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ベストセラーの世界史

●要約能力 

 イギリス人曰く、「イギリス人には要約する能力が卓越している」とのことなのだが、読書家の俺としてはこの意見に思わず納得してしまう。というのは、イギリス人が書いた本は本当に要約されていて非常に読み易いのだ。英語を母国語とする人たちはカナダやオーストラリアやアメリカ合衆国もあるのだが、これらの人々には要約能力がないのである。

 これに対してフランス人には要約する能力が全く欠けていると言っていい。フランス人が書いた本を読むと、様々な情報を盛り込んであるので、「この本は重要な部分は一体どこなの!?」とこっちが訊きたくなってしまうのだ。フランスはヨーロッパの中心に位置するために、どうしても情報が集まり過ぎてしまい、本を執筆する際にもついついその癖が出てしまうのである。

 イギリスは絶対にヨーロッパの中心地ではない。島国としてヨーロッパ大陸と離れており、それでヨーロッパの情勢を冷静に見ることができたのである。だからいざ本を書く際にも不要な情報を全部削ぎ落して、必要なことしか書かない習慣が身に付いてしまったのである。

 片やフランス人はそういう必要性はないのであって、情報を大量に盛り込み、肉厚の本を作ってしまうのだ。フランスはヨーロッパ大陸の国家として、様々な情報を持たない限り生き残ることができないので、要約すればいいというものではないのだ。大事なことはどういう事態が発生しても、それに対応できる考え方を用意しておくことなのであって、そうしないと生き残ることができないのだ。

 島国である日本としては、どうしてもイギリス人の書いた本ばかりを優遇してしまう。地理的環境が同じなので、日本人だって要約能力が卓越しているのだ。しかし日本人だからこそフランス人の書いた本を読むべきなのである。そうやって要約された本ばかりに慣れてしまうと、不測の事態に対応できなくなってしまうからだ。

●ベストセラーの法則

 今回紹介する本はこの本!

 フレデリック・ルヴィロウ著『ベストセラーの世界史』(太田出版)

 ベストセラーの世界史[フレデリック・ルヴィロワ]

 ベストセラーには「ベストセラーの法則」がある。ベストセラーは物理的現象なのだから、それに対して科学的な法則が存在することは当たり前なのだ。ベストセラーを出すには「運」が必要だが、それは飽くまでもベストセラーの法則を使った上での話なのである。

①ベストセラーは瞬発的現象である

 まず「ベストセラーは瞬発的現象である」ということなのである。ベストセラーは出版市場が成立しないと出て来ない。或る一定の読者人口が存在するようになると、人々は1つの作品に熱狂するようになるのだ。ベストセラーは「理性」よりも「感情」に重きを置くものなのであって、読者たちの感情に訴える何かがないとベストセラーは発生しないのだ。

②ベストセラーは駄作が多い

 次に「ベストセラーは駄作が多い」ということである。ベストセラーは読者たちがその本を吟味した上で購入するのではなく、感情に駆られて購入することになるので、当然に駄作が多いということになる。販売部数が増えるということは、内容をスカスカにした方が良いということなのである。

③ベストセラーをロングセラーに変えていかなければならない

 第三に「ベストセラーをロングセラーに変えていかなければならない」ということなのである。ベストセラーをロングセラーに変えることのできなかった本は「屑本」である。しかしベストセラーをロングセラーに変えることができた本は良書である可能性が高いということなのである。このためベストセラーが発生した場合、玉石混交となり、それが良書なのか悪書なのかはすぐさま判定できないのだ。

 ベストセラーの法則が解ると、ベストセラーが出るということは、その国の出版市場が発展しているということであり、ロングセラーが出るということは、その国の文化レベルが高いということなのである。だからベストセラーを目指しつつも、ベストセラーばかりを狙ってはならないのだ。如何に末永く売れ続けるような本を作るかが大事になってくるのだ。

●ベストセラーの作り方

①良い原稿

 ベストセラーを出すためにはなんといっても「良い原稿を手に入れること」である。良い原稿がなければ売れないからだ。このために出版社は新人賞を設けて優れた作品を募集したり、既存の作家たちを抱え込んで売れるであろう作品を作って貰っているのである。

 しかしベストセラーになるような良い原稿は出版社から拒絶される可能性が高いということなのである。事実、作者が出版社から拒絶されまくり、やっとのことで無名の出版社がその原稿をゲットし、その後、ベストセラーになったという例が非常に多いのだ。

②辣腕の編集者

 ベストセラーを出すためには、良い原稿を手に入れるだけではなく、「辣腕の編集者」が必要なのである。しかし愚かな編集者に限って、折角手に入れた作者の原稿を弄り回すことに躍起になってしまうのだ。良い原稿は既に手に入っているのである。やるべきことは原稿を弄り回すことではないのだ。

 編集者がすべき仕事は「巧妙な宣伝」を行うことなのである。巧妙な宣伝とは「ターゲット宣伝」である。国民の中でも読書人口というのは常に限られている。その人たちに向けて宣伝すべきなのであって、無闇に宣伝すべきではないのだ。テレビCMで本の宣伝をしても、絶対にベストセラーは起こらないのだ。テレビ好きの人たちは本を余り読まないからだ。

③読書の習慣がある読者たち

 ベストセラーの陰の主役といっていいものが読者たちの存在である。ただ単に読者たちではなく、「読書の習慣」がある読者たちなのである。読書の習慣があればこそ、良い作品が出て来た時にその良さを理解し飛びつくのであって、だから読書の習慣がないと良い作品がベストセラーにならず、愚劣としかいいようのない本がベストセラーになってしまうのである。

 ベストセラーは普段買わない人たちが本を買うと起こるものだと、出版社の人たちは勘違いしている傾向が多い。ターゲット宣伝がまるで解っていないために、こういう勘違いをしてしまうのである。ベストセラーが発生した場合、読者たちの中核を占めているのは、常に読書の習慣がある読者たちなのであって、その者たちを引き入れない限り、絶対にベストセラーは起こらないのだ。

●出版市場への外的要因

 ベストセラーを出すためには、編集者の活躍が欠かせないのだが、かとって出版業界では編集者たちの中で「俺がいたからこそベストセラーを出せたんだ!」と勘違いするバカたちを生み出してしまう。ベストセラーは協業と分業があればこそ可能になったのであって、たった1人の活躍で起こる現象ではないのだ。

 世界で今まで売れた本のベストセラーランキングを見ると驚愕の事実が判明する。

第一位 『聖書』 60億部

第二位 『毛沢東語録』 10億部

第三位 『コーラン』 8億部

 なんてことはない、出版社とか、編集者とか、作家の活躍なんて全く関係なく、宗教や政治に関する本が圧倒的に売れているのである。だから宗教団体や政党が所有する出版社は別として、通常の出版社は宗教や政治に対して或る一定の距離を置いて冷静になっていないと、宗教や政治に対して全く歯が立たなくなってしまうのだ。

 出版社が教科書を出すことは充分に気を付けることだ。教科書は学校で使用されるために、売れるといえば売れてしまうのである。だからといってその教科書が良いとは限らないのだ。教科書は頻繁に改訂するので、今までロングセラーになった教科書というのはないのだ。とするなら、ベストセラーの法則の第二法則が作動してしまうのである。

 映画やテレビもベストセラーを引き起こす外的要因となる。原作を映画化したりドラマ化したり、芸能人がテレビで本を紹介したりすれば、その本はベストセラーになり易い。しかし映画やドラマは一過性の物だから、余程質の高い作品を作らないと、ロングセラーに持って行くことができないのだ。

 文学賞もベストセラーの外的要因とはその通りである。しかし文学賞それ自体は受賞作品の売り上げにはそれほど貢献しない。文学賞受賞作品がベストセラーになるのは、なんといってもマスコミに於いて大々的に報道されることが必要であって、それによって普段余り読書をしない人たちがその受賞作品を読むようになるのだ。

●新しいパラダイムの啓示

 ベストセラー作品は必ずしも良い物だとは限らない。ベストセラー作品の中には紛い物も含まれているものなのである。ベストセラーが起こっている時はその本に対して熱狂的になっても、そのブームが過ぎ去ってしまえば、ゴミとして捨てられる本だって多々有り得るのだ。

 ではなぜ世間の人々がベストセラーに注目するのかといえば、「ベストセラーはパラダイムシフトを引き起こしてくれる可能性があるからだ」ということなのである。我々は如何なる状況下に於いても、或る一定の枠組みの中で生きている。そしてその枠組みの中からはその範囲内の作品しか出て来ない。

 ところがベストセラー作品によってパラダイムシフトが起こると、既存の枠組みは破壊され、新たな生き方が提示されることになるのだ。人々がその新たな生き方を行うようになると、今までとは比べ物にならないほど豊かに幸せな人生を送れるようになるのだ。

 冷静に見て、先進国では定期的にベストセラー作品が誕生しているのだが、そのベストセラー現象が起これば起こるほど、その国の人々は豊かになっていっているのである。先進国の国民は本を買えるほどの可処分所得があるが、その余分なお金があるからこそ本を買い、それがたまにベストセラー現象を引き起こし、今までの利益の少ない生き方を否定することができるのである。

 ということは、人々が余りにもケチになりすぎて本を買わなくなり、ベストセラー作品が出て来なくなってしまえば、国民がどう働いたとして既存の枠組みが壊れないので、余計に貧乏になっていってしまうのである。ベストセラー作品の中には駄作も大量にあるのだが、そうだからといってベストセラー作品を毛嫌いしてはならないのだ。パラダイムシフトが起こせるのはベストセラー作品しかないのである。

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コメント

タマティーさん

ご報告があります。

年内に入籍することになりました。

タマティーさんのブログに出会ってコメントを投稿させて
頂いたのが2010年の秋だったので、それから早3年!?
30歳だった私も33歳になりました(苦笑)

タマティーさんのアドバイス通り仕事を思いっきりやって
職場で出会った男性です。
一度鑑定して頂いたら、止めた方がいいと言われた男性なんですが、どうも縁があったみたいで(苦笑)

それまでは合コン三昧だったので本当に仕事を一生懸命やってよかったと思ってます(笑)

今は二人で独立して仕事を一緒にやっています。

彼は午未なので来年から天中殺です。(私は申酉)
なので年内にプロポーズして頂き、入籍できるのは内心
とっても嬉しかったです。

彼はバツイチで3歳になる息子さんがいます。
公正証書に基づき養育費を払い、前妻と息子さんとも
月1回会っています。
私や両親は全て納得した上での結婚です。

結婚式やこれからの生活でタマティーさんから何か
アドバイス頂けたら本当に嬉しいです。

タマティーさんの結婚生活に関する過去の記事を
読み直していい家庭を作っていきたいと思っています!

師走のお忙しいところ失礼いたしました。

投稿: ダンボ | 2013年12月 2日 (月) 19時02分

ダンボさん、結婚おめでとうございます!heart04lovelyheart04

コメントですか?
とにかく前妻の子の養育費がかかるんだから、普通の夫婦のような遣り方では拙いですよ。
旦那さんには家族を養う稼ぎと、その養育費を支払う稼ぎがないと、夫として父親としてはやっていけません。

ダンボさんが自分で稼いだ分は、如何なることがあっても、前妻の子の養育費に充てないことです。
金欠だからといってダンボさんが出してしまうと、この男性は将来に亘って任せっぱなしになってしまい、夫として父親としての役目を果たさなくなります。

ダンボさん自体、結婚適齢期としては最後の年なので、丁度いい時期に結婚したと思うので、せめて1年間ぐらいは夫婦だけで愛を温めて、その後に妊娠出産とした方がいいです。
妊娠に急ぐことはせず、夫婦の愛の絆がしっかりと固める努力をした方がいい。

投稿: タマティー | 2013年12月 3日 (火) 07時25分

お忙しい中、ご返信ありがとうございます!

ネット上のお付き合いとはいえ、タマティーさんには
絶対にご報告させて頂きたいと思っていたのでほっ
としています。

養育費がある分、今は独立してとても頑張って
頂いています。
(私がかなりお尻を叩きましたが笑)

33歳だし、すぐに子供を産みなさいとアドバイス頂くかと
思っていたのですが、1年は夫婦で足固めをしたいと思い
ます!!

あと結婚式なのですが、彼はともかく私は初婚です。
20代の時のような結婚式の憧れは全くなくなりました
が、(苦笑)形式だけでも取った方がいいのか悩んで
います。

以前のタマティーさんの結婚式の記事を拝見して
大きくやるつもりはなく、彼がバツイチのため
やるべきではないのかと悩んでいます。

アドバイス頂ければ幸いです。


投稿: ダンボ | 2013年12月 3日 (火) 08時10分

ダンボさん、返事が速ェ~!crying
速攻だよ。

ビジネスができる人は返事が速いです!

結婚式は挙げた方がいいよ。
相手がバツイチだといっても、初婚に失敗したんだから文句言うなって!
それにダンボさんは結婚式を挙げて、両親にお別れ言わないと、親から精神的に自立できませんからね

結婚式は規模は小さくして、その代わり質を高くして、二人が納得のいく結婚式をやればいいんですよ。

因みにハネムーンは是非とも「「断食ムーン」をどうぞ。

投稿: タマティー | 2013年12月 3日 (火) 17時01分

ご返信ありがとうございます!

自宅で仕事をしているため、自由に時間を作れるので

たまたま早かっただけですsweat01

暇人みたいで、なんだかお恥ずかしいです。。。

結婚式は小さく充実したものを挙げていきたいと

思います。

断食は彼とものすごくはまってます!!

タマティーさんのフルーツ断食と朝の排便を一緒に

やっているのですが、彼も体調がものすごくよく

なったと言っています!!

これからの投稿も楽しみにしていますね!

投稿: ダンボ | 2013年12月 3日 (火) 21時30分

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