出世の運不運
●人間は自己中心的な動物だからこそ、出世競争が激化する
人間は想像以上に自己中心的な動物である。だから放置しておけば競争が始まる。会社でも本来適材適所を行うために社員を抜擢しているのに、抜擢された者同士は出世競争を繰り広げてしまうのだ。労働組合などは労働者の権利を謳いながら、自分たちの権利を自己中心的に追及している邪悪な団体に過ぎないのだ。管理職になればもっとひどく、管理職の出世は最終的に潰し会いにまで悪化してしまうのである。
古来より、この自己中心主義を破壊することができるのは、「宗教」「法」「人間関係術」しかない。まずは神を崇敬することで謙虚になり、自己中心主義を破壊するのだ。次は法を制定し、人々を公平に扱うことで自己中心主義を破壊するのだ。残りの1つは本人が人間関係術を習得することで自己中心主義を破壊して行くのだ。
①相手の立場に立って考えること
社内で出世して行くためには、人間関係術を学ばなければならない。まずは相手の立場に立って考えることだ。相手にもそれなりの事情があり、その事情を無視されてしまったら、相手はカンカンになって怒って来るのは当たり前のことなのだ。相手の立場を理解してあげれば、如何なる人でも巧く付き合って行くことは可能になるのである。
②相手の自己重要感を与えること
人間は常に何かしらの不平不満を抱えているものだから、相手から攻撃を受ければ猛反撃してくる。特に女性が絶対にやってはならないは、男性のプライドを傷つける行為であって、これをやってしまったら男性はその女性を絶対に許すことはないのだ。女性だからこそ言葉を選ぶべきであって、棘のあるような言い方は絶対にすべきではないのである。逆に自分の言語能力を相手の自己重要感を高めることに使ってしまえば、相手は態度をがらりと変えて、友好的な態度になるものなのである。
③双方が利益になるような関係を築き上げること。
人間関係は自分が一方的に得をするという関係を維持することはできない。双方が利益を得るという関係になるからこそ、人間関係が維持され続けるのである。女性社員が社内で女性の権利ばかり主張していると、最終的に絶対出世できなくなるし、その内、社内に居場所を失ってしまい、辞職せざるをえなくなってしまうのだ。女性である自分だけが利益を得続けたために、少なくとも男性社員全てが敵に回ってしまったのである。
●出世に於ける「杭の法則」
会社で一緒に仕事をしていれば、一体誰に能力あるのか解るものだ。しかしその後の出世には運不運がつきもので、優秀な能力を持っているのに左遷されてしまったり、大した能力しかないのに出世してしまったり、社員の立場から見れば有り得ない現象が起こるのである。これは出世というものは実力だけでするものではないということだ。運不運が大きく左右して来るものなのである。
この不可思議な現象を、出世に於ける「杭の法則」で解り易く説明しよう。
①出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない
まず出る杭は打たれてしまう。能力があるということは、上司からとってみれば非常に危険なことで、将来、自分の敵になるかもしれない可能性を持っているのだ。だから出る杭になるのではなく、出過ぎた杭になってしまうのである。例えば社内で誰もが認める大手柄を立てた時、もう誰も文句を言う奴はいなくなるから、出世の安全が確保されるのである。
②出ない腐るが、出そうな杭は腐らない
出ない杭は腐ってしまうものだ。仕事には向き不向きというものがあるから、自分が会社に勤めているのに、その会社の仕事がどうも嫌なのなら、幾らやっても無駄なのである。そういう場合はとっとと転職してしまうべきなのである。しかし自分がこの仕事は向いていると思うなら、どんなに下手糞でもいいから、一生懸命にやることだ。出そうな杭は腐らないものなのである。
③近くの杭は抜かれるが、遠い杭は抜かれない
最終的に社員への人事権を持っているのは、社長である。しかし社長の近くに行けば出世が早くなるという訳でもない。自分に大して能力がないのに、下手に社長に近付いてしまったために左遷されたということもありえるのだ。社長とは距離を置き、そこで着々と能力を向上させて行った方がいいのである。近くの杭は抜かれるが、遠くの杭は抜かれないものなのだ。そうやって実力を蓄えて、社長の情報を充分に収集してから、社長に近付くべきなのである。
社内で「なんでアイツだけが出世していくんだ!?」と思っても、その人物は「杭の法則」を知っているからこそ、出世して行くのである。出る杭にならずに出過ぎた杭になる。腐った杭にならずに、出そうな杭で有り続ける。社長の近くに行くことを焦るより、社長より離れた場所で着々と実力をつけている。だからこそ出世でこけることなく、常に出世し続けるのである。
●出世スピードは男女では違うもの
出世スピードは男女平等ではない。出世スピードは男女では違うものだ。女性は結婚するためにどうしても結婚による変動が物凄く大きなものになってしまうのである。自分が彼氏と付き合っていて、それが結婚へと突入して行くのなら、女性は全力で取り組まない限り、結婚なんてできないものだ。そして結婚すれば新婚生活が落ち着くまで、生活に大量のエネルギーを注ぎ込まなければならないのだ。更には妊娠に出産である。そうなってしまうと、どうしても出世スピードは減速せざるを得ないのである。
しかも女性が総合職から管理職になり、いざ出世が始まる時期は、女性にとって厄年が連発する時期である。女性の30代は厄年が2回あるために、前厄本厄後厄の3つが2回もあるということなので、30代の内、6年間は厄年がらみなのである。女性の30代は生き方の変革期であり、ここで自分の生き方を変えて行かないと、更に出世して行くことはできないのである。
一方、男性の30代には厄年がないために、猛スピードで出世を開始して来る。しかも結婚したとしても家事や育児は妻任せになるので、家庭そっちのけで仕事をしまくるようになるのだ。当然に男性社員たちが出世していくのは当然のことなのである。男性は40歳前後が厄年になるので、そこが「人生の変革期」であり、そこで大化けするか、没落するか、二者択一の運命が待ち受けているのである。
もしも女性社員が男女平等に洗脳されてしまえば、30代の女性たちは自爆する形で会社を辞めて行くことになる。男性社員が猛スピードで出世しているのに、なんで女性社員たちは出世できないのかという不満を抱えて、その不満を大爆発させることで辞職して行ってしまうのだ。30代になっても男女平等が間違った教えなのだということが解らないからこそ、自分の人生で最も大事な時期に自爆してしまうのである。
女性は結婚妊娠出産育児をするようになれば、どうしても仕事に全力を投入することはできない。女性の30代は仕事を後回しに、矢張り家庭を中心にして考えるべきなのである。その時期は別に出世が遅くなっても構わないのだ。出世は育児が落ち着いた40歳を過ぎてからすればいいのであって、育児で大変な時に急ぐべきではないのである。
●出世には運不運が付き物である
出世には運不運が付き物なのだ。同期が同じ時期に入社したからといって、平等に出世して行く訳がないのだ。入社当初から優秀な社員は猛スピードで出世して行くものだ。入社当初から出来の悪い社員はゆっくりと出世して行くものだ。スタートラインは平等ではないのだ。スタートした時点が既に格差は存在しているのである。
かといってそのまま順調に出世して行くとは限らないのだ。出世するということは、本人に相当なストレスを与えてしまうことになるから、巧くそのストレスを解消しておかないと、そのストレスが大爆発を起こしてしまうのである。出世したのに部下から総スカンくらってしまったり、出世したのに会社に大損害を与えてしまったり、出世したのに家庭が崩壊してしまったりするのだ。
果たして出世するのがいいのか、出世できないのか悪いのか、解らないものなのである。ただはっきりと言えることは波乱万丈の人生を送る人は、それなりに成長しているということなのである。逆に平穏無事に生きている人は大して成長していないということなのである。一度でも自分が絶体絶命に危機に陥れば、自分の間違った考え方や遣り方を捨てて、新たな考え方や遣り方を習得して行くものなのである。一見、平和裏に生きることは何も起こらないから良さそうに思えるが、実は自分を変えることができないということでは悲惨な状態に陥っているということなのである。
会社で出世できた人たちは「自分は運が良かった!」というものだ。実力は確かに必要ではあるけれども、目には見えない「運」というものが、自分の人生に於いて重要な役割を果たして来るのである。だから何があっても「自分は運がいい」と言い続けることだ。「自分は運がいい」と言い続けていれば、本当に運が良くなってしまうのである。
松下幸之助が未だに日本のビジネスマンたちから尊敬を集めるのは、彼の考え方や遣り方が凄いからではないのだ。松下グループの創始者といえども、所詮は尋常小学校卒の学歴しか持たないから、そんなに奥深い思考などすることはできないのだ。彼が凄いのは子供の頃から「自分は運がいい」と言い張り、歳を取っても「自分は運がいい」と言い張り続けたことなのである。だから本当に運が良くなってしまい、大出世を遂げてしまったのである。
不思議なことにビジネスレディーの中で「自分は運がいい」と言い張っている女性は殆どいないものだ。「運」の重要性がその歳になっても解っていないのだ。自分の実力がありさえすれば出世できると思い込んでいるからこそ破滅していくのである。何事につけ、「自分は運がいい」と言い張ることだ。そうやって運がいいことをアピールし続けていれば、本当に運が良くなり、有り得ないほどの大出世を遂げてしまうことになるのだ。
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