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都市計画があるかあるからこそ都市住民は豊かに暮らすことができる、

●都市計画税を取っても都市計画がない

 都市というのは自然発生的に成立してくるものではない。最初から都市計画が存在し、それに基づいて作られなければならないのだ。これは人類最初のメソポタミア文明以来、文明を貫く鉄則だと言っていい。どこかの国民が「自分たちは特別だから」といって、都市計画抜きで都市を作って行ってはならないのだ。

 なぜ都市が計画的に作られなければならないかというと、それは戦争のためである。都市といのはその内部に於いて産業を発達させて来るから、異民族の侵略者たちから侵略を受けてしまう可能性を常に持ち続けているのである。都市を健全に発達させて行きたいのなら、都市自体が最初から戦争に耐えられるように設計され、そして常に都市を守れるだけの軍事力を持ち続けなければならないのである。

 ところが日本は第二次世界大戦では敗戦国の側に回ってしまい、しかもアメリカ合衆国から平和憲法を押しつけられることになり、憲法条文の中に戦争放棄の規定を定めてしまったのだ。そのために「都市と国防はセットなのである」という視点が完全に抜け落ちてしまったのだ。だから非常に弱い都市になってしまい、しかも都市住民たちは非常に劣悪な環境で生活を営まざるをえなくなってしまったのだ。

 日本のどの都市でも都市計画と呼べるものはない。それなのに都市計画税だけはちゃっかりと徴収しているのだ。都市計画がないのに、なんで都市計画税があるのかといえば、それは「道路を作るための税金」なのであり。道路を作ることで土建業者たちが儲かり、そのキックバックが政治家たちに流れるという仕組みを作ったにすぎないのだ。

 海外旅行に行った人たちは日本の都市の劣悪さには愕然とすることであろう。日本にも田園調布があるくらいだから、日本だって高級住宅街程度の物は作ることができる。しかし都市自体を建設するとなると、それができないのである。戦争の放棄を定めた昭和憲法が存在するために、国防の観点から都市を作って行くことが全然出来ていないのである。これはテクニックの問題なのではなく、都市に対する根本的な思考が欠如してしまっているのである。

●都市は都市計画に基づいて建設されて行くべき

①戦争と災害に備える

 都市は都市計画に基づいて整然と建設されて行かなければならない。まずは戦争に備えなければならないのであって、日本の国土なら、自然の地形を巧く利用して、要塞のような都市を作っていけばいいのである。戦争が始まった際、都市住民のための水と食料は充分に確保していき、避難場所を事前に作っておかなければならないのだ。

 戦争に強い都市は災害にも強い都市になる。日本の場合は、地震と津波と台風が存在するので、それに耐えられる都市を作って行かなければならないのだ。今回の東日本大震災でも解るように、大震災が起こった時は軍隊だけが頼りなのである。軍隊抜きに防災など決してできないものなのである。

②コの字型のマンション

 都市は一戸建てではなく、マンションを必要とする。もしも一戸建てに住みたいのなら、都市の郊外に建てるように法律で定めておかなければならないのだ。都市の中心部では一戸建ての建設を禁止し、全てマンションにしなければならないのだ。こうすれば住宅問題や交通渋滞など全て解決されて行ってしまうのである。

 マンションは5階から13階建てのロの字型マンションが整然と建設されていくべきなのである。都市には高層マンションなど不要なのである。もしもその高層マンションが地震で倒壊した時には、尋常ならざる損害を発生させてしまうからだ。また戦争の際、敵の戦闘機から格好のターゲットになってしまい、確実に破壊されてしまうことになるのだ。

③公共施設を機能的に配備して行く

 都市には公共施設を機能的には配置して行かなければならない。警察署や消防署は30分以内で現場に行けるようにしなければならないし、公民館や公園も等間隔で配置していかなければならないのだ。公民館や公園は非常事態では避難場所にも使われるので、この施設がないと非常事態を乗り切ることができなくなってしまうのである。

 はっきりと言っておくが、日本の西ヨーロッパ化は絶対に避けれらないということだ。近代文明が起こって来たのは、西ヨーロッパなのであり、特に日本は都市計画に於いて西ヨーロッパから学び、西ヨーロッパの都市に決して劣らない都市を作り上げなければならないのだ。

 もしもこれをしない限り、日本は先進国から脱落して行くことになる。都市計画ができてこそ、都市住民たちは豊かな生活を送れるのであり、その都市の内部で経済が発達してくることになるからだ。都市計画なき都市は、一時的に繁栄することはできても、戦争や災害に対して非常に弱いのだから、戦争や災害が起これば壊滅的な打撃を受けてしまい、都市が一瞬にして廃墟になってしまうのである。

●日本の都市が醜悪な原因

 日本の都市はそもそも都市計画がない訳ではないのだ。京都にしろ東京にしろ、都市計画があり、それに基づいて作られてきたという過去があるのだ。京都は桓武天皇が都市計画を定め、東京は徳川家康が都市計画を定めている。地方に於いても城下町は都市計画が存在しているからこそ、あれほどまでに奇麗な街並みを作り出すことを可能としているのだ。

①急速な戦後復興

 それではなんで日本の都市が醜悪になってしまったのかというと、それは急激な戦後復興を成し遂げてしまったからなのである。第二次世界大戦によって大打撃を受けた日本は、アメリカ軍の軍事占領が解けるや否や、急激な戦後復興を行い、とにかく経済力だけはアメリカ合衆国に対抗できるようにしなければならなかった。軍事力で抑えつけられている以上、経済力を持たねば奴隷状態になってしまうからだ。

 しかしその歪みも大きく、滅茶苦茶な都市開発が行われてしまったのだ。それが一番象徴的なのが、皇居の真ん中を高速道路が横切っている姿なのである。どこの国家に国家元首の公邸を分断するような形で高速道路を走らせる馬鹿がいるのかと思うが、外国では絶対に有り得ないことが、日本では平然と行われているのである。

②議会制民主主義

 都市計画を定めるにしても、都市計画を実行して行くにしても、様々な法律を必要としてくる。それなのに国会で碌でもない法律が可決されてしまい、都市住民たちの利益になるような法律が制定されてこないのである。この原因は議会制民主主義にあるのであって、国会がイデオロギー論争の場に化してしまったために、国会が立法府として機能してこなかったのである。

 昔のように情報網が発達していなければ国会は役に立ったかもしれないが、現在のように情報網が発達しているのなら国会で法律を可決するという遣り方を改め、国会で審議した法律案を国民投票にかけ、国民投票で賛成を得た法律案だけを天皇が法律として公布するようにして行けばいいのである。

③貧富の格差を是正しようとする努力

 都市は必ず貧富の格差を発生させる。政治家はその貧富の格差を絶対に是正してはならないのである。貧富の格差を放置しておけば、貧乏人たちは生活を質素にして行くものだし、お金持ちたちは起業したり慈善活動を営んだりして、富を循環させて行こうとするようになり、それが都市住民たち全てを豊かにして行くことになるのだ。

 しかし政治家たちが貧富の格差を是正しようとすると、貧乏人たちは社会福祉の恩恵を受けて生活を改善しなくなるし、お金持ちたちは重税のために起業してこないし、慈善活動も行わなくなるのだ。それに都市に於いて貧乏人たちの意見を優先すると、都市は確実に汚くなるものなのである。

●美しい都市は都市自体が富を生み出す

 都市計画がしっかりとなされている都市は戦争や災害に強く、都市住民たちが豊かな生活を享受できるだけではなく、都市自体が富を生み出すようになるものなのである。人々は観光というと、大自然の中に行くようなことを考えてしまうが、都市にも観光で行くものなのである。

 しかも観光都市は先進国の方が断然有利なのである。「パリ」「ロンドン」「ローマ」「ニューヨーク」「ロサンゼルス」などは全世界から観光客を集めることができ、その観光業で雇用を促進させ、都市住民たちに莫大な富をもたらしてくるのである。先進国は大自然を持つ発展途上国には絶対に負ける。しかし近代的な都市なら絶対に勝てるものなのである。

 先進国の中ではパリが最も美しい都市なのであるが、このパリが美しくなったのはそう遠い昔のことではないのだ。パリはナポレオン3世の治世下で都市計画を実行し、それで現在のような都市に生まれ変わったのである。パリは比較的新しい都市なのである。古い都市が近代的な都市に生まれ変わるためには、近代になってから新たな都市計画を定めて実行していかなければならないのえある。

 なぜナポレオン3世が都市計画を実施できたかといえば、それは第二帝政で皇帝が権力を集中させたからなのである。都市計画に於いては、政府が強力な権力を持たない限り、合理的で美しい都市を作ることはできないというルールが存在するのだ。議会制民主主義では都市計画を作っても巧く行かないのだ。

 日本の都市を美しくしていくためには、日本の政体を変更していくことが絶対に必要になる。現在のような議会制民主主義をやめて、行政経験のある者を首相として国民が直接に選び、その者に強力な行政権を与えると同時に、任期を1年とし、権力の乱用が行えないようにしてしまえばいいのだ。

 議会制民主主義なら国民の支持を受けていない者が首相になってくるし、その首相の地位も安泰ではなく、常に国会議員たちが政変を起こして来る危険性を秘めているのである。これではまともな都市計画を立てて、実行して行くことができないのだ。だからこそ日本の都市は醜悪化して行くことになるのである。

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コメント

タマティーさま~。
昨日の夜の地震も大きかったですね。震源地が近かったので、緊急地震速報がなったらすぐ揺れが来ましたね。

そういえば親指は指の中で八割の役目をしているそうです。親指が使えないと携帯もうまく扱えないですよね。
最近また私の手相が変わってきました。感情線が伸びてきているのです。多分、子育てや家事で献身的になっているからだと思います。

投稿: ゆきねこ | 2011年4月22日 (金) 18時48分

 ゆきねこさん、タマティーは根入り直後だったので、朝かと思いました。
 携帯電話のピーピーがうるさいって!
 一週間に亘って睡眠不足に悩まされているのに、寝たと思ったら地震ですよ。
 余計に睡眠不足じゃ!

 その手相の変化はいい傾向ですよ。
 育児のために感情が豊かになったんでしょうね。
 子供が1人の時って、幼児が巧く喋ることができるまでは、無言になってしまう母親たちが意外と多いんですよ。
 子供の脳は6歳まで脳のシナプスを増やして行くから、子供が喋れなくても母親はどんどん喋っていった方が子供の脳は賢くなるんですよ。
 母子2人の時にベラベラ喋っているのは、第三者から見ればおかしな光景に見えるけど、それが育児のためには必要ですからね。

投稿: タマティー | 2011年4月23日 (土) 06時22分

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