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作家名の法則

●作家名は「作家の運命」を決定する

 作家にとって作家名は非常に大事である。作家名こそが「作家の運命」を決めてしまうのだ。大体、安易な気持で作家名をつける作家はいないだろうが、なんせデビュー前に作家名を決めるために、その作家に思慮が不足していれば、当然に滅茶苦茶な作家名をつけてしまうことになる。

 文豪の夏目漱石の場合、本名が「夏目金之助」だから、これでは作家名としては味気ないので、それで「夏目漱石」という作家名にした。漱石とは『晋書』にある「漱石枕流」からきており、「頑固者」という意味である。事実、夏目漱石は胃潰瘍で死亡している。頑固者がなりそうな病気である。

 もしも夏目漱石が夏目金之助で小説を書いていたら、あそこまで大ヒットしなかったし、文豪として歴史に名を残さなかったであろう。夏名漱石だからこそ良かったのであり、それ以外の作家名ではダメだったのである。作家にとって作家名とはまさに「運命」なのである。

 作家として生きていく場合、実名で活動するのは良くない。実名は自分の生活で大いに運気が使われており、作家として大成していくための運気が残っていないのだ。本名と作家名の2つを持ち、それによってそれぞれの事をなしていけばいいのである。

 作家の卵たちは自分の小説を書くことに躍起になるが、作家名を真剣になって考える者は少ない。だからこそデビューする前に自滅してしまったり、やっとデビューできても、すぐに消えたり、長らく苦戦を強いられた上に消滅という現象が起こるのである。

●男性は「漢字」、女性は「平仮名」?

 作家名には或る一定の法則がある。今まで色々な作家たちが作家名を使ってきたので、徐々に「作家名の法則」が見えてきたといっていい。科学的な法則ではないにしろ、飽くまで参考としてこの「作家名の法則」を知っておいた方がいい

①第一法則

 男性は「漢字」が良く、女性は「平仮名」が良い

 日本の文学史を見れば解ることだが、男性の作家たちは殆どが漢字で作家名を作っている。男性の作家なら敢えて漢字以外の文字を使うべきではないのである。漢字以外の文字を使った時点で、「自分はもうヤバイ!」と思うべきなのである。

 女性の場合、漢字を使うより平仮名を使った方が良い。小説家なら「宮部みゆき」、漫画家なら「一条ゆかり」がその代表例で、他の女性作家や女性漫画家に比べて断然に巧いのである。一つ頭が抜きん出ているというより、レベルが違うというべきなのである。

②第二法則

 男性の場合、平仮名を使うのはダメだが、女性の場合、「平仮名」でも「漢字」でも別に構わない

 男性の作家の場合、作家名に平仮名を使っている時点でアウトだと見ていい。「井上ひさし」がその代表例だ。井上ひさしは遅筆で有名で締切日を遵守できなかったし、その作品の内容もイマイチな物が非常に多すぎるのだ。カトリック信者でありながら、隠れ共産主義者という異常な性格が、キリスト教徒にも社会主義者たちにも受けたにすぎないのだ。

 女性の作家は平仮名が良いからといって、必ずしもそうとは言い切れない。「吉本ばなな」が存在するからだ。彼女の作品は小説として成立していないと言っていいくらいにひどい。平仮名の作家名に良いのがないのなら、次善の策として漢字を使ったって別に構わないのだ。

③第三法則

 男性が漢字以外の文字を使いたいなら「片仮名」を使うべし

 男性の作家がもしも漢字以外の文字を使いたいのなら、片仮名を使えばいいのである。「ジェームス三木」や「越谷オサム」といった代表例がある。片仮名は平仮名よりも角張っているので、男性向きの文字だと言っていいのである。

●「一字名」「二字名」「三字名」

 作家名の名の部分が「一字名」か「二字名」か「三字名」かというのは、その作家の作品の内容に大きな影響を与えている。

①一字名は短編小説に有利

 一字名の場合、短編小説に有利である。「中島敦」や「井上靖」は短編小説が非常に巧い。短編小説は枚数が限られているので、内容を凝縮させなければならず、そうなると一字名の方が断然に有利になるのだ。一字名の作家は短編小説をビシバシと書いていくべきであろう。

②三字名は長編小説に有利

 三字名の場合、長編小説に有利である。「司馬遼太郎」の長編小説は非常に面白い。長編小説では登場人物たちを多数登場させねばならず、その登場人物たちをあれこれ動かしていくためには、三字名ではないと拙いのだ。三字名の作家は長編小説をしぶとく書いていけばいいのだ。

③二字名はどちらでも

 二字名の場合、短編小説でも長編小説でもどちらでも対応できるということなのである。「松本清張」は小説が短くても長くても巧い。小説家として生き残っていくためには、短編小説も長編小説もこなさなければならないから、だから二字名の作家たちが多いのであろう。

 こうやって調べていくと、自殺していった作家たちの自殺理由が解ってくるのだ。例えば「芥川龍之介」である。彼は三字名だから長編小説を書くべきだったのである。ところが芥川龍之介は短編小説が受けてしまったために、短編小説ばかり書いていたのである。そのために人生の袋小路に入ってしまったのである。

 逆に太宰治は一字名だから短編小説を主に書いていれば良かったのである。ところが徐々に小説が間延びしていき、短編小説以外の物を書くようになったしまったのだ。『グッドバイ』を連載中に自殺したというのは、一字名からしてみれば当然のことなのである。

●作家名らしい顔になることの大切さ

 作家名は本名ではない。しかし作家として仕事をしている時間が長い以上、徐々に本名よりも作家らしい顔になってくるものなのである。作家名を持ったのに自分の顔が変わらないというのは非常に問題がありすぎるのだ。そういう作家は大成しないことだろう。

 戦後、司馬遼太郎が国民作家になることができたのも、自分の作家名に相応しい顔を作っていたからなのである。若かりし頃の福田定一は大阪外国語学校というどうでもいいような学校に行っているそれほど優秀な学生ではなかったのである。それが司馬遼太郎という作家名を使い出したら、顔がどんどん変わっていき、それで名作をじゃかじゃか生み出していったのである。

 作家名が余りにも凄すぎるとその作家名に潰される者たちも出て来ることだろう。逆にふざけた作家名をつけていれば、その作家名のために自分の作家人生が潰されてしまう者も出て来ることであろう。理想は持ちつつも、無茶をしないような作家名にした方がいいのだ。

 「玉子が先か、鶏が先か?」という議論があるが、作家の場合、作家名が先なのである。だから作家はデビューした時点で作家人生のかなりの部分が決まってしまう。「如何なる作家も処女作が一番面白い」というが、その作家が自分の作家名をどう考えたかは、デビュー当時で全て解ってしまうものなのである。

 読書をする場合、本だけを読んでいてはダメだ。作家を見よ。その作家がその作品を作ったのであり、作家自体を見切らないと、その作品をきちんと理解することはできないのだ。そういった意味で、作家名が作品にどのような影響を及ぼすのかを考えるのは、読書家にとって非常に楽しい試みなのである。

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