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アクティブ投資とインディックス投資

●株式投資には2種類ある 

 株式投資には大きく分けて2種類存在する。「アクティブ投資」と「インディックス投資」の2つである。アクティブ投資は上場企業の株券を直接買う遣り方であり、インディックス投資は市場の株価の動向そのものを買う遣り方である。アクティブ投資の方が株式投資の基本であり、インディゥクス投資の方がその応用ということになる。

 株式投資にはこの2種類が存在しているということが解っていないと、株式投資に関する情報を正確に掴めなくなる。例えば株式市場が暴落した時に、最大級のショックを受けることになるのはインディックス投資をやっている投資家たちなのである。株式市場が暴落している以上、自分たちだって大損してしまうのだ。しかし株式市場が回復してくれば、再び儲けることができるようになるのだ。

 一方、アクティブ投資をしている投資家は自分が買った株券の上場企業が倒産でもしない限り、別に困ることはないのだ。株式市場が暴落したら、確かに表面上は株の資産が下落することになるのだが、その上場企業の株券を安く買うことができ、それによって資産を増やして行くことが可能なのだ。株価というのは暴落したとしても、いずれ回復して来るものだから、株式市場が活気を取り戻すと莫大な資産を築いているということになるのだ。

 日本の知識人たちは社会主義の圧倒的な影響力を受けているので、株式市場というのは大暴落して貰わないと困るのである。カール・マルクスの『資本論』では資本主義の宿命として暴落が起こることが書かれているために、株式市場というものはいずれ暴落するものだということが頭の中から離れないのである。

 株式市場は景気循環の影響から、定期的に暴落することになる。しかしそれで資本主義が終わるのではなく、株式市場が暴落するからこそ、不要な企業は倒産して行き、新たな企業が勃興してくるチャンスが出て来るのだ。投資家としては株式市場が高騰していても儲けを叩き出すべきであり、株式市場が暴落しても儲けを叩き出すべきなのである。

●上場企業の株券を直接買うからこそ物凄く勉強になる

 アクティブ投資に「アクティブ」という形容詞が付いているのは、アクティブ投資は景気に左右されることなく行動的に投資して行く遣り方だからだ。アクティブ投資ではその上場企業のことを物凄く勉強することになるので、その会社が新たな事業を打ち出して来るのなら、その事業が成功する前に安い値段で株券を買ってしまい、その事業が成功して株価が高くなったら売り払えばいいのだ。

 アクティブ投資ではその会社の情報や経済全体の情報を一生懸命に収集することになる。投資家本人が勉強しないとアクティブ投資は成功しないのだ。逆に言えばお金を貰いながら勉強をさせて頂いているようなもので、勉強好きの人にとってはアクティブ投資の方が断然魅力的なのだ。

 アクティブ投資は自分の得意とする分野にだけ集中して投資して行くことだ。自分が得意とする分野だからこそ、その上場企業の動きが良く解るのであって、間違った投資をしなくなるのだ。危険なのは儲けに走って自分が全然知らない分野に分散して投資してしまうことだ。これをやってしまうと、その投資が如何に危険なのかが解らず、自分が気付いた頃には自分の資産が跡方もなく消えてしまっているということもありえるのだ。

 アクティブ投資をするなら、せめて1度は株主総会に出席しておいた方がいい。というのは会社の経営は社長で殆ど決まるので、社長が有能ならその会社は発展して行くし、社長が無能ならその会社は破滅して行くことになるのだ。社長を直接に見るということは、想像以上に大事なことであるのだ。

 アクティブ投資でより凄い手段を取りたいのなら、株券を増やして行って有力株主になってしまうことだ。有力株主になれば自分の意見を会社の経営に反映させることができるので、その会社が馬鹿げた経営をすることを防止できるようになるのだ。日本の会社は社員が社長に伸し上がって来るサラリーマン社長の形式が多いために、サラリーマン根性で会社を経営してしまい、それで会社を危機的状況に追い込んでしまうのである。

●株券ではなく市場をそのものを買う

 株式投資をしたいのだけれども、株式投資に関して余り勉強したくないという人はインディッツクス投資の方がお勧めである。自分の資金を「ETF」(株価指数連動型上場投資信託)に提供して、年間の僅かな手数料で専門家たちがあなたの資金を運用して利益を出してくれるのである。

 インディックス投資は基本的には投資信託であるので、その専門家の能力によって儲けが大いに異なって来るということだ。まずは信用できる会社を選び、安全な銘柄で構成される指数に連動し、優秀な専門家がいる投資信託を選ぶことだ。インディックス投資はその投資信託を選ぶことで結果が決まってしまうのである。

 投資信託の対象地域は「日本」「アメリカ」「ヨーロッパ連合」に限定した物にすることだ。これら3国は安心して投資でき、どんなことがあっても最終的には利益を確保できるからだ。しかしこれ以外の国々だとその国の株式市場がいつなんどき暴落するか解らないのだ。特に気をつけるべきは「中国」と「オーストラリア」と「ブラジル」であり、これらの国々は経済規模が大きいように見えて、実は経済基盤の弱い国家なので、通貨それ自体が暴落してしまい、それに引き摺られて株式市場も大暴落してしまうことになるのだ。

 インディックス投資はリクスが低く、短期的に利益を得ることはできないが、長期的に利益を得ることができるものである。インディックス投資はそういう物なのであって、絶対に大儲けを狙わないことだ。大儲けをしたいのならアクティブ投資で行くべきなのである。資産の保全に重点を置くなら、インディックス投資を選択すべきなのである。

 インディックス投資で成功したいと思うなら、インディックス投資に投資する資金を巨大な物にして行くことだ。資金が豊富にあれば、それだけ良質の投資信託に出会える可能性が高くなるのだ。しかもそういう投資信託に出資して来る人たちはお金持ちの人たちが多いので、危険を冒してまで大儲けを狙うこと要求してこないので、自分の資産を安全な形で守りきることができるようになるのである。

●投資家個人の性格や能力で決まる

 アクティブ投資かインディックス投資かを選ぶ際、結局はその投資家個人の性格や能力で全く別々の物を選んでしまうことになるのであろう。例えば俺なんかは絶対にアクティブ投資を選ぶ。アクティブ投資をするからこそ、その上場企業や経済のことを勉強するようになるので、お金以上の物を得ることができるからだ。

 しかし主婦の立場に立てばインディックス投資の方がいいだろう。主婦としてはまずは自分たち夫婦の資産を保全したいと思うので、儲けが少ないインディックス投資であっても、資産をきちんと保全することができるのなら、インディックス投資の方を選んで来るのである。家事や育児が忙しい時は、そんなに勉強していられないので、どうしてもアクティブ投資の方に全力を投入することができなくなるのだ。

 主婦が株式投資を始める際、株主優待目当てに株式投資をしてしまうと、既にアクティブ投資を選択してしまったということなのである。確かに株主優待を手に入れると、株券を持っている実感が湧くので、それは良いことなのである。しかしその僅かの利益のために、もしかしたら自分の性格や能力とは違う投資の仕方を選んでしまったかもしれないのだ。

 主婦であるなら、資金が少ない時はアクティブ投資をして儲けを稼ぎ出し、資産が大きくなったらインディックス投資にも手を出して、資産の保全を図りながら儲けて行くようにした方がいいのだ。アクティブ投資は株式投資の基本なので、これをやらずしてインディックス投資に手を出す方が危険なのである。

 アクティブ投資をすれば時には痛い思いをすることになる。その痛い思いをするからこそ株式投資のなんたるかが解るようになるのであって、その後、株式投資で儲けて行くことができるようになるのである。株式投資の世界で、無傷の投資家なんて1人もいないのであって、逆に言えば無傷であることの方が危険なのだ。

 もしも夫婦で意見が対立した時は、妻の意見の方を優先させた方がいい。というのは妻は子供たちのことを考えて資産を保全しようとしているので、危険な投資を回避して来るからだ。しかし夫の意見を無碍に否定してしまうと、夫は妻に対してストレスを感じてしまうものだ。そういう時は夫に或る程度の資金を与えて自由に株式投資を行わせればいいのだ。夫が成功すれば大儲けすることができるし、夫が失敗しても妻の利益までなら損失を補填することができるので、資産はビクともしないのである。要は頭の使い方であって、誰か1人の意見を押し通してしまうことの方が危険なのである。

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