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なんで家賃が安いと巧く行かないのか?

●借家人の立場と家主の立場では全然違う

 実際に賃貸物件を所有した際に、家賃をどのような金額にすべきか悩むものだ。自分が若い頃に苦労した人はできるだけ安い家賃を設定してしまうものだ。しかしそれが不動産投資に於いては危険な選択肢となりうるのだ。借家人の立場と家主の立場は全然違うものなのである。

 ここで具体例を1つ挙げておく。

 うちの父親は田舎から出て来て東京に住むことになったのだが、非常に狭い借家を転々としたようだ。結婚した当初もその狭い借家に新婦が転がり込み、絵に描いた貧乏生活を送ったようである。そのため長らく妊娠できず、というか出産して赤ちゃんを産める状態ではない状況が長らく続いたのである。

 そこで結婚して7年目に横浜に引っ越し、念願のマイホームを持つと、すぐさま妊娠でき、赤ちゃんを産むことができた。父親はその余力を駆って、住宅ローンの半分を支払い終わると、千葉に少し大きめの土地を買った。その土地は駅から近かったために、大きなアパートを建てれば大儲けを見込める土地であった。

 しかし母方の伯父さん夫妻がマイホームを得られないことを悩んでいたのを見て、父親はその土地の半分をその伯父さん夫妻に安く売ってしまい、残りの半分に普通のアパートを建ててしまったのである。父親はこの時、家賃をどうすべきか思案した挙句、市場価格よりも少し安い家賃に設定した。俺が「なんでそんな家賃にするの?」と訊くと、父親は「このようにすれば確実にお客様が入居してくれるようになるんだ」と答えたのである。

 その後、バブル景気の最中に東京の調布市にマンションを購入した、このマンションを買う時は俺も父親と同行して現地に行った記憶がある。この時は地価が高騰していた時期であったために、父親は家賃を市場価格よりも安く設定しようという気は更更なく、新しい賃貸物件のために市場価格より少し高めに設定したのだ。

●家賃が安いと碌でもない借家人が住んでしまう

 それで一体どうなったと思う?

 実を言うと安い家賃で貸し出したアパートの方は、当初は巧く行っていたのだが、その後、借家人たちがトラブルを起こすようになり、中には家賃を滞納する者までも出て来たのだ。結局、その賃貸物件は資金繰りに行き詰まって手放す羽目になり、土地の売却益で儲けたとはいえ、手痛い失敗をしてしまったのだ。

 一方、調布市のマンションは借家人たちがトラブルを起こすことが全くなく、家賃も確実に払ってくれるので、この賃貸物件は未だに所有しているのだ。バブル景気で地価が高騰していたとはいえ、もう充分すぎるほどに儲けが出たのであり、借家人たちのことを何も考えずにやった経営の方が巧く行ったのである。

 うちの父親は不動産投資に関して幾つかの失敗をしている。

 まず自宅の近くに土地を買わず、千葉の物件も調布市の物件も共に自宅から2時間半以上かけなければ行けないような遠い地に物件を購入してしまったのである。更に自分自身がマイホームの購入で苦しんだ経験があるために、母方の伯父さん夫妻がマイホームの購入ができないのを見て、憐憫の情を示すということしてしまったのだ。このために大きなアパートを建てる筈が、普通のアパートになってしまったのである。

 そして千葉と調布市の物件の両者の命運を分けたのは、借家人たちの質なのである。

 千葉のアパートの方は安い家賃で貸し出したために、所得の低い人たちが住みついてしまい、それでトラブルを起こしまくり、家賃を滞納する者まで出て来たのだ。父親も当初の計画のように大きなアパートを建てることができれば、借家人たちにお買い得感を与えることができたかもしれないが、普通のアパートを建ててしまったために、それができなかったのだ。

 調布市のマンションの方は、家賃が高いために所得の高い人たちが住みついたのだ。そのため借家人たちがトラブルを起こすことなんてなかったし、家賃の滞納も全くなかったのだ。人間の道徳と所得は必ずしも比例するものではないが、不動産に関するモラルに関しては、そのモラルと所得は正比例の関係にあると見ていいのだ。

●家賃は市場より少し高めにする

 恐らく、不動産投資を遣り始めて遭遇するのが「家賃の問題」であろう。まず自分自身が住宅問題で苦しんだために、安い家賃で貸し出そうという間違った意欲を持ってしまうのだ。更には賃貸物件が良い物ではないために、家賃を高く設定することができず、家賃を低く設定してしまうのである。

 結論から言ってしまうと、安い家賃で貸し出すと碌でもない人間が住みついてしまい、確実にトラブルを起こして来ることになるのだ。最終的には家賃の滞納をして、家主を経済的な苦境に陥れて来るのである。しかしこれは不動産投資の初期段階では避けることのできない問題であって、不動産投資をし始めた者なら誰でも通る問題なのである。

 こういう場合、「トラブルはビジネスチャンスに繋がる」と逆転の発想をすることだ。

 例えば千葉のアパートの件だと、借家人たちがゴミ出し日を守らないというトラブルがあった。我が家はマイホームに住んでいたために、自分たちの家族を始め、近所の人たちもゴミ出し日を守らないなんてことは一度もなかったのである。しかし借家人だとモラルが低いために、平気でゴミ出し日以外の日にゴミを出し、それをカラスたちが散乱させるということが起こってしまったのだ。そこで調布市のマンションでは、入居時にゴミ出し日のことをきちんと説明し、ルールを守れないなら出て行って貰うことにしたのだ。このためこっちの方ではきちんとルールが守られたのである。

 逆にトラブルは経費と時間を食うと割り切ってしまうことも必要だ。

 トラブルは経費と時間を食うものなのであって、徐々に家賃を上げて行き、所得の低い人たちを追い出し、所得の高い人たちだけを住まわせるようにすればいいのだ。またトラブルまみれの賃貸物件なら、或る程度資金を回収できたら売り払ってしまい、よりレベルの高い賃貸物件を購入した方がいいのだ。

 不動産投資の初期では必ず問題が発生するので、早くにそれを乗り切ってしまうことだ。不動産投資で学ぶべきことは、その殆どが初期に出て来るものなのであって、株式投資のように株式投資を長年やって様々なことを学んでいくというものではないのだ。だからこそ不動産投資をする際は、自宅の近くに賃貸物件を買い、問題があればすぐさま行けるようにすることだ。

●賃貸物件に付加価値をつける

 賃貸物件を貸し出す際は、家賃が高くても確実に借りて貰い、借家人が喜んでくれるようにするべきなのである。まずは立地条件に拘るべきであろう。駅から近いというのは、常にいい立地条件であるのだ。徒歩で15分以内の土地ならその条件を満たすし、できることなら徒歩で5分以内の場所ならもっといいのだ。

 賃貸物件自体に付加価値をつけていくためには、「台所に拘る」ことだ。夫婦で借りる場合、奥さんの方が台所を見てその良し悪しを決定して来るので、台所に拘っていないと駄目なのである。それに間取りを広めにすることだ。狭い部屋だらけの賃貸物件を貸して、高い家賃を取ろうなどと絶対にすべきではないのだ。

 借家人なんだから自動車など持つなと言いたい所だが、現在では借家人であっても自動車を持つことが普通である。このため駐車場を備えることは絶対に必要になって来るのだ。土地を購入する時は駐車場のことを考えて購入すべきなのである。落とし穴になってしまうのが駐輪場である。駐車場に土地を取られたために、駐輪場を設置することができなくなってしまうのだ。

 マンションならコンクリートを厚くして騒音問題をなくしてしまうことだ。マンションの苦情で常に筆頭を占めるのは騒音問題なのであって、これはマンションを建築時にコンクリートの量をケチったからこそ起こってしまう問題なのである。騒音問題さえなくなれば、マンションの住民たちは大した苦情を言ってこないものなのである。

 マンションの最高級品は「ロの字型マンション」であることを知っておくことだ。マンションを「ロの字型マンション」にしてしまうと、外界の騒音など一切気にすることなく、そのマンションの独自の時空を作り出せることが可能になるのだ。ロの字型のマンションにしてしまえば、最高レベルの付加価値をつけることができるので、できる限り、ロの字型マンションを買い揃えて行けばいいのである。

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