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イギリス式節約生活 ~人生で一番大切な物は全部タダ!~

●外国人妻の特権

 外国人女性が日本人男性と結婚した場合、言語の違いや生活の違いなどで苦労することはあっても、自分が日本人男性と結婚できたことでそれを遥かに上回る利益を得るものだ。国際結婚は自国で自国民の男性と結婚するよりは利益が大きいと思うからこそやるものなのである。

 外国人妻が日本人男性との結婚を巧く成功させれば、何冊もの本を書き上げることができるものなのである。

①生い立ち、来日、日本での仕事

②日本人男性との結婚秘話

③祖国の生活の紹介、日本での生活の紹介

④語学関連

⑤両国の歴史や文学の違い

大雑把に見ても、この五作品を作れてしまうものなのである。この五作品は外国人妻が今に至るまで経験しまくったことなので、いざ自分がこれらのことについて書こうと思えば簡単に書けてしまうものなのである。

 しかし外国人妻が本を書く時に最大の問題点となるのが、「語学力」なのである。外国人妻は一応日本語を喋ることができる。だがその日本語が流暢かといえば、そこまで辿り着く人は少ないのだ。しかも日本語の文章を書くとなると、更に高度な語学力を必要とするので、外国人妻だからといって誰もが本を書いている訳がないのだ。

 外国人妻が本を書く場合、恐らく育児がひと段落ついた頃であろう。少なくとも日本に来てから10年以上は経っている筈だ。「来日してから今までの間、きちんと日本語を学んできたか?」が問われてしまうのである。それだけでなく、「外国人妻として考えるべきことをきちんと考えて来たか?」も問われているのである。

 尤も外国人妻が本を書く場合、必ず夫が手助けしてくれるので、名義上は外国人妻が書いたことになっているが、事実上は「夫婦の共著」なのである。ということは、「その夫婦の夫婦愛が本物であったのかどうか?」も問われて来るのだ。これは結構怖いことなのだ。

●豊かな日本の無駄遣い

 今回紹介するのはこの本!

 アリスン・デバイン著『お金がなくても幸せになれる イギリス節約生活』(光文社)

   イギリス節約生活―お金がなくても幸せになれる (カッパ・ブックス)

 アリスン・デバインはイギリスの労働者階級出身である。彼女が育った時期のイギリスはイギリス病に罹って不景気の連続であったのである。このため不景気が当たり前なのであって、イギリス式節約生活を自分の母親から仕込まれただけでなく、自らの率先して節約に努めたのである。

 そのようなアリスンが英語教師として日本にやってきたのが、当時の日本は経済繁栄を謳歌しており、非常に豊かだった。豊かであることは素晴らしい。しかし豊かだからこそ、日本のムダ遣いが非常に気になって仕様がないのである。

 スーパーやコンビニに行けば必ずビニール袋が付いて来る。歯を磨く時は水を出しっ放しにする。コピー用紙を無駄に使っている。自動販売機が至る所にある。日本では当たり前かもしれないが、不景気のイギリスで育ったアリスンにしてみれば、こんな無駄なことはないと思ってしまうのだ。

 この無駄遣いは日本の景気がいい時にはなんの問題にもならない。寧ろ経済成長をより促進させるものであろう。しかし日本が不景気になると、日本人はこの無駄が足枷になって、なかなか景気を回復させることができないということになってしまうのだ。無駄なことをやっている分、無駄にお金を使っているのであって、新規の産業のために資金を回せなくなってしまうのだ。

 日本人の俺が弁護させて貰うと、アリスンが指摘していることは、日本人の生活というより、アメリカナイズされた生活なのであって、日本人がこういう無駄をするようになったのは、戦後に入ってからなのである。戦前の女性たちは買い物に行く際、買い物籠を持って買い物に出かけたものなのである。

 日本のように資源のない国では、アメリカ人たちがやっている生活様式を真似ることはできないのだ。マクドナルドのハンバーガーを1個食べれば、地球が悲鳴を上げているものなのである。ああいう使い捨ての文化は資源が豊富にあるアメリカ合衆国だから出来ることなのであって、日本がそれと同じことをやってはならないのだ。

●家事は効率良く

 俺は最初、この本を読んだ時、「イギリス人女性から家事のあれこれを聞きたくない」と思っていた。なぜならイギリス人女性の家事の下手糞さはイギリス人男性すら嘆くものなのである。しかしこの本を読んでみると、イギリス人女性はそれなりに家事をきちんとこなしているのである。

 イギリスの労働者階級では、曜日ごとにやるべき家事が決まっている。

 日曜日は休息の日。

 月曜日は洗濯の日。

 火曜日と水曜日と木曜日は家事を最低限しか行わない。

 金曜日は遊びに出掛ける日。

 土曜日は買い物に出掛ける日。

 これを見て思ったのは。イギリス人の生活はドイツ人の生活に似ているということである。決してラテン型の民族の生活様式ではないのだ。それもその筈、アングロサクソンは元々ドイツの地に居たのであり、そこからブリテン島に渡ったのである。だから生活様式が非常に似ているのだ。

 しかしドイツ人の生活様式に比べると随分と杜撰である。ドイツ人女性はもっと家事をしっかりとこなすのだが、イギリス人女性は家事を大してこなさない。この差は食事の違いにあるのであって、イギリスの食事は物凄く質素なのだ。ドイツ人たちは食事をしっかりと大量に食うので、それでこの差が出て来るのである。

 労働者階級だと夫婦共働きになる。そこで家事は効率良く行うことになる。家事を効率良く行えば、お金と時間の節約に繋がるのだ。そもそもイギリス人女性が担当しなければならない家事の量は少ないのだから、これを効率良く行えば、どうやったとしても短時間で終わってしまうのである。

 家計の管理はイギリスでも妻の役目なのだが、家計簿をつけるだけでなく、予算表を立てた上でお金を使うのである。貯金は10%で、万一の備えに10%。ということは、収入の80%で生活していくので、これでは節約が可能だし、資産もしっかりと貯まって行くことになるのだ。幾ら貧乏であっても、貯金をしないとよりいっそう貧乏になってしまい、貧乏から抜け出せなくなってしまうのである。

●人生で一番大切な物はみんなタダ

 イギリス人は「幸せは七つの要素でできている」と考えている。しかもこれらの要素は全部タダなのであって、お金があろうがなかろうが手に入ってしまうものなのである。

「愛」

「友情」

「笑い」

「同情」

人生の目的」

心の平安」

歓び」

 「愛」が筆頭に来るが、愛だけでないのがイギリス人らしい。これがアメリカ人ならキリスト教が強いので愛だけで処理してしまおうとするのだ。しかしそれだと幸せには辿りつけないのである。愛だけで満足できるほど、人間の心は簡単ではないのだ。

 愛があれば友情ができ、友達がいればそこには笑いがある。自分が傷つけば同情してくれる。愛を唱えたとしても、友人がいなかったり、笑いがなかったり、同情されないという人は幾らでもいるものなのだ。友情こそが愛を現実的にさせるものなのである。

 「人生の目的」がなければ人生はどうやっても空回りしてしまう。「心の平安」がないと欲求不満を持ってしまい、自分の欲望が暴走してしまう。自分の人生に歓喜していないと、これまたおかしな方向に走ってしまう。人間は心の内面の充実が必要なのであって、これを疎かにしていると幸せにはなれないのだ。

 幸せはなんであるかを問うていないと、幸せはお金で買えると勘違いしてしまうものだ。人生で一番大切な物はみんなタダなのであって、お金では幸せを買えないのだ。お金で買える物は非常に限定されているものなのである。ところが日本のような経済大国になってしまうと、この当たり前の事実が解らなくなってしまい、それで迷走し始めてしまうのである。

●イギリスの底力

 この本に対して驚くべきことは、こんな出来のいい本を書いたのは労働者階級出身の女性であるということだ。アリスンの父親は週給で働く労働者なのであって、日本で言うなら派遣労働者だと思えばいい。そのような父親の下に生まれた女性はこんなにもレベルが高いのである。

 こんな素敵な女性がイギリスの労働者階級では当たり前のように存在しているのである。俺は「イギリスの底力」を感じてしまった。労働者階級でこのレベルなら、階級が上がったのなら、より素晴らしい人たちがいるということなのである。

 日本でなら大学を出たとしてもフェミニズムに洗脳されてしまうような女性たちが大量に出て来てしまうものだ。それだけ民度が低いということなのである。収入が少なくても生活を豊かにさせる方法は幾らでもあるのであって、それに気付かなければ何をやっても無意味なのである。

 日本とイギリスは言葉も違うし文化も違う。しかし俺はこの本を思いっきり楽しく読めた。やはり日本とイギリスは同じ島国であり、立憲君主制の国であるので、共通する物が多々あるものなのである。日本とイギリスの友好は絶対に強化すべきなのである。

 イギリスは階級社会だから、「貴族階級」「中産階級」「労働者階級」の三つの階級と満遍なく付き合っておいて、巧くルートを確保しておくべきなのである。そういう用心深さがあると、日本の外交はもっと出来のいいものになるのだ。今のようにアメリカ合衆国一辺倒では誰がどうやっても日本の外交は巧く行かないものなのである。

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