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取締役になりたいのなら、社史を読め!

●誰も読まない社史

 この世には売られることを想定していない本が存在している。

 それが「社史」である。

 社史は本といっても非売品の場合が多く、基本的にはその会社の歴史を記録的に綴ったものだ。社史はベストセラーになるように作られていないし、読んだ所で面白くなるようにも作られていない。そもそも文章が非常に下手糞で、一体こんな悪文、誰が書いたんだと言いたくなる物なのである。

 会社はなんで誰も読まない社史を作っているのか?

 それは会社の情報が時間の経過と共に消えて行ってしまうからなのである。会社が意図的に社史を作り、会社の情報を残して行かない限り、その会社の歴史的な情報は消えてしまい、会社としては非常に危険になってしまうからだ。創業は古いのに、それに見合う歴史的資料を残しておかなければ、そこいらのベンチャー企業となんら変わらなくなってしまうのだ。

 だからこそ会社は大金を投じて社史を作るのである。会社の寿命は30年と言われているので、30年に1度は社史を作った方がいいのだ。区切りがいいからといって100年置きに社史を作っていると、会社の存続自体が怪しくなってしまうのだ。社史を作ることで、これまでの会社経営に終止符を打ち、新たな会社経営のスタイルを模索していかなければならないのである。

 社史は誰も読みはしないのだが、社史は或る人々をターゲットにして本を作っていることは事実なのである。それは「社長」であり、「取締役」たちであり、「管理職」たちであるのだ。社史はこの人たちに何かを伝えたいからこそ、こんな誰も読まない本が作られることになるのだ。

 では社史は何を伝えたいのかといえば、まずは会社の歴史だ。特に創業者がどのような考えでこの会社を作り、その後、会社はどのような軌跡を描いて発展していたのかを知って貰うためだ。第二にどのような経営をすれば成功し、どのような経営をしたら失敗するのかを、具体的事例を持って教えて行くのだ。会社経営は成功しっ放しということは絶対に有り得ないので、失敗を多くし、その失敗をどのように克服して行ったかを教えるのである。

 そして第三が「企業遺伝子」なのである。

●社史には企業遺伝子が書かれてある

 結論から言ってしまうと、社史には「企業遺伝子」が書かれているからこそ、会社は大金を投じて社史を作るのである。自分たちは社史を編纂して、初めて自分たちの会社の企業遺伝子に気付くということも多々あり得るのだ。企業遺伝子が解ればその会社の大きな流れが解るようになり、どのように会社を展開していけば成功できるのかというのが解って来るようになるのだ。

 どの会社も全ての事業をこなすことはできない。自分たちの会社ができることは非常に限られているのだ。会社というのは何かの事業に特化するからこそ、その業界で断トツの商品やサービスを作り出すことができ、大儲けして行くことができるようになるのである。自分たちの会社は一体何をすることが許され、何をすることが許されないかが解れば、会社経営はエネルギーを効果的に使って行くことができるようになるのだ。

 社史を読む時は1ヵ月程度かけて読むようにすることだ。速読では企業遺伝子を見つけ出すことができないのだ。社史を精読するからこそ、企業遺伝子が解るようになり、その読書をする価値を生み出すことができるのだ。社史は会社から借りて来るのもいいし、もしも会社が売ってくれるのなら自腹を切って買ってしまった方がいい。いざという時に自宅で社史を見ることができるので、他の管理職より断然に仕事の出来が良くなってしまうのだ。

 社史が自分の本であるなら、社史に赤線を引いたりすることができるので、どこか重要なのかを一目瞭然で理解することができるのだ。できることならノートを取りながら読むようにし、自分の会社はどの商品では成功し、どの商品では失敗したのかを綴って行けば、何が得意で何が不得手が解るように成って行くのだ。

 社史には参考文献なんてないものだが、社史に関連する参考文献があるなら、全て集めてみることだ。社史だけ読んでいても解らないので、社史と関連する文献があるなら、社史の言っていることが良く解るようになるのだ。例をあげていうのなら、『岩波書店の社史』と山本夏彦著『私の岩波物語』の2つを読めば、岩波書店の歴史を的確に理解することができるのである。岩波書店の社史を読んでいるだけでは、岩波書店の歴史など全く理解することができないのだ。

●社史の編集委員たちは全て出世を遂げている

 社史の驚くべき側面は、社史の編集委員たちは全て出世を遂げているということだ。編集委員たちはその後、取締役になったり、社長にしているのだ。ということは、会社経営者として最も大事なのは、経営者としての知識や技術ではなく、その会社の企業遺伝子が解っているか否かなのであるということなのである。

 経営者としての知識や技術は管理職でも上級になってくれば大体解って来る。問題はその上級管理職をいざ取締役に抜擢しようとする際、企業遺伝子が解っていないと、会社としてはその取締役が使い物にならないということなのだ。企業遺伝子が解っていれば、どんな馬鹿な取締役でも経営者として使い物になるものなのである。

 自分が上級管理職になった時、管理職としての仕事をきちんとこなして来たのなら、その仕事を簡単にこなすことができてしまう筈だ。だからといって仕事で手抜きをするのではなく、多少閑だからこそ、社史を読み、企業遺伝子を掴み取って行くべきなのである。管理職で下級なら、社史を読んでもイマイチ解らないものだ。しかし自分が上級管理職になってしまえば、社史の言っていることが良く解るようになるし、企業遺伝子も掴み易くなって行くのだ。

 このことは、寧ろ政治に置き換えてみれば良く解るのではないだろうか? 政治家として活躍して行くためには、政治学の知識や、政治家としての技術はそれほど必要ではなく、『古事記』や『日本書紀』、『日本政記』や『日本外史』を精読し、日本の国家遺伝子を掴み取った政治家の方が、政治家としては使い物になるということなのである。

 日本の政治が大正デモクラシー以降、失政続きで、碌な人物が首相になって来ないのは、日本の歴史学者たちが「神話は歴史に非ず」という態度を取ってしまい、『古事記』や『日本書紀』を否定したり、歴史学の発達によって「史実とは違う」という理由で『日本政記』や『日本外史』を捨て去ってしまったからなのである。

 そのため政治家になる人たちは大学で政治学者から教育を受けた人たちだけになってしまい、確かにその人たちは政治学に関して知識を持っているのだが、実際に政治を遣らしてみると、大した仕事ができないどころか、いつも失政を展開し、外交でもボロ負けになっているのである。日本の歴史書を読んで日本の国家遺伝子を習得していないために、政治家として全く使い物にならなくなり、その悪政のために国民が大損害を被ってしまうのである。

●大きなビジョンを描く能力があるからこそ、取締役として通用する

 企業遺伝子が解ってしまうと。自分のアイデアが異様な確率でヒットし始めることになる。自分が勤める会社ではどのような商品なら成功し、どのような商品なら失敗するということが解っているので、自分のアイデアが成功する商品を生み出して行くようになるのだ。何も思いつきでアイデアを出しているのではないのだ。社史を読んだからこそ、的確なアイデアを生み出すことができるようになるのだ。

 女性の場合、自分の身の回りのことにしか関心がないので、そのままでは幾ら自分が意見を具申しても採用して貰える確率は非常に低くなってしまうのだ。しかし社史を読むことで、その会社の時間軸が解って来るようになると、この会社が一体何をすべきかが解って来るようになり、その上で意見を具申すると、物凄く通り易くなるのだ。それどこか「あの上級管理職は会社の経営が良く解っているな」と褒められてしまい、取締役へと抜擢されて行くことになるのだ。

 自分の意見が通り易くなったと同時に、社長が一体何を言っているのか良く解るようになるものなのである。社長が命令を下した場合、その命令自体は理解することができる。しかしその命令を下す真意がイマイチ解っていないのだ。ところが社史を理解してしまうと、社長はこういうことを考えて、こういう命令を下して来たのだな、ということが解り、会社への疑問というものが氷解して行き、自分はこの会社の発展のために尽くそうという気持ちに変わって行くことになるのだ。

 女性社員だからということで、女性の立場に立ってしか意見を言わない女性というものは必ず存在するものだ。しかしそういう女性社員はいずれ淘汰されて行くものなのである。なぜならいつも女性としての意見しか言わず、女性の立場を超えた意見が言えなくなってしまうからだ。確かに社内の女性の地位を改善しようとする時は、その女性社員の意見を採用したりすることはある。だがその女性社員に大きな仕事を与えることは決してないのだ。

 大きなビジョンを描く能力があるからこそ、取締役として通用するのだ。そのためにはなんといっても社史を読むことだ。その会社の企業遺伝子を掴み取ってしまえば、自然と大きなビジョンを描くことができるようになるのだ。そうなってしまえば最早、女性だの男性だの関係なくなってしまい、「この人物は大きなビジョンを描ける能力があるから、取締役に抜擢しよう!」となるのだ。

 人間は男なら男としてすべきことをきちんとしなければならないし、女なら女としてすべきことをきちんとしなければならないのだ。しかしそれが出来て終わりなのではなく、それが出来たのなら、性別を超越した何かを掴み取らなければならないのだ。これはフェミニストたちが言うように「ジェンダーフリー」を唱えたからこそできるのではないのだ。寧ろそういうことをやっている限り、掴み取ることはできないだろう。その何かを掴み取りたいのなら、社史を読むべきであり、その中から企業遺伝子を掴み取って行くしかないのだ。

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