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もしもタマティーが経営コンサルタントになったら

●原作はいいのに

 『もしドラ』

 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら』は原作自体は物凄くいい。というか、この本のアイデアが抜群なのである。主人公を女子高校生に設定ルすること、ドラッガーと高校野球という本来なら有り得ない組み合わせを作ること、本の表紙にアニメキャラを設置すること、もう全てがベストセラーの要素を兼ね備えているのだ。

 この『もしドラ』のアニメバージョンは物凄く良かった。スタッフは丁寧にアニメを作っているというのが解ったし、物語もきちんと成立していた。しかしこのアニメの放送予定日の最中、東日本大震災に見舞われてしまったので人気爆発せず、もう不運としかいいようのない結果になってしまった。

 アニメの出来の良さに反比例するのが映画バージョンの方だ。

 「一体、この主演女優は誰だ?」と思っていたら、AKB48の前田敦子だから、もう完全にミスキャストだよ。前田敦子じゃないんだよね~。映画を作る時は、少なくとも女優志望の女性を採用して欲しいよ、AKBの人気にあやかろうというのがそもそも間違っているんだ。監督がヘトヘトになって「これだ!」という女優を見つけることが、監督の大事な仕事だと俺は思うよ。

 俺はどうも秋元康と相性が悪いようだ。おニャン子くらぶの時も、今回のAKB48も、なんかその女性アイドルたちに魅力を感じることが全くないのだ。ところがこうやって人気が爆発してしまうと、至る所に出て来るので、本当に迷惑なんだ。テレビを見る時は、AKBが出て来たら、チャンネルをすぐさま変えるようにしているよ。

 『もしドラ』の映画バージョンが不発なので、そこで今回、タマティーが面白い物を作ってしまうことを決意した。その名は、

 『もしもタマティーが経営コンサルタントになったら』!

 『もしドラ』を思いっきりパクって、タマティーが経営コンサルタントになって、赤字企業を思う存分立て直すという物語である。それでは始まり始まり~。

●従業員の半分を解雇する

 赤字経営で苦しむA社。

 このA社の社長がタマティーに会社再建を依頼して来た。そこでタマティーはA社を訪れ、A社の社長に会社再建のアイデアをバンバン与えることになった。「まずは従業員の半分を解雇せよ。赤字企業なんだから従業員を半分解雇すれば、その人件費が浮き、少なくとも運転資金は確保できるようになるのだ。」と。

 なんで従業員の半分なのか?

 「80対20の法則」を使えば、下位50%の従業員たちの生産量はたった5%しかないのだ。その会社の生産量の95%は上位50%の従業員たちによって生産されれているのである。だから下位50%の従業員を解雇しても別に問題はないのだ。それどころか解雇したことで会社の経営は刷新され、人件費が激減し、赤字経営を解消することができるようになるのである。

 しかし上位50%の従業員たちだけを集めても、いずれ「80対20の法則」が作動して、再び下位50%の者たちが無能化して行くので、そこで新規に若い従業員を採用して、会社の人材の活性化を図るようにするのだ。こうすれば従業員の質が高くなり、その質の高さによって若手たちも優秀になって行くのだ。

 より突っ込んで経営再建を行うのら、顧客に対しても「80対20の法則」を使って再編成して行く。顧客を半分に分割し、利益率の低い顧客を切り捨て、利益率の高い顧客だけを残し、その方面のサービスを急激に向上させる。顧客の上位50%が会社に対して95%の利益をもたらすので、その顧客たちこそが大事なのであって、他の顧客たちは大事ではないのだ。

 A社がこの経営再建策を実施すると、あ~ら不思議、たった3年で経営を再建してしまい、黒字に転じてしまったのだ。しかも以前より遥かに高い経常利益を叩き出し、会社の経営は非常に安定化するようになった。社内は和気藹藹で従業員たちはみんな笑顔で取り組み、顧客たちもA社からサービスを受けると笑顔になってしまうのだ。

●実はアメリカの企業はこれをやっている

 さすがにこんな経営再建策、日本では乱暴すぎるものであろう。日本でやれば当然に猛反発を食らうことになる。しかしこの経営再建策は経営コンサルタント業としては理論上最高の物であるのだ。どんな赤字会社であっても、この経営再建策を実施すれば経営を立て直すことができてしまうのだ。

 実を言うと、これほどまでに完璧な形ではないが、アメリカではこれを縮小した形でこの理論を実施しているのだ。アメリカ企業は赤字に転落してしまうと、ばっさりと従業員を解雇し、顧客の整理にも着手することになる。当然に労働組合は猛反発するし、既存の顧客たちだって「なんだあの会社は!」と言って来るようになる。

 だがこれによって会社の経営は再建され、無能な従業員たちを追い払うことができると同時に、優秀な従業員たちだけを残すことができ、しかも費用のかかる顧客を切り捨てることができると同時に、逆に自分たちの会社に利益をもたらしてくれる顧客だけを相手にすることができるようになるのだ。

 だからアメリカは経済が強いのだ。経営再建策を採用した会社は当然に経営が再建されることになる。解雇された失業者たちが大量に存在するので、新しい企業が勃興してくる余地が幾らでもあり、ベンチャー企業が失業者を吸収して行くことになるのだ。日本のように赤字企業がのうのうと存続し続け、ベンチャー企業が出にくいということがないために、常に経済は繁栄して行くことになるのだ。

 その分、弊害も大量にあって、企業が長期的戦略を取れなくなり、短期的戦略しか取れなくなってしまう。当然に製造業に関してはアメリカ企業よりも日本企業の方が強い訳だ。逆に金融業のように短期的に結果を出さなければ圧倒的に強く、アメリカに対抗できる国家は1つも存在しないのだ。失業者が多いということは社会問題も深刻化になり、ホームレスが大量にいたり、麻薬が蔓延したりすることもある。しかしその影の部分だけを見るとアメリカ経済の強さを全く理解できなくなってしまうのだ。

●なぜ日本ではできないのか?

 日本だってアメリカ経済のように強くなりたければ、タマティー流の経営再建策をさようすればいいのではないかと思ってしまう。しかし日本とアメリカとでは歴史も文化も経済も違うので、そのまま採用することはできないのだ。日本の事情をきちんと理解してから経営再建策を考えないと、日本では通用しないのだ。

①貿易立国

 日本は天然資源が少ないので、外国から天然資源を輸入し、それを加工して輸出し、お金を設けるという遣り方を取らざるをえない。このために技術を日々向上させなばならず、それゆえ従業員を大量に解雇するということは非常に危険なのだ。それよりも従業員を終身雇用で採用してしまい、高度な技術を持つ職人に育て上げる必要性があるのだ。

②会社組織が違う

 日本の企業は会社組織がそもそも違う。従業員を総合職と一般職に分け、総合職を管理職に育て上げて行き、その中から社長を生み出して行くシステムなのである。アメリカの会社のように外から社長を持って来るシステムにはなっていないのだ。そのため従業員を大量に解雇してしまうと、次期社長候補がいなくなってしまうという弊害が出て来るのだ。

③労働法

 留めが労働法である。労働法が非常に厳しく、企業が従業員を解雇するのに様々な制限を加えているのだ。確かに嘗て労働法は労働者の地位を改善するには効果があった。しかし現在では時代遅れという条項も大量に含まれているので、このために企業が解雇できず、無能な従業員を大量に抱え込んでしまうのだ。

 気をつけるべきは、製造業では従業員を余り解雇しない方がいいのだが、それ以外の産業では解雇はした方がいいのである。特に金融業では無能な社員を解雇するのは当然なのであって、無能な社員を抱え込んでいたら、金融業は発展して行かなくなってしまうのである。労働法は製造業を前提に法律を作っているので、金融業には不適合になってしまうのだ。

●合法的にやるなら企業分割

 勿論、日本企業といえども、従業員を合法的に解雇し、労働組合が猛反発して来ないように解雇して行けばいいのだ。例えば無能な従業員を子会社に出向させてしまい、子会社に無能な従業員を押しつけてしまうのだ。当然に子会社はこの無能な従業員を押しつけられるために経営はそれほど振るわなくなってしまうのだ。 

 一時期、成果主義を採用する会社が多く出て来たのも、無能な従業員を解雇するために戦術なのである。当然に無能な従業員は成果を出すことなんてできないのだから、給料が下がってしまい、自発的に辞めるように仕向けるのだ。成果主義というのはこれをするために採用したのであって、本当に従業員の成果を競わせるものではないのだ。

 会社が企業分割を行い、無能な従業員たちを新設の会社に入れてしまい、既存の会社には優秀な従業員たちを残すというのも、事実上の経営再建策なのである。これをやると当然に既存の会社の経営は再建されてしまい、しかも新設の会社では以前なら士気の低かった従業員たちも自分で仕事をしなければならなくなるので、生産性が上昇して来るようになるのだ。

 もう1つ、どの企業も実はタマティー流の経営再建策を既婚女性限定で採用していたのだ。というのは女性の従業員たちは結婚を機に辞める者たちが続出し、結婚後に辞めなくても妊娠や出産を機に辞めてしまうので、優秀な既婚女性たちだけが会社に残ることになるのだ。

 だからこそ会社に雇用され続けている既婚女性たちの能力は非常に高いのである。一方、独身女性の方はこの選別がなされていないので、意外と能力は低いのである。日本企業が強かったのは、既婚女性に対しては選別を行っていたからなのである。しかし女性たちの結婚率が低くなってくるとこの選別ができなくなるので、日本企業は経営を悪化させ続けることになってしまったのである。

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コメント

タマティーさん、鑑定して頂き本当に有り難うございました!<(_ _)>
鑑定結果を覚えるまで読みます。
お礼参りの件では、タマティーさんを不快な気持ちさせてごめんなさい。そして、まだ済ませていないのに鑑定、有り難うございました。
息子の名前ですが、隼(惑星探査機のはやぶさ)を私が付けたいと主人に話たら賛成してもらいあれこれ二人で考え、先に音(読み方)で決めてから字を考えました。始め希は輝でしたが、主人のお婆ちゃんに頼んで金沢のお寺の住職さんに鑑定して頂き希の方が良いとの事で決まりました。新幹線のはやぶさではないですよ
主人はお喋りは余り上手くない様な…。私にだけかしら!?
何はともあれ、分かり易く説明して頂き有り難うございました!
神様からの宝物大切にします。
そして、本日のお題のお話し関連なのですがアメリカは肥満、喫煙者、貯金額(調査されて少ない)と採用されないと聞いた事がありました。日本もごく一部では貯金を調べられているとかで。
アメリカはシビアですが、それだけに自己管理出来る人間なら優秀と見られるのですね。確かに、優秀だと年俸は凄いですものねアメリカドリーム!!
有り難うございました。<(_ _)>

投稿: ぽんちゃん | 2011年7月12日 (火) 20時53分

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