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絵本の読み聞かせは話芸なり

●話には最適の時間が存在する

 人間は喋ろうと思えば幾らでも喋り続けることができるのだが、話には最適の時間という物が存在する。人間の話という物は人間自身が考える以上に短い物なのであって、人間はその短い内容の話しか相手に伝えることはできないのである。

 お笑いでは、

漫才は3分

漫談は5分

コントは7分

が最適の時間となる。全部10分以内なのであって、それ以上ではないのだ。笑いで核となっているのはこの程度の時間なのであって、これがきちんとできていないと、より長い時間の笑いに耐えることができなくなってしまうのである。

 絵本も10分以内で終わる物である。絵本を1時間かけて読む母親はどこにも存在しない。だからダラダラと絵本を読むのではなく、スピード感を持って読んでいかないと、絵本の面白さを我が子に伝えて行くことができないのである。

 自分が相手に何かを伝えたいからといって、あれこれ言いまくっても相手は聞き入れてくれないものなのである。自分の話の内容を1つか3つに絞り、それだけを伝えて行くようにすべきなのである。それゆえ絵本を読む時は、

「この絵本の作者は一体何を言いたいのだろう?」

と考えて読まないと、子供は絵本の話を理解してくれなくなってしまうのである。

 絵本は作者が半分、母親が半分を担うことで、初めて機能できる代物なのである。それなのに母親に絵本をどう読み聞かせればいいのかを教える教育機関はない。母親たちは「愛情があれば大丈夫」と反論して来るかもしれないが、絵本の読み聞かせが下手な母親たちは大量に存在しているものなのである。

●絵本の読み聞かせの三条件

 絵本の読み聞かせには3条件が存在する。「絵本そのもの」「読解力」「好演力」の三つである。絵本それ自体ソフトであるが、そのソフトをどう活かすかも必要になってくるのである。絵本は作者が作るが、読解力や好演力は母親の側に求められる物である。

①絵本そのもの

 絵本の読み聞かせは絵本それ自体でかなりの部分が決まってしまうことになる。絵本は全て良い物ではなく、絵本としての条件を満たしていない物が大量に含まれている。絵本で本当に良い作品はごく僅かなのであって、本屋で絵本を買う時は絵本を良く吟味してから買うことだ。

 絵本を1冊も買わずに図書館で借りて済ますというのは絶対にやめた方がいい。こういうことをやっていると、絵本の良し悪しが解らなくなってしまうからだ。やはり自分がお金を出して絵本を買うからこそ、下らない絵本を買うことがなくなり、質の高い絵本だけを買うことができるようになるのである。

②読解力

 絵本を読み聞かせるためには、子供の方にではなく、母親の方に読解力が必要になってくる。母親が絵本の内容を理解した上で読み聞かせれば、子供は絵本の内容を理解することができる。絵本はこれだけ短い文章だというのに、絵本の内容を理解できない母親たちは必ず存在するのである。

 絵本作家は結婚しているかどうかが非常に重要な基準になってくる。結婚している絵本作家なら、自宅で育児をしているのだから、愛情溢れる物語を作って来るものなのである。絵本作家が結婚していない場合、変な絵本を作って来る可能性があるので、絵本作家の結婚の有無は絶対に問うべきなのである。

③好演力

 絵本の読み聞かせは、母親に好演力が求められる。演技力ではない。絵本を読み聞かせて、恰もそこに物語の世界があるかのように子供に思わせるのである。母親は女優になったつもりで、正確には「声優」にでもなったつもりで読み聞かせればいいのである。

 母親が絶対にやってはならないのは棒読みである。この手の人は国語の成績が悪かった人であろう。絵本の内容がきちんと解っていれば、抑揚を付けることができるようになるので、それで子供は母親の話を聞いて大喜びすることになるのである。

●絵本を使って会話する

 子供がまだ会話できない時、とにかく内容のある話は10分以内で終わるということを覚えさせるようにすることだ。子供によっては、静かに聞いていたり、声を出したり手出ししたりする者もいるが、少なくとも母親が自分に物語を読み聞かせていることぐらいは理解できているのである。

 子供が会話できるようになったら、絵本を使って会話してみることだ。

「あなたが主人公だったらどうする?」

と主人公を自分に置き変えさせると、実に様々な意見を言って来ることになる。絵本の主人公と自分との距離を消滅させてしまうというのが、絵本の内容をちゃんと理解することができることの早道なのである。

 子供の想像力は大人の想像力を超える。母親は人生の先輩だから、どう考え、どう行動するのが最善であるかを理解している。しかし子供は経験値が少ないのだから、突飛なことを言い出して来るものなのである。それを楽しむくらいの余裕が必要なのである。

 絵本を読み聞かせて、はい終わりでは、読解力が向上していく訳がないのである。子供は真剣になって聞くが、真剣に記憶を喪失していくということも平気でやってのける。その自分の小さな頭で考えさせるからこそ、絵本を読み聞かされた後、その物語を記憶して行くことができるのである。

 絵本を子供を眠らせるための道具として使えるものだが、それは絵本本来の役割ではない。忙しいからといって、絵本をそういう機会でしか使っていないと、子供の脳は成長していかないのだ。1日の内に、絵本をじっくりと読み聞かせる時間を設けることは、育児に於いてとっても重要なことなのである。

●絵本の読み聞かせが巧くなるコツ

 絵本の読み聞かせが巧くなるコツは、「同じ絵本を何度も読み聞かせる」しかない。母親自身、絵本の内容をきちんと理解していない場合がある。何度か読んで行く内に、「あ、この作者はこういうことを言いたかったんだ~」と解ることだって有り得るのである。

 それに何度も同じ絵本を読み聞かせていくと、問題のある絵本は自然と脱落していくことになる。そのため良い絵本だけが自然と残って行く。良い絵本は無駄な話を全部切り落としているから、自分が読んでみるとその話を良く理解できるし、子供たちだって喜んでくれるのである。

 子供の方も自分が好きな話は何度も読んで貰いたいので母親にせがむものだ。子供はその物語を知っているが、再度、母親に読んで貰うことでより読解力を深めて行くことができるのである。まだ読み書きできないのだが、読み書きを覚える前にこういう経験をしていたからこそ、いざ勉強をし始めると国語力が急上昇して行くことになるのである。

 子供も自分で文字が読めるようになれば、母親に絵本を読んで貰うことをせがまなくなる。ということは母親が絵本を子供に読んであげる期間というのは実に短いものなのである。だからその期間を大事にすべきであって、決して疎かにしてはならないのである。

 絵本の読み聞かせは話芸である。話芸というからには母親が如何なる時に読んでも子供たちに喜んで貰わねばならないのである。話芸は同じ話を何度も喋り、その話の内容を洗練させて行くからこそ、他の人が読むより素晴らしいということになるのである。こういうことは地道に努力していれば自然と出来るものだから、インチキをせずに絵本を読み聞かせて行けばいいのである。

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