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教育に於ける環境の大切さ

●大人は習慣、子供は環境で決まる

 この世に自己啓発本は沢山あれど、自己啓発本というのは要は「良い習慣を持ちましょう」といっているにすぎないのだ。良い習慣を持てばそれだけ生産性の高い行為を行い続けることができるのだから、自然と成功していくことができるのである。

 大体、飲酒喫煙やパチンコや競輪競馬をやっている人たちはそれらを自分が本当にやりたくてやっているのだろうか? 確かにビールは1杯目が美味しくても、2杯目以降は不味い水としか思えない。喫煙は医学的に百害あって一利なしの毒物なのである。パチンコや競輪競馬は遊びでやるなら別に構わなくても、これらをやる人たちは大抵が中毒になってしまうものだ。

 大人だからこそ自分の習慣は自分の力で作り出さなければならない。悪しき習慣に嵌っていた人が良い習慣に切り替えるためには、「断固たる決断」と「激しい苦痛」が伴う。しかしそれをやってのけてこそ、良い習慣を持つことができ、自分の人生を成功させることができるのである。

 ところがこれを子供に当て嵌めてはならない。子供はそうではないのだ。子供はまだまだ自立していないので、自分の力で良い習慣を作り上げるということができないのだ。大人にできるものでも、子供にとっては不可能というものがあるのである。

 では子供にとって大事なのは何かといえば、それは「環境」なのである。良い環境に身を置いてこそ、その子供は優秀な子供に育っていくし、悪い環境に身を置いてしまえば、その子供が天性の才能を持っていたとしても、禄でもない人間に育っていってしまうのである。

●授業は教師で決まる。学校は校長で決まる。

 教育関連の本は子供の個人レベルの「人格」とか「能力」とかに分解して述べた本が非常に多い。この手の教育関連の本は非常に危険である。大人が読む分には或る程度納得することができるが、いざ実際にやってみるとまるで違った結果が出て来てしまうからだ。

 教育で最も大事なのは実は「環境」なのである!

 その真実を述べた本がこちら!

  教育のプロが語る「できる子ども」は環境で決まる

 北野大著『教育のプロが語る「できる子ども」は環境で決まる』(ダイアモンド社)

 北野大というのは、「ビートたけし」のお兄さんである。一応、大学教授なのだけれども、タレントの方で有名になってしまっているので、本の内容は浅いと思うかもしれない。しかしタレントらしく要領よく会話しているので、現在日本が抱えている教育の問題点が容易に解ることができる。

 公立学校の校長や私立学校の校長、予備校の名物講師や予備校の経営者、教育に携わる人々から公立私立満遍なく聞いている所が物凄くいい。教育に携わっている以上、公立も私立も同じなのであって、言っている内容は基本的に似たようなことを言っているのだ。

 俺がこの本を読んでつくづく思ったのは、

 授業は教師で決まり、学校は校長で決まる!

ということだ。特に萩野文子が予備校での講義を面白くするために必死に努力した話には感動した。それと桐蔭学園の創業者がまだ生きていることにビックリしたし、桐蔭学園の担任団制は大いに参考になる。道理で桐蔭学園の卒業生たちは優秀な連中が多いわけだ。

 この本で惜しいなと思うのが、日教組問題に何も触れていないということだ。なんで日本の学校の教師たちが堕落し、校長が権力を振るえないのかといえば、日教組が余りにも権力を持ちすぎているからなのである。教育問題というのは要は日教組問題なのであって、それ抜きに考えられないのだ。

●子供の学力が伸びる方法

 北野大が教育関係者たちからインタビューして得た結論が次の5つである。この5つを実践すれば、子供の学力は簡単に伸びるのである。この「簡単に」に注目して頂きたい。子供の脳は成長過程にあるので、良い教育の仕方をすれば簡単に子供の学力は伸びるものなのである。

①良い先生と出会う

 教育で最も重要なのは「良い教師に出会う」ことなのである。これは本当につくづくそう思う。俺自身、小学六年生の時に予備校の講師の授業を受けてからグングン成績が上がっていったからだ。良い先生に出会うか否かは運不運があるので、教育には或る程度の偶然性が存在するものなのである。

②褒めて伸ばす

 良い先生というのは必ず「褒めて伸ばす」ということをやる。逆に駄目な先生は「生徒たちを叱り付ける」ということを平気でやる。試験で優秀な成績を取ったのなら、必ず先生が褒めてくれないと、子供は勉強する意欲をなくしてしまうものなのである。

③暗記暗唱の勧め

 良い先生は必ず「暗記暗唱の勧め」を行う。知識人の中には暗記を軽視したり、「詰め込み教育は怪しからん!」と発言したりする人がいるものだが、実際の勉強で暗記暗唱を軽視すればどうやっても成績は上がらないものなのである。

④本物に触れる

 若い内に本物に触れておくというのは非常に大事なことなのである。低俗な書物を読むよりは、古典を読むべきなのである。音楽が好きなら、実際にコンサートに行ってみるべきだし、絵画が好きなら美術館に行ってみるべきなのである。本物に触れていれば偽物が解るものなのである。

⑤家庭の役割

 教育に於いて家庭の役割はその根底をなす。俺が行った私立学校では母子家庭出身の生徒はたった1人しかいなかった。世間では離婚がブームになっていても、私立学校に我が子を通わせる親たちは離婚などせず、夫婦円満なものなのである。

●如何なる時も親は教師に勝る

 日本の教育問題がこれほど深刻になっているのは、実は戦後からなのである。戦前の教育は昭和初期までなら成功していたのである。それが軍部の台頭でおかしくなり、その後、GHQが日本を弱体化させるために教育破壊を行い、その教育破壊が文部科学省と日教組によって維持され続けてきたという悪しき歴史があるのだ。

 そこに悪乗りしてくるのが『朝日新聞』であり、『朝日新聞』が日本の教育に対して否定的な報道をし、それを見た『朝日新聞』の読者たちが反応して、場当たり的な教育改革を施すということを延々と繰り返しているのである。このため教育の現場では大混乱が起こっているのである。

 昭和憲法体制下ではどうやっても学校に素晴らしい教育を期待することはできない。これは教師個人の問題とかではなく、憲法体制の問題であるからだ。だから子供を持つ親たちは学校に対して変な期待を寄せるべきではないのである。

 こういう状況下では「学校に頼るな!」というしかないのである。如何なる時も親は教師に勝るのであり、親がしぶとくしっかりとした教育を施していくようにすべきなのである。如何なることがあっても、我が子を学校教育の犠牲者にしてはならないのだ。

 親が子供に教育しなければならないといっても、せいぜい高校を卒業するまでの18年間だ。実際には小学校を卒業する12年間だ。人生80年の時代なら、その期間は非常に短いものなのである。親として教えるべきことはきっちりと教えておけば、如何に憲法体制が腐敗していても、しっかりとした人間が育ってくるものなのである。

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コメント

タマティー様

おはようございます。
先日、お腹の張りに不安があり、相談させてもらった、今妊娠八カ月のともぞうです。

 何度も相談させてもらってすみませんが、よろしくお願いします。

 昨日、赤ちゃんに名前を聞いてみたところ、夢に名前(漢字も読み方も)が出てきたのですが、姓名判断ではあまり良くない結果になりました。
性別は断定出来ませんが、女の子だろうとの事です。
天格(8)吉、地格(14)大凶、人格(18)吉、外格(4)大凶、総格(22)凶、という結果になりました。

 読みの雰囲気では、いい感じで、旦那も気に入ってくれています。
読みはそのままで漢字だけでも変えてもいいのでしょうか・・・。
それとも、やっぱり夢で教えてくれた赤ちゃんを信じた方がいいのか迷っています。

 私自身の名前は、親が字画をちゃんとみてもらって吉数で名前を決めてくれたそうですが、正直、自分の人生を振り返ってみて、良い人生だったとはあまり思えないマイナス思考気味(常におびえて不安・神経質で鬱傾向あり)なので、字画だけでは人生の中身まで判断出来ないかもしれないと思うのですが、迷っています。

 タマティー様、よろしければアドバイスよろしくお願いします。

投稿: ともぞう | 2012年3月26日 (月) 07時58分

タマティー様

エリンに感動&妊娠した、りんりんです☆

今日の内容を読んで相談したいのが、
一歳半の長男が10ヶ月の頃から認証保育園で、モンテッソーリ教育を取り入れた園に通っており、私は仕事であまり一緒にいられないのですが、とて
もいい子に育ってくれています。
しかし、四月から認可保育園が通り、昭和40年代築の、さらにキャラクター満載&本当に個性豊かな子供がいる保育園に通うこととなりました。

モンテッソーリの認証保育園は3歳までしかないため、いづれは新しい預け先を探さなければならないので、これを機に公立の保育園にしましたが、レベルが下がってしまうようで、不安でしかたありません。
世の中には色々な人がいるので、色々な子供がいる保育園がいいと自分に言い聞かせていますが、やはり丁寧な保育園を選んであげた方がいいのか、悩んでいます。。。

投稿: りんりん | 2012年3月26日 (月) 18時52分

 ともぞうさん、まず夢の中で教えて貰った名前は、それはそれで尊重しておいた方がいいです。
 尊重してくれると、また新たに名前を教えてくれるってこともあります。
 その一方で漢字を変えて、いい字画にすることもやっておいた方がいいのです。

 名前は赤ちゃんが教えてくれた名前を最善とします。
 姓名判断で人工的に名前をつけるのは、次善の策なんですよ。
 恐らく、ともぞうさんは自分の名前に対して位負けしてしまったか、自分の運命星と名前があっていなかったんでしょう。
 女性の場合、結婚すれば改姓するので、その点は非常にラッキーなんですよ。

投稿: タマティー | 2012年3月27日 (火) 07時06分

 りんりんさん、その心配よ~く解ります!

 変更しない方がいいんじゃないの?
 いい子に育っているのなら、動かさない方が無難ですよ。

 まあ、子供は適応力があるので、公立の方に行っても別に構わないけど。

 とにかく実際に現地に行ってみて、よく見てみることですよ。
 自分でグダグダ考えているより、現場を見た方が早いですよ。

投稿: タマティー | 2012年3月27日 (火) 07時13分

タマティー様。

アドバイスありがとうございました。
タマティー様に相談して、気持ちがすごく落ち着きました。

赤ちゃんの名前、読みはそのままで漢字を色々と候補を考えてみましたが、どれもあまり結果は良くなく、書いてみた感じもしっくり来なかったので、やっぱり夢で教えてくれた名前を候補の一番に考えたいと思います。
もしかして、また名前を教えてくれる事があるかもしれないのを楽しみにしながら待ちたいと思います♪
o(^-^)o

私自身の名前について、そういう解釈の仕方があったのですね!
納得です!
赤ちゃんにベストな名前をつければ良いってものでもないのですね!

タマティー様、本当にありがとうございました。
また今後もよろしくお願いします。

投稿: ともぞう | 2012年3月27日 (火) 13時04分

タマティー様

ありがとうございます。
うだうだ考えてても、来週から新しい保育園なので、とりあえず様子をみてから考えます。

実際みにいきましたら、今のところよりは断然広い園庭があり、何もかもがデカかったです。

今の保育園の先生たちも、「S(息子)ならどこでもうまくやっていける」と言ってくれましたので、とりあえず彼をみてみようと思います。

投稿: りんりん | 2012年3月29日 (木) 21時45分

タマティさま
お久しぶりです。母子家庭で一人息子を私立進学校に進ませ、高校時留学をタマティさまにご相談して応援の返信を頂いたぱちゃです。
状況が変わってきたので又々ご相談です。
留学をさせるか、どうか又々迷っています。なぜならば、留学への興味を深めさせたいと計画したハワイ旅行、キャンセルしました。帰国のよく日がクラス決めの学力テストだったので。旅行を諦め勉強したかいあって特進クラスになりました。順調に習熟すれば、ひょっとすると、首都圏の国公立大学も夢ではないかもと?!
留学は大学在学中でもいいかもしれないと迷っています。
タマティさま
本人の意志が一番大切ですが、よき導きが親の務め。留学が先か、大学が先か、一般的に、タマテイさま的に、どう思われますか?ご指南下さいませ。よろしくお願い致します。

投稿: ぱちゃ | 2012年3月30日 (金) 01時41分

 ぱちゃさん、特進クラス!
 息子さん、よく勉強しました!
 大学進学を先にしましょう。語学は後でもいいです。

 現在、日本は少子化のために、特進クラスにいるなら、非常に高い確率で偏差値の高い国公立大学にいけるんですよ。
 ぱちゃさんの経験で考えると非常に危険ですよ。

 但し、特進クラスにいる以上、脳に負担がかかりすぎるので、脳にいい食事を出しておかないとね。
 お勧めは「納豆」「カレー」「クルミ」ですね。
 それとスポーツをして体を鍛えることですよ。
 高校生の時に筋肉が威容は発達しますので、勉強ばかりするのではなく、体を思いっきり動かした方がいいんです。

投稿: タマティー | 2012年3月30日 (金) 07時38分

タマティさま
ありがとうございます!
考えがまとまってスッキリしました。
大学進学を先に!親子で頑張ります。
脳に良い食事!気を引き締めて手作りします。昨日も残業でマックドライブスルーを喜んで活用。今日は塾に間に合わないって月見うどん…。母失格と叱ってください。
運動は大好きな息子です。テニス部とハンドボール部で迷っています。私には本当に可愛く、自慢のいい息子です。
納豆、カレー、くるみですね!くるみ?ヒジキ煮とかにいれてみようかしら?息子の足をひっぱらないように!
タマティさま、いつもアドバイスありがとうございます!

投稿: ぱちゃ | 2012年3月30日 (金) 21時08分

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