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仏教は宗教ではない、哲学である。

●仏教を宗教と捉えるからこそ解らなくなる

 日本がデフレ経済に突入してから、宗教界では前代未聞というべき異変が起こっているのだ。それは既成仏教の勢力が急速に衰えているということなのである。既成仏教の全ての教団の信者数を合計しても、既に5千万人を切っており、4千万人を割るのは最早秒読み段階になってしまっているのだ。

 なんでこんな現象が起こったのかというと、経済不況の中で仏教の信者たちが仏教寺院の経済的負担に耐えきれなくなったからなのである。葬式の度に高額の戒名代を請求されたり、永代供養として毎年料金を支払わなければならなす、仏教寺院の財政が危機になると信者たちに寄進を要求するというのでは、仏教信者たちは幾ら働いてもお寺に搾取されるだけになってしまうからだ。

 ところがこの異常事態を無視して、出版界では『仏教が好き』だの、『仏教について語る』など、仏教界の現状を全く無視した書籍が出版されまくっているのだ。仏教の教義だけを引っ張り出して云々言っても、仏教の信者たちは最早その経済的負担に耐え切れず、減少の一途を辿っているのである。

 中でも「ひろさちや」や「瀬戸内寂聴」は仏教に関して大量の書籍を出しているのだが、それだけ本を出しているのだから、きちんと仏教を理解した上で書いていると思いきや、全然仏教について理解していないのである。仏教を根本的な所で完全に間違えているのである。

 俺に言わせれば、「仏教は宗教ではない。仏教は哲学である」ということなのである。

 宗教とは神と人間の関係を取り扱うものである。それに対して釈迦は「煩悩から解脱」を行うために教えを広めたのである。ということは、仏教は哲学なのである。仏教は神の存在を否定する訳ではないが、その基調にあるのは無神論なのである。仏教が哲学であるということが解らない限り、仏教を正しく理解することは絶対に不可能なのである。

●仏教を正しく理解するために必要な本

 日本は仏教の中でも大乗仏教を受け入れてしまった国なのである。大乗仏教は釈迦が死んでから1千年後に起こった仏教であり、本来の仏教とはまるで違うのである。大乗仏教の経典を読んでいる限り、絶対に釈迦の教えがどんなものであったのかを正確に理解することはできないのだ。

①阿含経

 釈迦の教えを一番良く理解できるのが『阿含経』である。『阿含経』を読むと釈迦の直の声が聞けるので、とにかく読んでみることだ。しかも内容は平易なので、どんな馬鹿でも理解できる筈だ。釈迦は意外にも知恵のある言葉をバンバン言う人なのであって、しかも若者たちに人気があったということが理解できるのだ。日本の仏教のように僧侶が小難しいことをいい、爺婆たちが集まる宗教ではなかったのだ。

②凝然大徳『八宗綱要』

 日本に於ける大乗仏教の展開を理解したければ、『八宗綱要』を読むといい。この本はなんと鎌倉時代に書かれたもので、読んでみると未だに色あせていない名著なのだ。作者の凝然大徳は宗派に囚われず真面目に仏教を研究しており、だからこそ現在にまで生き残ったといえるのである。現在の仏教学者たちが書く本のように、幾ら研究していても自分の宗派に拘っており、そのような宗派性の強い書物はいずれ消えて行ってしまうものなのである。

③中村元『中村元選集』(春秋社)

 中村元の意見は日本の仏教学界に於いて通説になっているので、仏教学を知りたければ、中村元の全集を読んでおいた方がいい。これほど凄い学者はそう簡単に現れて来ないので、まずは第一級の書物に触れた方がいいのだ。下手な仏教学者が書いた本を読んでいると、余計に仏教のことが解らなくなってしまうのだ。

④宮本啓一『ブッダが考えたこと』(春秋社)

 仏教学の通説を理解した上で宮本啓一著『ブッダが考えたこと』を読むと、釈迦の教えが明確に理解することができる。釈迦は天才的宗教家なのであって、だからこそ仏教の教祖になることができたのである。仏教学者の通説は釈迦を凡人と看做し、釈迦の教えが一体どうなのかは解らないということになっているのだが、そんなことは絶対に有り得ないのだ。当時の古代インド人がビックリするようなことを釈迦が言ったからこそ、仏教は信者たちを獲得して行き、急速に広まって行ったのである。

⑤赤間剛『釈迦の秘密』(三一書房)

 仏教を共産主義の観点から見ると、赤間剛著『釈迦の秘密』という本が出来上がってしまう。この本を読むと、仏教というのは宗教的な共産主義であるというのが良く解る。出家者たちが共産主義をするなら、それは可能なのである。共産主義を出家していない在家の人たちでやろうとするから、共産主義は失敗するのである。多少、俗っぽい本かもしれないが、仏教の経済的側面を理解するためには格好の書物なのである。

●最も釈迦の教えに近いのは曹洞宗、最も釈迦の教えから懸け離れているのは浄土真宗

 釈迦の教えがきちんと理解できると、大乗仏教というのは釈迦の教えを完全に捻じ曲げたものだということが理解できる筈だ。仏教は小乗仏教の方が正しいことを言っているのである。但し小乗仏教も歴史を積み重ねて来たために、下らない物を大量に抱え込んでおり、小乗仏教の僧侶になった所で釈迦の教えに触れることはできないのだ。釈迦の教えに触れたければ「原典主義」に走るべきであって、釈迦の本当の教えが書かれている仏典を見つけ出し、それを熟読して行く以外に方法はないのだ。

 釈迦の教えをきちんと理解した上で、日本の仏教界を審査して行くと、釈迦の教えに最も近いのは「曹洞宗」だということになる。釈迦は座禅をして悟りを開いたのであって、座禅を無視するようであるなら、絶対に解脱に辿りつくことはできないのだ。仏教といえば読経すると短絡的に思ってしまうが、あんなことをやっているからこそ解脱できないのである。

 しかし曹洞宗の座禅と釈迦の座禅はまるで違う。釈迦の座禅は修行中にもやったり、解脱後にも涅槃の境地を味わうために行ったのである。だが曹洞宗の座禅は修行のために行うのであって、そのままでは解脱できないのである。曹洞宗は座禅を引っ張り出した功績は高いが、座禅だけでは解脱できないのもまた事実なのである。

 逆に釈迦の教えから最も懸け離れているのが浄土真宗なのである。仏教には「何かを信ずれば救われる」という思想はないのである。釈迦の教えは非常に論理的であって、非論理的なことに対して信仰しろとは言っていない。釈迦が信じなさいというのは、全て論理的説明がつくものだけなのであって、阿弥陀如来が救済すると約束したというのでは論理的な説明になっていないのだ。親鸞が言うように「騙されてもいいから信じる」というのでは、仏教のなんたるかを全く理解していないといっていい。

 それに仏教は「法燈明自燈明」であって、「他力本願」ではないのである。

 因みに、オウム真理教が地下鉄サリン事件を引き起こした時、僧侶や仏教学者たちは「あれは仏教ではない!}と言っていたが、オウム真理教も歴とした仏教系の新興宗教団体なのである。「ポアの理論」は何も麻原彰晃の独創なのではなく、実は仏教では正統派の教えなのである。ポアの理論が解っていなということは、仏教の教義をきちんと理解していないという証拠なのである。

●解脱するためにはどうすればいいのか?

 仏教は宗教ではなく、哲学なのであるが、仏教が通常の哲学と違うのは、釈迦の教えが解っても解脱できる訳ではないということなのである。確かに釈迦の教えは論理的であり、彼の言っていることは理解できる。しかしその釈迦の教えを理解したとしても解脱できないこともまた事実なのである。

①母親を早くに亡くし、父親から甘やかされて育ち、結婚後は不妊症で苦しんだ

 釈迦は出生後すぐに母親を亡くしたので、母性愛が相当に欠乏していた筈だ。しかも父親は非常に釈迦を甘やかし、春夏秋冬に応じた4つの宮殿を釈迦に与えたのである。釈迦は子供の頃から憂鬱気味で、非常にひ弱で、それなのに自意識だけは過剰に育ったのである。

 その釈迦が初めて挫折するのが、実は結婚に於いてなのである。釈迦は17歳で結婚することになるのだが、釈迦夫妻は結婚後、不妊症に苦しみ、10年に亘って子供ができないという事態に襲われるのだ。王太子としては世継ぎを作ることが最大の使命なので、それを果たせないというのは王太子失格なのである。

 この時期に経験するのが、有名な「四門出遊」である。しかし釈迦が不妊症で苦しんでいたとするなら、この「四門出遊」の話は全く別の解釈をせざるを得ない。釈迦は世継ぎを産めない苦しみから、余計に鬱病を悪化させたのでおり、病人や老人や死体に異常なまでに恐怖するようになり、自分は王太子失格なのだから、「沙門」という出家修行者に強い憧れを抱くようになったのだ。

 10年に亘って子供ができなかったのに、妃が突如妊娠して赤ちゃんを産んだことは実に怪しい。というのは釈迦はもう出家することを決意しており、そうであるなら夫婦の性生活は途絶えていた見るのが普通だからだ。夫婦でパッコンパッコンやっているのに、出家しようする旦那はいないものだろう。夫婦の性生活がない以上、妃は不義密通を働くチャンスは幾らでもあり、他の男性の赤ちゃんを産んだということも考えられなくはないのだ。

 事実、釈迦は自分の子供なのに「障害」という意味の「ラーフラ」と名付けているのだ。しかも釈迦はその赤ちゃんを踏んづけて出家して行ったのである。普通、自分の赤ちゃんを踏むなんてことするか? 釈迦のこの異常な行動はこの子は自分の子ではないと知っていたからなのではないか? こう考えると釈迦の出家は相当悲惨な結婚生活があったからこそしたということが理解できるのである。

②出家

 解脱するために絶対に必要なのは出家なのである。しかも世俗に絶望した状態で出家しなければならないのである。出家しない限り、煩悩から解脱することは絶対にできないのだ。現在のように僧侶でありながら出家せず、それどころか結婚して子供をなしているようであるなら、解脱なんて永遠にできる訳がないのだ。

 煩悩から解脱して行くのに、最も邪魔になるのは私有財産だと言っても過言ではないのだ。僧侶が裕福な暮らしをし、高級車を乗り回しているようであるなら、解脱なんて永遠にできる訳がないのだ。増してや僧侶が本を執筆して、その著作権料で億万長者になってしまったら、幾ら仏教の本とは言え、その著者は仏教のことを何も解っていないといっていいのだ。

③木食行

 もう1つ忘れてはならないのが、釈迦は解脱する食前に木食行をやっていたということなのである。釈迦は木の実だけを食べる断食をした後に解脱をしたのである。断食中に木の実だけ食べると、頭の回転が非常に良くなるのであって、その頂点で起こった現象こそ解脱なのである。

 よく釈迦は苦行を捨てたというが、釈迦は全ての苦行を捨てた訳ではないのだ。釈迦は解脱に不要な過酷な苦行を捨てただけなのであって、解脱のために必要な苦行は温存しているのである。僧侶なのになんにも苦行をしないからこそ、解脱できないのである。矢張り苦行は解脱のために必要な行為なのである。

 釈迦は僧伽を作った後、木食行の重要性を説いた形跡がない。だから僧侶たちは解脱できなくなったと考えるべきなのである。仏教というのは、出家した上で釈迦の教えを理解し、座禅を組みながら木食行を行うと、或る日突然に解脱してしまうという、実践しなければ絶対に解らない哲学なのである。

 日本の庶民たちは昔から僧侶たち戒律破りを嫌ったのだが、それは僧侶なのに戒律を守らないと解脱できないというのをなんとなく解っていたからなのである。特に批判は「肉食妻帯」に集中するのであり、僧侶が肉を食い、結婚していたら、解脱なんてできる訳がないのだ。現在、既成仏教の信者数が激減しているのは当然といえば当然であり、僧侶たちが戒律を守らない以上、誰も解脱なんてできないのだから、それなのに信者たちが僧侶たちにお金を出すなんて馬鹿馬鹿しい限りなのである。

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コメント

タマティ−様!こんにちは。
仏教の話題が出ることは意外でしたが、先月からアルボムッレ・スマナサ−ラ氏の本を読んでいるので、嬉しいです。
紹介して下さった本を読んでみようと思います。
ありがとうございました。

投稿: saya | 2011年8月15日 (月) 09時51分

タマティー様、おはようございます
いつも有難うございます。今日もご質問がありまして…娘の予防接種の事なんですが、実は上の娘2人の三種混合がいまだに終わってなくて(姉はあと1回・妹はあと2回)期限も過ぎてしまっています(期限といってもあくまで望ましい時期ということらしいのですが)。その他風疹麻しんなどは終わっているのですが、気になっています。こうなったのには理由がありまして、私の周りで一時期予防接種は身体に良くないから受けない方が良いという事を言っている方がいまして、その時は皆受けるのを止めていたんですが、今となっては個人に任せているみたいで…それからは受けさせている友人もいます。時期は過ぎていても受けた方が良いでしょうか?だいぶ間が開いちゃっていますが…(しかも有効期限が過ぎてしまって実費で受けなくてはいけません)
あと、日本脳炎は2人とも最初から全く受けていません。日本脳炎に関しては一度騒ぎになったので世間にも受けていない人も多いようですが、この度国から通知が来ました(もう安全なので受けましょう的な)。日本脳炎は良いとしても、三種混合が途中なので気になってます。
タマティー様は子供の予防接種ついて、どうお考えでしょうか?聞かせて頂けたら有難いです

投稿: ゆきりん | 2011年8月16日 (火) 06時59分

 ゆきりんさん、意外とワイルドですな~。
 過激な発言を繰り返すタマティーですら、予防接種を受けないようになんて言ってませんからね。

 しかし、その「予防接種は体に悪い!」といっていた主婦は偉いです。
 確かに予防接種は人体に悪いんです。
 しかし都市で密集して生活している以上、自分の子供が病気になって、それが伝染病として蔓延してしまえば、そのリスクの方が大きいんです。

 年齢が年齢だから三種混合ワクチンはもう必要ないでしょう。
 子供の免疫力で天王山になるのは「ハシカ」なので、ハシカに罹りさえすれば、免疫力が高まり、他の伝染病には罹りにくくなるんです。

 日本脳炎は論外で、この予防接種で事故が多発している以上、絶対に受けさせないようにすることです。
 
 それから熱中症対策としては、なんといっても夏野菜を沢山食べさせることです。
 キュウリとかナスとかトマトとかスイカとかを食べさせておけば、熱中症には罹らなくなります。

投稿: タマティー | 2011年8月17日 (水) 06時56分

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