文字は如何なることがあっても6歳までに覚えさしてしまうことだ。脳のシナプスが最大限急増する時に文字を教え込んでしまえば、子供の脳は文字に対応するシナプスを持つことができるのであって、その後の人生を圧倒的優位に進めることができるのである。
小学校に入学してから文字を教えるのもいいが、矢張り幼稚園児の時に文字を教えてしまった方がいいのだ。「あいうえお」ぐらいはしっかりと読めるようにし、書けるようにすれば、後は子供が勝手に文字を覚えて行くのだ。母親が丁寧に「この文字はこう読むんだよ」「この文字はこう書くんだよ」と教えて行くしかないのだ。
忘れてならないのは、日本語は「平仮名」「片仮名」「漢字」という複雑な文字を使っている。それゆえ日本語で使われる文字をしっかりと読み書きできないと、日本語の文章なのにそれが正確に理解できないという悲惨な結果になってしまうのだ。知能の低い子供というのは、頭がどうのこうのではなく、文字をきちんと理解していないからこそ、高度な思考を展開することが不可能になっているだけなのだ。
それゆえ自宅で文字を遊びながら教え込んでいくことだ。例えば「カルタ」をやったり、「漢字の書き取りゲーム」をやったりと、遊びながら文字を覚えられるようにしてしまうのだ。大人は記憶するのが難しくなっているのだが、子供の方はゲームで楽しめれば楽しめるほど驚異的に記憶して行ってしまうので、暇がある時はゲームをしてしまうことだ。
早期の外国語教育が危険なのは、母国語すらまともに読み書きできない段階で外国語を学んだとしても、外国語を理解できることはないのだ。母国語をしっかりと読み書きできるからこそ、外国語を理解することができるのである。子供に外国語教育をする暇があるなら、その時間を使って日本語をしっかりと教えた方がいいのである。
●読書をする習慣は親が作るもの
子供が読書をする習慣というのは、親が作るものなのである。親が子供に絵本や本を買い与えるからこそ、最初、子供は母親にその絵本や本を読んで貰い、その後、自分から自発的に絵本や本を読み始めるようになるのだ。親から絵本や本を買って貰えなかった子供たちは、読書をすることすらできないのだ。
母親は子供を連れて本屋に行くなり、図書館に行くなりすることだ。子供の時から本に親しむ環境を作ってしまえば、後は子供は自動的に読書をし出すようになるのだ。図書館などでは紙芝居の朗読をやっていたりするので、そういう機会を見逃すことなく子供を参加させることだ。
自宅でテレビが付けっ放しになれば、読書なんてしなくなるものだ。読書にとって最大の天敵はテレビなのである。だから自宅ではテレビを消して、必要な番組しか見ないようにすることだ。そして親自身が読書をして、子供たちに読書をしている姿を見せることだ。そすると、子供たちは親の姿を見習って読書をし出すようになるのである。
父親はどんなに貧乏していても、自宅に書斎を持って、本棚を作っておくべきだ。父親こそがその家で最も本を読むことになるので、本棚を本で埋めるのは父親の大事な仕事なのだ。子供たちも大きくなると父親の本棚から本を借りて、こっそりと読書をするようになるのだ。それが子供の脳にとって強烈な刺激になるのである。
母親が買う本というのは、実生活を良くするための本が多くなるので、そういう本を収納できる本棚を作っておくことだ。母親が家事や育児をする度に、本棚から本を取り出して、自分の知識を確認しているのなら、その姿を見た娘は母親の行動を見習って、自分の知識を本を見て確認するようになるのだ。これが知ったかぶりで物事を進めて行く馬鹿娘にするか、賢く物事を進めて行く利巧な娘にするかの分かれ道なるのだ。
●本を繰り返し読ませること
子供の時に本を乱読させるのは、非常に危険である。大人の脳なら乱読してもその本を理解することができるが、子供の脳だとその本を理解できないのだ。同じ本を何度も何度も繰り返し読むからこそ、その本を理解でき記憶することができるのである。だから子供に多くの本を与えてはならないし、本を多く読ましてはならないのだ。
子供の頃から読書家になってしまうと、その子は将来、大成することはないのだ。子供の頃は読書の仕方が大人とは随分違うものだからだ。例えば男の子だったら冒険物が好きで、その本を何度も何度も読んで、その読書の喜びを何度も味わうものだ。女の子だったら、魔法が出て来る話が好きで、その本を何度も何度も読んで、読書の喜びを味わうものだ。
繰り返し読んでいればこそ、物語の流れがしっかりと解って来るし、どうすれば物語が面白くなるのかが解るというものなのだ。これが読書の醍醐味なのだ。それなのに読書の醍醐味を味わうことなく、次から次へと本を読んでしまえば、多読をしているようで、実は程度の低い読書をしているのである。
児童向けの本でも繰り返し読める本は少ないものだ。殆どがクズ本なのである。作者が児童向けに優しく書いているからこそ、児童にとっては物足りないのである。児童向けの本で良書というのは、子供が読んでも面白いだけではなく、大人が読んでも面白いものだ。男の子なら『トムソーヤの冒険』が面白いし、女の子なら『赤毛のアン』などが面白いものだ。
子供が本を大切に読むようにするためには、本屋に行って、本を充分に吟味した上で買い与えてしまうことだ。とにかく本を自分の所有物にするのが一番いい結果が出て来るのだ。自分の所有物であるなら、何度も何度もその本を読むことになるので、結果的に子供にとって良い読書ができるようになるのである。
●学校で勉強したことよりも読書の方が役に立つ
多くの母親たちは学校に行けば我が子の頭は良くなってくれるだろうと思ってしまう。しかし小学校の授業というのは、公立の小学校であるなら程度の低いものなのである。しかも小学校の教師たちは驚くほど勉強をしない人たちなのであって、読書量が非常に少ないものなのだ。
だからこそ子供に読書の習慣を身に付けさせて、読書をすることで頭を良くして行くべきなのである。読書を何度も何度も繰り返していれば、その内、頭の中に「知識の核」というものができあがり、その「知識の核」ができると様々な知識を吸収していくことができるようになるのだ。そうなれば他の子供たちが勉強でしんどい思いをしているのに、我が子だけがスラスラと勉強して行くことができるようになるのだ。
子供の時には子供の時だから面白いと思える本があるものだ。その本は大人になってしまえば、懐かしいと思うだけで、子供の頃に感じたワクワク感など消え去ってしまうのである。幼稚園児や小学生の時にそのような本に出会えなければ、それは子供にとって不幸なのである。
子供は最初の頃は幼稚な本を読んでいても、何度も繰り返して読んでいくと、その内、一気に高レベルの本に手を出して来るものだ。。『史記』や『日本外史』や『プルターク英雄伝』などを子供の頃に読めば、歴史の知識が爆発的に増え、「青雲の志」を持つようになり、いずれ大成して行くことができるようになるのである。子供の頃に読んだ歴史書や伝記は大人が考えている以上の劇的な効果を与えるものなのである。
16歳までに本格的な読書をしなかった人は、将来、学者や作家になることを諦めた方がいい。頭脳労働に従事する人々は、小学生の頃に「読書の習慣」を身につけているし、遅くとも中学1年生の時までには「読書の習慣」を身につけている。脳のシナプスの減少は16歳で止まるので、それ以前に読書によって脳を刺激しておかないと、16歳以降からどんなに努力しても無駄になってしまうのである。
生きていれば解ることだが、学校の勉強よりも読書の方が役に立つものなのである。書籍は知識を圧縮してあるので、その圧縮された知識を理解することができれば、それ以外の知識に関しても理解することができるようになるからだ。学校ではどうしても解り易く授業をしてしまうために、その機能を使うことができないのだ。もしも学校が人生に役に立つのなら、皆勤賞を取った生徒は超優秀な人間になっている筈だ。しかし皆勤賞を取るような生徒は、ただ健康なだけで、頭は平凡か、それ以下と相場が決まっているものだ。
一体、我が子がどの書物に反応するか解らないからこそ、読書の習慣を身に付けさせておくことだ。我が子に読書の習慣があれば、自分の人生を劇的に変える本に出会えるものなのである。そのためには親自身が自宅で読書をする習慣を子供に見せつけておくことだ。親が読書をせずに、テレビを見っぱなしの人生を送っていたら、子供は読書をすることなどできないものなのだ。
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