秘策その12 「知恵ある遺産相続」
●遺産相続こそ命運を分ける
お金持ちたちの命運を分けることになるのが「遺産相続」である。自分が生きている間は平穏に過ごしても、自分が死んだ後に子供たちが遺産相続すると、途端にその家族に凄まじい不幸が訪れてきたりするのだ。お金持ちであるなら、生きている時だけのことを考えるのではなく、死んでからのことも考えなければならないのである。
なんで遺産相続がそんなに危険なのか?
①3代目で駄目になる
まず日本人の家系ではなぜか3代目で駄目になるケースが多いのだ。完全な男系家族ではなく、女系家族的要素を濃厚に持っているために、男子が巧く育たないのだ。跡取りをしっかりと育てていくためには、男の子たちに関しては幼い頃から跡取りとしての自覚を持たせるような教育をしておくべきなのである。
②相続税は3代目で潰れるようになっている
もう1つの理由は相続税があるために、相続税によって税金がごっそりと取られてしまうということなのである。相続税は3代目で潰れるようになっているので、遺産相続をさせていけば、3代目で遺産が消滅してしまうのである。相続税はまともな税金ではなく、家を潰す目的で設定された税制なので、この相続税を決して甘く見てはならないのだ。
③実力以上の資産は非常に危険
第三の理由としては、遺産相続によって実力以上の資産を持つことは非常に危険になるということなのである。人間には経済的実力があるので、それに適した資産ならきちんと運営できるのだが、その実力以上の資産を持ってしまうと、途端に運営できなくなってしまうのだ。それで遺産相続してお金持ちになったのに、駄目になってしまうのである。
個人主義に取りつかれて、自分のことだけしか考えていないと、アッという間にその家族は没落していくことになる。個人主義では生き残れないのだ。家族の価値を重視しないと家族は生き残って行くことができないのだ。遺産相続に対して何も対策せずに死ぬほど迷惑なことはないのだ。
●子供たちに遺産を与えると、子供たちが駄目になる
まずお金持ちたちの遺産相続がなぜそれほどまでに危険かというと、肝腎の遺産相続権者たちが碌でもない連中だからだ。息子にせよ娘にせよ。親がお金持ちであるばっかりに子供の頃から裕福な暮らしをし、しかも私立幼稚園や私立学校や私立大学に進学したために、世間の人たちが経験するであろう苦労をせずに育って来たということなのである。
更に就職したとしても親の七光でいい所に就職できるわけだし、自分が余程のミスをしなければ、周囲の人々は大切に扱ってくれるものなのである。仕事というのは早い段階で過酷な修行を受けた方が、その後の人生に於いて大いに伸びて行くものなのである。それがぬくぬくと成長してきたために、大飛躍が起こらなくなってしまうのだ。
しかも遺産相続してしまった場合、親の力でゴールさせられたようなものなので、お金持ちになることを自分の実力で掴み取った訳ではなくなってしまうのだ。多くのお金持ちの子弟たちががっくりさせられてしまうのは、実はこの遺産相続なのである。遺産相続をしたために、貧乏から這い上がってお金持ちになったという経験ができなくなってしまうのである。
はっきりと言ってしまうと、無闇に子供たちに遺産を与えると、子供たちが駄目になってしまうのだ。
お金持ちに子弟たちは親が考えている以上に「ひ弱な存在」なのである。これを防ぐためには全寮制の学校に通わせるとか、海外で武者修行させるとか、就職に関しては親が関与しないか、逆に親が就職先を決めてしまい、そこで徹底的にしごかれるようにすべきなのである。
遺産相続は自分が死んだ時に問題になるのではないのだ。遺産相続をするためには育児や子育てをしっかりと行い、教育や就職に間違いがなようにすべきなのである。それとできることなら結婚に関して結婚相手を間違えないようにすることだ。結婚というのは家族の中に余所者を入れることになるので、結婚相手には警戒してかかるべきなのである。
●娘には結婚持参金を与えよ
遺産相続というのは男女平等ではないのだ。男系家族なら息子たちが遺産を相続していくことになるし、女系家族なら娘たちが遺産を相続していくことになる。遺産相続を行う際は無闇に遺産相続を行うのではなく、家系図を作って自分たちの家系を調べ、男系相続なら男子だけに相続権を与え、女系相続なら女子だけに相続権を与えるようにすべきなのである。
男系相続の場合、当然に娘たちには相続権がない。その代わりとして娘たちが結婚する際には「結婚持参金」を持たせて送り出してあげるべきなのである。娘たちは結婚持参金を貰うことで相続権を放棄するのである。原則として結婚持参金は息子たちが相続するであろう遺産に準じた金額にすべきなのである。
結婚持参金は安易に与えてしまうと、娘の旦那が手をつけてしまうということもありえる。そうなるとアッという間に雲散霧消してしまうのだ。そこで結婚持参金を信託財産にしてしまい、娘にしかお金が行かないようにするという配慮を取るべきなのである。こうすれば娘の旦那と雖も結婚持参金に手を出すことができなくなるのだ。
娘たちを遺産相続をから切り離しておくのは非常に重要なことになる。というのは遺産相続に娘たちが絡んで来ると遺産相続の決着がつかなくなるからだ。大抵、どのお金持ちにたちの家も、娘たちの相続権を奪わないからこそ、悲惨な骨肉の争いをするようになってしまうのである。男系家族では娘たちは出て行くものなのであって、相続権を与えてはならないのだ。
娘たちというのは結婚後も親になつくものだ。そこで「出産祝い」や「入園祝い」や「入学祝い」などを与えておくべきなのである。娘たちが結婚後に子供を多く産んでくれれば、それだけ息子たちの嫁も子供を多く産んでくれるものなのである。自分の息子たちだけを可愛がっていると、その内、子供を産まない嫁がやってくるものなのである。
●遺産を信託財産にする
男系相続に於いて息子たちが遺産相続する場合、本家と分家の区別をしっかりと行って行くことだ。本家を相続するのが家督相続者なのであり、それ以外の息子たちは分家となって新たな家を起こすことになるのだ。息子たちは平等ではないのだ。本家と分家の区別は恐ろしいほどまでに大きいのだ。
家督相続者には親の自宅と或る一定の遺産を与えなければならない。自宅を遺産相続で分割するというのは自宅を売り払うということになるので、家督相続権が本家としての自覚を失ってしまうということなのである。事実上、家督相続権者が親の面倒を見る訳だけから、遺産相続の際に優遇されて当然なのである。
分家には新たに家を起こせるだけの遺産を与えなければならない。具体的には自宅を持てるだけの遺産が必要なのであって、借家住まいで新たに家を起こせないのだ。分家の初代当主になるものは、過去のシガラミに囚われない分、自由な生き方ができるのであって、その自由な生き方を影ながら支援してあげなければならないのだ。
住宅以外の財産に関しては、息子たちに同等の信託財産を与え、息子たちの生活が困らないようにすると共に、遺産相続をしたとしても遺産が雲散霧消しないようにすべきなのである。息子たちに遺産相続の際、現金を与えてしまうほど愚かなことはないのだ。息子たちがお金を貰えば、簡単にそのお金を使いきってしまうものなのである。
財産を所有するのではなく、財産を所有せず、その資産運用益をだけを貰えるようにすべきなのである。財産を所有してしまえば、相続税がかかってくるものなのである。それよりも自らは所有せず、資産運用益だけを持続的に貰えるようにすれば、遺産は消滅しないし、それでいて遺産の果実はしっかりと頂戴することができるのである。
●長く続く家系には必ず遺産相続に工夫が施されている
お金持ちの最大の落とし穴は「相続」であるといっていい。ビジネスに成功した人ほど、自分の実力に自信があるから、まさか自分が高齢者になって急激に健康を害し、呆気なく死んでしまうということが解らないのだ。成功して70歳を過ぎたのなら、早目に引退を決意すべきであって、自分が死ぬまでの間にしっかりと遺産相続の対策を打っておくべきなのである。そういう思慮深さがないと、せいぜい相続税対策だけをするだけで、結局、遺産が雲散霧消してしまうのである。
「あなたの家族は千年以上続くことができますか?」
この質問に「ハイ」と答えることができるものは殆どいないことであろう。日本で千年以上家系が続いているのは、天皇家であり、藤原氏であり、神職者の名門の家族とかだけなのである。はっきりと言ってしまえば、資産があるだけではそんなに長く続かないのだ。資産以外の大切な物が必要になってくるのだ。
まずは宗教である。宗教といっても個人的な宗教心ではなく、神社であり菩提寺であるといった大掛かりな宗教施設だ。自分の子供たちを宗教家にし、宗教の力を使って家族の繁栄を守るのである。天皇家では娘を斎宮女王にさせたりしてきたし、藤原氏では息子を僧侶とかにしてきたのである。幾らビジネスで成功したからといって、全ての子供たちをビジネスマンやビジネスレディーにさせてはならないのだ。
もう1つは「秘密の古文書の存在」である。家訓を書いたり、家族の歴史書を作ったり、日記を残したりして、一族の者たちしか読めないようにさせるのである。こういう古文書は普通のレベルで見せられたらなんの感動もない。しかし一族の者たちしか見ることができなければ、それを見せられた時に異様なまでの感動を覚えるものなのである。
トドメはお金持ちで居られる生活の知恵を個人で所有するのではなく、一族で所有するということなのである。一族が定期的に集まって、その生活の知恵を教え合うのである。こういう交流を確保しておかないと、時間の経過と共に生活の知恵が消え去って行くものなのである。
これだけは明確に言えることは、長く続く家系には必ず遺産相続に工夫が施されているということなのである。そういう家系は調べれば調べるほど「凄い!」と感嘆してしまうものなのである。平等イデオロギーに囚われていると、その工夫が全く見えなくなってしまうのだ。貧富の格差がどうのこうの言うのではなく、現実の人間たちは本当に不平等なのだということに気付くべきなのである。その現実を受け入れることができたのなら、自分たちの家系にも遺産相続に関して工夫を凝らすことができるようになるのだ。
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