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中古物件を買うならどうするべきか?

●家を買うのではなく、家を作るもの

 基本的に新婚の夫婦なら新居で新たな生活を始めたいから、もしも家を購入する際は新築の家に住むことになるであろう。自分たちの新鮮な気持ちがそのまま新築の家として表現して来るのである。しかし経済的理由から新築の家を買うことができない場合が存在する。そういう時は中古の物件を買わざるを得なくなって来るのだ。だから中古物件は飽くまでも家を作ることができない場合のみ許されると考えた方がいい。

①家を持つことは大変なのだから、最初からより大変な方を遣ってしまった方が良い

 運転免許を取得して、初めて自動車を運転する場合、中古の自動車から始めた方がいいと言われる。初心者なら運転しても平気でぶつけてしまうので、新車であるならボコボコになってしまい、経済的価値を大いに下げてしまうのだ。自動車なら最初、中古車から乗るべきだが、逆に家は最初から新品の家を作ってしまった方がいいのだ。というのは、家を建てることは非常に大変だから、それさえやってしまえば、後は簡単になるからなのである。

 幾ら中古の物件を買った所で、不動産の訓練にはなりにくいものなのである。勿論、賃貸よりは増しである。しかし家というものは「買う物」なのではなく「作る物」なのであって、家を作る作業が如何に大変であるかを知っておかないと、まともに不動産を維持することができなくなるのだ。中古の物件を買って住んだ場合、そこで終了と考えるのではなく、飽くまでも仮の住まいにし、次は新築の家に引っ越そうという気概を持つべきなのである。

②土地は資産として認められても、建物は資産として認められない

 そしてこれは「民法上の欠陥」なのであるが、日本では土地は資産として認められても、建物は資産として認められないというシステムになっているのだ。だから土地を売買する時に建物を壊して、土地を更地にして引き渡すという馬鹿げたことが行われるのである。なぜこんな無駄なシステムになってしまったかというと、日本では長らく木造建築が主流だったので、西ヨーロッパのように石造りの住宅の発想を遂に持ち得なかったのだ。

 本来なら中古の物件であっても、きちんと修繕して行けば長期間に亘って持つものだし、それどころか年期の入った家ほど味が出て来るものである。その建物には資産価値が認められて然るべきなのである。しかし日本では古い家ほど嫌われ、資産価値を認めないということを遣り続けてしまっているのである。

●中古のマンション

 日本のマンションには内断熱を採用しているマンションが多いので、内断熱のマンションンの寿命は30年と非常に短いのだ。しかもマンションの管理組合がきちんと機能していないと、10年に1度の修繕工事を行っておらず、余計にマンションの寿命を縮めてしまうことになるのだ。特に中古のマンションでは水道水が不味いという苦情が出て来るものだが、これはマンション内の水道管の掃除をしていないからであって、決して水道局が粗悪な水道水を送って来たのではないのだ。

 もしもマンションを買うのなら外断熱のマンションを買うようにすることだ。外断熱のマンションの場合、マンションの寿命は100年に達するので、中古のマンションであっても快適に過ごすことができるのである。但し管理組合が正常に機能していることが条件で、管理組合が機能していなければ、実際に住んでみると様々な問題が発生していることに気付いてしまうものなのである。

 外断熱のマンションがなく、どうしても内断熱の中古のマンションを買う時は、築10年から20年以内の物にし、その期間を超える物件には手を出さないことだ。なぜ築10年以上かというと、築10年経ってから出て行くということは、恐らく修繕工事の費用を支払いたくなくて出て行くから、その物件が売りに出されることになるのだ。築10年以下だと、その住民はそのマンションになんらかの欠陥があるからこそ出て行ったのであり、非常に危険なのである。

 内断熱のマンションは寿命が30年なので、その寿命が来る遥か前にとっとと売り払ってしまうことだ。マンションを解体する時は住民たちが大いに揉めることになるので、そんな馬鹿げた騒動に巻き込まれないようにすることだ。中古でマンションを買っている以上、原価が安い以上、値崩れさえ起こさなければ、とっとと売り払ってしまった方がいいのだ。

 中古のマンションで意外と掘り出し物なのが、「外国人向けマンション」である。外国人向けのマンションに外国人が住んでも、転勤を命じられればすぐに日本から出て行ってしまうので、非常に良い物件が中古のマンションとして売りに出されることになるのだ。しかも外国人向けのマンションは天井が高く、部屋が広く取ってあるので、住んでみると非常に住み心地がいいのである。

●中古の一戸建て

 中古の一戸建ての場合、内断熱のマンションのように寿命は短くないが、問題は「耐震設計」がなされているか否かなのである。中古だと木造住宅なら木が腐っている場合があるし、コンクリート製の一戸建てはコンクリートの劣化が進んでいる場合があるのだ。中古の一戸建てを買う場合は、その値段だけが問題なのではなく、大地震が来た時に耐えられるのか否かが問題なのである。

 中古の一戸建てを買う時は、その前の所有者の職業が一体何をしているのかも問うておいた方がいい。というのは年収が高い人ならきちんと家を建てて来ている筈なので、中古の一戸建てといっても、そう粗悪な物件にはならないのだ。それと子供がいるか否かも確認しておいた方がいい。子供が生まれ育った家なら、自分たち夫婦も育児ができる環境になっているからだ。

 中古の一戸建てで良い条件を持っている物件は、庭が奇麗だということだ。拘りを持って家を建てた人なら、必ず庭の手入れをしっかりとして来るので、庭を見ればその家の夫婦の力量が解るようになるものなのである。中古の一戸建て探しをする時、部屋どうかということばかりに目が囚われてしまうものだが、そうやって気持ちをパンパンにしてしまわないで、リラックスして庭を見て見ることだ。

 中古の一戸建てで掘り出し物はなんといっても高級住宅である。高級住宅に住む金持ちが新居に引っ越したとか、相続で売り払うことになったとかで売り出される場合があるのだ。高級住宅は家の作りがしっかりとしているのであって、その家に住んでみると非常に住み心地がいいのである。

 そtれと意外な掘り出し物は「古民家」である。古民家はは意外と使えるものなのであって、日本人の生活様式にぴったりと合う作りになっているのだ。古民家は住めば住むほど味が出て来るので、その家に住む家族は豊かな生活を送ることができるようになるのだ。但し唯一の欠点といえば家の中が寒いということであろう。防寒対策を如何にするかが古民家の課題であろう。

●安く変えても、それにリフォーム代がかかる

 中古の物件は新築の物件よりも安い価格で売り出されることになる。そのために経済的な問題を抱える夫婦は中古の物件に飛びついてしまうものだが、中古の物件は買って終わりではないのだ。そこに住むためにはリフォームすることが必要になり、その出費が嵩むことになるのだ。

 しかも実際に住んでみるとあちこちに問題が発覚することになるので、その都度、それらを修理していかなくてはならないのだ。もしもその出費を惜しめば、不便な生活を強いられることになり、不利益を被り続けることになるのだ。新築の家なら住んでから10年くらいは何も問題が起こることはない。しかし中古の家だとそうは行かないのだ。

 そう考えてみると結局は同じなのである。家を買う以上、出費は必ず出て行くものなのである。家を買う時は値段が安いというだけでは全く理由に成らないのだ。お金のことを云々考えるのではなく、まずは自分たち夫婦の生活から見て、どうすれば豊かな暮らしを実現できるのか考えて、それで新築の家を買ったり、中古の家を買ったりして行くべきなのである。

 中古の物件を買って、そこに住む夫婦にとっての本当の危険は、自分たちが中古の物件を買ってしまったために、引っ越してから気分が退嬰化してしまい、その地に安住してしまうことだ。こうなるとただ生活して行くだけになり、自分たち夫婦の本当の能力を発揮することができなくなってしまうことなのである。中古の物件を買ったのなら、それで終わりと考えるのではなく、「次は新築の家に住む!」という気概を持つべきなのである。

 大方、最初は子供が1人しかいなくても、その中古の家に住んでいる内に次から次へと赤ちゃんが生まれてしまい、手狭になったらまた別の所に引っ越そうとなるものなのである。そうなれば次は今の家よりもいい家になるものなのであり、そうやって成長していくからこそ、幸せが溢れ出すような家族になるのである。

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コメント

中古物件の記事ありがとうございます!
なるほどと勉強になりました。
我が家は義父と同居することになったので、義父の条件で畑があって家が広く、駅から近いところという、何だか矛盾している物件を探しているのでなかなか話が進まず・・・。
駅に近い物件で広くて畑があるなんて、皆無に近いです。
田舎の駅前の中古物件を先日見に行ったのですが、よくよく話を聞いてみると実は競売物件でした。しかも隣の会社に今も先住者が毎日通うということでした。
さすが社長の家だったので、建物も立派で立地の条件も良かったのですが、気の小さい私には先住者と毎日顔を合わせるなんて耐えられないと思い、その物件は諦めました。先住者のことや建物のリフォームを考えたりと、結局中古では新築で建てるよりも考えることが多いような気がします。
実は私は古民家に憧れているんです!義父のためにもあまり寒い物件は購入出来そうもないのですが、密かに物件を探したりしています。

投稿: フラワー | 2011年4月21日 (木) 19時32分

 フラワーさん、忘れてました。中古物件なら競売物件も掘り出し物なんです。
 俺自身は競売物件を買ったことはないけど、社長宅なら充分に出来のいい住宅な筈です。
 前の所有者のことは気にしないことですよ。
 
 畑に関して言っておくと、農業をやっていた人はそれを好むのでしょうな。
 うちも母方の実家が農家なので、家の近くに畑があるのが当たり前の風景ですからね。
 まあ、家庭菜園でも借りて、家と畑は分離した方がいいですな。
 駅の近くで、畑つきなんて、無いですからね。

 中古物件を買う時は、その中古物件の値段だけでなく、リその後にフォーム代がかかるということだけを押さえておけば、非常に解り易いと思います。

投稿: タマティー | 2011年4月22日 (金) 06時49分

タマティーさん

お体の具合は大丈夫ですか?毎日の投稿とても楽しみにしていますし、とても勉強になっています。早くよくなることを願っておりますが、無理はなさらないでくださいね。


震災時における投稿もとても有り難かったです。タマティーさんのブログにたくさんの方々が励まされ、勇気付けられていると思います。これからも素敵な記事を書き続けてくださいね。心から応援しています。


【質問です】
中学生の頃遊びに行った友人宅でとても素敵で忘れられないマンションがあります。とにかく空間の使い方が他のマンションとは違い、ゆったりとしているのです。その時、外国人専用のマンションを知り、将来は絶対こういう家に住もうと誓いました(笑)

今後日本のマンションがこういった造りになることはないのでしょうか?

やはり広いだけあって外国人専用マンションは高級になり、あまり一般的には普及しないと考えられるのでしょうか。

今でもその感動は鮮明で、忘れられないんです(^^)

お忙しいところお手数ですが、よろしくお願いします。

投稿: ダンボ | 2011年4月22日 (金) 07時42分

お返事ありがとうございます!
競売物件は安いせいか、すぐ売れてしまってます。先住者のことは気にしなくていいんですね。どんな理由で家を手放したかはっきり分からなかったので、逆恨みでもされたらどうしようなどと考えてしまいました(^_^;)
義父の意見を聞いてどんどん田舎の駅近くに物件探しが移って来ているので、ついでに畑も探してみます。
中古物件プラスリフォームか新築か、もう一度じっくり考えてみます。
ありがとうございました。

投稿: フラワー | 2011年4月22日 (金) 19時45分

 ダンボさん、痛いのなんのって!
 右手が使えないので、非常に不便しています。
 重たい物が持てないので、すぐに人に頼っていますよ。 

 恐らく長い時間をかけて、そのようなマンションが増えて行くことでしょう。
 そのためにはなんといっても「累進課税的所得税の廃止」ですよ。
 年収が1000万円以上あれば、そういう高級マンションに住もうとし出すものなんです。
 しかし累進課税的所得税があるために、年収が3000万円以上ないと、そういうマンションが買えないんです。
 だから所得税の税率を10%にしてしまえば、年収が1000万円以上ある夫婦はそのような高級マンションに住み始めて、そしてそれが普及し、スタンダードになっていくんです。

 だからマスコミとかで「貧富の格差を是正しよう!」などという意見は愚論なんです。
 高級マンションは金持ちが買ってくれる以上、金持ちたちに重税を課してしまえば、高級マンションなんて増えて行かないですよ。
 粗悪なマンションだけが増えて行くだけなんです。
 もしも貧富の格差を是正したいのなら、そういうことを言っている人たちに累進課税的所得税をかけて、タマティーのように貧富の格差は放置しておいた方がいいという人たちには所得税を10%にするという「二重税制」を導入すればいいんです。
 そうすれば高級マンションは増えて行くことでしょう。

 因みに、ダンボさんがそういう高級マンションに住みたいと思っていると、いずれ本当に住めるようになると思います。

投稿: タマティー | 2011年4月23日 (土) 06時20分

タマティーさん

右手が不自由なのにも関わらず丁寧なお返事ありがとうございます。

なるほど〜、かなり勉強になります。

あんな素敵なマンションが増えたらきっと人々の心はもっと豊かになると思うんですよね。

そしてタマティーさんにそう言って頂けるととても励みになります!

タマティーさんのブログを読み始めて物事を大きく考え、大きな夢を持つようになりました。

そのきっかけを与えて下さって本当にありがとうございます。
これからも素敵な投稿を楽しみにしています。

投稿: ダンボ | 2011年4月24日 (日) 20時03分

過去記事にコメント失礼します。
数年前に買って居住中の都心ビンテージ中古マンションを売却しようという方向にやっとなってきました!ローンが負担で主人の精神状態もあまりよくなく、ひとまず賃貸にするかコンパクトマンションへ住み替えすることで改善を図っていこうと思っています。
そこで、売り方に悩んでいるのですが、中古マンションを高く売るには、空きにしたほうがいいのか、居住中のまま売ったほうがいいのかどちらでしょうか。
居住中だと、幼児2人がいるのため生活感が消せず、商品としての魅力が下がるかと思いますが、転居すると2重の家賃負担も重く、売り急いでいるように足元を見られて買いたたかれる気がします。

もしお時間があれば、既婚女性のための「中古物件を売るにはどうするべきか?」の記事を是非お願いします!
個人鑑定も好きで、いろんな夫婦の形があるといつも勉強させてもらっています。タマティーさんいつもありがとうございます。

投稿: まあ | 2016年10月 3日 (月) 11時38分

まあさん、すぐさま売りたいのなら居住のまま。高く売りたいのなら引っ越した後でしょう。

只今、小説執筆中ゆえ、記事にするのはかなり後回しになります。

投稿: タマティー | 2016年10月 4日 (火) 06時13分

😆💕✨お返事ありがとうございます‼
やはり空室の方が高く売れるんですね。ローンの残債もあるので、今年度中に方をつけられればと思っています。お忙しいところ、無理いってすみません。

マンションを買ってから不動産投資に興味が湧いてきました。意外と周りの方々、されているんですよね。
小説執筆頑張ってください☺

投稿: まあ | 2016年10月 4日 (火) 10時15分

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