学校教育は必ず自国史観を必要とする
●歴史教育と歴史研究は違う
学校教育で国民を作って行くために、横軸となるのが「国語教育」であるのに対して、縦軸となっているのが「歴史教育」である。子供たちに日本の歴史を教えることによって、自分の命が現世限りではなく、日本の建国以来、脈々と受け継がれて来たものであり、日本を発展させると同時に、子孫を多く産み育て、繁栄して行くように仕向けて行くのである。
大学の歴史学者たちも学校の教師たちも、歴史研究と歴史教育が違うということすら解っていない。歴史研究と歴史教育とでは目的が違うから、その成果も違った形で出て来るのである。歴史学会に於ける歴史研究の成果をそのまま歴史教育に持って行ってはならない。歴史教育は子供たちを日本国民に仕立て上げるために行っているのであって、その目的に反するものなら、省いていいのである。
子供たちに年号や人物名や事件名を機械的に覚えさせていけば、子供たちは歴史を嫌いになってしまうものだ。そういうのは歴史研究をやるために必要なのであって、歴史教育を行う現場ではそれほど重要ではないのだ。歴史教育で教えるのは、如何に日本国が素晴らしい国家であるか、如何に日本国民が素晴らしい国民であるかなのである。
勿論、日本の歴史の中には恥部があるものである。しかしそんなものは削除してしまって、日本の歴史は栄光の歴史であると教え込んでいくのである。歴史の中の英雄豪傑たちにスポットライトを浴びせて、その者たちがどのように生きて来たのかを授業で教え、生徒たちを感動させなければならないのである。
人間というのは歴史を共有させると、一本筋が入った強烈な人物になり、同じ歴史を共有する人々を仲間と思うようになるのだ。生徒たちに歴史教育が巧く行くと、学級が活気づいて、和気藹藹とし出し、積極的に学級活動に精を出して来るようになるものなのである。生徒たちは日本の歴史という凄い歴史を持っているという自覚が起こり、それが態度に現れて来るようになるのである。
●日本の自国史観は「皇国史観」である
歴史教育で使われる歴史の記述は、或る独特の歴史観で貫かれなければならない。歴史の原動力はどうのこうという歴史研究で使用される歴史観ではなく、歴史教育では自国史観が使われるのである。飽くまでも自国を尊しとする歴史観なのである。日本の場合、自国史観は「皇国史観」以外に有り得ないのだ。
皇国史観は明治政府が作り出したものではない。既に江戸時代に出来上がっていた歴史観を採用したにすぎないのだ。皇国史観の発端は、山崎闇斎の「﨑門学」から始まり、 水戸藩の「水戸学」によって育成され、頼山陽の『日本外史』によって頂点に達したと言っていいい。
実を言うと、皇国史観の形成に神道は一枚も噛んでいない。増してや仏教も全然関係ないのだ。日本の儒学者たちの間で議論され、記述されていった歴史観なのである。だから、皇国史観を理解する時、儒教を理解していないと、一体何を言っているのか全く解らなくなるのだ。
頼山陽の『日本外史』は司馬遷の『史記』を模範として書いて行ったものにすぎないのだ。しかし頼山陽は幕藩体制という日本の特殊事情を鑑みて、思わぬことを言ったのである。それは「幕府や藩といっても、日本人は天皇の下に一つなのだ!」ということなのである。だからこそ、『日本外史』はベストセラーになり、それを読んだ人々は興奮したのである。江戸時代の人々にとって幕藩体制というものは絶対的なものだったから、幕藩体制の上に天皇がいることなど知らなかったからなのである。
『日本外史』は幕末に劇的な役割を演じることになる。尊王攘夷運動に参加した人々の間では、如何なる者でも尊王攘夷の志があるならこそ、全ての人々は公平に扱われるようになった。身分制度が皇国史観によって崩壊して行き、日本国民という新たなものを生み出して行ったのである。だから明治維新後成立した明治政府は直ちに皇国史観を採用し、天皇を頂点にして国民を団結させたのである。江戸時代の士農工商は崩壊し、近代的な国民が誕生したのである。、だからこそ当時の人々は興奮し、国家の発展に力を尽くして行ったのである。
●自国史観は歴史に対して或る程度までなら嘘をついてもいい
自国史観は歴史に対して或る程度までなら嘘をついもいい。歴史教育を進めて行くに当たって、歴史教育の目的から歴史に違った解釈を加えてもいいのだ。それは歴史教育のために必要な嘘なのである。例えば歴史研究に於いては、天武天皇は本当に天皇家の人間が非常に怪しいのだ。当時の日本は大和朝廷があった「扶桑国」と九州に存在した「倭国」という2つの国が存在し、この倭国が扶桑国に併合されて行く時期に当たっているのだ。恐らく天武天皇は倭国の王太子であり、扶桑国の王女と結婚することによって扶桑国に食い込み、壬申の乱で皇位を乗っ取り、国家併合をスムーズに行かせたと考えるのが、正常な考え方であるのだ。事実、その後に出て来た天智系の桓武天皇は天武系の天皇たちの存在を全て否定しているのだ。
こういったことは日本だけがやっているのではない。イギリスでは『日本外史』に相当するものに、ヒュームの『イギリス史』があるのだが、ヒュームはピューリタン革命に否定的な考えを持っていたので、それがそのままイギリス人の基本的な考えになってしまった。イギリスは長らく国王と貴族が共和しながら政治を運営して来たので、王制を否定して、共和制に移行してもなんの問題もないのだ。事実、ピューリタン革命の際、イギリスの覇権を確立させるのに重要な戦いである第一次英蘭戦争が起こっており、これにクロムウェルが勝利したからこそ、イギリスの覇権は確立されて行ったのである。ところがピューリタン革命には否定的になってしまったから、当のイギリス人ですら英蘭戦争の重要性が解っていないのだ。
人工国家であるアメリカ合衆国はもっとひどい。アメリカ合衆国は建国当時、キリスト教徒は人口の4分の1しかいなかった。アメリカ人たちの殆どは「キリスト教からの解放」を目指した人々であって、アメリカ合衆国自体はキリスト教とは全然関係ないのである。アメリカ合衆国の建国に重要な役割を演じたのは、フリーメーソンたちであって、アメリカ合衆国はフリーメーソンたちが作った国家なのである。それなのに、その後に移民してきた人々にキリスト教徒が多かったために、「プリグムファーザーの伝説」を作り上げ、キリスト教徒たちが重要な役割を演じたように歴史の記述を書き換えてしまったのである。
それ以上にひどいのは民主主義であって、アメリカ合衆国の建国者たちは民主主義を明確に否定していた、アメリカ合衆国憲法の憲法思想は「連邦主義」であって、民主主義はどこにも入っていないのだ。アメリカ合衆国にキリスト教徒たちが増えて行くにつれて、古代ギリシャへの評価が高まり、それで民主主義が肯定的に扱われるようになったのだ。アメリカ合衆国の大統領が初めて民主主義に言及したのは、なんと第28代のウィルソン大統領であって、それから民主主義を世界各国に輸出し始めたのである。「アメリカ合衆国=民主主義」などと絶対に思ってはならないのだ。
自国史観というものは、飽くまでも国内で作って行くべきなのである。外国と共同して歴史の教科書を作ろうなどと言うのは、言語道断なのである。どの国も自国史観を成立させるために、様々な嘘をついているものなのである。もしも外国人に日本の歴史の教科書作りに参加させれば、自国史観など成立させることがでないのである。
●皇国史観を持ては自動的に「士魂商才」が宿ることになる
皇国史観は日本の歴史が生み出した偶然の産物であり、思わぬ成果を生み出したのである。一つは幕末の尊王攘夷運動を生み出したし、もう一つは武士たちによるビジネスを生み出したのだ。坂本龍馬は尊王攘運動をやっているのに、いつの間に会社を設立しているし、渋沢栄一は幕臣になったのに、いつの間にか会社を設立をし、無数の産業を生み出して行ったのだ。
皇国史観を持つと、自動的に「士魂商才」が宿ることになり、武士だからこそ商売で成功を納めなければならなくなってくるのだ。江戸時代、武士たちは儒教を奉じ、庶民は仏教を進行していた。儒教も仏教もビジネスを否定する宗教である。だから江戸時代は非常に停滞した時代であった しかし皇国史観は儒教を吹き飛ばしてしまい、武士でありながらビジネスに精を出すという有り得ない人々を生み出して行ったのである。
明治政府は坂本龍馬や渋沢栄一ではなく、二宮尊徳を持ちあげた。当時としては農民が圧倒的に多かったから、農民であっても武士としての気概を持たねばならないことを教えたのである。勤勉勤労に徹すれば必ず豊かになれるのであって、文盲で居続けることや遊び呆けることを禁止して行ったのである。
国民国家から見れば、社会主義やフェミニズムは国民国家の永遠の敵なのである。日本の歴史では階級闘争などしてこなかったし、性差闘争などやってこなかったのである。そのような出鱈目なイデオロギーは決して許されてはならないのである。国民を所得によって差別を設けてはならないし、男女で差別を設けてはならないのだ。社会主義者もフェミニストたちも皇国史観を否定することには躍起になるものだ。なぜなら皇国史観によって国民が団結してしまったら、階級闘争も性差闘争も行うことができなかったからだ。
日本史を鑑みれば、皇国史観以外の自国史観を導き出すことはできない。皇国史観を教えてしまえば、国民は武士として気概を持ち、自分のビジネスに一生懸命取り組んでいくようになるのである。現在、日本は様々な問題を抱え込んでいるが、その根本的な原因は「士魂商才」を忘れていることなのである。自分がまともに労働もせず、政府に社会保障を要求してはならないのである。自分の生活は自分の労働によって豊かにしていくべきなのである。そうすれば日本国は繁栄し続けることになるのである。
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コメント
タマティ-様(・∀・)ノ
猛暑の体調崩されていませんか??
北海道もムシムシとしております。
気になる事があるのですが、前に他の方のご相談のアドバイスの中で、自分の名前の文字を子供に使うとあまり…ということで改名のアドバイスをされていましたが、私も娘の名前に同じ『美』がついてます。どうなのでしょうか?
あと両親について厚かましく図々しいのですが運命鑑定していただけませんでしょうか?
父の借金が原因で離婚したものの嫌いで別れたわけではなく、今も普通に2人で子供連れて出かけたりします。
再婚してほしいです。
私と母の相性も気になります。
宜しくお願いいたします!!
投稿: リカ | 2010年7月19日 (月) 15時56分
リカさん、夏だからこそ日光に当たって汗をかこう!
北海道は冬の日照時間が少ないので、どうして太陽光不足ですよ。
そのために鬱っぽくなってしまう人たちが続出するんだと思います。
朝の内に運動をして汗をかいてしまうと、その日1日涼しく過ごせますので、冷房要らずになるんです。
親の名前から1字を取って、それを子供に与えるのは武士たちの習慣なんです。
この命名法は中国ではタブーとされるものなんです。
この命名法だと運勢のいい時には親子共々運勢が良くなるのですが、運勢が落ち目になってしまうと、親子共々運勢が悪くなってしまうんです。
平氏とか源氏も運勢がいい時は太政大臣になったり、征夷大将軍になったりするのですが、落ち目になると破滅して行きましたからね。
でも、女性なので余り心配しないでください。
娘さんは結婚して家の外に出してしまえば、この影響は出て来なくなります。
但し、一度結婚して外に出したら、離婚して家に戻ってこないようにさせることです。
離婚して運勢が落ち目になっているので、リカさんになんの落ち度もないのに、その悪い運気に引き摺られてしまうようになるんです。
両親のことが心配になるのなら、運命鑑定に応じましょう。
両親の名前と生年月日、職業、結婚した日と離婚した日を書いて送って下さい。
いつも通り、そのコメントは公開しませんので、安心して下さい。
3日以内に運命鑑定がドカンと出て来ますので、必ず見て下さいね。
投稿: タマティー | 2010年7月20日 (火) 06時12分