にしん蕎麦の来歴
●京都の人間がにしん蕎麦に涙する?
俺の父親は京都が好きで、一時期実際に京都に住んだことがあるくらい好きで、子供たちが出来てからは度々家族を連れて京都に旅行しに行った。京都は1日で回り切れるものではなく、それに何度行っても味わいがある都市なので、幾ら行っても飽きることはないのだ。
俺自身も高校生や大学生の時には京都に旅行しに行った。典型的な貧乏旅行で、旅費を抑えるために宿屋には泊らず、1晩中出歩いていたりした。あれは若いからできたのであって、今となってはもう絶対にできない。そのお陰か、金のかからない京都旅行なら普通の人たちよりは詳しくなった。
それだけ京都のことを知っているのに、俺が或る時期まで知らなかったのが「にしん蕎麦」である。にしん蕎麦のことを知ったのは、弘兼憲史のマンガで、京都出身の男性が涙を流しながらにしん蕎麦を食べるシーンを見た時であった。
「はぁ?」
京都の人間がにしん蕎麦に涙を流すというのが全く理解できなかった。京都の人間は着道楽といって服装にお金をかけて、その代わり食事が質素するか、逆に食通になって美味しい料理を食べまくるか、その2つに1つだからだ。にしん蕎麦程度の物で涙を流すことなんて絶対に有り得ないのである。
京都に行けば解るが、京都の料理は美味しいし、見た目にも優れているのである。にしん蕎麦は京都の料理にしては洗練されていない。見た目がグロテスクである。それに蕎麦とにしんを組み合わせる必要性はない。食べた所でそれほど美味しいわけではない。
厄介なことに、東京のテレビ局で京都を紹介したりする番組があると、かなり高い頻度でにしん蕎麦が出て来たりするのである。このため京都といえばにしん蕎麦と勘違いしている人たちは全国にかなりいることになってしまうのだ。実際に京都に行けばそれは嘘だと解るのにである。
●実は明治になってから出来た
俺にとってにしん蕎麦は長らく謎であったが、今回、にしん蕎麦のことを調べてみた。にしん蕎麦は明治15年に「松葉」の二代目「松野与三吉」が発案した物で、大した歴史はないのだ。というか、この「松葉」は現在も存続しているので、にしん蕎麦を食べたいのなら「松葉」に行って食うべきであろう。
どんな料理でもそうだが、オリジナルが一番美味しいのである。松葉がチェーン店のようににしん蕎麦屋を広げて行けば美味しいにしん蕎麦が広まっただろうが、そうではなく、他の連中が物真似してにしん蕎麦屋を開いたからこそ、松葉以外ではそれほど美味しくはないのである。
京都市は海に接していないので、魚料理に関して長けていない。刺身など無理で、魚を保存食にしないと京都では食べることができなかったのである。その歴史を踏まえると、にしん蕎麦を肯定することができるのだが、東京のように海に接している所ではそんな料理は要らないのである。
魚料理は刺身が一番で、その次や焼きである。魚を油で揚げたり、甘露煮にしたりすると、その分だけ魚の旨味が低下してしまうのである。ただ油であげたり甘露煮にしたりすると、魚をまるごと食べることができるので、その点は良いのである。魚が不足している京都では魚を丸ごと食うことを考えてくるのである。
にしんは明治の頃は大量に取れた魚である。それが乱獲で一時期絶滅の危機にまで陥ってしまった。そのためにしん蕎麦が出来た時は平凡な料理だったのだろうが、にしんの漁獲量が激減した後では逆にそれで高級感が出て来てしまったのである。
●蕎麦の歴史
日本に於いて蕎麦の歴史は非常に古い。伝承では蕎麦はスサノオが広めたと言われている。とするなら稲作の普及と同時に蕎麦も普及して行ったのである。スサノオは神代に於いて朝鮮に攻め入ったので、その際に獲って来た物であろう。蕎麦は痩せた土地でも育つので、人口増大に大きく貢献したと思う。
神代の蕎麦は恐らく今食べている蕎麦とは違う。スサノオが取って来た蕎麦はモンゴルから伝来してきた蕎麦なので、寧ろモンゴルの蕎麦の方が近い筈だ。もしも日本国内で残っているとしたら、長野県で取れる物であろうと思う。ここはタケミカヅチが逃げ込んだ所なので、神代の蕎麦が残っている可能性が高いのだ。
日本人の主食は「お米」だと思っていると、日本史に対して完全な誤解をしてしまうことになる。日本の農業は二毛作なのであって、夏にお米を作り、冬に麦を作る。それ以外に「粟」「稗」「黍」を作り、雑穀としてご飯を食べていたのである。そして保険として「蕎麦」を植えて、飢饉に備えたのである。
日本史では享保の大飢饉、天明の大飢饉、天保の大飢饉と江戸時代に大飢饉が三連発するのだが、これは江戸幕府が米石制を採用して、稲作ばかり奨励したので、それで飢饉対策として蕎麦を植えず、その状態で気候変動が起こると呆気なく大飢饉が発生してしまっただけなのである。
五穀の中でお米は一番美味しいのだが、お米ばかり食べていると日本人の中には糖尿病に罹る人たちが出て来る。日本人の体は未だにお米に対応しきれていないのである。糖尿病患者に雑穀飯でも食わしていれば、糖尿病を解消させて行くことができるものなのである。
●蕎麦は「ざる蕎麦」に限る!
蕎麦は完全栄養食品である、蕎麦を食べるだけで栄養は足りてしまう。だから蕎麦だけを食べればいい。蕎麦に何かを組み合わせる場合、それが本当に必要な物でないとただ単に邪魔なだけになってしまい、そのためにランクを下げてしまうのである。
①ざる蕎麦
ざる蕎麦こそ蕎麦の最高峰である。ざる蕎麦は薬味としてネギや海苔を使うが、これによって味が一層引き立つことになるのだ。ざる蕎麦を食べ終わった後は蕎麦湯を飲むべきであって、これを飲むと栄養的には完璧になる。実にシンプルであって、これに勝る物はないのだ。
②天麩羅蕎麦
ビタミンの中には脂溶性の物があるので、蕎麦と植物油の組み合わせは良い物となる。それで天麩羅蕎麦が出て来る。天カスをどんどん入れると美味しくなるのは、蕎麦と植物油の相性が良いからなのである。蕎麦にオリーブ油をかけて食うと、これが意外と美味しい。
③蕎麦掻き
蕎麦の料理は具がなくても成立する。それが長所であると同時に欠点でもある。そこで蕎麦のメインから外し、具沢山の蕎麦掻きというようにすると、蕎麦料理を違う観点から楽しめることができる。蕎麦掻きは飽くまでも蕎麦が脇役なので、蕎麦の量を増やし過ぎてはならないのである。
蕎麦がうどんやラーメンに比べてメニューが少ないのは、蕎麦は完全栄養食品であることの起因している。うどんやラーメンはそれ自体が栄養不足にあるので、それで様々な物を付け足していかなければならないのである。メニューが多いのは決してそれが優れているのではなく、逆に食材として欠点があるということを暴露しているようなものなのである。
●「蕎麦を名物にすると都市が繁栄する」
蕎麦は日本人がそれこそ神代から食べているので、「蕎麦を名物にすると年が繁栄する」という現象が必ず起こって来る。特産品として蕎麦を作ると、それを目当てに人々が集まって来るので、それで都市が繁栄してしまうのである。それに蕎麦はうどんやラーメンと違って、そんなに汚水や生ゴミを発生させないので、それで環境にも優しいのである。
「にしん蕎麦」でも京都の特産品になったのはそれが蕎麦だったからなのである。京都の料理は漬物からして美味いので、美味しい物は全部揃っているのである。しかし蕎麦料理だけがなかったのであり、それで松葉がにしん蕎麦を考案すると、意外にもヒットしてしまったのである。
因みに東京は「蕎麦のメッカ」である。東京が首都の座を維持できているのは、東京には蕎麦屋が大量に存在しているからなのである。しかも美味い。濃いツユのお蕎麦が嫌いという人でも、東京の蕎麦は美味しいと思ってしまうのである。
地方自治体は観光客を呼び込もうと様々なことをやっているのだが、なかなか巧く行っていない。確かに地方自治体が宣伝すれば、それに連れられて観光客はやってくることだろう。だが宣伝をやめてしまえば観光客は激減してしまうのである。ということは東京や京都みたいに魅力のある都市ではないということなのである。
地方都市が繁栄したいのなら、独自の蕎麦料理を作って、それを広めていけばいいのである。京都はにしんの甘露煮という物を活かして蕎麦を作ったからこそ、観光都市として再度ブレイクすることができたのである。地方の良さを活かして独自の蕎麦料理を作れば、それが観光客を呼び込む原動力になり、その都市は発展していくことができるようになるのである。
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コメント
タマティーさま
こんにちは(^o^)/
ほんの気持ちですが、菓子折用意しましたので、もしご迷惑でなければ私のアドレスに送り先をお願いします(^人^)
投稿: 泳美孝 | 2014年5月 6日 (火) 08時24分
泳美孝さん、有難うございます!
こういうことをやってくれたのは泳美孝さんが初めてです。
そのお菓子は本当に美味しい物なんだろうなと思います。
しかし運命検定は無償でやっているので、受け取るわけにはいきません。誰からもそういう物を貰ってはいないんです。
泳美孝さんの気持ちだけを有難く頂戴しておきます。
そのお菓子は舅姑にでも贈ってあげなさい。
泳美孝さんの場合、自分の実家は充てにならないので、旦那さんの両親と仲良くしておいた方がいいです。
投稿: タマティー | 2014年5月 7日 (水) 07時37分