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学校では絶対に教えてくれないノートの取り方

●ノートの取り方を学校の先生に教わってはならない

 俺が小学生の時に通った公立の小学校は日教組に乗っ取られていたために、授業らしい授業など全くしなかった。そのためか4月に新調したノートが3月になってもそのまま残っているという有様だった。しかしさすがに小学6年生になると公立の中学校に行ってレベルの低い教師たちの授業を受けるのを嫌って、一念発起して私立中学を受験することにした。

 目出度く中学受験に合格して私立中学には行くことはできたのだが、私立中学に行っても教師たちに団塊の世代の人々が多かった時期なので、それjほどレベルの高い教師たちが存在しなかったのだ。俺は私立中学では中学受験予備校レベルの授業が行われているのではないかと思っていたのだが、実はそうではなかったのだ。確かに公立の中学よりは増しだが、明らかに予備校の講師たちの足元にも及ばなかったのだ。

 ところが中学1年生なら俺も素直だったので、英語の教師からノートの取り方を教えて貰うと、それをそのまま実践することになってしまった。そのノートの取り方は左の頁に英語の文章を書き、右の頁に日本語訳の文章を書くというものであった。しかしこのノートの取り方を実践すると、ノートを作っていても苦痛だったし、肝腎の英語の成績がなかなか上がらず、足を引っ張り続けたのだ。このノートの取り方は中学を卒業すると同時にやめてしまった。

 なんでこのノートの取り方が失敗してしまったのかというと、中学の英語ではそれほど内容のある英文が使われていないために、書き写していてバカバカしくなってしまうからなのだ。英語の教科書のレベルが低ければ、きちんとしたノートを作ることができないのである。それに英文を書き写すのではなく、コピーしてしまえば、あんな苦痛を経験することはなかったのだ。、

 それ以上に重要なことは、一流の教師なら絶対に生徒たちにノートの取り方を教えないということだ。そんなことはできて当たり前だからだ。正確に言うと、教師が質の高い授業をしてさえくれれば、生徒たちは自然発生的な形で自分にとって最善のノートを作り始めるのである。確かにノートの取り方を教えてくれたのは、中学校の中でもその英語の教師だけだったのだが、その教師は英語の学力がそんなに高い人物だとは思えなかったのだ。

●「書き写し病」に罹る生徒たち

 俺自身、ノートの取り方に関しては、かなりの劣等感を持っていた。小学校と中学校では失敗し続けてしまったからだ。そのため大人になっても心のどこかにちゃんと勉強していなかったのではないかという心残りが延々と有り続けてしまったのだ。そのくせ、多分、勉強のできるできないは、ノートの取り方にあるのではないかという直感があったのだ。

 その問題をきちんと解消してくれたのが、高濱正伸・持山泰三共著『子どもに教えてあげたいノートの取り方』(実務教育出版)である。

    子どもに教えてあげたいノートの取り方

 著者本人が東大に行っているので、恐らく中学生や高校生の頃は勉強はできた筈である。しかも正規の学校教員ではなく、「花まる学習会」という学習塾の代表であり、算数オリンピックの理事でもあるので、学校の先生なら絶対に言ってこない正しい意見を言っているのである。

 本書を読んで一番衝撃的だったのは、「書き写し病」(本ではミテウツシ病になっている)のことを指摘していたことだ。書き写し病とは教師が黒板に書いた物をそのままノートに書き写すだけで、授業の内容を全く理解していない病気のことである。一生懸命になって黒板の文字を書き写しているからといって、その生徒の成績が良いとは限らないのだ。

 俺の高校生の時の友人にも書き写し病に罹った生徒がいて、その生徒は授業になると真剣になって黒板の文字を書き写して行くし、授業中の態度は立派だったのだが、肝腎の大学入試では落ちてしまったのだ。うちの高校は私立高校であるゆえ進学校なのだから、大学受験に落ちるということが有り得ないのである。不良の生徒が落ちるなら解るけど、「あれだけ勉強していたじゃん」とこちらが思ってしまうような生徒が落ちてしまったのである。

 ノートというのは、授業のレベルが低ければ、生徒の側がきちんとした物を作ることはできないが、かといって生徒の方もただ単に書き写していればいいのではなく、自分で何かしらの工夫をしなければならないのである。要は自分が授業内容をきちんと理解するためにノートを作っているのであって、他人に見せるためにノートを作っているのではないのだ。

●東大を目指すなら「4種類のノート」を装備すべし

 さすが著者本人が東大卒なので、ノートを1種類にするなんて愚かなことはしてこない。ノートは4種類持つべきだと勧め、「授業ノート」「演習ノート」「知識ノート」「復習ノート」の4つのノートを使いこなすからこそ、授業をきちんと理解することができると言うのだ。多分、殆どの生徒たちは1冊のノートしか使って来ないので、その時点でもう駄目なのである。東大に行きたければ、4種類のノートを使ってしまえばいいのだ。

 まず授業ノートは授業内容を書き留めて行くためのノートである。黒板の文字を書き写すこともあるが、教師が発言した言葉も書いて行くべきなのである。授業は全てが大事なのではなく、如何なる教師でも授業に於いては3つのポイントに絞って説明して来るので、その3つのポイントを掴み取ってしまうべきなのである。

 次に演習ノートでは演習問題を解くために使うノートである。このノートは綺麗に書く必要性はなく、ただ問題を解いて行った過程が解ればそれで充分なのである。試験の点数が低い生徒は試験で間違えても、なんでその問題を間違えたのかという復習をしないからこそ、次の試験でも失敗してしまうのである。

 第三番目の知識ノートは自分オリジナルの辞書のことである。国語なら解らない言葉の意味を調べるとか、英語なら英単語と日本語訳を書いてしまうとかして行くものである。記憶力が弱いと投げている生徒たちは知識ノートを作っていないからこそ、学術的知識をきちんと整理できず、それで覚えられないだけなのである。

 最後の復習ノートは授業内容を纏めてしまうノートのことである。中学とか高校では、授業だけ受けていると難しいと思ってしまうのだが、その授業を要約してしまうと、それほど難しいことを言っている訳ではないのである。授業を受けても自分の頭の中がゴチャゴチャになっているから理解できないのであり、復習ノートを作って授業を纏めてしまうと、意外と簡単に理解できてしまうのである。

●大学では「2種類のノート」で行くべし

 俺自身、大学には行けたとしても、中学や高校ではそれほど勉強していないので、中学や高校でのノートの取り方を人様に教えられるほどのことはしていない。しかし大学では勉強しまくったので、人様に大学でのノートの取り方ぐらいなら教えることができるのだ。大学でならノートは2種類でいいと思う。「講義用ノート」と「要約ノート」の2つである。

 講義用ノートは教授の講義を書き留めて行くためのノートである。大学では中学や高校とは違い、黒板に文字を書いてくれることが少なくなり、口頭で説明して行くので、素早く書き留めて行くことが重要になってくるのだ。講義用ノートが恐ろしいのは、自分が真面目にノートを取って行くと、どの教授が馬鹿で、どの教授が利口かがはっきりと解ることなのである。出来のいい教授の講義はノートに書く量が多くなるし、その講義用ノートを読み返すと、非常に解り易い講義内容になっているのだ。

 要約ノートは講義用ノートを元に自分が調べたことを書き入れて行き、その講義を要約してしまうのである。大学の教授も中学や高校の教師と同じで、講義の際には3つのポイントに絞って話をして来るので、それさえ解れば後は講義内容を圧縮してしまえばいいのである。この要約ノートがあると、講義をきちんと理解できるだけなく、前期試験や後期試験の予測までできるようになるのだ。

 ノートを作る際には、必ずノートを綺麗な文字で書き込んで行くことだ。ノートを綺麗に書くと、理解度が上昇し、成績がアップするものなのである。幾らノートを作ったとはいえ、文字が汚いと後で読み返せないし、あやふやな分野が大量に残ってしまうものなのである。なにも習字のような文字を書かなくていいから、後で読めるような綺麗な文字を書いて行くべきなのである。

 大学の講義で一言言っておくと、「講義録」を書くような学生は絶対に学者として大成しないということだ。書き写し病は何も中学や高校で蔓延しているのではなく、大学でも蔓延しているものなのである。一度でも大学で講義を受ければ、講義を受けている最中に様々な疑問が生じて来るものなのであって、それをノートの隅に書き留めて行き、講義が終わった後に自分で調べるという作業を繰り返さなければならないのである。講義をそのまま丸写ししているようでは、学問を発展させることはできないのである。

●ノートの量が多い生徒ほど勉強ができる!

 はっきりと言えることは、勉強ができる子ほどノートを大量に使って来るということだ。「ノートの量の多さ」こそ、頭の良し悪しの差なのである。俺自身、小学校では1科目につきノート1冊で1年を過ごしてしまったが、大学生になるとノートを大量に消費し、ディスカウントショップにいってノート10冊ひと纏めになっている物を安く買い、それなのにそのノートがあっという間になくなってしまって、俺自身驚いてしまったことがある。

 逆に言えば、授業を受けているのにノートを取らない生徒は絶対に成績が伸びないと言っていい。これは本人だけが悪いのではなく、生徒にノートを取らせないような質の低い授業をする教師の方も悪いのである。しかし生徒本人がこの悪循環から早く抜け出し、一刻も早くノートを取りたくなるような授業を受けるべきなのである。俺なんかもあのまま公立の中学に行っていたら、馬鹿街道まっしぐらであったと思う。

 ノートの取り方は小学校5年生から6年生辺りから重要になってくる。授業内容もこの時期から難しくなり始めるものだし、子供自身もこの時期から親と徐々に離れて行くものだ。どんなに遅くとも中学3年生までには自分なりのノートの取り方を確立していないと、勉強しても全然面白くなくなってしまうことであろう。

 しかしノートの取り方は母親が教えられないのだ。子供は母親から離れて行く時期にノートの取り方を確立して行く以上、母親がノートの取り方に口を出せば、子供は母親の言うことを聞くかもしれないが、かといって子供が授業内容をきちんと理解しているとは言い難くなってしまうのだ。

 ノートの取り方云々は第三者に任すしかないのである。だから学習塾が大切なのである。俺自身、ノートの取り方に関心を持ち始めたのは中学受験予備校に行った時なのである。かといって中学校の教師からノートの取り方を教えられた悲惨な目に遭っているのだ。もしも子供を学習塾に通わせないのなら、ノートの取り方の本を子供に与えてしまうことだ。

 最後に東大合格者たちに共通していたことは、母親から「勉強しなさい」と言わたことが一度もなかったこと、それと母親がいつもニコニコしていたということなのである。母親が子供に口を出していいのは10歳までなのある。それ以降は優しく見守るしかないのだ。しかし何もしなくてはいいということではなく、子供に良い師匠を見つけてあげる努力をすべきなのである。俺自身、小学校ではウダツが上がらなかったけど、学習塾に行ってから頭角を現わして行ったのである。

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コメント

タマティさん初めまして!
私は結婚して1年目、臨月の妊婦のラナンと申します。

先月、安産について検索してタマティさんのブログにたどりつき、内容の深さと面白さに衝撃を受け、それから毎日せっせと勉強させていただいています。
こんな凄いブログを見たのは初めてで、毎日書き続けてくださっていること本当にありがたく思っています。

書き写し病!まさに私のことです!
思えばノートの取り方なんて学校の誰にも教わったことがありませんし、
私も小学生のころ学習塾に通っていましたが、アルバイトの大学生が講師を勤めるようなところだったのが失敗だったのかもしれません。(当時はなにも疑問に思わず楽しく通っていました^^;)

私のお腹の子供にはまだまだ先のことですが、学習塾や自宅学習の教材の選び方など、いつか記事にしてくださると嬉しいです。

とりあえず、いまは安産すっぽん運動を毎日がんばります

投稿: ラナン | 2011年11月11日 (金) 09時47分

 ラナンさん、ノートの取り方は誰もおしえてくれませんよ。
 だからこの本が大事なんです.
 頭のいい人達にとっては当たり前のことだから、秘密のテクニックを公開してくれるのなら、どんどん盗んでいかないとね。

 安産すっぽん運動は本当に効きますからね。
 真面目にやっていると「するりんこ出産」ですよ。
 お産が苦しくなってしまうのは、筋肉量が足らないからなんです。
 特に足腰の筋肉は出産時に使われるので、ここを鍛えておけばお産は非常に楽ですよ。
 ついでに今年ヒットした「マルモリ」の振り付けもやってみるといいですよ。
 実際にやってみると結構大変な動きをするんですよ。
 できるかな~?

投稿: タマティー | 2011年11月11日 (金) 18時27分

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