債権投資の鉄則
●投資家たちの最大の弱点
資産運用というのは債権投資に始まり、債権投資で終わる。そう断言しても過言ではないほど債券投資は最重要な分野なのである。なんせ如何なる者たちもまずはせっせと銀行に貯金を貯め込んで行き、その貯金を使って株式投資や不動産投資をするのである。銀行に貯金するということは、銀行に対して債権を持つということなのである。
ところが成功している投資家ほど債権投資を馬鹿にしてくる。これが非常に危険なのである。確かに株式投資や不動産投資を遣り始めれば、どんどん資金を必要とすることになるので、銀行に貯金して資金を遊ばせているよりは、その資金を株式投資や不動産投資に投入して行った方がいい。しかしそれが命取りになるのであって、もしも株式投資や不動産投資で失敗したら、自分の資産全てを失ってしまうことになるのだ。
資産運用というのは、貯金の重要性に気付き、株式投資や不動産投資をし、最後に債権投資に対してきちんと手を打つからこそ、本当の成功を手に入れることができるのである。株式投資で成功したとか、不動産投資で成功したとかいうのでは、まだまだなのである。投資の世界には未熟な成功をしたがためにベラベラと自慢話をして来る奴等がいるから要注意だ。
投資家ならまずは債権投資から始まるのだ。初期に於いて地道に行われ続けた貯金こそがもう債権投資なのである。そしてその貯金を使って株式投資や不動産投資をし続けても地道に貯金し続け、株式投資や不動産投資をより積極的に行って行くのだ。投資家にとっては株式投資で成功し、不動産投資で成功し、最後の詰めの一手こそが債権投資になるのである。この最後の詰めの一手を打たないと、自分の資産の安全を保障することはできないのだ。
だから株式投資や不動産投資で成功しても決して浮かれないことなのである。債券投資の重要性に気付いて来ない限り、自分の投資に於ける成功はまだまだ危険状態にあるものなのである。債権投資の重要性に気づけた者だけが、自分の投資を本当に成功させ、自分の資産の安全保障を確立することができるのである。
●基本的に資産の目減りをなくすために行う
債券投資の鉄則その1は、債権投資は基本的に資産の目減りをなくすために行うものなのである。
なぜ債権投資という形で資金を纏める必要性があるのかというと、お金というのはバラバラに於いておくとすぐさま消えて行ってしまうという性質を持つからだ。例えば1万円札を持っていればそれをいつまでも保持し続けるのに、1万円札を細かいお金に崩してしまうと、アッという間になくなってしまうものだが、あれと同じことが債権投資のレベルでも起こるのである。
資産の目減りをなくすためには、なんといっても長期投資をしなければならないのである。だから「定期預金」であったり、「国債」であったり、危険度は多少高くなるが「社債」であるのだ。債権投資を積極的に行って、金利の高い物に手を出しても別に構わないが、金利が高くなってるとその分だけその債権投資は危険であると知らせてくれているものなのである。
インフレ時では金利が高くなるが、デフレ時では金利が低くなるために、定期預金をしているのは無駄ではないかと思ってしまいがちだ。しかしデフレ時代は物価が下落し、お金の価値が高まる時代なのであって、定期預金を持っていれば、自然と自分の資産価値が上がって行ってしまうのである。
実際問題として、定期預金が満期に来た時、自動的に更新させてしまうのが殆どであろう。それでいいのである。定期預金は切り崩してはならないのである。もう銀行に預けっ放しでいいのである。定期預金があれば銀行の方も上客として扱ってくれるので、銀行預金の残高が多くなってくれば、その内、銀行から儲け話を貰えるようになるのだ。
これだけは覚えておいた方がいいのは、債権投資では大儲けを狙うことができないということなのである。確かに大儲けができる債権投資は存在する。しかしその債権投資は非常に危険度が高いのであって、債権投資先の会社が倒産してしまったり、金融詐欺にあったりしてしまうのだ。
その点、銀行から齎される儲け話はそんなに儲からないのだが、安全な形で少しは高い金利で投資することができる代物なのである。債権投資のプロたちから見れば、なんて悠長なことを言っているのだというかもしれないが、債権投資は資産の目減りをなくすために行う以上、債権そのものがダメージを受ける危険な投資など絶対にできないものなのである。
●債権投資で得た利益は再投資に投入する
債券投資の鉄則その2は、債権投資で得た利益は再投資に回さなければならないということなのである。
株式投資や不動産投資なら最大で利益の20%以内なら自分の御褒美として使っていい。しかし債権投資ではそれをやってはならないのだ。なぜなら債権投資は株式投資や不動産投資のようにせっせと自分が努力して稼ぎ出したものではなく、ただ単に銀行に預けていただけのことであり、その利益を発生させるのになんの苦労もしていないからなのである。
だから債権投資で利益を得たのなら、そっくりそのまま元本に組み入れてしまい、時間の経過と共に債権を大きくして行かなければならないのである。こうなると「複利の法則」が働き、債権はいつの間にか巨大な物に成って行くのだ。この複利の法則こそが、債権投資の最大の武器なのである。
自分の債権が何年で倍になるかを知りたければ、「72」という数字を金利で割ればいいのだ。例えば年利3%の債権なら、72÷3=24であり、24年後には債権の金額が倍になっているということなのである。こうなると金利が高い方がいいに決まっているのだが、金利が高くなればその債権自体が危険になってくるという危険性が付き纏うのだ。
ではどうすればいいのかというと、天引き貯金を地道に行い続けるべきなのである。債権の金額が小さい物ならそれが倍になっても大して喜べないものだ。例えば100万円が倍の200万円になっても、別になんとも思わないものだ。しかし100億円が倍の200億円になれば、誰であっても驚いてしまうものだ。だから金利を高くして債権の金額を倍にするのを狙うのではなく、元本それ自体を大きくすることを狙って行くべきなのである。
債権という物は、債権が或る一定の大きさになると、債権は急速に大きくなって行くものなのである。解り易い例を挙げると、1000万円の債権なら3000万円まで増やして行くことができる。3000万円の債権なら5000万円まで増やして行くことができる。しかし5000万円の債権なら一気に1億円まで増やして行くことができるのだ。この「1:3;5の法則」を巧く使うからこそ、債権投資を成功させて行くことができるようになるのである。
●保険として債権投資を行う
債券投資の鉄則その3は、債権投資は保険として債権投資を行うべきということなのである。
債権投資では個人がどうやっても大儲けを狙うことができない。債権投資で大儲けを狙える物は全て金融業者たちが押さえているものなのである。個人で債権投資をするのに、そんなに美味い話は転がっていないものなのである。どこからともなく儲け話がやってきたのなら、その儲け話を絶対に拒絶し、自分の大事な資金を貸し出すようなことをすべきではないのだ。儲け話を持ちかけて来るなら、その本人がやればいいのである。本人がやらないのに誰かに儲け話を持って来ること自体、その儲け話自体がおかしいのだ。
株式投資には証券会社があり、不動産投資には不動産業者があっても、個人で活躍できる余地は十二分にあり、大手の会社だからこそ見過ごしてしまう分野を突いて行けば、少ない資金でも充分に大儲けを狙うことができるのである。しかし債権投資ではそれができないのだ。債権投資では銀行にへばりついて大儲けを狙うことなく、地道に債権投資をし続けるしかないのだ。
とするなら、債権投資で最も大事なのは決して潰れない銀行に資金を預けるということなのである。当たり前のことだが銀行が倒産してしまえば、自分の債権は一瞬にしてパーになってしまうのである。資金に余裕があるなら、自分が銀行口座を開いている銀行の株券を買ってしまった方がいいのである。そうやって自分の資金を預けている銀行を盛り上げて行くことで、自分の債権を安全な物にして行くべきなのである。
債権投資は一旦資金を貸し出してしまえば、後は殆ど頭を使わないので、株式投資や不動産投資に専念できるようになるのである。もしも債権投資を行わず、株式投資や不動産投資だけをやってしまうと、人はその投資の中で完璧を目指そうとして、無理な投資をしてしまい、それで投資に大失敗してしまうことになるのだ。
債権投資という意図的に不完全な物を作るからこそ、株式投資も不動産投資も完璧を目指さなくなるのである。「そんな馬鹿な!」と思うかもしれないが、人間は完璧な物を求める欲望があるので、債権投資をせずに株式投資や不動産投資をしてしまうと、いつの間にか完璧を目指してしまい、それで株式投資も不動産投資も駄目にさせてしまうのである。
債権投資をするということは、投資家にとって安心感を生み出し、余裕を作り出して行くものなのである。1億円の定期預金がある者と定期預金が全くない者とでは、株式投資や不動産投資をしても、必ず1億円の定期預金がある者が成功し、定期預金が全くない者は最終的に失敗してしまうものなのである。儲けることばかり考えていないので、この恐ろしい事実に一刻も早く気付くべきなのである。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 投資の初心者 | 2011年10月21日 (金) 00時08分