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管理組合が機能するからこそマンションは守られる

●管理組合なくしてマンションは機能しない

 賃貸でマンションに住むのと、自分たち夫婦が分譲マンションを買って住むのとでは全然違う。分譲マンションを買ったら火災保険や地震保険に入るというのも賃貸の時では考えられなかったことであろう。マンションに住んでいれば、火災を起こす場合もあるし、地震を受けてマンション自体が壊れてしまう場合もある。そういう時、保険に入っていれば保険金が貰えるのであって、逆に賃貸の時にそういう非常時のことを考えていなかったことの方が未熟であったと恥じてしまうものなのだ。

 賃貸と所有とでは決定的に異なるのがマンションの管理組合の存在である。今まで借家住まいだった夫婦は管理組合の価値が全く解っていないといっていいのだ。マンションは管理組合なしに機能しないのだ。賃貸の時は管理組合なんてなかったし、自治会ですら巧く機能していなかったのだから、その延長線上で管理組合を捉えるととんでもない目にあってしまうのだ。

 管理組合がなぜそれほどまでに重要かといえばマンションでは10年に1度、修繕工事を行わなければならないからだ。この修繕工事をすればマンションの寿命は延びるものだし、この修繕工事をしないとマンションの寿命が縮んでしまうことになるのだ。管理組合が機能するかしないかで、そのマンションの住民たちの資産が大いに変動して行くことになるのだ。

 マンションでは様々な人々が住むことになるので、マンション内では様々なトラブルが発生することになる。騒音問題やゴミ問題や不審人物問題とか、そういうマンション内のトラブルの解決をするのが管理組合なのである。管理組合が機能しなければ、マンション内のトラブルは放置され、それが悪化して行き、とてもではないが居住できるマンションではなくなってしまうのである。

 マンションは大地震を受けた時は倒壊する危険性を常に持っているのだから、定期的に避難訓練を行い、災害に備えることは非常に重要なのである。それを取り仕切るのも管理組合の仕事なのだ。住民たち全員のために非常用物資を備蓄したり、消防隊と連絡を取ったり、避難場所へのルートを確保するといった仕事をしなければならないのだ。

●管理組合の規約

 管理組合は「人の支配」で動くものではない。「法の支配」の下で存在し、機能しなければならないのだ。管理組合の規約の模範は区分所有法に掲載されているので、まずはそれを参考にして管理組合を作って行けばいいのだ。但し、この区分所有法のままに管理組合を作ってしまうと、その後なぜだか管理組合が巧く機能しなくなるという不思議な現象が出て来る。

 それはこの区分所有法では、管理組合は住民の4分の3以上の出席がなければ、重大な決定ができないということになっているからだ。実際にやってみると4分の3以上が出席するということはないのである。これが適用できるのは住民の質が高いマンションだけであって。住民の質の高くないと管理組合は機能しなくなってしまうのだ。

 そこで住民の3分の2以上の出席に変えておくことだ。ごく僅かな減少かもしれないが、通常のマンションでは住民の3分の2以上が出席して来るのが普通なのであって、欠席者がいるために重大な決定ができないことを回避させるのである。欠席する人は常に欠席するので、そういう者を無理矢理に出席させない方がいいのである。

 分譲マンションを買ってマンションに住むなら管理組合の規約を良く読んでおくことだ。規約自体は難しいものであっても、よく読んでおけば実際の運用ですらすらと条文が頭の中に出て来るようになるものなのである。規約を読まないからこそ、人の支配になってしまい、誰それの責任追及を遣り始めてしまうのである。

 それと本屋ではこの管理組合のマニュアル本が売っているので、この本を買って夫婦で良く読んでおくことだ。管理組合は実際にどのような仕事をすればいいのかが解っていれば、マンションで何かトラブルがあっても、管理組合の仕事と住民たち自身の仕事に分けることができ、双方が自分の仕事をこなさない限り、快適な生活はできないのだということが解るようになるからだ。何かトラブルがあっても、住民が泣き寝入りするようなことがあってはならないし、かといってなんでも管理組合に持ってこられても困るものなのである。

●管理組合の組織

①総会

 管理組合には最高決議機関として総会が存在し、年に1回開催されることになる。この総会には必ず参加することだ。総会で重要な決定がされるので、この総会に欠席してしまうと、マンション内の重要な決定を教えて貰うのが非常に遅れてしまい、不利益を被ってしまうことになるのだ。

 マンション暮らしを開始したのなら、妻はマンション内で仲のいい友達を作っておき、その友達の夫婦と共に一緒に参加するようにすることだ。自分たち夫婦だけが出席するのは億劫でも、友達と一緒に出席すれば楽しく出席することができるので、この友達の存在は非常に大きいのだ。

②理事会

 管理組合の執行機関が理事会である。理事長は総会が選出し、理事長の任期は1年にし、連続再選は認めないようにすることだ。理事長の任期が長かったり、連続再選が認められてしまうと、結局、そのマンションの住民の中で最も年を取っている人がなってしまい、しかもその人物が一旦理事長に就任するとなかなかやめてくれないので、住民たちの参加意識が急激に低下していってしまうのだ。

 理事長の任期が1年で、しかも連続再選が禁止されているのなら、住民なら誰でも理事長になることが可能になり、管理組合は活性化して行くことになるのだ。理事長が頻繁に代わるような場合、理事長経験者を理事会の最高顧問という形で残しておき、現役の理事長は何か解らないことがあるなら、その最高顧問に聞きに行けばいいのだ。

③監事会

 監事会は管理組合の監察機関である。監事の任期は1年にし、必ず男女を組み合わせることだ。男性だけだと男性の視点でしかチェックをしてこないし、女性だけだと女性の視点でしかチェックしてこないので、理事会が不正をやっていた時に見抜けなくなってしまうものなのである。監事には会計をチェックして貰うだけでなく、理事会の作業をもチェックして貰うようにすることだ。こうすれば監事会が機能するようになるのだ。

●管理組合の権限

①マンションの維持管理

 管理組合の権限の筆頭はマンションの維持管理である。共有スペースの掃除とか、ゴミ出し方とか、防犯だとかをやるのである。マンションの維持管理の中でも10年に1度修繕工事を行うことになるので、それまでに資金を溜めて行き、いざ10年後に修繕工事を行うのにスムーズに行くようにしなければならないのだ。

②設備の変更

 マンションで暮らしていると、当初の設備では不便だというものが出て来る。そういう場合、その設備を変更することになるのだが、これの仕事は管理組合の仕事になる。住民たちから要望が寄せられ、それを総会で決定し、それを理事会が実行することになるだ。当然にその設備変更のためには資金がかかるのであって、それは住民たちが負担することになるのだ。

③管理会社との折衝

 管理会社との折衝をするのも管理組合の仕事である。実際には販売会社の子会社が管理会社になるので、販売会社の良し悪しがそのまま管理会社の良し悪しに直結して来る。もしも管理会社がまともなサービスをしてこないのなら、管理組合はその管理会社とのい契約を打ち切ってもいいのである。

④管理費の徴収

 管理組合は住民たちから管理費を徴収するという仕事をこなさなければならない。管理組合は銀行口座を設けて、管理費を自動引き落としにした方がいい。住民の中には必ず管理費を支払わない人たちが出て来るからだ。管理費を支払わない人には罰金を課して、管理費を支払わないのならこのマンションから出て行くようにして貰うことだ。滞納が或る一定の金額が貯まり次第、すぐさま裁判に訴えると、大抵の住民は出て行くものなのである。

⑤帳簿の作成と保管

 管理組合は自分たちの活動に関して帳簿を作成し、それを保管しなければならない。特に管理費を徴収している以上、その管理費をどのように使用したかきちんと会計報告をしておかなければならない。それと総会の議決内容は必ず文書化して、住民全員に送付することだ。住民の中には総会で長々と話し合って決めたことなのに、「聞いてないよ~」と言ってひっくり返そうとする者が出て来るからだ。文書を送付してしまえば、そのような反論を封じ込めることができるようになるのである。

●管理組合と自治会はセット

 マンションでは管理組合と自治会はセットであるということなのである。管理組合が存在するから、その管理組合をそのまま自治会にする訳には行かないのだ。管理組合と並行する形で自治会を作らなければならないのだ。事実上、管理組合の理事長が、そのまま自治会の会長になるものなのである。

 自治会でないと地方自治体からの配布物や物資を受けられなくなるのである。それに非常時のために地方自治体からの非常用物資の供給ルートを確保しなければならず、これもまた自治会でないと地方自治体は応じてくれないのだ。面倒ではあっても、管理組合と自治会の2つを作って、巧く機能させて行けばいいのだ。

 自治会であろ以上、定期的にお祭りをやった方がいい。お祭りをやると住民たちの結束が高まるからだ。大抵は「夏祭り」とか「餅つき大会」とかだ。お祭りだからといって大掛かりな物にするのではなく、こじんまりとした物にし、住民たちだけが楽しめるようにすることだ。

 自治会のお祭りで儲けて、その余ったお金を備蓄して行くことだ。備蓄した資金は資産運用して、その資産運用益を再投資して行けば、自治会はかなりまとまった資産を持つことができるようになるのだ。自治会に資産があれば、非常事態の時は大いに助かるので、自治会に資産がないような状態を決して放置しておかないことだ。

 それ以外にもチャリティーイベントを行って、その収益金を慈善に使えばいい。難病の治療に役立てて貰ったり、身体障害者の団体に寄付したり、孤児の生活支援に充てたりすればいい。自治会を正常に機能させるためには、自治会の仕事ができるだけでなく、きちんと慈善活動をもしておいた方がいいのだ。社会的弱者を助けていると、なぜだか住民たちは温和になり、ギスギスした状態にならないのだ。今まで慈善活動を一度もやったことがない自治会で、自分がチャリティーイベントの開催を提案すると「偽善者!」だと罵られてしまうものだが、勇気を出して発言し、自治会に次善活動するように仕向けてしてしまうと、チャリティーイベントを開催することができ、それによって住民たちも変わって行くことになるのだ。

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コメント

タマティーさま、こんにちは。

トピックスとは関係ないことなのですが、聞いてください

わたしは一人目を助産院で生んでいて、今回も当然のように助産院を選びました。

昨日、提携先の病院に初期妊婦検診に行ってきたのですが、ちょっとした行き違いが発端になったのか、見て下さった医師から愕然とすることを言われてしまいました。

その医師は助産院に対してどうやらわだかまりがあるようで、助産院で生もうとすること自体が赤ちゃんに対する虐待だの、助産院で生むことを選ぶこと自体がおかしい(すでに病気)だの、助産師さんが知っていることは公園でママたちがうさわばなしをする内容の上級レベルに過ぎないだの、高給取りだの(これはやっかみ?)・・なんか、さんざん言われてしまいました。

そのお医者さんにしてみると、赤ちゃんをリスクにさらすことになるような選択が理解できないようでした。そのくせ、何かあると病院に頼ってくるのも許せないようでした・・

うすうす病院と助産院との対立はあるものなのかなとは感じていたのですが、(わたしのママ友も、他の病院ですが、助産院で生むことも考えていると医師に告げたら、さんざん助産院の悪口を言われたそうです。)、まさか提携先の病院でそのようなことを言われるとは思ってもいませんでした

今回は、一人目で生んだ助産院とは別のところで生むのですが、聞いたところによると、最初の助産院の提携先であった病院は院長の方針が変わって、今は助産院からの検診を受け付けていないようです。

今回のことも受けて、助産院と病院との状況は3年前と比べて、さらに悪化しているのかなと感じました。

母はリューマチが悪化して再入院、長女は風邪、なんだか心安まらずです・・

読んでくださってありがとうございました。

投稿: るう | 2011年4月20日 (水) 09時03分

 るうさん、記事とは全く関係のないコメント有難うございます!

 タマティーが転倒事故を起こして負傷してしまい、左胸に激痛が走り、右の親指が動かない状態でも記事をせっせと書き、マンション購入に関して情報を提供しているのに、だ~れもコメントしてきまんせんよ。
 コメントが来たと思ったら、記事とは関係のないコメントですよ。

 んが、この情報は聞き捨てならん情報ですな。
 病院の医者がここまでひどいことをするとは!?
 早速、警察に通報して「言葉の暴力を受けました」と告げて、その医者が業務停止に追い込まれるようにしましょう。
 医者は助産院と提携したとしても、お金が殆ど儲からないですからね。
 そういう陰湿なイヤガラセをしてくるのでしょう。

 タマティーはこの問題に対処するために、将来的には助産師と妊婦たち向けの専門誌を作りたいんですよ。
 助産院で出産する以上、とにかく病院送りにしてはならないんですよ。
 例えば妊娠後期になってテレビの視聴時間が長いと切迫流産する可能性が出て来るんですよ。
 テレビの音には自然の音が含まれていrないので、それで胎児が不安になってしまい、切迫流産を引き起こして来るんです。
 専門誌で妊婦たちがそういう情報を知っていれば、切迫流産になることはないので、助産師たちの地位も高まって来るんです。

投稿: タマティー | 2011年4月21日 (木) 07時01分

お怪我されていたのですね・・、自分のことばかりで申し訳ありませんでした わたし、タイミングの悪いときにコメントしてしまったようですね、すみませんでした・・・

以前、引越しを考え中と書き、中古マンションの購入も考えましたが、ちっちゃい子供がいるうちはこのままアパートにいるほうがいいのかなと最近思い直しています。

1階にいれば階下への騒音も気にする必要はないですし、駐車場から玄関ドアまで近いというのは、買い物などした際に荷物を運ぶのに楽ですものね。赤ちゃんを抱っこしてや、先に荷物を運ぶのに車で子供に待っていてもらう時などのことを考えると、駐車場から玄関までの距離というのはかかる労力がずい分違ってくると感じます。

家での食事の際、子供の食べこぼしを外に払うのにも、1階でしたら気兼ねがいらないですしね

本当は一軒家に住みたいところですが、今の余震が続く状況や原発事故のことを考えると、なかなか今不動産を持つということに躊躇してしまいます。

早くタマティーさまのお怪我が直られますよう、お祈りしています。

投稿: るう | 2011年4月22日 (金) 00時34分

おはようございます。タマティーさん、重傷ですね。可哀想です。身体が不自由だと集中力も倍、かかりますよね。そんな中、色々な情報提供有難うございます。
結婚を機に新築マンションを購入しました。転勤の為、マンションを貸す事になり施工会社関連の管理会社に委ねています。お陰様で直ぐ見つかりました。どこのマンションも管理会社って入っているものなのですか?お金はかかりますが、離れているので管理会社が仲介に入っていると頼りになります。毎度の事ですが、お体早く良くなりますように…。

投稿: ぽんちゃん | 2011年4月22日 (金) 01時32分

 ぽんちゃん、打撲がこんなに痛いなんて知らんかったですよ。
 1週間経っても痛みが取れないんですよ。
 プロのスポーツ選手が打撲で長期療養を強いられるのが、良く解りました。
 痛みがなかなか取れないから、擦り傷とかの方が治りが早いんですね。

 基本的にマンションには管理会社がついているものですよ。
 マンションそのものをオーナーが所有し、自分で管理するなり、管理人を雇うなりすれば別ですが、分譲で売り出されたマンションには恐らく殆ど全てに管理会社がついていると思いますよ。
 ぽんちゃんはラッキーな方かもしれませんよ。
 管理会社にはピンからキリまであるので、最悪の管理会社がある時は本当に悲惨なんですよ。
 マンションを買う時は、販売会社だけを見るのではなく、管理会社がどうなのかも確かめておく必要性があるんです。

投稿: タマティー | 2011年4月22日 (金) 06時50分

御回答有難うございました。マンション購入については全く無知のまま購入しまして…。施工会社と販売会社関連の管理会社があるんですね。私は、総会とか理事会は管理人さんが開き、人に貸すときには不動産屋に頼むものかと思いました。分譲と賃貸との違いもありますね。前に組合の集まりで近くの公民館みたいな所で集会があり、管理会社の方が仕切っていました。ですので困った時に管理会社に頼めるので安心です。トラブルの回避にもなりますよね。
身体に負った傷は内面に近い程、目に見えない分痛いものなのですね。
無理せずに安静に休まれて下さいね。

投稿: ぽんちゃん | 2011年4月22日 (金) 17時26分

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