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秘策その10 富を文化で還元する

●骨董品の収集

 貧乏人は骨董品などには興味を持たないものだが、お金持ちたちは骨董品に興味を持つ。高額所得によって物欲が満たされてしまうと、現在売られている商品やサービスには余り関心を見せず、過去に於いて作られた本物の商品に関心を見せるようになるのだ。資本主義主義経済以前の職人たちは株式配当とかがなかったために、その持てる資金を最大限投入し、本物の商品を作り上げたのである。

 もう1つの理由は、金持ちだからこそ歴史に興味を持つということなのである。ビジネスは或る意味、「諸行無常」である。繁栄した大企業が倒産したり、名もなきベンチャー企業が勃興してくる。そうやって企業は生存競争を繰り返しているのであって、生き残れる企業というのは常にごく僅かなのである。

 当然にお金持ちたちにはお金があるのだから、骨董品に興味を持ち出せば、骨董品を購入することになる。よく言われることだが、「一流のお金持ちは一流の骨董品を集め、三流のお金持ちたちは三流の骨董品を集める」のだ。だからこそお金持ちの中には骨董品収集が趣味でも悪趣味な者もいれば、尊敬に値するような素晴らしい趣味になる者もあるのだ。

 通常、三流の骨董品を集めれば、死後は相続で散逸したり、骨董品業者に売却される。しかし一流の骨董品を集めてしまうと、恐ろしいほどまでの相続税がかかってくることになるので、その骨董品を集めて美術館なり博物館を建てたりしてしまうのである。そうやって一流の骨董品が個人の趣味を乗り越えて、一般の人々でも楽しめるようになるのだ。

 不思議なことに、一流の骨董品を集めるようなお金持ちはその本人が謙虚なものだし、その妻や子供たちも謙虚な人たちが多い。一流の骨董品の中で生活してきたために、その家族の人たちの波動が一流の波動になってしまったのである。当然のことながら、こういう状況下では豊かさの中で凄まじい悲劇は起こらなくなるのだ。

●若い芸術家たちを育成して行く

 成り上がりのお金持ちなら骨董品収集が限界であろう。しかしお金持ちもワンランク上になると、若い芸術家たちを育成して行くことに喜びを感じ、彼等に出資して一流の芸術作品を作らせるのである。芸術家を囲い込むことができたのなら、本物のお金持ちだといっていいだろう。

 戦前では日本全国に「旦那衆」と呼ばれるお金持ちたちがいて、この旦那衆が若い芸術家たちに出資することで若い芸術家たちは続々と新しい芸術作品を作っていったのである。だからこそ近代の日本芸術は大いに発展したのである。日本に於いて創造的な芸術作品は明治維新以降から戦前の間に集中しているといっても過言ではないのだ。

 しかし戦後は財産税で旦那衆が潰され、しかも累進課税式所得税や相続税によって、本物のお金持ちたちが出て来れなくなってしまったのである。このために日本の若い芸術家たちはお金持ちに囲われるということがなくなり、非常に貧乏するようになってしまったのだ。当たり前のことだが貧乏をしていたのなら、一流の芸術作品なんて作れる訳がないのだ。

 戦後の日本で世界規模の大金持ちがなかなか出て来ないのは、若い芸術家たちを育成することを趣味とするような酔狂な人物が居ないからなのである。これは完全に道楽なのであって、お金が有り余らない限り絶対にできることではないのだ。だからこそ、外国のお金持ちたちに負けてしまい、日本国内で防戦することで精一杯になってしまうのである。

 ヨーロッパのロスチャイルド財閥であろうが、アメリカのロックフェラー財閥であろうが、必ず若い芸術家たちを囲い、彼等に新しい芸術作品を作らせているのだ。それが芸術品市場を生み、更に富を増大させるという結果になるのだ。大体、芸術家になるような人物は奇人変人が多いから、芸術の仕事をさせていれば、犯罪など起こさなくなるのだ。若い芸術家たちを囲わないからこそ、その者たちに仕事がなくなり、犯罪に手を出す羽目になるのである。

採算が取れない文化事業を行う

 よりレベルの高いお金持ちになると、採算が取れない文化事業を密かに遣り続けるということをし出すのである。文化事業で採算が取れるものはお金持ちが支援しなくてもやっていけるが、採算が取れないものはお金持ちが支援しないとやっていけないのだ。お金持ちが支援してくれるだけで、文化というものは向上していくものなのである。

 特に出版物の中ではその製作にお金がかかるのに、その出版物を売ったとしても売れない物がある。そういう出版物に資金援助し、数は少なくてもいいから販売させるようにするのだ。実を言うと、そうやって資金援助を受けて作られた本には一流の本が非常に多い。作者は資金のことを考えずに打ち込めたから、非常に出来のいい物を作り上げることができたのである。

 大学でも「寄付講座」というものがあるが、これもお金持ちの資金援助がなければできないものなのだ。大学の講座を設定を任しておくと、時間の経過と共に碌でもない講座ばかりになってしまう。大学教授たちが豊かな生活をしていないために、平気で粗悪な講座を作ってしまうのだ。だからこそお金持ちが資金援助をして寄付講座を作れると、その大学の質が一気に高まって行くのだ。

 文化の中には消えて行く文化というものもあるものだ。その消えて行く文化に対してお金持ちが資金援助をし、消滅させないようにするのだ。文化というのは一旦消えてしまえば、もう2度と復活してこない。それほど「か弱いもの」なのである。幾ら時代が変化しているからといって、過去の文化を今の人たちが消し去っていい訳がないのだ。

 採算が取れない文化事業を支援するということは、非常に地味な作業である。幾ら自分がやっとしても決して称賛されることはない。しかしお金持ちがそうやって文化事業を支援してくれるからこそ、日本の文化は本物の文化に成って行くのである。日本の文化がアメリカの文化に席巻されたり、増してや日本国内で韓流ブームが起こっているようでは、日本の民度が低レベルにあるということなのである。

●美術館や博物館は金持ちのたちの遺物なのである

 国民の中には美術館や博物館は政府が作り運営すべきであるという意見が多々あることであろう。確かに政府は国民から税金を徴収できるので、大規模な美術館や博物館を作ることができる。しかし政府が作る美術館や博物館はイマイチなのである。どうしても官僚主義的な発想になってしまい、せせこましい物しか作れないのである。

 美術館も博物館もお金持ちが道楽で作るからこそ、面白い美術館や博物館が出来上がって来るものなのである。お金持ちが集めた美術品は自分がお金を出して買い集めた以上、一流の芸術作品だけが集まっているものなのである。博物館にしても自分が面白いと思った物を自分がお金を出して買い集めて来たのである。

 一流の芸術作品の一流の波動に、本物のお金持ちの本物の波動が加わるのである。だからこそその美術館や博物館に居ると非常に楽しくなってくるのである。美術館も博物館もただ単に収蔵品を集めればいいというものではないのだ。自分のセンスで集めて行かない限り、いい物は出来上がらないのだ。

 自分の富を文化で還元するというのは、お金持ちだからこそできることなのである。お金持ちが自分のために富を消費するのではなく、富を文化で還元してくれたのなら、世の中は想像以上に豊かになって行くのである。そしてそのお金持ちも自分たちの家系を生き残らせるためには、この道楽をしていくことがどうしても必要なのである。

 累進課税式所得税によって貧富の格差を解消しようとしたり、相続税によってお金持ちを潰そうとしたりすると、確かに政府は財政規模を大きくできるかもしれない。しかしその馬鹿げた税制のために国内にはお金持ちが生まれてこないのだから、国民は貧しくなり、しかも文化的により貧しくなってしまうのである。

 お金持ちであるなら、絶対に政府の増税に賛成すべきではないのである。政府の増税に賛成するようなお金持ちたちは殺されて当然なのである。それよりも累進課税式所得税や相続税を廃止させ、お金持ちたちが充分な富を持ち、その富を文化で還元していくべきなのである。そういうお金持ちたちが多くいればいるほど、その国民は経済的にも文化的にも非常に豊かな暮らしを実現することができるのである。

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コメント

タマティー様、我が家にとっては桁外れのお話でしたが、読んでいて気持ちの枷が外れるような爽快感がありました良い波動を発し、キャッチできるよう、気持ちも家も生活習慣も、規律正しく、シンプルに生きたいです

投稿: smilelarch | 2012年1月26日 (木) 21時42分

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