自己決定権のパラドックス 投資編
●投資のプロが教えない「見守り」の大切さ
「自己決定権のパラドックス」の凄さは投資の謎を解明してくれることだ。投資の仕方を勉強する場合、どうしてもテクニック重視になってしまう。ではそのテクニックを駆使して投資に成功するのかといえば決してそうではない。テクニックがある余りに投資の禁じ手を平気で犯してしまうのだ。その点、「自己決定権のパラドックス」は投資の禁じ手が一体なんなのかを教えてくれるのだ。
まず投資に成功した投資家たちは必ず「見切り千両」という言葉を使って来るものだ。投資では損切りをしない限り絶対に成功しないのだ。しかし「見切り千両」以上の重要なのは、実は「見守り千両」という言葉であろう。投資に成功した投資家たちは見守ったからこそ成功して行ったといえるのだ。
株価が乱高下する、地価が乱高下する、債権の金利が変動する、そういった状況を見守り、株券も不動産も債権も売らなかったからこそ、大金持ちへと伸し上がって行ったのである。市場に敏感に反応して儲けることができるかもしれないが、そうやって市場の変化に反応するのは逆に危険でもあるのだ。それよりも資産を保有して動かさない方が莫大な利益を得てしまうものなのである。
ねんでこんなことが起こるのか?
「自己決定権のパラドックス」の第一法則から言うと動かない方が選択肢をより多く持てるからだ。資産を売るのもいいし、売らないということもできる。それに下手に決断しないで市場の変化を見ている方が市場の変化を充分に把握することができ、その後に動いた方が圧倒的有利な状態で物事が推移して行くことになるのだ。
大体、幾ら現在に変動が起こっても、重要な株券や、重要な不動産や、重要な債権はその価値が増えるけど、下がるということは余りないものなのだ。例えばエネルギー関連の株券なら、エネルギーは常に消費されるので、必ず高額の配当があるものなのである。不動産なら東京の銀座近辺のように昔から重要な土地は昔も今も地価が高いし、今後も地価が上がって行くものなのである。債権にしても国債のような物に投資しておけば、国家が財政破綻でもしない限り、きちんと利子を得られるものなのである。
●重要な投資先はごく僅か
投資は全ての投資先が重要なのではない。「自己決定権のパラドックス」の第二法則から言うと重要な投資先はごく僅かなのである。重要な投資先に対してきちんとした決定を下しておけば、全体として必ず利益が上がるようになるのだ。全ての投資先を重要だと思ってしまうからこそ、一生懸命やっているのに損害が発生して来るのである。
「見切り千両」も「自己決定権のパラドックス」の第二法則を理解していれば、一体どこなのか的確に見つけ出すことができる。見切るのは全部ではないのだ。投資先のごく僅かなのであって、損害が余りにも激しい投資先はそこを見切ってしまい、投資を引き揚げた方が、その投資に関しては損害が出ても、全体としては利益になるものなのである。
見切り千両は非常に難しい決定だからこそ、投資に成功した投資家たちはこの難局を乗り切った話をするのである。それを真に受けて、常に見切り千両を行うべきではないのだ。投資家の人生の中でも見切り千両を決定するのはごく限られた回数しかない筈なのである。その時に絶対に間違った決断を下してはならないのである。
ではどうやって重要な投資先を見つけ出したり、不要な投資先を切り捨てる決定を下していくのかというと、それは「直感」で決めるのである。「理屈」ではないのだ。自分の直感が正しい決定を見つけ出し、理屈はそれを後付けすればいいのだ。しかし理屈で本当に正しい決定を導き出すことはできないのである。
投資に関して投資の勉強をすることは確かに大事なことだ。知っていれば勝率が上がるからだ。しかし勉強だけしていればいいのではない。直感を磨くということもそれ以上に大事なのである。直感を磨いていると、或る日突然に閃いて、「これは大儲けできるぞ!」と瞬時に解るようになるものなのである。
●予期せざることが起こるからこそチャンスが生まれる
投資をしていれば幾らでも自分の予期せざることが起こって来る。例えば「政府の悪政」「外国の内政干渉」「国家同士の戦争」「天変地異」など、自分の想定外の現象が起こり、それによって自分の投資も大打撃を受けてしまったりする。しかしそれ自体が不幸なのではなく、それをどうやって処理するかで自分の幸不幸は決まるのである。
例えば今回の東日本大震災でも震災直後は首都でもパニック状態に陥ったが、それでも「今は大震災と大津波で悲惨な状態だが、必ず震災特需が出て来るので、建設関連の会社に投資しよう!」と巧く切り替えができた者はその後に大儲けすることができたのである。震災特需は震災直後から起こるのではなく、徐々に起こり始め、震災から2年後にはどの建設会社もウハウハの状態になるものなのである。
原発事故が起こり、大量の放射性物質が吹き飛び、原発の周辺を汚染してしまったのだが、そこの住民は自分の土地に拘るのではなく、その土地を捨てて引っ越してしまうというのも素晴らしい決断なのである。特に若い夫婦では子供がいるので、子供を病気にさせないためにも、土地を捨てるという決断をした方がいいのである。
その一方で原発事故のために暴落した土地を買い取るという非常にあこぎな遣り方も、それはそれで素晴らしいのだ。幾ら除染作業をした所で居住することはできないので、そこを廃棄物処理場にしてしまうとか、幾らでも汚染された土地の使い方があるものなのである。こういう行動を取れば世間から非難されるだろうが、こういう遣り方をするからこそ、土地を売却する者もそれを買った者も双方が利益を手にすることができるのである。
不測の事態が起こった時に一番危険な遣り方は政府に頼ろうとすることなのである。政府に頼っても問題は解決されないのだ。それどころか政府という非常に遅い決断をしてくる組織に頼ると、状況が余計に悪化していき、益々損害が激しくなってくるのだ。政府になど期待せず、自分の責任で動いてしまった方がいいのである。
●断食と早起き、それに黙想
投資をする際、動かぬ時に動かず、動く時は直感を使って動き、不測の事態が起こった時に最善の決定を下すためには、そのままでは駄目なのである。ありきたりの生活を送っていれば、動かなくていい時に動いてしまい、動く時に理屈を捏ねてしまい、不測の事態が起こった時に最悪の決定を下してしまうものなのである。
①断食
まずお勧めするのは「断食」をすることだ。断食をすると内臓を休ませることができるので疲労が除去され、内臓を使わないために脳にエネルギーが行き、非常に頭の回転が良くなるのだ。成功している投資家の多くが断食を経験しているので、投資で成功したいのなら断食をした方がいいのである。
②早起き
もう1つは「早起き」することだ。大体、投資家で朝寝坊という者はいないものだ。朝は集中力が高い時間帯なので、どの投資家も早起きして、投資に関する情報を収集して、最善の決断を下して来るのである。朝寝坊している者は集中力の高い時間帯を逃しているので、どうしてもやってはならない決断を下してしまうことになるのだ。
③瞑想
トドメが「瞑想」である。1日数分でいいから瞑想して自分の心を落ちつけるべきなのである。成功している投資家たちの多くは禅寺で座禅を体験しているのである。投資で成功したいのなら、一度でもいいから禅寺で座禅を体験した方がいい。座禅の遣り方をマスターしてしまえば、自宅でも本格的な座禅ができるものなのである。
投資で成功する場合、普通の人たちではできないことをやって成功してくるのではないのだ。普通の人たちでもできることを普通にやったからこそ成功したのである。断食にしても、早起きにしても、瞑想にしても、普通の人たちでもできる筈だ。普通だからこそ多くの人たちはその普通のことの大切さが解らないのである。だからそれを解った者が成功していくことができるのである。
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コメント
こんにちはタマティさん♪
『待つ』ということ、できるだけ早く身に付けたいです。
子育て、夫婦、仕事…、あらゆることに肝心ですね。
待つことに幸せを感じることができるようになりたいな。
私は来年、後厄です。
前厄の後半には姑さんとの問題、大厄の後半には、四半世紀会っていなかった父の訃報がありました。
どちらも生き方を考えさせられる出来事でした。
まだ終わってはいませんが、この厄からもらった教訓を身に染み込ませて、大事な人達のために死ぬまで幸せな人間でいられるようにしたいなぁ。
投稿: ころころローラー | 2011年12月 2日 (金) 11時55分
ころころローラーさん、本当に待つことは大事ですね、
待っているからこそ状況が良く見え、チャンスを掴むことができるわけですから。
ご愁傷様です。
結構、複雑な家庭で育ったんですね、
こういう死に方は生き残った娘に色々なことを考えさせますよ。
しかし厄年で父親が死んでくれたこそ、ころころローラーさんの運が開けてくるってこともありますからね。
まあ多分、後厄で妊娠でしょう。
家庭内に於いて、人が1人死ぬと、新たに命が宿っれきますからね。
不謹慎かもしれないけど、夫婦でパッコンパッコンですよ!
投稿: タマティー | 2011年12月 2日 (金) 19時34分