自殺の季節
●性ホルモンによる異常
小学生が自殺をすることは滅多にないが、高校生なると自殺者が急増して来る。16歳から19歳にかけては性ホルモンが大量に分泌されて来るために、心身が急激に変化してしまい、脳を過敏にさせすぎることになってしまうのである。だからその時期に些細なストレスがかかってしまうと、自分で理解しがたい行動を取り、自殺へと追いやられてしまうのだ。
高校生で過敏な者は、とにかくいつも髪を弄っているものだ。髪を弄り始めるのは過敏になっている証拠なので、いっそのこと坊主頭にするという対策を打ってしまった方がいいのだ。運動部とかではスポーツ刈りをすることを定めている部活もあるが、そういう部活をやっている部員から、自殺者は出て来ないものだ。
女性に対しては坊主頭にするということはできないので、とにかくスポーツをさせて過敏になりすぎないようにさせないことだ。スポーツで体を動かしていれば、髪を弄りまくる仕草をやめるようになるので、自殺へと追いやられる率が急激に下がるのである。女性の場合、男性よりも感情的に動くので、些細なことでヒステリーを起こしてしまい、自殺してしまう危険性があるのだ。
高校生になると妙に惹かれてしまう小説がある。それは夏目漱石の『こころ』であろう。この主人公は自殺することになるのだが、この小説を幾ら読んでも自殺する理由が解ったような解らないような感想を持ってしまうのだ。自殺者というのは明確な理由があって自殺するのではなく、「どうしてそんなことで自殺してしまうの?」と言いたくなるような理由で自殺してしまうのである。
よく自殺者が出ると、「マスコミは自殺者のサインを受け取らなかった」と学校を攻め立てるのだが、それはお門違いというものなのである。自殺者が明確な理由を持っていたのなら、自分の命を断つということはしなかった筈だ。寧ろ自分を追い詰めた者を殺しに走った筈だ。自殺というのはよく解らないということこそ、自殺の実態なのであって、それを巧く教えてくれるのが、夏目漱石の『こころ』であると思う。高校生という「自殺の季節」にいるなら、この小説を読んで自殺について考えてみることだ。この小説を読めば自殺なんてしなくなることだろう。
●ビタミンとミネラルの不足
マスコミとかは「日本は自殺率が高い」と報道して来るのだが、先進国で階級変動の激しい国家は必ず自殺率が高くなるものなのである。イギリスでもフランスでもドイツでも、先進国になればなぜか自殺者が出て来るのである。日本の場合、占領中に上流階級が破壊されるという事態に陥ってしまい、中産階級や下層階級の人間でも上流階級に伸し上がっていけるという状況が出現したために、どの階級に属しても高いストレスを受け続けることになってしまったのだ。
更に日本人の自殺率を高めた要因には、「白米」の常食と、「白砂糖」の大量摂取がある。精白穀物や白砂糖にはビタミンやミネラルが殆ど含まれていないために、これらの物を食べながら、脳を使い過ぎてしまうと、頭の中が真っ白になり、突発的に自殺をしてしまうようになるのだ。
よく頭脳労働をしているのに、食事で精白穀物を食べ、間食で白砂糖を使ったお菓子を食べていると、「アイデアが全く出て来ない!」と言い出して来るものだが、これは脳がビタミンやミネラル不足に陥って、脳が正常に機能しなくなってしまった証拠なのだ。頭脳労働をしてみれば解るが、どんなに解らない問題があっても、仕事をやっている内に答えが解って来るものなのである。それなのに「アイデアが出て来ない」という状態になってしまうのは、明らかに食事が悪いのである。
高校生の場合、学校の勉強で脳を使うのは勿論のこと、友人関係でも学校の先生との遣り取りでも脳を使うものだ。そのため自分が考えている以上に脳を使っているのであって、食事には充分気をつけておくべきなのである。これだけ脳を使っているのに、精白穀物や白砂糖を食べていると、脳がオーバーヒートを起こしてしまう危険性が出て来るのだ。
白米も白パンも体温を下げるということでは同じ効果を果たして来るのだ。白米や白パンを食べながら、冷えた牛乳を飲んでしまうと、体を完璧に冷やしてしまうことになるので、精神病のような症状が出て来るのだ。高校生には冷えた牛乳など飲ませるできではなく、ヨーグルトを常温で食べさせるようにすることだ。牛乳を飲ませないという措置を取るだけでも、自殺率はかなり低下するものなのである。
●人間が悩む量には限界がある
若い時期は様々なことに悩むものであるが、人間が悩む量には限界があるのだ。様々な苦悩を抱え込んでしまえば、それが過剰なストレスとなって自律神経を異常にさせてしまうし、自律神経が異常になってしまえばストレス処理の拙さが加わって、更にストレスを大量に抱え込んでしまうことになるのだ。
無責任な大人たちは「若い時は悩むものなんだから、悩ましておけばいい」と言って来るものだ。しかしそういう無責任な態度こそが、高校生を自殺に追いやってしまうのだ。これを解り易く説明するには、高校生にボールを投げ与えることで実証していけばいい。高校生は投げ与えられたボールを1つや2つならキャッチできるものだ。しかしそれ以上のボールは掴めないものなのだ。新たにボールを掴もうとするなら、今持っているボールを手放さなければならないのだ。
高校生に漠然と勉強をさせるのではなく、高校入学した時点で、学校で勉強しないとどのような将来が待っているのかを、経営コンサルタントに講義して貰うことだ。学校の教師が将来のこと云々を言っても生徒たちはなかなか言うことを聞かないものだが、外部の人間が将来のことを言うと真剣な態度で聞くようになり、高校3年間を勉強に費やすと同時に、ストレスの低い状態で勉強することができるようになるのだ。要は大学受験のために勉強させるからこそ高校生はストレスを抱え込んでしまうのであって、なんのために受験勉強をやっているのかが明確になれば、ストレスは減少するものなのである。
高校生の時期は友人関係に悩むものなので、必ず部活動に入らせるようにすることだ。部活動をやっていれば濃厚な友情を築き上げることができるので、友人関係で苦労することが激減するのである。しかし部活は少人数で行っているために、おかしな方向に走ってしまうと、それを誰も止めることができなくなるので、顧問がしっかりと監視しておかなければならないのである。
高校生になれば、学校の教師や学校の友人とかには話せない悩みを抱えてしまうものだ。それゆえ自分の人間関係を学校の内部で完結してしまわないようにすることだ。必ず学校の外部の人と繋がりを持っておき、その人に自分の悩みを打ち明けて、良きアドバイスを貰うことはとっても重要なことなのである。
●人生は割り切ってはならない
自殺者の多くが人生を割り切ろうとするものだ。人間の人生は割り切れるものではないのだ。人間は生きていれば何かしらの矛盾を抱えているものだ。その矛盾を完全に解消してはならないのだ。矛盾があるというのは、自分が生きている証拠なのであって、矛盾があるからこそ自分の未来を作り出して行くことが可能になるのだ。
逆に、一見、理想的なことを言っている人の意見こそ疑ってみることだ。例えば仏教の僧侶は「煩悩を持つことは怪しからん」と言っているのに、自分はちゃっかりとお寺に執着しているものだ。キリスト教の神父や牧師たちは「愛」を唱えているのに、キリスト教こそ世界の宗教の中で最も多くの大量虐殺をやった宗教なのである。仏教の僧侶の意見を鵜呑みして、自分の煩悩を消滅させようとしても、なかなかできるものではないのだ。キリスト教の神父や牧師の意見を鵜呑みして、愛を実践しても、いつの間にか愛が憎しみに変わってしまうものなのだ。こういう場合、自分が悪いのではなく、教義自体に問題があるのである。
人間には何かしらの問題がある。それこそがありのままの人間の姿なのである。問題があるからといって自分が悪い訳ではないのである。それは自分が成長している証なのだ。もしも今抱えている問題を解決すれば、新たな問題が発生して来るし、その問題を解決しても、更に新たな問題が発生して来る。そうやって人間は成長して行くものなのである。
自殺者に共通するもう1つのことは、「自殺者は大抵が人に役立つことをしていない」ということだ。自分が誰かの役に立っていれば、絶対に自殺などしないものなのである。自分のことしかやらないから、この世での存在価値がなくなってしまい、自殺してしまうことになるのである。
宗教団体に入っていると何かしらのお役を貰うから、結果的に人に役立つようなことをしてしまうのだ。そうやって他人の手助けをしていると、他人の僅かな手助けが、実は大きな変化をもたらすことに気付くものなのである。だから自分で頑張り過ぎないようになり、無理することなく生きていけるようになるのだ。もしも自分の力では解決できない時は、他人の手助けを頼めばいいのである。
要は自分の世界だけに閉じ籠ってはならないということなのである。自分が高校生であるなら、幾ら悩んでも的確な答えを導き出せるとは限らないのだ。もしも自分で解決できない問題があるのなら、他人に聞いてしまった方が早いのである。大人たちが悩む高校生たちを放置してしまうことこそが、実は高校生の自殺率を高めているのである。
自殺者が自殺をする理由はよく解らないものだ。しかし高校で自殺者が出てしまったのなら、その高校が間違ったことを遣り続けた結果、そういうことが発生してしまったのである。それなのに校長以下、教職員たちが何も反省しないのなら、次から次へと自殺者が出て来るし、また自殺者を出すような高校はいずれ潰れて行くものなのである。高校を存続させ、生徒たちに楽しんで貰うためには、自殺者が出て来ないような学校作りというものが絶対に必要なのである。
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