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ダメな本ほど、使いようによっては役に立つ

●ダメな本にはそれなりの使い道がある

 読書をし続けていれば、ダメな本に出会うものだ。ダメな本を読めば「あ~、損をした!」と嘆いてしまうものだ。確かに本を買うためにお金を出し、本を読むために労力と時間を注ぎ込んでダメな本を掴まされたのなら、そういう怒りが沸々と湧き上がってくるのだ。

 しかしダメな本にはそれなりの使い道があるのだ。ダメな本だからといって全部がダメではないのだ。ダメな本を巧く使わないからこそ、自分の知的生活が充実してこないのである。良書を読めば利益が大きいが、良書ばかり読んでいては、ダメな本は一体何がダメなのかということが解らなくなってしまうのだ。

 まず「ダメな本だからこそ、やってはいけないことを学べる」ということなのである。良書というのは読み易いし、読めばその内容の奥深さに驚くものだ。ダメな本というのは読みにくいし、読めばその内容が非常に浅いのだ。

 ダメな本は結論がおかしい。その結論では問題の解決策にはならないのだ。結論がおかしいということは論理構成もおかしいということだ。論理学を勉強していないと、平気でこの間違った記述をしてしまうのだ。

 ダメな本は作者自体が怪しい。聞いたこともないような大学の出身だったり、一流大学出身であっても、その大学のレベルなら絶対に書かないような物を書いてくるのだ。「今までお前は何をやっていたんだ?」ということになるのだ。

●ジャーナリストが書いた本

 俺がダメな本の筆頭に挙げるのは、ジャーナリストが書いた本である。特に新聞記者の書いた本である。新聞は情報の垂れ流しにならざるを得ないので、そういう業界で働いていた人が書いた本は確実にダメな本になってしまうのである。

 ジャーナリストが書いた本は、読み易いように見えて、実は読みにくい。ジャーナリストとして不特定多数の人たちを相手にする書き方をしていたために、本のように読者が限定されている物ではその書き方ではダメなのである。

 ジャーナリストが書いた本の最大の特徴は「内容がない」ということだ。ただ単に情報の寄せ集めになっているので、自分で調べて、自分で考え抜いた物ではないのだ。だから情報量はあるのに、内容がないのである。

 ジャーナリストが書いた本に対して、「これはダメな本なんだ」と答えを見つけることができると、自分の知的生活のレベルが急上昇していくものだ。ジャーナリストが書いた本はダメな本の典型例なので、これを切り捨てれば、価値ある本は一体どれなのか自然と解るようになるのだ。

 知的生活に於いては、新聞とかテレビといった物が天敵となるものなのである。世俗のどうでもいいような情報に付き合っていたら、読書をする時間がなくなってしまうのは当然のことなのである。だから新聞やテレビを最小限にし、読書ができる時間を確保すべきなのである。

●学者が書いた本

 ダメな本の二番手に位置するのは、意外なことかもしれないが、学者が書いた本である。学者というのは下手糞な講義をしても、粗悪な本を書いても、「この下手糞!」「詰まんない本を書くな!」とは言われないのである。学者が大学に於いて持つ特権によって、その身分が守られているのである。このため学者が書いた本にはダメな本という物が多々あることになってしまうのだ。

 俺は「東大出身の学者だけが良い本を書く」と断定している。「東京大学の学者」ではなく、「東京大学出身の学者」である。東大は毎年3千人程度の学生を入学させるのだが、この学生たちは同年代の中で最も頭のいい連中なのである。その連中が学者になって本を書けば、高い確率で出来のいい本を書いてくるのだ。

 もう1つは防衛大学校の教官たちである。日本の大学では軍事学はここでしか教えていないので、防衛大学校の教官が書いた本は本当に貴重なのだ。軍事学を学んでいない人が政治学や行政学や経済学を論じても無意味なのだ。国家は軍隊があってこそ独立できるのであって、近代国家の知識人たちにとって軍事学は必修の学問なのである。

 宗教系の大学の学者たちも当たりが多い。「国学院」や「上智大学」といった大学では、日々宗教のことを真面目に研究しているので、そこの学者に本を書かせると、「なるほど!」と言ってしまうほど、普通の人たちとは違う意見を言ってくるのだ。

 これら以外の大学では、どうしても程度が落ちてしまうのである。私学の雄の早稲田大学ですら、レベルは低いものなのである。大学がしっかりとした教育理念を持つとか、学者たちに対する審査を厳しくしないと、どうしても学者のレベルが上がってこないのである。

 因みに学者の書いた本で、「どうも言っていることが解らない」と思うなら、自分の頭の悪さを嘆くのではなく、その本がダメな本であると断定してしまった方がいい。その著者自体がきちんと自分の考えを纏めず、ダラダラと本を書いただけのことなのである。

●社会主義者やフェミニストたちは自分の意見を言っていない

 近代国家には「学問の自由」があるが、この「学問の自由」が正常に作動するためには、「人々がイデオロギーによって洗脳されなければ」という条件がつく。近代国家の学問がおかしくなっていったのは、社会主義やフェミニズムといった洗脳力の非常に強いイデオロギーが出て来たからなのである。

 社会主義やフェミニズムは自分が30歳を過ぎて、一人前の大人として充分な人生経験と知恵を持ってから、そのイデオロギーを信奉するのではない。大概は大学生の時に、社会主義やフェミニズム二洗脳されている教授から洗脳されてしまうのである。

 洗脳は新たな洗脳を呼ぶのである。

 俺は社会主義者やフェミニストたちが書いた本を読まないようにしている。なぜならこれは自分の意見ではないからだ。イデオロギーの意見だから、幾ら読んでも納得できないのだ。自分たちのイデオロギーを正当化するために屁理屈を捏ねているだけなのである。

 社会主義者やフェミニストたちは平等を唱えて、「貧富の格差」や「男女の性差」を指摘してくるのだが、それはただ単に現実を認識できないだけのことなのである。この世は不平等なのである。「貧富の格差」や「男女の性差」があるのは当たり前なのである。

 この世で平等を実現することなど絶対に出来ない。しかし公平を実現することならできるのである。お金持ちであろうが貧乏人であろうが公平に扱う。男性だろうが女性だろうが公平に扱う。人間は公平に扱われれば、満足するものなのである。平等を唱えるからこそ、おかしなイデオロギーを人工的に作り出さなければならなくなっているだけのことなのである。

●最低限のレベルの到達してこない人

 本というのは或る一定のレベルに到達してこないと、どうにもならない物なのである。最低限のレベルに到達してこないのなら、それはダメな本であるのだ。出版界の厳しいルールが解っていないと、ダメな本を平気で出してしまうことになるのだ。

①漢字の使用量が少ない作家

 日本語は「漢字」「平仮名」「片仮名」を使うのだが、漢字を多く使っていかないと、どうしても情報量が少なくなってしまうのだ。だから漢字の使用量が少ない作家は、ダメな本を書きまくっていると推定していいのだ。

 読書をし続ければ解ることだが、平仮名や片仮名が多い本はいずれ読まなくなる。「漢字で纏めれば圧縮できるじゃん」と思ってしまうのだ。日本語の場合、漢字をどのように使うかで、その本のレベルが大体決まってしまうという恐ろしいルールが存在しているのだ。

②独身女性は要注意

 女性作家の内、独身女性は要注意である。自立していない可能性が高いからだ。独身の時に本を書いても、自分が結婚した後のことを考えておくべきなのである。自分が結婚した後に赤面するような内容の本は書くべきではないのだ。

 女性は結婚すると大いに変わるものなのである。しかも妊娠して出産すれば、それこそ「生命の神秘」に出会うことであろう。だからその女性作家は結婚しているのか、子供はいるのかということは、読者たちにとって非常に重要な情報になるのだ。結婚して子供がいる女性作家なら、まずちゃんとした内容の本を書いてくるものなのである。

③妻に先立たれた男性作家

 男性作家の場合、結婚しているのか否かは問うことはないが、既婚の男性作家が妻に先立たれてしまった場合、問題が発生することになる。まずこうなってしまうと、その男性作家のレベルが一気に落ちてしまうのである。

 男性作家の場合、妻の支援があってこそ、著述をしていくことができるのである。だから自分の妻が先に死んでしまうということは、自分を支援してくれる者がいなくなってしまうということであり、それによって作家生命に終止符が打たれてしまうのである。

 人間の寿命は長いようにみえて、実は短いものだ。出来ることなら良書ばかりを読んで、質の高い人生にしてしまいたいものだ。しかし読書をしていればダメな本にも出会うものだ。そういう時はそのダメな本から。「なんでこの本はダメなのか?」を考えるべきなのである。それをやることが、自分の知的生活を底上げすることになるのである。

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コメント

お礼が遅くなりすみません。産後半年経ちホルモンのバランスが影響しているのかなと思っているのですが、寝付けずの日々、不眠のお陰で家事子育て意外何もする気になれない憂鬱状態の日々です。子育て難しいですが、余裕を持ちおおらかな気持ちであまり怒らない様にしようと思います。
お礼が遅くなりましたが、ご相談に載って頂き、大変勉強になりました。有り難うございましたm(_ _)m

投稿: 静 | 2012年10月10日 (水) 10時40分

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