文字の大切さを教えてくれない小学校
●平仮名や片仮名で躓く小学生1年生たち
先日、小学1年生の息子さんを持つ母親の話を聞く機会があり、その息子さんは幼稚園児の時には非常に明るく活発な子供だったのに、小学生になったら急に暗くなり何をやらしても投げやりな態度を取るようになってしまったというのだ。その理由を突き詰めて行くと、なんと小学校では平仮名や片仮名を教えないという事実が明らかになってしまったのだ。
その子の担任は小学1年の段階でしっかりと平仮名や片仮名を教えることをせず、小学1年のゴールデンウィーク明けにゴールデンウィークであったことを文章にするよう生徒たちに言い、それでその息子さんはちゃんとした文章が書けず、それを担任から叱られたことをきっかけに性格ががらりと変わってしまったのである。
俺はこの話を聞いて、自分自身ですら小学校で平仮名や片仮名を習った記憶がないという事実に気付いてしまった。俺も確かに幼稚園で平仮名や片仮名を学んだような気がするので、他の人たちに聞いてみると、やっぱり小学校で平仮名や片仮名を習ったことはないというのだ。もうこうなると幼稚園で学ぶしかないのだ。
幼稚園でも、遊戯に重点を置く幼稚園に行ってしまうと、幼稚園児の間に文字を習うことをしないものだ。たとえ習ったとしてもきちんと文字を学ぶということをしないのだ。このため遊戯の重点を置く幼稚園に行ってしまうと、幼稚園児の時は遊戯を楽しんで性格も明るかったのに、小学1年生になると行き成りずっこけてしまうことになるのだ。
しかも小学校に週休2日制が導入されて以来、小学校での授業日数が余りにも少なくなってしまい、文字をきちんと教えて行くということを学校の教師たちはすっ飛ばしてしまうのである。週休2日制を導入したことが、小学校の教師たちの利益になっても、肝腎の小学生たちには大損害を与えてしまった結果になってしまったのである。
●漢字が解らない限りまともな読書ができなくなる
俺自身、小学校は日教組に乗っ取られた公立の小学校に行ってしまったので、文字の大切さをきちんと教えて貰ったことはない。学校の先生たちは組合活動に忙しかったので、どうも生徒たちに真剣に向き合って、内容の濃い授業をするということを全くしなかったのだ。小学生というのは知能が低いくせに、大人がどっちを向いているのかということに関しては、敏感に感じ取るものなのである。
これがガラリと変わったのが、中学受験のために予備校に通った時なのである。
俺は小学6年生の時、中学受験のために「中萬学院」という予備校に行ったのだが、国語の授業では毎回5分間の漢字の書き取りテストを行い、その点数を生徒たち全員に公表させるのだ。俺は高得点を取れたのだが、満点を取るまでには至らなかった。生徒たちは毎回行うテストに関してストレスを感じるようになり、不満が出るようになってしまった。
そこで国語の講師は或る日、テストが終わった際に、こう言ったのである。「漢字の書き取りテストはお前たちを躓かせるものではないのだ。お前たちに点数をくれてやるものなのだ。国語のテストでは最初に漢字の書き取り問題が出て来るが、この問題をきちんとクリアしている者はそのテストの点数が高く、逆にこの問題でこけているような者はそのテストの点数が低いのだ、だから俺は漢字の書き取りテストを毎回行って、お前たちに国語のテストで高い点数を取れるようにするのだ。」
俺としては本当にビックリした。事実、その通りだったからなのである。確かに漢字の書き取り問題をきちんとクリアしている者は、その後の文章問題もきちんと答えられているのだ。それ以降、俺は漢字の勉強をするようになり、便所に漢和辞典を持ち込んで、漢字を勉強しまくるようになったのである。
小学6年生の時に漢和辞典を読んだお蔭で、中学生になってから読書をしまくるようになり、しかも中学生にしてみればかなり高度な書物も読めるようになったのである。漢字が解っていたからこそ、難しい書物も簡単に読めるようになったのである。俺は知識人の真贋を判別するのに、「漢和辞典や国語辞典を読んだことがあるか?」という基準を設けている。知識人の中で漢和辞典や国語辞典を字引に使うだけで、読んだことがないという人は、本物の知識人ではないのだ。文字の使い方が下手糞なので、高度な内容を持つ文章を作ることができないのだ。
●英文法を教えても国文法を教えない
戦前の教育と戦後の教育で最も変わってしまったのは、戦前の教育には「国文法」という授業があったのに、戦後の教育では国文法がないということなのである。
日本国民自体が学校で国文法の授業を受けていないので、日本国民の中には平気で「日本語には文法がない」という馬鹿げたことを言って来る奴等が出て来るのである。一体、文法のない言語なんて、この地上に存在する訳ないって! ただ単に単語を羅列しても、相手にきちんとした文章として伝わらないものなのである。文法があるからこそ単語が文章化され、意味を持つ文章に成るのである。
戦前の知識人たちが優れた論文を書くことができたのは、学校で国文法を習っていたからなのである。戦後の知識人たちが世界に通用する論文を書くことができないのは、学校で国文法を習っていないからなのである。人間は必ず1つの母国語を持つので、その母国語のレベルを高くしていかないと、レベルの高い思考を展開することができないのである。
中学校や高校では生徒たちに国文法を教えないくせに、英文法を教えているのである。これほど滑稽なこともないのだ。確かに英文法が解れば難解な英語の文章を読み解くことができるが、それをするためには日本語のレベルの方が英語のレベルよりも高くなければならず、国文法を習っていない以上、英文法の授業の成果がきちんと出て来ないのである。
「英語を学校で6年間も習ったのに英語を話せないじゃないか!?」という不満の声があるものだが、それは国文法を習わず英語や英文法の授業を受けているからなのである。学校での英語教育の仕方が悪いのであって、事実、アメリカ合衆国に行って現地で暮らしていれば3ヵ月後には英語が話せるようになるのだ。
実を言うと問題はその後なのである。英文法をきちんと理解していないと、高度な文章を作り出すことも、きちんと聞いて理解することもできないのだ。英語を話せても、英語に関しては文盲になってしまうのである。よく「10代の内に海外に留学するな」と言われるものだが、10代のように自分の頭の中で母国語が形成される時期に外国に留学してしまうと、母国語も外国語も双方をきちんと理解できない、どっちつかずの人間になってしまうのである。
●母親なら一体何をすればいい?
戦後の学校教育はとんでもない間違いをしているのである。小学校で平仮名や片仮名を教えないし、国語辞典や漢和辞典を読ますことを勧めないし、中学や高校で国文法を教えないのだ。これでは日本語の能力が低下していくのは当たり前であって、低レベルの言語能力では高度な思考を展開して行くこともできなくなってしまうのだ。
ではこういう体制下で母親なら一体何をすればいいのかというと、幼稚園児の段階で平仮名と片仮名を教えてしまうことだ。母親としては平仮名も片仮名もできて当たり前なのであるが、子供の方はそうではないので、書き取り集を買って来て、子供にやらせてしまえばいいのだ。子供の集中力は最大で30分程度なので、文字を教える時はその制限時間内で終えてしまうことだ。
そして小学生になれば漢字の書き取りに付き合うことだ。母親が何か家事をしながら、子供に漢字の書き取りを行わせ、母親の手が空いた時にその書き取りをチェックしてしまえばいいのだ。漢字は基本的に「絵文字」であるので、漢字の意味を教えると、子供は幾らでも食いついて来て、自発的に漢和辞典を手に取って自分で調べるようになるのだ。
国文法に関しては、子供がおかしな文章を喋っていたら、すぐさま注意して訂正してしまうことだ。母親から言い間違いを指摘されると子供は素直に聞くものだが、それ以外の人物だと反抗心を抱いてしまうものなのである。それと国文法の本を買って来て、それを自宅の本棚に置いておくことだ。中学生や高校生になれば自発的にその本を取って読むようになるものなのである。
国語を大切にする民族はどの民族も発展しているものなのである。国語を軽んずるような民族は一時的な繁栄を実現できたとしても、最終的には滅亡して行っているのである。そして国語教育に関して最も重要な役割を果たすのは、実は「母親」なのである。絶対に「学校」ではないのだ。母親が学校を信用しないで、自宅できちんと国語教育を行って行けば、その子供が大人になった時、凄まじい勢いで立身出世して行くようになるものなのである。
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コメント
タマティー様、
こんにちはー。
親知らずの疼きなのかほうしゃのーなのかHAARPなのかわかりませんが不調です。。そんな中、またもやタイムリーかつ啓蒙です、脱帽ですm--m
おそおそと渡航準備をすすめているのですが、本棚に辞書があり「1年以内に開かない本は捨てたらーーー辞書なんて電子辞書あるしー」とだーにいわれたのですが辞書、聖書の類は床に置くことすら躊躇しており漢和辞典すら捨てるのが。。というところにこのトピック☆べべに教えるか否かは迷っていましたがいずれ本人が忘れても伝えなくてはいけませんね。因みに日本語は美しい、またバイブレーションがあるということでまた、音痴なため妊娠中のバスタイムには50音を少しチャンティング!?しておりました。
小学時代には漢字テストが毎日あり、先を競って先生に採点していただくという意味不明システムで、採点後できない隣の席の子にみせてあげていたのを思い出しました(笑。高校では、毎朝英語の単語テストになりましたがこれまた授業とかかわりのないなじみのない単語ばかりで大変でした。ふと気がつくと国文法よりは受験対策の古文の文法、諺もなぜか英語のテキストから学んでいて当時不思議な感覚だったことを記憶しております。さらにいえば、辞書も英語の辞書を漢和辞典よりも英英辞典の使用頻度が高く、英語の辞書も「ぞうさんのダンボのみみみたいにひくにひきつづけるのですよ」と強調されていたことも(広辞苑ではなく。。)ありました。英語以上に日本語は外来語というかカタカナが多いですね。そして実際のその言語の本来の意味とは発音はもちろんアクセント、意味も異なっていたりして。。
すべての言語にが共通していることですが、あまりにも口語と文語の相関が、乱れというか、、、、一方インド英語はすべて発音するのである意味正しいのだそうですね。。。日本人の柔軟性というか適応性があり過ぎるあらわれなのでしょうか。
投稿: miumiu | 2011年9月29日 (木) 22時39分
miumiuさん、辞書だけは捨てないように!
本の中で辞書こそが最も役に立つ本ですよ。
タマティーなんか毎日、辞書を引いてますからね。
意外と電子辞書は信用できませんぞ。間違ったことを平気で載せている物もあるので。
但し辞書の中でも広辞苑は逆に信用できないですな。広辞苑は「この意味は明らかにおかしい」というのが連発している粗悪な辞書ですよ。
旦那さんに何を言われようが、自分の意見を貫いてしまった方が無難です。
文語と口語の違いはタマティーも苦しみましたよ。
結論としては「無理」ってことに決まりました。
言葉は生きている以上、どうしても文語と口語の間には乖離ができてしまうもんですよ。
日本語と同じく英語も酷いもので、英語の場合、最初の段階から綴りと発音が全く違う単語が多々あるので、あれは本当に困りますよ。
その点、ドイツ語だと綴りと発音が同じなので、非常に理解し易いですよ。
だからドイツ人が書いた本は意味が良く解るけど、英語を母国語とする人たちが書いた本はイマイチ出来が悪いですな。
現在、英語が世界共通語になってしまっているけど、これで本当にいいのか大いに疑問ですよ。文学や学問を発展させて行くためには、英語じゃ問題がありすぎですよ。
その点、インド人は英語をインド英語にしてしまい、その問題を解決しているのだから凄いですよ。
となると日本の和製英語もそんなに悪いもんじゃないのですね。
投稿: タマティー | 2011年9月30日 (金) 06時20分