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「安全神話」こそが大嘘なのじゃ!

●東京電力の内部に神話などない

 福島第一原発の事故に対して政府の事故調査委員会の調査結果が発表された。その結果はなんと「東京電力が安全神話に囚われた」というものなのである。「こんな下らん結論を出すために、わざわざ税金を使って調査するな!」と言いたくなる。しかも委員長は「失敗学」の創始者の畑村洋太郎だから余計に怒りが増大するのだ。

 「安全神話」なるものを指摘するのが如何にバカバカしいのかは、東京電力の社員たち全員が安全神話など持っていなかったことを見ればすぐに解る。原子力発電所というのは、科学の理論に基づいて作られ、科学技術の粋を集めて作り上げたものである。だから東京電力の内部に如何なる神話も存在しえないのだ。

 政府の事故調査委員会が「安全神話」を持ち出したということは、政府自体が事故の真相を隠蔽したと断言せざるを得ないのだ。一体どこの先進国に「安全神話に囚われたことが原因であった」と指摘する国家があるというのだ。原発が科学の塊でできる以上、原発の事故の原因だって科学的なものなのである。

 嘗ての日本では「土地神話」なる言葉が盛んに使われた時期があった。なぜ地値があそこまで高騰したのか? それは人々が土地神話に囚われたからではないのだ。政府が農家を保護するために農地法を制定し、このために都市に対して土地が決定的に不足したのである。

 その後、プラザ合意で円高が始まり、それなのに日銀は低金利政策を取り、資金が市場に大量に流れ、その資金がよりによって土地に向かってしまったのである。これが地価高騰の真相なのである。なんてことはない。政府と日銀の失政が地価高騰を生み出し、それを誤魔化すために「国民が土地神話に囚われた」と言い触らしたにすぎないのだ。

●正体は「官僚主義」

 今回の原発事故の原因は、「東京電力の社員たちが官僚主義に洗脳されたこと」、これこそが原因なのである。

 東京電力が法律に基づいて地域独占をやっている企業であることを忘れてはならない。独占企業だからこそ官僚主義に洗脳され易いのである。東京電力が原発事故以降、国民に見せたあの横柄な態度こそ、官僚主義なのである。元を糺せば国会が東京電力に地域独占する許可を与えたからこそ、東京電力が会社として機能しなくなってしまったのである。

 しかも東京電力は独占企業として政府との接触を多く持たねばならなかったのである。余計にその官僚主義の洗脳度が高くなってしまったのである。政府の官僚というのは必ず「事勿れ」を遣り出すので、緊急事態への対策などやろうとはしてこないのである。

 恐ろしいことに東京電力の内部では、「大津波の存在」も「堤防の必要性」も指摘されていたのである。まだ地震学会で貞観大地震が通説となっていない段階で、東京電力は福島は大津波に襲われる可能性があり、だからそれを食い止める堤防も必要だという意見を持っていたのである。

 ところがこの意見が社内で握り潰されてしまうのである。それどころか緊急災害に対して何かしらの準備をするということ自体、握り潰されてしまうのである。会社の上層部にまで官僚主義の洗脳が及んだからこそ、原発事故が起こった時、全ての対応が後手後手に回ったのである。

 アメリカ政府の方は今回の原発事故に対して、「非常用電源を用意していなかった」と正しく指摘した。アメリカ政府は「安全神話」なる言葉を1つも出していないことに注目すべきなのである。非常用電源さえあれば原発事故など起こらなかったからだ。

 もしも東京電力の上層部が大津波の存在と堤防の必要性という意見を採用していれば、いずれ非常用電源を確保することの重要性にも気づけた筈だ。しかし官僚主義に洗脳されたからこそ、会社の経営陣たちはなんの対策も採らなかったのである。

●危機管理は別の組織で行うべし

 東京電力のような大企業になってしまえば、「通常業務」と「危機管理」の仕事を分けなければならない。通常業務は会社の仕事を普通通りやっていい。しかし危機管理は通常業務から離れ、緊急事態に発生するであろうことを全て想定し、その対策を練らねばならないのである。

 その際に絶対に取らねばならぬ措置がある。

①社長直属

 危機管理部門は絶対に社長直属にしなければならないということだ。社長直属でないと危機管理部門は危機管理部門として機能しなくなってしまうのである。危機管理部門は問題があるなら直ちに社長に報告し、社長はすぐさま決断を取るようにしなければならないのだ。

②勤務先に社宅を用意する

 危機管理部門で働く人たちには社宅を用意しなければならない。危機管理部門は緊急事態になった時、すぐさま駆けつけて貰わねばならないのである。それなのに交通渋滞で来られなかったというのでは話にならないのだ。本社ビルのすぐ近くに社宅を設けて、そこに住まわせるべきなのである。

③通常業務から切り離し、通常業務には従事しない

 危機管理部門は通常業務から切り離し、通常業務には従事しない。通常業務をやっていれば、危機管理の仕事などできないからだ。会社の経営陣が「危機管理部門の連中は無駄飯食いだから通常業務もやらせろ」というのでは、危機管理などできないのだ。

④あらゆる事態を想定して、その対策を考える

 危機管理部門はあらゆる事態を想定して、その対策を考えなければならないのだ。東京電力は地震対策に関してはしっかりとできたのである。しかし大津波の対策に関しては何もやっていなかったのである。これではダメなのである。

⑤非常時は独裁

 危機管理部門は緊急事態になれば独裁を実行する機関に早代わりすることになる。社長をトップに据えて、独裁的に処理していくのである。もしも社長がいない場合は、危機管理部門のトップが社長に代わって独裁を行うのである。

●外部の組織との連携

 東京電力が原発という危険な代物を持っている以上、もしも原発事故が起こった場合、自社だけで処理することはできない。必ず必要な外部組織と接触し、連携を作り、それを強化しておかなければならないのである。

 まずはなんといっても「政府」なのである。今回の原発事故が起こったのも、首相が「隠れ共産主義者」の菅直人だったからなのである。大地震発生後、福島第一原発はその対応で大あらわになっていたのに、そこに菅直人首相がやってきたのだ。その後に水素爆発が起こったのである。

 次に「自衛隊」である。今回の大震災でも解るように、自衛隊というのは非常に役立つ組織であるのだ。もしも原発事故の際に自衛隊の協力がなければ、本当に東日本に住む人々全員が避難しなければならないほどの大災害になっていた筈なのである。

 第三に「消防隊」である。原発事故では放射性物質が飛び散るために、輸送が困難になってしまうのである。今回の原発事故ではバッテリーの補給ができなかったという事態が発生してしまったのである。もしも消防隊がトラックを使って輸送してくれたのなら、原発事故は起きなかったかもしれないのだ。

 今回の原発事故で一番無責任な態度を取ったのは、実は「福島県」なのである。福島県は最大の被害者かもしれないが、普段から原発事故を想定し、その対策を取っていなかったからこそ、住民を無闇に避難させ、ただ傍観するという事態に陥ってしまったのである。

●人間は進歩しないが、科学は必ず進歩する

 最悪の事態が起こった時、人間は「これが最悪の事態だ」と思ってしまう。しかし違うのだ。最悪の時には、より最悪のことが起こるものなのである。今回の原発事故でも、菅直人首相がやってこなければ原発事故は起きなかったかもしれないし、その後、菅直人首相が東京電力の経営に介入してこなければ、もっと被害は軽いもので済んだかもしれない。

 ではなんで原発事故がこんな大規模なものになってしまったのかといえば、東京電力の経営陣たちが官僚主義に洗脳され、緊急事態のことを考えなかったからなのである。会社経営者としての能力が大いに欠ける連中が取締役会のメンバーだったからこそ、あんな無様な醜態を曝け出してしまったのである。

 今回、原発事故が起こったからといって、脱原発をするのは非常に馬鹿げている。科学というのは必ず進歩するのだ。日本は今回の原発事故で、大地震や大津波に耐えることのできる原発を作り出して行くことができるようになるのである。世界各国ではどの国もこんな技術を持っていないからこそ、日本の技術は世界の原発市場を確実に制覇することができるのである。

 その一方で、人間は進歩などしないのだ。脱原発を唱えている連中を見れば解るように、人間は寧ろ退化しているのである。特に知性の部分に於いてより退化しているのである。避難住民たちにしても東京電力が損害賠償を支払うといっているのに、その中から自殺者が出てしまうのである。故郷から暫く離れ、住宅もきちんと用意されているというのに、前途を絶望して自殺してしまうのである。

 「自分自身は絶対に正しい」と思い込んでいるからこそ、何も真実が見えてこないのである。東京電力にしても、原発関連の企業にしても、今回の原発事故を教訓にして、より安全性の高い原発を作れるようになるのだ。現在、廃墟と化している福島県東部もちきんと復旧復興がなされ、以前の状態よりも良くなるものなのである。

 近代国家に官僚や官僚制は必要であっても、官僚主義は要らないのである。だからこそ政府は定期的にリストラを行い、不要のj国家公務員を減らして行くべきなのである。政府がそういうことをしないからこそ、官僚主義に伝染する企業が現れ、それによって国民が大損害を被ることになってしまうのである。

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