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『うちの3姉妹』増刊号 ~結婚はロールプレイングゲーム?~

●シリーズ化とダイジェスト版

 面白い本というのはシリーズ化される可能性がある。読者たちが「この本の続きを読みたい!」と言い出してくれば、出版社だって作者に次の作品を書かせ、そしてシリーズ化して行くことになる。尤も読者たちにその需要がないのに出版社が金儲け目当てでシリーズ化してしまうと、大抵が糞詰まらない物となる。

 シリーズ化されている本は基本的に面白いと考えていいのだが、シリーズが続くと、「このシリーズの内容ってなんだっけ?」という疑問が生じて来てしまうのだ。そこで登場してくるのが「ダイジェスト版」なのである。ダイジェスト版を出しているシリーズは本当に面白い物なのである。

 松本ぷりっつさんの『うちの3姉妹』は第一巻からして面白いのだが、その面白さが第16巻まで続いたから本当に凄い。なんでこんなことができたのかというと、ブログで記事を公開し、その中から面白い物を選んで編集したからなのである。

 『うちの3姉妹』は面白いのだから、ダイジェスト版が出るだろうと思っていたらやはり出た。それが、

『うちの3姉妹増刊号 思い出おっぺけぺ』(主婦の友社)

である。しかし今回の主役は「3姉妹」ではなく、「松本ぷりっつ本人」なのである。考えてみれば、松本ぷりっつ本人こそ『うちの3姉妹』の影の主役であるのだ。

 うちの3姉妹増刊号思い出おっぺけぺ[松本ぷりっつ]

 この『うちの3姉妹増刊号 思い出おっぺけぺ』は『うちの3姉妹』の中で最高傑作である。『うちの3姉妹』全てを読み終えてこの本を読んでしまうと、本当に『うちの3姉妹』の面白さが解って来る。自分の人生をちゃんと楽しんでいる母親だからこそ、その娘たちだって楽しく生きているのである。

 「どんな状況下でも笑いを見つければ人生面白い」

ということなのである。

●トキメキよりチームワーク

 この本の中で最も素晴らしい所は、

「私たちの結婚」

と言う結婚のエピソードを書いた記事である。結婚をロールプレイングゲームに譬えているのだが、最初これを読んだ時、「なんじゃこりゃ?」と思ってしまったが、その内容たるや絶品である。

 恋愛をすれば胸が高鳴るようなトキメキを経験するものだ。最初の頃は何もかもが新鮮でドキドキ、ハラハラしてしまうものである。しかしトキメキは最初だけなのであって、時間が経過すればするほどトキメキは消えて行く。結婚して安定してしまえば、トキメキなんて不要なのである。

 その代わり、

「一緒に過ごす楽しさ」

「相手への思いやり」

「相手を尊敬する気持ち」

という物の方が必要になり、これらがあれば結婚は巧く行くのである。結婚し続けるのであるならば、

「トキメキではなく、チームワークの方が大事」

ということになる。トキメキがどうのこう言っている時点で、その人には経験値が貯まっていないということなのである。

 これを読んでつくづく思ったのは、この世の中には恋愛ばかり称賛して、恋愛の初期に起こるトキメキばかりを追い求めようとする人たちがいるということなのである。厄介なことに女性作家たちの中にはそれを恋愛小説として書いて来るし、女性漫画家なら恋愛漫画として描いて来るのである。

 そうなるとそれを読んだ女性たちは、トキメキこそ大事と思い込むようになってしまい、それで恋愛を結婚へと昇華できず、たとえ結婚したとしてもその結婚を巧く行うことができず、離婚という結果に終わってしまう。なんとも無責任な話である。

●女性は赤ちゃんを生み育てないと絶対に成熟してこない

 松本ぷりっつ本人は幼稚園の先生をやっていたので、結婚する前から子供を扱うことに慣れていたのだが、それでも自分が赤ちゃんを産んでみると、その育児が大変であるということ気付く。

「<保育>と<育児>は全然違うんだ!」

これが解ったからこそ、『うちの3姉妹』は育児をしている母親たちに非常に強力な説得力を持つのである。

 出産は大変である。妊婦は出産後に産褥熱で死ぬ可能性がある以上、出産はまさに命懸けである。そして赤ちゃんを産んでしまえば、常に育児をし続けなければならないのであって、大変なことは幾らでも起こって来る。母親たちの中にはその大変なことばかり取り上げる人たちがいるのだが、

「大変なことがあるからこそ感動は大きい」

ということを完全に忘れているのだ。

 出産は大変であるかもしれない。しかし大変だからこそ感動は大きいのであって、その感動を味わったのなら、「もう1回味わってみたい!」と思うものだ。育児なんかは日々それはもう大変かもしれない。だが子供たちはその大変さを全て吹き飛ばすくらいに感動なことを与えてくれるのである。

 母親であるなら、3人赤ちゃんを産んでやっと1人前になれるものなのである。3人も赤ちゃんを産んだということは、その母親が出産や育児で感動したからこそ3人も赤ちゃんを産んだのである。子供の数が1人や2人ではまだまだなのである。

 大変な事を拒絶しているようでは「未熟者」というしかない。自分にとって大変なことをやらないと、実力がつかないし、それに感動を味わうことができない。自分が成熟していくためには、地道に大変なことをやり続けていって、感動を味わって行くしかないのである。

●人生の宝箱、人生の落とし穴、そして感謝

 人間の人生は「人生の宝箱」を見つける旅なのである。人生の宝箱を見つけるためには旅に出なければならず、旅に出ない人はどうやったとしても見つけることができない。旅に出た人だけが旅の途中で人生の宝箱を見つけ、自分の人生を豊かにして行くのである。

 人生は人生の宝箱がある反面、「人生の落とし穴」もあるのであって、そこをどう乗り切るかが大事なのである。松本ぷりっつさんの場合、中学生の時は暴力教師から暴力を振るわれ、短大時代には学費を稼ぐためにバイト三昧をしたり、幼稚園の先生自体には園児たちによって翻弄されたりと、それなりの苦労はちゃんと経験しているのである。

 そういうメリハリのある人生を歩んできたからこそ、結婚でき、子供たちが生まれ、一人で生きていては絶対に味わえない感動を味わうことができたのである。子供たちは出生時からどんどん成長していくから、その幸せは時間と共に大きくなっていくのである。

 こんなに楽しい人生を送っていれば、当然に「感謝」できるようになる。今となっては自分に暴力を振るった教師にも感謝できるようになるのである。尤も生徒に暴力を振るうのは教師として失格なのだが、ああいう嫌なことがあったからこそ、松本ぷりっつさんは子供たちに暴力を振るわない母親になったとも言える。

 松本ぷりっつさんは「子供の面白さ」に気付いたからこそ、『うちの3姉妹』を書いたのである。児童虐待とかを持ち出して来る人がいるものだが、そういう人は子供の面白さに気付けていない人なのである。どんな人にも人生は限られた時間しかないのだから、面白いをことを見つけ出してそれを楽しまないと、時間はアッという間に過ぎ去り、人生は苦しみだらけで終わってしまうものなのである。

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コメント

今回もまた読んで良かった~と思える記事ですね(*^_^*)
人生楽しく、愉快にと心掛けたいものです!うちの3姉妹、読んだことがなかったので、今度読んでみます!
出産も育児も大変ですが、今は楽しいです!産んだ直後はもう産めないと思いましたが、もう既に2人目もほしいなと思っています。不思議なもんです。

投稿: たかみん | 2014年2月26日 (水) 23時21分

タマティーさん、こんにちは。
以前、次女出産時に一度、アドバイスを頂き、
ありがとうございました!!

その後、順調に二人育児をしていましたが、
先日、自分のミスで、1歳の次女の顎と胸に
火傷をさせてしまいました。
電球を替えるときに間違えてショートして、
その小さい金属片が娘に落ちてしまったのです。

痕が残らないか心配だし、痛々しくて、
見てると泣けてきます。
私が泣くと上の子も泣いてしまいます。
どうしてこんな馬鹿なことをしてしまったのか。。。
他にも最近、次女は小さな怪我が多くて、
私はちゃんとこの子達を育てていけるのか
不安になってしまいました。

今年から私は天中殺なのも関係しているでしょうか?
時々、地元の神社に家族の健康を願って、お参りしています。

気を強く持って、無事に子供達を育てられるように、
またアドバイスを頂けないでしょうか?

うちの三姉妹シリーズ、読んだことがありませんでした。
今日、買ってきて読んでみます!
いい気分転換になりそうです。

投稿: なつ | 2014年2月27日 (木) 10時20分

なつさん、天中殺の時はそういう不注意なことから、悲惨な事故になってしまう場合もあるので、用心することですよ。

墓参りに行くのが一番良いんじゃないかな?

電球がショートして事故が起こったのは、自分よりも頭の上だから、神様とかご先祖様が何かを知らせているのでしょう。
神社に参拝している以上、足らんのは墓参りだけです。

投稿: タマティー | 2014年2月27日 (木) 16時59分

タマティーさんはじめまして、こんにちは!
2才と生後4ヶ月の息子がおり、次男の妊娠中にタマティーさんのブログを見つけ、過去記事などじっくり読ませていただいております。
トマトでギャバ三昧!の記事が一番大好きです
うちの三姉妹は超面白いですが、私自身毎日の育児がいっぱいいっぱいなので、読むと体力を非常に奪われるので育児が落ち着いたらゆっくり読みたいです。
次男のことで相談させていただきたいのですが、昨日4ヶ月検診があり、股関節の開きが悪いとのことで病院にかかるよう紹介状を渡されました。病院ではレントゲンをとることになりますが、私は息子にレントゲンを使わせたくありません。レントゲンは撮るべきなのでしょうか?どのように拒否したらいいのでしょうか。
お時間ありますときに返信いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

投稿: えみこ | 2014年2月27日 (木) 17時07分

えみこさん、レントゲンなんて絶対やっちゃダメ!
紹介状を貰っても無視!

第二子はなぜだが、下半身に問題を抱えたり、成長が遅かったりします。
多分、第一子の妊娠出産授乳で体内の栄養が奪われたからなんだろうけど、第二子を育てる時は、普通の子よりも遥かに成長が遅いと思った方がいい。

大体、生後4ヵ月で股関節がどうのこうの言っても、今は使わないじゃん。
レントゲンより母乳です。
これこそ赤ちゃんにとって最強のパワー!

投稿: タマティー | 2014年2月27日 (木) 17時18分

タマティーさん、お返事ありがとうございます!
今、レントゲンを撮らないことでのちに何か取り返しのつかないことになるのでは、と不安になる気持ちもあるのですが…ゆっくりが次男の成長速度なのだと、私もゆっくり見守りたいと思います
今のところ完全母乳です
長男の反抗期に毎日翻弄されておりましが、自分の体調にも気をつけて育児がんばりたいと思います。本当は、毎日がとてもつらいです…

投稿: えみこ | 2014年2月27日 (木) 17時35分

タマティーさん、お返事ありがとうございます!!!

なるほど、墓参りですね!
遠いので、年に一回、お盆にしか行けていないです。
すぐには行けませんが、春休みくらいに行って、
ご加護をお願いしてきます!!

落ち込むことでしたが、話を聞いて頂き、
前向きになれました。
ありがとうございました!!!

3姉妹の本、途中までですが読みました。おもしろいです!
うちも大学の同級生で付き合いはじめて結婚したので、
親友で戦友のようなところ、分かりますね(笑)

投稿: なつ | 2014年2月28日 (金) 00時14分

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