« キキは本当に恋をしたのか? | トップページ | おまけ 『魔女の宅急便』を他の作品と比較してみた »

中学生という最も厄介な時期

●もう子供ではないが、かといって大人ではない

 人生を幸せに生きたいのなら、年齢に応じた生き方をすることだ。子供は子供らしく、大人は大人らしく生きればいいのだ。子供なら1日中遊び呆けることは許されるが、大人が1日中遊び呆けることなどできない。大人は宗教だの哲学だの奥深いことを考えたりするが、それを子供がやったらおかしいであろう。

 問題は中学生や高校生といった思春期の真っ只中にいる人たちなのである。

 この時期は子供ではないが、大人ではないのだ。しかもこの時期は親からの自立が始まるので、親の言うことが素直に聞けなくのだ。中高生が子供達と混じって遊ぶのはおかしい。かといって中高生が大人達の仲間に入ってこられるものでもないのだ。居場所なんてないのであって、自分の力で居場所を作っていかなければばらないのである。

 『魔女の宅急便』を読んで感心してしまうのは、キキはその居場所作りに悪戦苦闘し、そうやって成長して行っていることなのである。

 中学校の3年間は高校の3年間とは違う意味で重要なのである。男女が性別ごとに完全に分かれて行く。しかも個々人に自我が芽生え、誰もが自分が個人であることを自覚する時期でもある。中学生なのに自分たちのグループに異性が居ては駄目なのである。それと同時に自分がグループの中に居てもグループに依存するような生き方をしても駄目なのである。

 子供の感覚が抜けきっていない中学生なら、自分たちのグループに平気で異性を入れてしまう。グループを作ったはいいが、そのグループに依存し過ぎてしまう。こうなれば自立していくことなど不可能になるのは当たり前なのだ。思春期だからこそ自分たちのグループから異性を排除し、グループにいても仲間に依存しないようにしなければならないのだ。

 中学3年間を遊び呆けていれば、あっという間に過ぎ去っていくものなのである。学校に行って勉強し、そして帰宅する日々を過ごすことは、誰でもできることなのであって、中学生ならそれ以上の何かを成し遂げれこなければならないのだ。そのためには目標を設定してしまうことなのである。何かしらの目標を設定してしまえば、短期間で成し遂げて行くことができるものなのである。

   

●「女性ホルモンの増加」「成長ホルモンの増加」「シナプスの減少」のジェットストリームアタック

 女子中学生なら、中学3年間の変化を身を以て体感することになる。

 まずは初潮を迎えたことによる「女性ホルモンの増加」だ。このためオッパイは出て来るし、自分の体が女らしくなってくる。次に成長期を迎えているために「成長ホルモンの増加」が起こり、背丈が急速に伸びて来る。トドメは「シナプスの減少」であって、16歳までシナプスの量が減少していき、それによって自我がくっきりと出来上がって来るのだ。

 この3つの物が重なると、他の時期では有り得ない急成長が起こるものなのである。このため小学生の時は大したことのなかった女の子でも、中学生の3年間を巧く使ってしまうと、一気に伸し上がって行くことができるのである。この時期、大事なことは自分がやるかやらないかの違いだけなのであって、自分がやると決めたのなら、後は自然に急成長していくものなのである。

 読書に熱くなれるのはこの時期だからこそなのである。中学生の時期だからこそ読書をしまくり、愛読書を見つけて行けばいいのだ。その愛読書がどれになるかは解らない。しかし読書をしまくっている者は必ず愛読書を見つけ出すことができ、その愛読書によって自分の人生の質が一気に高まるものなのである。

 音楽に熱くなれるのもこの時期だ。中学生だからこそ音楽を聞きまくり、自分の好きな曲があるなら、それを何度も何度も繰り返し聞くべきなのである。どんなジャンルの曲だって構わないのだ。自分が本当に好きと思える曲に出会うことができたのなら、音楽の真贋がなんとなく解って来るものなのである。

 中学生の時期は高校生の時期ほど目立つ時期ではないのだ。エネルギーが外側に向かうより、エネルギーが内側に向かっている時期なので、その変化は第三者が見ても気付きにくいのだ。しかし変化は確実に起こっているのであって、中学校を卒業する頃には中学入学の当時とは比べ物にならないくらいに成長しているものなのである。

●人生のギアチェンジ

 『魔女の宅急便』は人間には人生のギアチェンジを行う時期があるということを教えてくれる。それが「10歳」の時期であり、「13歳」の時期であるのだ。キキは10歳で魔女になることを決意し、13歳で魔女修行の旅に出るのである。キキは人生のギアチェンジに成功したからこそ、その後、トラブルに見舞われようともそれを解決していくことができるのである。

 この10歳という時期は非常に重要で、子供は10歳までなら親の言うことを素直に聞くが、10歳を過ぎると親の言うことを素直に聞けなくなる時期なのである。だから10歳になったら自分の夢を明確に持つべきであって、自分に夢がありさえすれば、その夢に向かって突き進んで行くことができるようになるのだ。

 13歳という時期は明らかに親から離れ、自立して行く時期なのである。現実世界では中学校に入学する時期なのであるが、この時期に自分がしっかりと修行をすれば、一気に急成長して行くことができるものなのである。だから荒れている中学校とか、教師の質が低い中学校は非常に困り物なのである。中学校の出来が悪いために、自分が急成長して行くことができなくなってしまうからだ。

 私立学校に進学した者は中学受験を経ることによって、13歳での人生のギアチェンジが非常に巧く行くのだ。中学受験によって自分の幼稚な部分を捨て去って行くことができるので、中学生になったら後は前進していくしかなくなってしまうのだ。公立の中学校に行った場合、中学受験がないから、平気で自分の幼稚な部分を中学校に持ち込んでしまうのだ。公立の中学校に行ったら、部活動に熱中するなどして、自分の幼稚な物を捨て去って行く努力を必ずしておいた方がいいのだ。

 中学生なのに自分の夢が明確になっておらず、ただ単に学校で勉強するというのは非常に危険な行為なのだ。そういう生き方は確かに試験で高い点数を取ることはできる。しかしその中学生は親から自立しようとせず、自分が将来一体何をすべきか解っていないから、その後の人生で迷いに迷い続けることになってしまうのである。

●男の子の成長過程と女の子の成長過程は違う

 男の子の成長過程と女の子の成長過程は違う。女の子の方が男の子よりも早くに成長し始め、成長速度も速いのだ。女の子が男の子たちに歩調を合わせていたら、自分の成長が遅れてしまうものなのである。中学生になったら絶対に男女平等など唱えるべきではないのだ。小学生までなら男女共々みんなと同じでいたいと思うことは許される。しかし中学生になればもうそれでは駄目なのである。

 女の子の場合、初潮を迎えることによって、嫌が応でも自分が女であることを自覚し、初潮以降、自分の体が女の体に変化して行くのである。このため男子と力勝負をすれば負けることになる。その一方で柔軟性を活かしたスポーツであるなら、男子よりも優雅なプレイをすることができるようになるのだ。

 男の子の精通は女の子の初潮よりも遥かに遅いものなのだ。このため男子中学生は女子中学生よりも遥かに幼稚なままだ。しかし一旦精通が始まると、男子中学生は急速に男らしくなり、その成長は異常なまでの急成長を遂げて来るのである。だから男子中学生たちと歩調を合わしていては駄目なのである。男子中学生に急成長が起こると、のんびりと生きて来た女子中学生は一気に抜かれてしまうのである。

 私立の女子中学校出身者に成功者が多いのは、学校に男子がいなかったから男子中学生に歩調を合わす必要性がなかったからなのである。学校には女子しかいないので、男子中学生を気にすることなく、女子中学生のペースで急成長を遂げて行くことができるのである。勿論、学校には女子生徒しかいないために、女子特有の下らない現象も起こりうるが、それでも女子中学生のペースを確保できるという利点は遥かに大きいのだ。

 公立学校のように男女共学の学校に行ってしまうと、女子中学生達は女子たちだけで集まり、男子中学生達は男子たちだけで集まる機会を持っておかないと、性別に応じたペースを確保できなくなってしまうのだ。大人になって「自立できない」と騒ぎ立てている女性たちは圧倒的に男女共学の中学で育った来た者たちが多いのだ。

●学校中心の生活にしない

 中学生の時期は自分に急成長が起こる時期なのである。その時期に自分が一体何をすればいいのかといえば、「自分の生活を学校中心の生活にしない」ということだ。学校では中学生の変化に対応できないのだ。如何なる学校でも中学生に対応するシステムを持つことなどできないのだ。それほどこの時期に中学生は変化して行くものなのである。

①学校以外で自分の居場所を作る

 もしもこの時期の成長をより素晴らしい物にしたいのなら、学校生活を楽しみつつ、学校の外でも自分の居場所を作ることなのである。学校中心の生活を送るからこそ、自分がきちんと成長できず、イジメに遭ったり、自殺者が出て来たりするのである。学校以外の場所で自分の居場所があれば、学校で何があっても避難することができるものなのである。

②実の親以外の親を作る

 それと自分の実の親以外の親を作ることだ。中学生になれば親の言うことは聞けなくなるのだ。だから自分の実の親以外の親を作り、その代わりの親から適切な助言を貰うのである。具体的には「師匠」なのである。師匠がいるからこそ、その師匠から教えを乞い、その教えによって更に成長して行くことができるのである。

③自分の好きなことに熱中する

 そして自分の好きなことに熱中することだ。中学生の時期に自分が好きなことに熱中すれば一気にその分野の能力が伸びて行くものなのである。高校生になってからでは遅すぎるのである。中学生の段階で自分の好きなことに熱中するからこそ、高校生の頃には充分な実力を持つことが出来、更に成長して行くことができるのである。

 意外なことかもしれないが、これら全てのことはキキがやったことなのである。だからこそ『魔女の宅急便』は面白いのである。女子中学生が中学生の時に一体何をすべきかということを小説の中で教えてくれるからなのである。何も『魔女の宅急便』を読んで魔女になろうとしなくていいのだ。大事なことは中学生の時期にしかできないことを必ずやっておくことなのである。

 『魔女の宅急便』が素晴らしいのは、キキは恋愛中心になっていないということなのである。低俗な女性作家なら少女文学であっても恋愛中心の物語を作ってしまうことだろう。しかし女子中学生がこの時期にすべきことは恋愛ではないのだ。自分がすべきことは沢山あるのである。それらをきちんとこなすからこそ、恋愛ができるのであって、女子中学生がすべきことを何もせず、恋愛などすることなどできないのだ。

Portrait.Of.Pirates ワンピース STRONG EDITION トニートニー・チョッパーVer.2 Toy Portrait.Of.Pirates ワンピース STRONG EDITION トニートニー・チョッパーVer.2 

販売元:メガハウス
発売日:2010/08/25

Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« キキは本当に恋をしたのか? | トップページ | おまけ 『魔女の宅急便』を他の作品と比較してみた »

おすすめサイト」カテゴリの記事

育児」カテゴリの記事

子育て」カテゴリの記事

結婚」カテゴリの記事

家計」カテゴリの記事

妊娠 妊婦 子育て 育児」カテゴリの記事

コメント

タマティー様、オッパイのしこりは完全に無くなりました。今回も教えて頂いて有難うございました。

ところで、最近やたらと地震雲らしき雲が空に現れていますがそろそろ巨大地震がくるのでしょうか?
それとも、最近の頻繁なわりと小さめな地震の前兆雲なのでしょうか…?

去年教えて頂いた備えはしているのですが、やはり不安です
目の前に生後半年の娘がいますし、小学校に2人娘も行ってますし…

最近タマティー様の歯茎の疼きはいかがですか?
お姉様のご様子も…もし伺えましたら有難いです

投稿: ゆきりん | 2012年1月19日 (木) 11時14分

 ゆきりんさん、タマティーも地震雲を見ましたよ。
 でも、小さい地震雲だったので、そんなに心配する必要なないと思います。
 しかし千葉県直下で起こると、マジでビビるので、油断してはならなんですよ。

 最近は歯茎の痛みは全然ないです。

 うちの姉も大地震を探知していないみたいです。
 アイツは普段使い物にならないので、何か変化あればこのブログで公表します。
 大体、姉の電話は長いんですよ。
 1分で終わる話を1時間近くするので、聞いている方が苦痛ですよ。
 話を纏めるって本当に大事なことだと思います。

投稿: タマティー | 2012年1月19日 (木) 17時05分


タマティーさん、ユニークな
お返事ありがとうございます(*^^*)

まさか、あの着ぐるみがタマティーさん
だったなんて。。。(笑)
メディア露出していないか
テレビをチェックしておきますね(笑)

結婚にも排便は関係あるのですね!
『幸せになる為にはウンチしよう』作戦ですね
糠漬け、美味しくて好きなので頻繁に
摂取するようにしてみます。
根菜類や穀物も大好きなので
多めに食べるようにしてみます!

そういえば、食卓のご飯が
前は玄米だったのに
最近白米に戻っていました。

前より、排便の間隔があいてしまってた
気がしたのは、父が買ってきた白米のせいですね

父は玄米があまり好きではないみたいですが
母も私も好きなので、また玄米に戻して貰います!

『りあデラックス』なんて
惨めなニックネームは嫌なので、
きちんと排便出来るようにしたいです(;o;)

ちなみに私は太りやすい体質で
思春期は、ぽっちゃりな時期もありました

出産後は、体重が元に戻るどころか
妊娠前より痩せて昔よりは
太りにくくなった気がします

便秘解消して、もっとスリムを目指します
今回も、アドバイスありがとうございます

投稿: りあ | 2012年1月20日 (金) 05時14分

タマティー様、自分のダメダメな無難すぎた中学生時代を振り返りながら、メモを取りながら、読みました。アラフォーとなった今頃にようやく実母から精神的に自立して自分なりに幸せを実感できるようになったわたしですが、子供達には常に幸せを感じながら人生を歩んで行ってもらいたいので、タマティー様の記事を指南にしています嬉しいことに長女は女子校です。親以外の師匠には、すごく可愛がっていただいているピアノの先生が頭に浮かびました。うまく自立していけると良いです。

投稿: smilelarch | 2012年1月20日 (金) 14時52分

 smilelarchさんの娘さんは女子校ですか、いいですね!
 中学と高校は女子校とか男子校の方がいいんじゃないかなって思いますよ。
 女の子の方が成長が早いから、下手に男女共学だと成長が遅れてしまうんですよ。
 男の子は中学生の段階は馬鹿だし、それなのに高校生になると一気に急成長してきますからね。

 但し女子大は如何なものかって思います。
 女性は19歳になればもう大人になっているから、19歳以降、女性だけでいるってのは、成長が歪む可能性がありますからね。
 女子短大なら短期間だから、まだこっちの方は安全ですけど。

 まあ、とにかく学校中心にしてしまわないことですよ。
 ピアノやっているのなら、そっちの方に力を入れた方がいいですね。
 中学生になれば一気に才能が開花するかもしれませんよ。

 因みにピアニストの「住友郁治」さんて知っています?
 タマティーの知り合いなんですけど、彼、腕は物凄くいいんですよ。
 ただデブだから大損してますよ。
 松下奈緒みたいに、ピアノの腕がそこそこでも、美人ならブレイクしますよ。

投稿: タマティー | 2012年1月20日 (金) 17時45分

下の子の夜泣きでこんな時間に目が覚めてしまいましたお返事ありがとうございます。住友郁治さん、検索して風貌をチェックいたしましたタマティー様のお友達なら是非とも応援します松下奈緒さんのように育ってくれたら素敵ですピアノは脳に良い刺激になる実感があり、下の息子にも三歳から習わせています

投稿: smilelarch | 2012年1月21日 (土) 01時29分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 中学生という最も厄介な時期:

« キキは本当に恋をしたのか? | トップページ | おまけ 『魔女の宅急便』を他の作品と比較してみた »