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文明を生んだシャーマニズム

●古代宗教はシャーマニズム

 文明の誕生を唯物論に基づいて経済力によって解明しようとしてくる輩が絶えない。確かに文明はそれまでとは違う大きな経済力を持つが、だからといって経済力だけでは説明しきれないのだ。経済力というのは文明の産物であって、文明を生み出したものではないのだ。

 古代の人たちは何を最も大事にしていたのか? それは「宗教」なのである。宗教といっても現代のような堅苦しい宗教ではなく、「シャーマニズム」の宗教なのである。巫女が神懸りすることによって、神託を得るという宗教なのである。

 古代文明というのは、巫女が下した神託を実現するために人々は活動するのである。その結果、経済力が発展して行くのであって、経済力は飽くまでも宗教の産物にすぎないのである。唯物論者たちは考える順序が逆なのである。

 現在、シャーマニズムいえば無価値のものと断定されている。宗教というものはキリスト教のように信仰すべきものなのであって、個々の人々の魂の救済を図るべきものであると言われている。こういう先入観があると、古代文明の姿は何も見えなくなってしまうのである。

 古代文明は確かに巨大な建造物を作ったりしたが、それ以上に人間の内面を大事にし、シャーマニズムによって精神世界を豊かにしていたのではないか? そう考えると古代文明の本当の姿が見えてくるのである。

●≪古代の教師≫

 今回紹介するのはこの本!

 グラハム・ハンコック/エハン・デラヴィ共著『人類の発祥、神々の叡智、文明の創造、すべての起源は「異次元」にあった』(徳間書店)

 人間は進化の過程で脳を巨大化させていったのだが、実を言うと今から4万年前まで「人間らしい行動」を取っていなかったのである。脳は大きくなっても、そのままに放置されていたのである。しかし或る日突然に大きな変化が起こる。

 それは人間が異次元の世界を見てしまったからなのである。

 脳が大きくなると、体内から幻覚物質を分泌することができるようになり、自然に幻覚を見ることができるようになるのである。睡眠中に見る「夢」はその代表例なのである。もしも人間が幻覚物質を含んだ物を食べたらどうなるであろうか? 当然に強烈な幻覚を見ることになるのである。

 不思議なことにどの民族であっても、幻覚物質を用いて見る幻覚は殆ど同じなのである。煌びやかな世界の中で蛇がいたり、獣人がいたり、宇宙人がいたりして、自分をありえない世界へとトリップさせてくれるのである。

 グラハム・ハンコックはこの現象を「古代の教師」と呼び、この「古代の教師」によって人間は人間らしい行動を取ることができるようになり、そして文明を創造していくことができたというのである。人間は自分の大きな脳に対応するソフトをかなり後になってから手に入れたというのである。

 考えてみれば古代宗教というのは多くの共通項が有りすぎる。龍蛇を祀ったり、獣人の彫刻があったり、明らかに宇宙人として思えないような人物まで描かれているのである。バカな学者だと「古代に宇宙人がやってきて、人類を使って文明を作った」と言い出すだろうが、実際は古代人の見た幻覚だったとすれば、この謎は全て解けてしまうのである。

●シャーマニズム抑圧の過程

 古代宗教はユダヤ教の登場によって破壊されていくことになる。ユダヤ教が誕生した時期は寒冷期に当たっており、しかも砂漠に進出したために、龍蛇神を祀るようなことをせず、天候神を祀るようになったのである。ユダヤ教が厄介なのは、一神教であるために、異教徒たちに大量虐殺を働いたということなのである。

 その後に出て来たキリスト教はシャーマニズムを一切打ち砕く「信仰」を持ち出し、このためにシャーマニズムは徹底して破壊されていくことになる。信仰は個人で出来るものだし、信仰を幾らやっても幻覚を見るということが起こらないのである。

 仏教でもシャーマニズムは否定された。仏教では煩悩から解脱を行なうために、巫女たちの存在は完全否定され、個人が仏教に帰依して修行を行い、解脱を図るのである。こうなってくると神の存在も不要になってしまうのである。

 仏教が日本に伝来して以来、神道は生き残りをかけて変わっていかざるを得なかった。まず巫女たちを残しはするが、嘗てのように神懸りになることはせず、神職者たちのサポート役に回るようにさせたのである。神道は古代宗教に属するのに、古代宗教としての性格を捨て去らない限り生き残ることはできなかったのである。

 政府というのは、どの体制であっても、神懸りに対して警戒し、時には宗教弾圧や宗教迫害を繰り返した。幻覚物質に関しては麻薬と称して、これも取り締まった。政府にしてみれば、国民が自分の内面にトリップしてしまうことほど危険なものはないのだ。国民が世俗まみれになればなるほど、政府としては国民を簡単な形で統治することができるからだ。

●豊かな社会のスピリチャルブーム

 先進国はどの国家も経済的に豊かだから、人々は幸福な筈である。しかし実際は幸福ではなく、悶々と何かしらの不満を抱えているのである。その不満を解消させるべく出て来てきたのがスピリチャルブームなのであって、このブームはかなり多くの人々を惹き付けているのだ。

 理由は簡単なのである。

 古代が終了して以来、人類は人間の内側を探求することをやめてしまったのであり、だからこそその不満が根強く残っており、その不満を少しでも埋めることができるのなら、すぐにそれに飛びついてしまうのである。

 なんてことはない。「古代宗教の復活」なのである。自分の内面を探求しないからこそ、幾ら豊かになっても満足できないのである。そのくせスピリチャルの本を読むと、解ったような解らないような変な感覚に陥ってしまうものだ。

 なぜなら作者自体、自分の内面にトリップしたことがないからなのである。ヨガのようなことをやって人為的に脳内で幻覚物質を作るか、違法とは知りつつも幻覚物質に手を出すかして、自分の内面を探っていかないと、スピリチャルに対して本当のことをいえないのである。

 ユダヤ=キリスト教に基づいた文明をこのまま推し進めていけば、地球環境が破壊されまくり、いずれ人類は絶滅してしまうものなのである。スピリチャルブームはそういう危機感があるからこそ、そう簡単には消えて行かないのである。

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