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老木の話

●老木だからこそ生き残った

 『荘子』「山木編」にはこのような話が出ている。

 荘子が山中を旅した時、枝も葉も存分に生い茂った大木を見た。ところが樹木を伐採する樵がその傍らで足を止めても、その大木を伐採しようとはしなかった。そこで荘子がその樵に、

「どうしてこの大木を伐らないんだ? 非常に立派な大木ではないか?」

「そうはおっしゃるけど、この大木はどうにも使い物にならないんだ。だから伐採しないのさ。」

 荘子はこの樵の答えに感動し、

「この大木は能無しの役立たずであったために、天寿を全うすることができるのだ。」

と呟いた。

 我々は山の中で老木を見ると、老木ゆえに感動してしまう。しかし冷静に考えてみれば、老木というのは役に立たない木だったからこそ生き残ってきたわけであり、別に感動するほどのものではないのだ。荘子のような世捨て人なら感動できるけど、経済的合理性を考えれば、その老木を切って新たな木を植えた方が、余程「山のためにもなる」し。「人間たちのためにもなる」のだ。

 「原生林」であるなら、人間が何も手出しする必要性はない。自然の姿のままで放置しておけばいいのだ。しかし人間が山に一旦手出ししたら、もう人間が関与し続けるしかないのだ。老木を切り倒し、潅木を伐採し、その一方で植林を行っていき、若い木をどんどん成長させていかなければならないのだ。

 平地に住んでいる人たちには解りにくいが、山というのは多くの富を生み出すものなのだ。材木が取れるのは勿論のこと、それを炭にしてもいいし、山菜やキノコやシイタケが取れるし、野生動物だって取れるのだ。都会のようなストレスが多く、貧困が常に付き纏う世界とは全然違う豊かな世界が広がっているものなのである。、

 しかしその分。労働は激しい。山に住む人たちは皆、朝早くから働くものだし、仕事の最中はサボったりしない。山の仕事は沢山あるのであって、それをきちんとこなしておかないと、山は人々に恩恵を与えてくれなくなってしまうのだ。

 荘子のように労働などせず思索ばかりしているような人間なら老木を見て感動することができる。だが実際に山で働いている人たちにしてみれば、この老木は邪魔物以外の何物でもないのだ。荘子の意見に感動するのではなく、荘子の意見に対して「お前はバカか!?」と言い切る態度こそ必要なのである。

●なぜ無能な人間が出世してくるのか?

 これが人間の組織になると余計に厄介なことになるのだ。山の中で老木が存在してもそれほど迷惑にならないものだが、組織の中で無能な人間が存在した場合、その組織に於いては非常に迷惑になるのだ。その無能な人間が大した仕事をしないだけでなく、その無能な人間のために組織が機能停止に追い込まれることになるのだ。

 それにしてもどうして無能な人間が出世してくるのか?

 一言で言ってしまえば、「指導者育成システムの欠如」があるからこそ、無能な人間が出世してくることになるのだ。組織の構成員を指導者にするのか否かはスタート時点でほぼ決まる。通常、会社などでは「一般職」と「総合職」の区別を設けて、総合職の者にだけ最初から特別な教育を施し、その者たちの中から出来のいい者たちを管理職にしていき、そしてその管理職の中で更に優秀な者たちを取締役していくのである。

 ところがこの当たり前のことができなくなる場合が出て来るのだ。まずは「縁故採用」だ。どこか有名な人物の息子や娘なりを縁故採用すると、行き成りいい地位を与えなければならなくなる。縁故採用の率が多くなればなるほど、無能な人間たちが会社の中で蔓延ることになるのだ。

 それと「減点主義」「非能力主義」「人事異動の硬直化」である。社員fが失敗する度に減点していたのなら、優秀な人材が育つわけがない。人間は失敗から学び取っていくのであって、減点主義をやってしまったら、失敗をしたことのない人物が出世してきてしまうのだ。

 会社を発展させるためには能力主義が絶対に欠かせない。ところが会社が適材適所ということを忘れてしまうと、平気で能力のない者を重要な部署に置いてしまうのである。それに追い討ちをかけるのが人事異動の硬直化なのであって、或る人物を余りにも長期間置いてしまったり、逆に頻繁に部署を交代させていると、その者の能力が上がっていかないことになるのだ。

 トドメは権力闘争であって、権力闘争が激しすぎると、権力闘争で有能な人間たちが疲れきってしま、その間隙を突いて無能な人間が出世してきてしまい、事もあろう事か社長に就任してしまうのである。こうなるとその会社が潰れることになるのだ。

●定期的なリストラ

 無能な人間が出世してこないようにするためには、一体どうすればいいのだろうか?

 それは非常に簡単なことで、定期的にリストラを行うことなのである。

 リストラすることで無能な人間を排除するしかないのである。無能な人間が社内にいては、ただ単に無駄飯いをさせて会社に損害を発生させるだけでなく、その者が出世してきて会社の重要な部署に就いてしまうという非常に危険なことをやってくれるのである。

 如何なる社員であっても40歳になればもうその者の実力が解るものだ。だから40歳前後に於いて、無能な社員を解雇していくべきなのである。特に管理職で出世競争に敗れた者は切り捨てていくしかないのだ。上に行けば行くほどポストは少なくなるのであって、出世競争に敗れた者を残しておいても意味はないのだ。

 社長たる者、社員の内、20%は無能者だと思っておいた方がいいのだ。リストラを実施する際はその20%の社員たちを狙い撃ちで切り捨てていくべきなのである。会社というのは組織が肥大化する傾向にあるので、いつか誰かがこのリストラを実施しないと、社内に無能な人間たちが蔓延ることになるのだ。

 会社経営で気をつけるべきことは、「男性だけの組織にしない」「女性だけの組織にしない」ということなのである。人間は同性同士を集めるとダレルという性癖があるので、男性だけを集めてしまったり、女性だけを集めてしまうと、その組織そのものが無能化していくことになるのだ。こういう場合、個人を解雇するのではなく、その組織そのものを破壊しねければならなくなるのである。

 既婚女性であっても働ける労働環境を整える一方で、独身女性たちが大量増殖しないよう心掛けることだ。非婚を唱えるオバサン連中が増えてくるのなら、その会社は或る意味、病的な症状が既に出ているということなのである。

●長寿であってもなんの功績もない老人は生きている価値がない

 マスコミとかでは若い男女の働きの方が報道されまくるのだが、実際の会社では40歳以降の男女の働きの方が遥かに重要なのである。40歳以降は脂の乗った時期なので、そこそこの能力がありさえすれば、多くの仕事を成し遂げていくことができるものなのである。

 40歳まで会社に残れたということは、一応、会社から「お前は有能だ」と認められたことなので、その会社の経営が危機にでも陥らない限り、解雇されることはないのだ。だからこそ自分が定年退職するまでの間、真剣になって働き、多くの功績を打ち立てていくべきなのである。

 長寿社会に於いては、長寿だからこそ仕事ができる時間が大量にあるということを決して忘れてはならない。昔は「人生50年」だったから、40歳になればもう隠居なのである。この習慣を今でも引き摺っている会社員たちは非常に多いのである。だからこそ大事な時に遊び呆けてしまうのである。

 40歳以降で病気に罹る人は、仕事しないからこそ病気に罹っているのである。40歳をすぎても自分のすべき仕事が解らないからこそ、遊び呆けてしまい、その挙句が大病なのである。こういう人物は死んでくれた方が有難いのだ。長寿であってもなんの功績もない老人はとっとと早く死んだ方がいいのである。生きれば生きるほど、生き恥を晒しているだけなのである。

 長寿であればこそ、「老害」が深刻な問題になるということを絶対に忘れてはならない。生涯現役は老害を引き起こすだけなのである。自分の髪の毛が白髪になったら会社を去るべきだし、ましてや杖を持たずに歩けないようならもういい加減に会社を去るべきなのである。

 ではそうやって退職した人になんにも仕事がないのかといえばそうではないのだ。「若手の育成」という大事な仕事があるのだ。慈善活動に励むという仕事もあるのだ。そういうのは会社にいては全く見えてこないのだ。会社を去るからこそ、見えるものなのである。

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コメント

 ゆきりんさん、ドンビキする以前に、コメント引っ込めろというから、コメントの仕様がないじゃないですか!?happy01

 こういう場合、親不孝だろうがなんだろうが、自分達の家族を最優先しないと。
 長女が中学に上がれば、何かとお金がかかるのだから、きちんとお金を確保しておかないと、ゆきりんさん夫婦のために、長女が犠牲になりますからね。
 そうすれば次女も、そして三女もってことになりますよ。

 ただ、俺はその団体のことが良く解らないんです。
 多分、前は小さな団体で、それが多少大きくなって、その際に組織変化に失敗したんじゃないかと思います。
 組織化の能力はこれまた別個の能力なんでね、この能力の持ち主がいないと、なかなか組織変化ができないんですよ。

投稿: タマティー | 2012年5月12日 (土) 17時37分

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