子供たちを読書嫌いにさせる読書感想文
●読書嫌いは読書感想文を書かされるから
小学校が行う教育の中には、その教育が生徒たちになんにも役立っていないのに、昔から行われて来たということで、遣り続けてしまう教育がある。その代表例が「読書感想文」である。読書感想文を書かされて、読書好きになったとか、文章が巧くなったとかいうことを一切聞かないのに、教師は平気でこの読書感想文を生徒たちに書かせてしまうのだ。
大人ですら、他人から本を薦められて本を読むのは苦痛だし、それに感想を求められても、「面白かったですよ」と言う程度でしかないのだ。それを子供たちに強いるのは過酷すぎるというものだ。しかも生徒たちが面白くなる本を薦めればまだ話は解るが、一体どこの誰が決めたか知らないけど、非常に面白くない本を推薦図書として挙げて来るのだ。これではその本を読む生徒たちの方が堪ったものではないであろう。
学校としては生徒たちに「読書の習慣」をつけさせてあげたいと思うのだろうが、そんなの要らぬお節介である。「読書の習慣」は親が作るものであって、教師がいちいち手を出すことではないのだ。親に「読書の習慣」がなければ「読書の習慣」など身に付けて来る訳がないのだ。自宅には本がなく、漫画本しかない生徒だっているのだ。そういう生徒はそれでいいのだ。どうせそのような生徒は大学に進学できないのだから、無理矢理読書をさせるべきではないのだ。
子供の頃にする読書というのは、非常に偏っているものだ。男の子だったら冒険物が好きだし、女の子だったら魔法が出て来る物が好きなものだ。文学性など全くひと欠片もないのであって、そのような子供に無理矢理に推薦図書を押しつけても、嫌々ながらして読むだけで、読書の面白さを味わえることはでいないであろう。
子供たちの多くが読書嫌いになってしまうのは、学校で読書感想文を書かされるからなのである。強制的に読書をさせられ、強制的に読書感想文を書かされたために、子供の脳の中で「読書は苦しいものだ」というのがインプットされてしまい、読書をしなくなってしまうのだ。思春期になれば自発的に読書をして来るようになるのだから、子供の内は放っておくべきなのである。
●四百字詰め原稿用紙の憂鬱
学校の教師から推薦図書を指定され、その推薦図書の中から本を読んでも、大した感想など生まれる訳がないのだ。自分が「この本を読みたい!」と恋焦がれて読んだ本ではないので、読書後の感想が全く湧いて来ないのだ。その状況下で読書感想文を書かされるのである。出来のいい読書感想文など書ける訳がないのだ。
小学生に四百字詰め原稿用紙を渡しても、生徒たちは原稿用紙の前で悪戦苦闘してしまうものだ。すらすらと読書感想文を書ける生徒なんていないし、悩みながら読書感想文を書いて行き、その出来は非常に悪いものだ。自分が本当に言いたいことすら言えないものだ。
これには理由がある。四百字詰め原稿用紙というのは、言わば大人が使う論文用の原稿用紙であって、四百字詰め原稿用紙10枚で論文が出来上がるのだ。それを子供たちが使っているのだから、原稿用紙を使いこなせる訳がないのだ。四百字詰め原稿用紙は10枚書かないとまともな読書感想文にならないので、多くの生徒たちはこの枚数に達しないから、結果的に誰もがまともな読書感想文を書けなくなってしまうのだ。
「四百時詰め原稿用紙の憂鬱」には子供だけでなく、大人ですらも罹ってしまう者たちがいるのだ。テレビ業界の放送作家たちはこの四百時詰め原稿用紙を嫌って、二百字詰め原稿用紙を使っている。この方がドラマの脚本を書く際には書き易いのだ。但しその弊害もあって、二百字詰め原稿用紙を使っていると、内容の濃い物を作れないのだ。テレビ番組のレベルが高くならないのは、二百字詰め原稿用紙を使っているからと言ってもいいのだ。
小学生であるなら、四百字詰め原稿用紙など要らないのであって、A4の紙でも渡して、そこに自由に書かせた方がいいのである。そうすれば原稿用紙の前でウダウダすることがなくなり、自分の思いをスラスラと書いて行くことができるようになるのである。四百時詰め原稿用紙は大人用なのだということが解っていない教師たちが多過ぎるのだ。
●読書感想文ではなく、本の内容を纏めさせる
読書感想文が教育になんの効果もないのなら、一体どのように変えればのかというと、本の内容を纏めさせればいいのだ。この遣り方をさせると、国語力が一気に付くことになるのだ。読書の感想というのは主観的なものだが、その本の内容となると客観的なものなので、その出来不出来をきちんと評価できるようになるのだ。
意外なことかもしれないが、読書好きの人でも読書をした所で本の内容をきちんと理解していないものなのである。題名に騙されてしまったり、クライマックスの場所を外してみたり、落ちの部分を読み間違えていたりと、酷い読み方をして来るのである。これは読書家ほど速読を好んでしまい、熟読して読んでいくということをしないからであって、しかも1度読んだらそれで終わりにしてしまうので、何度も何度も読むことで理解度を高めて行くことをして来ないのだ。
例えば児童文学の最高峰と言っていい『赤毛のアン』はイギリスの文学を多々引用しているので、それらの文学作品を理解していれば非常に面白いと思えるものなのに、それらを知らなければ孤児が里子に出される物語になってしまうのだ。増してや作者はキリスト教を賛美しているのではなく、実はキリスト教を否定しているのである。アニメ版の『赤毛のアン』はこの点を完全に読み込めなかったのであり、そのためにアンは敬虔なクリスチャンとして描かれてしまっているのだ。作者がこのアニメを見たら、「私はそんな作品を作った覚えはありません!」と叫ぶことだろう。
本の内容を生徒たちに書かせてみると、如何に生徒たちが表面的にしか読んで来ないということが解るものだ。小学生ならその程度なのである。小学生の段階で、引用されている文学に言及して来たら、その方が異常なのである。物語自体は表面的にはこのように流れているけど、実はこうなんだよと解れば、その文学作品の面白さが解って来るようになるのだ。
小説というものは、書こうと思えば誰でも書けるものだ。しかし生き残る小説は非常に少ない。なぜなら消えて行く作品は表面的に物語を展開させているだけで、奥行きが全くないのである。そういう作品はすぐに飽きてしまうものなのである。生き残って行く作品は奥行きがあるために、何度読んでみても飽きが来ないのであって、だからこそ生き残って行くのである。それを理解させるためには、読書後に本の内容を纏めさせるという作業をさせた方が効果的なのである。
●自分の将来の夢を書かせてみる
読書感想文を書かせるくらいなら、生徒たちに「自分の将来の夢」を書かせた方がまだ文章能力上達に役立つことになる。どんなに国語ができない生徒でも、自分の将来の夢を語らせれば、必ず書ける筈だからだ。文章というのは、自分が言いたいことがあるからこそ、それを書くのであって、嫌々ながら書かしても、まともな文章にならないものなのである。
自分の将来の夢を書かせると、如何なる生徒であっても、自分の将来に関してはきちんと考えているということが解るようになるものだ。この教育の最大の効果は、実は教師自体が生徒たちを幼稚に見ないようにさせることなのである。子供たちは馬鹿だから、俺が物を教えてやろうと思っていると、生徒たちはその態度を敏感に感じ取り、逆に教師を馬鹿にして来るものなのである。
生徒たちに自分の将来の夢が明確になると、その教室内に現在という時空だけでなく、未来という時空までが出来上がって来るので、それこそ教室に奥行きが出て来るのだ。生徒たち一人一人に将来の夢があるなら、誰一人として邪険に扱ってはならなくなるし、教室が活気づいて来るのだ。
生徒たちの将来の夢が明確になれば、教師が読書を薦めなくても、生徒たちは自発的に読書をし出すようになるものなのである。そういう読書は意欲的に読むことになるから、その内容をきちんと理解できるようになるのである。そのような姿は教師が生徒たちに課題図書を押しつけても、絶対に得ることができないのである。
真面目な教師に限って、子供たちが漫画ばかり読んでいる姿に憤ってしまうものだ。しかし子供たちは国語の授業が余りに詰まらないので、読書をして来ないだけなのである。国語の授業で面白い授業をしていれば、自然と本を読み出すようになっていくのだ。読書を無理矢理強制しても、良い読書の習慣は身につかないものなのだ。子供たちに読書をして欲しいのなら、国語の授業をレベルアップして行くしかないのである。
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コメント
四百字詰め原稿用紙は10枚書かないとまともな読書感想文にならない。
・・・ええええええ!?
そんな理由な訳ないと思います。
しかし、自分の将来の夢を書かせる、というのは、読書感想文なんかより遥かに有効だと思います。良いアイデアです。
投稿: 王様の耳に習わぬ経を読む | 2010年8月30日 (月) 01時42分