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秘策その6 「処世術を身につける」

●出処進退こそ自分の幸不幸を決定的にする

 豊かさの中で凄まじい悲劇が炸裂して来ることを防ぐためには、「出処進退」を真剣に考えることだ。出処進退の内、「出世の仕方」は自然に解って来るだろうと思う。仕事ができる人物ならビジネスに成功して行く過程で「出世の仕方」を身につけて行くことができるからだ。

 しかし「身の引き方」の方は身につけることができないのだ。

 古より今に至るまで、何かの事業に成功したのに、身の引き方を間違えたために、破滅していった人たちは無数にいる。出世することばかり考えていたために、まさか自分の地位が非常に危険になっていることに気付けないのだ。身の引き方ほど、自分ではなかなか身につけることができないものなのである。

 組織内ではどううやっても自分の意見が100%通ることは有り得ない。組織内の力関係で、自分の意見が通るのはせいぜい20%ほどなのである。それなのに自分が出世することで権力を持ってしまうと、自分の意見が100%通らせることが可能になる。その状態こそ非常に危険なのである。そんなことを遣り続けていれば自分の周囲から知恵ある者は全て去っていき、イエスマンばかりになってしまうからだ。

 自分に敵対する新興勢力が出て来た時も非常に危険だ。自分が出世して権力を握ったが、自分が権力の座に長居し続けたために、若手の連中にストレスが溜まり、若手の連中は結束することで指導部に反抗し出すようになるのだ。こうなると組織内で凄まじい権力闘争が始まり、どちらかが倒れるまで戦いは終わらないのだ。

 組織内で働く時に最も気をつけるべきことは「出処進退」なのである。出世してこないのはその者が出世に見合う努力をしてこなかったと言っていい。かといって出世して権力の座にいつまでも留まっていてはならないのだ。いつか引退する時が来るのであって、引退すべき時にとっと引退してしまうべきなのである。出処引退こそ自分の幸不幸を決定的にするものなのである。

●自分として頂点を極めたら引退せよ

 会社のような組織の中で働く場合、自分が一体どこを目指すのか明確にさせておいた方がいい。社長を目指すのか、部長を目指すのか、それとも他の役職を目指すのか、自分自身が目に見える形の頂点を設定してしまえば、努力しさえすれば必ず辿り着けるものなのである。出世競争に負けてしまう人たちは競争に重点を置き過ぎ、自分が行くべき地点を設定しないからなのである。

 そしてその頂点に着いたら、そこには「目に見えざる頂点」があるということを知っておくことだ。

 社長の場合、創業者は長期政権を組むことができるが、2代目以降の社長たちは長期政権を組むことができない。人間の長期的な集中力は5年程度なので、就任してから5年程度で引退するのが最も賢明な遣り方なのだ。どんなに長くても10年が限度なのである。それ以上、社長の座に長居してしまえば、自分自身が晩節を汚すことになるものなのである。

 部課長職なら定期的に人事異動があるために、その座に長居することは不可能である。だから次の人事異動までに自分がすべきことを全てやってしまい、人事異動でその役職を去る時はなんの心残りなく去るようにすることだ。もしも遣り残したことがあるなら、引き継ぎの際にきちんと引き継いでおくことだ。

 ボクシングが面白いのも、まずボクサーはチャンピオンになることを目指して戦うことになり、その後、チャンピオンとして連チャンし、そして体力の限界を感じた時に引退するからなのである。チャンピオンになれないボクサーなどは見向きもされない。チャンピオンとして試合に勝ち続けることができなければそれで終わりだ。強い筈のチャンピオンが若手の選手に負けてくれるからこそ、そこに「滅びの美学」を見出すのである。

 目に見える頂点なら誰にも見ることができる。しかし目に見えざる頂点は知恵ある人物たちにしか解らないものなのである。目に見えざる頂点が来る前に自分がすべきことを全て遣り終えてしまうべきなのである。目に見えざる頂点が来たのに、その座から離れないと、最終的に破滅させられてしまうものなのである。

●トップを目指すより、二番手三番手として生きる生き方

 トップというのは最も競争が激しいものだ。だから出世する際、トップを目指さず、二番手三番手として生きれば、細く長く生きる方法もあるのだ。当然にトップは最も報酬が高い。しかしトップはその座に居る期間が短いために、二番手三番手に居て報酬が少なくても、長く遣り続ければトップの報酬を上回ることもできるのである。

 二番手になるためには、トップとの争いを常に避けることだ。二番手を潰そうとしてくるのは必ずトップだからだ。二番手として生き続けるためには、トップとの戦いを避けながら、トップと戦えるだけの実力を必ず蓄えておくことだ。それと同時に三番手以下との差を思いっきりつけておき、二番手の地位が揺るがないようにしておくことだ。

 三番手になるためには、トップや二番手との距離をあけておくことだ。トップも二番手もある意味権力志向だ。三番手にはそんなに権力志向はなく、自分がしたい仕事をしたいだけなのである。トップの権力交代があったとしても、新たに就任するトップは三番手と接触しなければならず、そうやって組織内に於いて影響力を保つのである。

 トップに関してはビジネス誌で必ず報道されるものだ。しかし二番手や三番手たちはビジネス誌に出て来ない。このため二番手三番手として生きるためには、組織内に居る先輩たちから学んで行かなければならないのだ。自分が会社で働いている内に、「こういう生き方もあるのか!」と感激したのなら、その生き方を学び、自分も二番手三番手として生きていけるようにすればいいのだ。

 特に女性社員の場合、本当にトップを目指す生き方が自分の幸せに直結するとは限らないのだ。どうしても女性は結婚すれば妊娠出産育児をしなければならないのであって、その既婚女性が社長をするとなれば、家族に対して相当な代償を強いることになるのだ。社長をこなせるだけのパワーがある人物なら社長になればいいが、そうでない女性たちは二番手三番手のように細く長く生きる生き方の方が非常に魅力的な生き方なのである。

●出世競争に惑わされない生き方

 組織内で生きて行くには、出世競争に惑わされないという生き方もある。他人と競争すればどうしても無理が出てしまうものだ。競争することに出世しても何かしらの代償を支払うことになるし、出世競争に負ければ悔しいものだ。だったらいっそのこと、出世競争をやめてしまうという選択肢も有り得るのだ。

 競争するのをやめると、非常に楽に生きることができるものなのである。

 競争にエネルギーを取られない分、自分がしたい仕事に充分なエネルギーを注ぎ込むことができ、当然に仕事の生産性が上がって行くことになるのだ。しかも仕事で手柄を立て出世しようという欲望がないので、手柄を立てたからといって人事異動を食らうこともなくなるのだ。

 出世していこうという意欲をなくすと、自然に権力闘争に巻き込まれなくなる。権力闘争をする者たちにとっては、出世しようとしない人物など理解不能だからだ。このため権力闘争の被害を最小限に食い止めることができるのである。権力闘争をする者たちに限って、権力闘争で負ければ自分が会社を追い出されるということに気付いていないものなのである。

 但し、出世競争に惑わされない生き方は出世できない以上、社内の階級を登って行くことはできない。給料は低いし、高い役職に就くこともできない。まあ、せいぜい定年退職するまで仕事をし続けるということになってしまう。出世しない分、出世しなくてもそれなりの利益を得るようなことをしておかないと、果たしてこの生き方が本当に幸せだったのか解らなくなるものなのである。

 出世競争を拒否するという生き方は、出世競争の厳しさがない分、自分自身に厳しくしておかなければならないのだ。もしも自分に厳しくなかったら、窓際族となんら変わりなくなってしまうからだ。仕事を真剣にやって、仕事を思う存分楽しむべきなのである。そうやって生きていれば、定年退職まで自分の身の安全を守り続けることができるのである。

●引退する時は綺麗さっぱりに引退する

 会社員の場合、引退するなら綺麗さっぱりと引退することだ。もしも会社から解雇されても、「不当解雇だ!」と騒ぎ立てても意味がないのだ。会社はその者が無能と判定したがゆえに解雇しただけなのである。裁判するだけ時間の無駄なのであって、それよりも解雇を契機に自分に自己投資し、実力を付けて行くしかないのである。

 定年退職をする場合、行き成り退職ということにはならない。退職する数年前から重要な役職から外され、閑職に回されるものだ。その間、自分は老後の支度をしておくべきであって、いざ定年退職をした時に、家で何もすることがないような状態を作ってはならないのだ。そういうことをやってしまうと、定年退職後数年で死亡してしまうことになるのだ。

 会社経営者なら社長を引退した後は会長に就任し、社内に院政を敷き、会社経営を行いながら、徐々に社長に権力を移行して行くことだ。社長というのはすぐさま育って来るものではないのだ。取締役に居る者と、代表取締役になる者とでは、全然考え方も行動も違うのである。無能な社長に会社経営を任したら、会社は潰れるものなのである。

 かといって「名誉会長」が存在するような会社は、会社組織が腐っていると見ていい。会社のために会長は必要でも、名誉会長など必要ないからだ。恐らく名誉会長になりたがる人物は、働きもせず会社から莫大な報酬を貰い、会社の経費を使って遊んでいたいのであろう。

 身を引く時は誰だってつらいものだ。だから未練がましいことを平気でやってしまうのだ。「プチリタイヤ」なんてものはその代表例だ。プチリタイヤは絶対にやめた方がいい。引退する時は綺麗さっぱりに引退してしまえば、引退した後に次の新たなる道が開けて来るものなのである。引退した後はその新たなる道を歩んで行けばいいのである。

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